わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 220 殺す、絞める、刺す、切る、叩く等の陶芸用語とは2?。

2016-01-28 22:01:15 | 素朴な疑問
3) 泥を塗る、濡れ衣を着せる。

 「泥を塗る」とは不穏な感じが漂います。特に「顔に泥を塗る」とも成れば、一悶着ありそうな

 雰囲気に成るかも知れません。但し、陶芸では、泥を塗る行為は、極一般的に行われています。

 ① 顔に泥を塗る事は、珍しい事ではありません。

  温泉地によっては、泥湯を売り物にしている所もあります。湯船や露天風呂の底に溜まった泥を

  顔や体全体に塗りまくります。泥には美容効果がありますので、特にご婦人方には、肌が「スベ

  スベ」になると、好評を博しています。泥は化粧品の中にも微量に含まれていると言う話を聞い

  た事があります。それだけ肌に優しい鉱物です。

 ② 陶芸では、泥は使う範囲が広く、積極的に使われていますし、泥が無ければ、作業が出来ない

  場面もあります。

  ) 粘土類は、水に溶ける特殊な鉱物とも言われています。粘土類に水を付けて表面を数度

   手で撫ぜるだけで泥は、容易に発生します。

  ) 轆轤挽きには泥が絶対必要です。

   轆轤作業では作品を回転させながら、形を作って行きますが、手や指が轆轤上の土と滑りなが

   ら成形します。滑らす為には、十分な泥が必要に成ります。勿論、水だけでも十分ですが、

   泥(又は泥水)の方が素地に吸い込み難く、吸水による素地の「ヘタリ」を少なくしてくれ

   ます。轆轤作業で怖いのは、水切れです。即ち素地(土)との摩擦が大きくなれば、指を作品に

   引っ掛け易くなり、作品が歪む事に成ります。轆轤作業に慣れない方は、手や指に付いた泥を

   取ろうとし、水桶などの縁で「しごき取ったり」、桶の中で手を洗う傾向にありますが、

   これは間違いです。重要なのは、泥であり水ではありません。

  ) 泥は接着剤として作用します。この場合の泥を「ドベ」又は「ヌタ」と呼びます。

   轆轤作業で出た泥や、乾燥させた土片に水を加えて作り、蓋のある容器に保存しておきます。

   粘土同士の接着方法には、素地の乾燥度合いによって、三つの方法があります。

   a) 十分軟らかい状態であれば、単にお互いを押し当てるだけで接着します。但し合わせ目には

    筋が残りますので、指などで撫ぜて、綺麗に筋(傷)を消します。

   b) ある程度乾燥した状態では、水で付けます。筆や刷毛で接着面(片方又は両方)を濡らし

    圧着して接着します。広い接着面を有する時には、空気を閉じ込めない様に、空気を追い

    出しながら、端から順に貼り付ける必要があります。

   c) 削れる程度に乾燥した場合には、接着面に針(剣先)や金箆(へら)でアヤメ紋の様な

    文様(xxx状)の傷を付け、両面に十分な量の「ドベ」を塗り、摺り込む様に圧着します

    この場合、作品に使われている土と同じ土の泥を使います。さもないと、収縮率の違いで、

    接着面が剥がれる恐れが生じます。

  ) 泥は化粧土として使われます。

   当初、化粧土は文字通り、素地の色の悪さを隠す為に使われていました。即ち、表面を白く

   化粧を施し、色白の焼き物を作りました。白絵土やカオリン等の白い粘土を使います。

   現在では、装飾の一種とされ、各種の色化粧土が存在します。ご自分で調合するか、市販品も

   豊富にあります。 尚、化粧土を使った装飾方法には、刷毛目、三島、粉引、掻き落とし、

   イッチン(スポイト)掛け、等があります。

 ③ 濡れ衣を着せる。

  濡れ衣を着せるとは、無実の人を罪に落とし入れる事をいいます。陶芸ではこの用語は使いま

  せんが、塗れた布を被せる行為は良く行われます。目的は素地や作品の乾燥を遅らす為です。

  作業を途中で中断し、後でその続きを行う場合、素地が乾き過ぎると作業がやり難くなると同時

  に、新たな土を盛っても接着し難くなります。それ故、乾燥し過ぎない様にする為、濡れた布を

  上から被せておきます。

以下次回に続きます。

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