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インドネシア モスクで星空上映会

2018-02-06 07:00:00 | 報道/ニュース

1月19日 キャッチ!


インドネシア西ジャワ州西バンドン県。
1928年当時 インドネシアを統治していたオランダがこの地に天文台を建設。
以来バンドンは“インドネシア天文学発祥の地”して知られている。
天文台はバンドン工科大学の施設として今でも現役である。
この天文台で研究していたこともあるヘンドロ・ストヤントさん(44)は
天文学者であると同時にイスラム教の聖職者でもある。
去年 自宅の敷地にあるモスクを建設した。
このモスクの中ではプラネタリウムを鑑賞することができる。
礼拝を行う施設でありながら星空を上映できるモスク。
この日は地元の高校などから多くの子どもたちが訪れていた。
礼拝所を表す「ムショラ」と「プラネタリウム」を合わせて
「ムショラトリウム」と呼ばれている。
子どもなら約40人が収容できる。
(ヘンドロ・ストヤントさん)
「水星はとても熱く気温は昼でも500度まで上がります。
 なぜかというと大気がとても厚いからです。
 もし卵焼きを作ろうと思ったら
 割っておけばすぐに出来ます。」
太陽系の惑星や宇宙の起源をわかりやすく説明するヘンドロさんの話に
子どもたちは熱心に聞き入っていた。
(生徒)
「宙についてより深く理解できました。
 将来は宇宙飛行士になりたいです。」
引率の教師も満足の様子だった。
(教師)
「生徒たちはこれを機会に
 もっと天文学を学びたいと思ったはずです。」
ヘンドロさんが天文学に興味を持ったきっかけは幼い頃に見た神秘的な日食である。
以来 天体の不思議に魅せられてきた。
バンドン工科大学に進学し天文学を専攻したヘンドロさんは
2003年ごろ群馬大学にも留学した。
群馬県には日本で有数の天文台がある。
ヘンドロさんは聖職者になってからも個人的に観測を続けるために
4年前に自宅に望遠鏡を設置。
すぐさまうわさを聞き付けた近所の子どもたちがやって来たが
望遠鏡をのぞいて彼らが生き生きとした表情をするのを見たのをきっかけに
ヘンドロさんは子どもたちに天文学を教える活動を始めた。
ヘンドロさんお手製の日食観測用サングラスは
地域住民と行なった日食観測会で生かされた。
地域社会に天文学への興味が広がるなか
ヘンドロさんは天候に左右されずに子どもたちが天文学を学べるプラネタリウムの建設を決心する。
(ヘンドロ・ストヤントさん)
「国内にはプラネタリウムは6つしかなく
 天文学を学ぶ環境が整っていません。
 このようなムショラトリウムがもっと必要なのです。」
決心はしたものの
問題はプラネタリウムの建築と
インドネシアでは手に入らないプロジェクターなど機材の購入費用約500万円の調達だった。
ヘンドロさんは天文学の学会やイスラム教の団体などに支援を訴えた。
“子どもたちへの教育”という目的やヘンドロさんの熱意が賛同を得て
寄付金も集まり
構想からわずか1年半でムショラトリウムは完成した。
今では週6日 地元の小学校などから多くの子どもたちが訪れる。
(ヘンドロ・ストヤントさん)
「多くの生徒たちが自然科学の知識がないままここを訪れますが
 彼らは簡単に宇宙の仕組みを理解します。
 積極的に学び質問する姿を見るととても刺激を受けます。」
インドネシアの天文学八所の地にある小さなプラネタリウム。
きょうも子どもたちを雄大な宇宙の旅にいざなっている。


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