わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 218 陶芸で耳を使う場面とは?。

2016-01-22 22:21:26 | 素朴な疑問
陶芸で耳を使う(音を聞く)場面があるのでしょうか?

一般に、耳は音を聞く又は、聞き分ける器官です。手や指、足などに比べ表にでる機会はさほど多くは

有りませんが、出番は確実にあります。

陶芸に限らず、色々な場面で打音による検査方法が存在します。土木構造物や建築構造物、電車や

自動車などの車両関係などの他、樹木の検査等でも使われています。多くはハンマーなどで、試験物

を叩きその音の高さの差や、他とは異なる音質の違い、内部の共鳴音を聞き正常な音色とは異なる

事で、目に見えない部分の異常を察知する方法です。人間だけでなく、啄木鳥(キツツキ)の仲間も

樹木を突く(つつく)事で、餌になる虫を見つけ出す事ができます。即ち、突く事で、樹木の中に

生息している昆虫類の居場所を見つけ出します。叩く事により、何故異常を発見できるのでしょうか?

専門的検査を担当している方では、長年の経験により、小さな異常も発見できますが、経験の無い

者にも見分ける事が出来るのでしょうか?。

1) 陶芸でも音を使って、色々な物を判別する事があります。

  多くの場合、作品の表面を指(主に中指)で弾き、その音色で判断します。

  作品制作途中に行う場合と、焼き上がった(完成した)作品に行う場合に分れます。

 ① 制作途中に行う場合。

  底や高台脇を削る際、肉厚を直接測る事が不可能な場合に、指で弾き肉厚を判断し、更に削る

  事が可能か、又は十分に削られている、又は削り過ぎている等が判断できます。

  もっとも、削り過ぎた場合には、穴が空いたり、表面が凸凹波打ってきますので、叩かなくても

  判断する事ができます。多くは削り足らない場合に行います。

  ) 作品を伏せた状態で底や高台脇を削りますので、直接肉厚が測れ無いことが多いです。

   勿論、削り出す前に直接指などで、測って置く事も大切ですが、削り出すとどの程度削ったのか

   中々判断出来難くなる物です。

  ) 轆轤をゆっくり回転させたまま、削った周辺の表面全体を、中指などを使って弾きます。

   但し、強く弾くと肉が薄くなっている場合は、凹む事がありますので、最初は軽く弾く事です

   弾いた跡や爪跡が付く様ですと、乾燥不足です。

  ) 肉が厚い場合には高い音(コツコツ)に成り、肉が薄く成るに従い、低い音になります。

   馴れない方はこの違いを聞き分けるのが難しいかも知れません。

  ) 同じ肉厚であっても、底と高台脇とでは、音質が異なります。

   底の方が、高台脇よりも、やや低い音質に成る様です。当然、作品の大きさによって肉厚に

   差を設ける必要がありますし、内部の空洞状態によっても、音色が異なりますので、その違い

   をご自分で会得しなければ成りません。もし周囲に教えを請う人がいたら、意見を聞いて覚

   える事です。

 ② 素地の焼き締まり具合も判断できます。

  高い温度で焼成すれば、高い音になりますし、焼き締まりが悪い素地であれば、低い音になります

  尚、素焼きの状態は、素地の色でも判断できます。甘い素焼きの場合、生の素地に近い色に

  なります。
 
 ③ 完成した(している)作品の縁を弾いて、判断する場合。

  制作途中では、底や高台脇を弾きますが、完成品では、縁を弾く事が多いです。縁を弾く事で

  音が反響しより明瞭に聞く事が出来ます。弾く事で、作品の出来の良し悪しも判断できます。

  ) 磁器と陶器では、弾いた際の音色が違いますので、どちらであるか判断できます。

   勿論、指で弾かなくても、見た目で判断が可能の場合が多いですが、見極めが付かない場合には

   指で弾けば、判断できます。即ち、磁器では澄んだ高い音(金蔵音に近い)となり、陶器では

   鈍い低い音になります。音色が高くなるのは、肉厚が薄い事とも関係しています。

  ) 焼き物は高い温度で焼成する程、焼成に長い時間を掛ける程、土は固く焼き締ります。

   良く焼き締まった素地が珍重されます。それ故高い音がする焼き物は上等の焼き物ともいえます

 ④ 「ヒビや割れ」のある作品を指で弾くと、澄んだ綺麗な音には成りません。

  目に見えない程の細かい「ヒビや割れ」であっても、音を聞くだけで判断できます。

  但し、釉に入る「ヒビ」(貫入る)の場合は、音が変化する訳ではありません。あくまでも

  素地自体に「ヒビや割れ」が発生した場合のみです。「ヒビ」の入った作品を、もう一度施釉し

  て補修する場合もあります。その際にも焼き上げた作品の縁を指で弾き、綺麗な澄んだ音が

   出れば「ヒビ」は釉で塞がり補修が完了した事になります。

尚、電動轆轤は機械ですので、異常音が出ればどこかに不具合が発生している事に成ります。
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