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ベトナム進出 日本企業の現場

2017-03-23 07:15:00 | 報道/ニュース

3月2日 国際報道2017


ベトナムと日本が国交を樹立してから40年余。
いま両国の関係は経済を中心に急速に深まっている。
ここ10年 7%前後の経済成長を続けているベトナム。
日本企業の進出も加速している。
現地の日本商工会に登録している日本企業はこの10年で3倍に急増。
1,600社余に達している。
その数はASEANの中で最も多いタイに迫る勢いである。
この背景には
ベトナムは政情不安が続くタイに比べて政治が安定していること。
そして人件費が高騰している中国よりも安く若い人材が雇えることなどがあり
新たな生産拠点として期待されている。

ベトナム最大の都市ホーチミン。
この町にユニークなホテルが登場した。
ホーチミンの中心部に去年オープンしたホテル。
日本人ビジネスマンに疲れを癒してもらおうと屋上には露天風呂がある。
いまベトナムでは増加する日本人ビジネスマンをターゲットに
こうした宿泊施設が次々と出来ている。
化粧品や食品メーカーなど
ベトナムに進出する日本企業は1,600社余。
毎年約100社が新たに進出している。
アパレル資材メーカー。
取引先の大手縫製メーカーが次々とベトナムに進出するなか
製品をより早く納品できるよう一昨年進出し
現地での生産を始めた。
ベトナムの最大の魅力は人材だという。
人口約9,300万の半数近くが30歳以下と
若い人材が豊富に確保できる。
この会社では2つの工場を稼働させているが
今後さらに拡大する予定である。
(アパレル資材メーカー 江澤幸将さん)
「ベトナムの人材は勤勉でまじめな印象をすごく受けます。
 非常に細かい仕事をしてくれているという印象です。」
日本企業のベトナム進出をさらに後押ししているのが
日本で働いた経験を持つ人材の多さである。
ホーチミン郊外にある部品加工メーカー。
日本の中小企業3社が出資して設立した。
出資した日本企業が現地の社長に選んだのは
かつて日本で技能実習生として学んだベトナム人のレ・バン・ティエンさん(32)。
(親会社社長 柿沼正博さん)
「彼は我々と同じような考え方を持っていますから
 すごくすばらしいと思います。
 レ・バン・ティエン社長を信頼してマネジメントをすべて任せています。」
社長に抜擢されたティエンさん。
ティエンさんは
2007年から3年間
技能実習生として群馬県太田市の金属加工の企業で働いた。
日本で働きながら学ぶ技能実習制度。
中国からの実習生が頭打ちとなる一方
ベトナムからの実習生は急増。
今後 中国を追い抜くと見られている。
90年代に制度が始まってから
日本で学んだベトナム人は合わせて10万人以上にのぼる。
日本とベトナムの両方の事情を知るティエンさんのような元実習生は
ベトナムに進出しようとする日本企業にとって大きな戦力になっている。
(レ・バン・ティエン社長)
「みなさん
 不良品があったときの対応こそ最も重要です。」
ティエンさんの会社は日本企業のやり方を取り入れ
設立から3年目で黒字を達成した。
今後はさらに事業を拡大しようとしている。
(部品加工メーカー ティエン社長)
「3年間で機械加工はもちろん
 日本人の考え方やり方を勉強しました。
 日本人のやり方をベトナムでやりたいと思います。」
一方 ベトナム側が日本に期待をかけているのが介護の分野である。
ベトナム北部にある看護大学。
今年1月に新たに日本語のコースを新設した。
去年日本で法律が改正され
ベトナムからの介護人材の派遣が本格化すると見込んでいる。
(学生)
「ベトナムを発展させるため
 日本に行って理解を深めたいです。」
大阪から介護施設の代表が視察に訪れた。
求人を出してもほとんど応募がなく
深刻化する人材不足を解消するにはベトナムの若い労働力を借りるしかないと考えている。
(介護施設代表 中尾俊平さん)
「介護の技術や知識はこれからだと思います。
 日本に来て
 自分の力を介護の世界で生かしたいと思ってくれる気持ちはすごく感じたので
 早く日本に来ていただきたいというイメージがすごく持てました。」
大学では
今後日本から講師を招き
食事の解除や着替えの手伝いなど介護についても本格的に教える予定である。
(看護大学 副学長)
「日本で働きたいというニーズはとても高いです。」
高齢化が進む日本と
若い人材が豊富なベトナム。
新たな分野で連携が進み始めている。


 

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