わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

青花(染付) 最後に

2011-08-09 20:30:08 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
青花磁器は、中国元の時代に、景徳鎮で行われたのが、最初と言われています。

イスラムの世界からもたらされて、「酸化コバルト」を用いて、藍色に描かれた作品は、イスラム圏への

輸出品として、生産されます。

特に青色は、イスラム圏で好まれた色であり、作品の形や、文様もイスラムで使われていた銅器大盤を、

陶磁器で再現しようとした物です。

特に我が国で、「芙蓉手」と呼ばれる様式は、盤(大皿)の中央に芙蓉の芯の部分を表し、

その周囲を、花弁に見立てて、幾何学的に分割して、各々の区画に文様を、描いています。

1) 絵付けは当然手描きです。それ故、描き手によって微妙に差があり、同じようには行きません。

   磁器の製作は、分業化しており、生地を作る人、轆轤を挽く人、絵付けをする人、窯を焚く人等と

   分かれていました。絵付けは主に、女性の仕事との事です。一つの作品に。絵付けをするのに、

   数ヶ月を要する事も、有ったようです。

2) 絵柄や文様も、輸出先(需要先)によって、差をつけています。

  一般には、花鳥文、唐草文、牡丹文、龍文、鳳凰文、人物文、蓮池魚文など、吉兆文が選ばれます。

  ① 特に龍文は、古代より、中国を代表する文様です。

   ) 空想上の生物である龍は、雷や竜巻をイメージしたものとも言われて、恐ろしい雷や、落雷を

     もたらしますが、恵みの雨を降らせる、龍神様でもあります。

     更に、最大級の霊力を持ち、皇帝の権威を表す、象徴ともされていました。

   ) 頭は駱駝、角(つの)は鹿、目は鬼、耳は牛、頸は蛇、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、口には髯、

     喉の下には「逆鱗」があり、背中には81枚(9x9)の鱗がある姿をしています。

     元時代では五爪の龍が、皇帝の紋章でり、一般人は使用禁止になっていました。

  ② 鳳凰の絵柄も、目出度い文様ですがは、皇后の象徴とされていました。

    鳳は雄を、凰は雌を表しています。尾羽の姿の違いで、描き分けています。

    雌雄一対で飛び、鳴く事で、天下泰平を願っています。

3) 我が国の染付けの絵柄

   中国の絵付けが、余白を余す処無く、描かれているのに対し、染付けでは、比較的簡単な文様が

   多く、余白を残した描き方をしています。

   即ち、木賊(とくさ)文、秋草文、唐草文、蛸唐草文、市松模様、網目文、青海波(せいがいは)、

   矢羽文、捻り文などが、多い図柄です。又、和紙染めも我が国特有の、絵付け方法です。

   (現在では、安物の陶磁器は、転写紙による、絵付けが主流になっていますが)

4) 青花磁器の終焉

  18世紀に成ると、景徳鎮の青花磁器や、五彩磁器は、従来とはまったく別の物になっていきます。

  即ち、用いられる顔料は複雑になり、伝統的な上絵の顔料に、ガラス粉末を混ぜ合わせ、微妙な

  グラデーションを表現しています。これは、ヨーロッパの無線七宝の技術であり、白と青で表現した

  青花磁器から、カラフルな宝石の様な美しい磁器へと、変化していきます。

  ここに、青花磁器の時代は、終焉を迎える事に成ります。

5) 青花磁器のコレクション

  ① トプカプ宮殿の青花磁器コレクション

    オスマントルコの首都「イスタンブル」の宮殿には、600年に渡り、収集された青花磁器が、

    豊富に(総数20,616点)存在しています。(現在は、宮殿博物館に所蔵)

  ② トウグルク宮殿の元磁器コレクション

    現在のインドの首都デリーに有った、イスラム王朝の、トウグルク宮殿の庭園跡地から、

    大量の、青花磁器が出土します。

    尚、インドでの伝世品の多くは、大英博物館や、ロックフェラーコレクションに、収められて

    います。

  ③ 大英博物館、アルバート美術館(いずれも、英国)

  ④ スエーデン国王の中国陶磁コレクション

  ⑤ ルーブル美術館:フランスの個人のコレクションを、1894年に美術館に寄贈。

    後に、ギメ美術館に移管されます。(清朝磁器を中心に、約三千点余り)

   ・ スイスのジュネーブにある、バウアー・コレクションも、東洋陶磁の屈指のコレクションです。

  ⑥ アメリカのコレクション

   ) フリーア・コレクション:ワシントンD・C

      中国陶磁器とともに、日本の陶磁器や絵画なども、収集されています。

   ) ブランデージ・コレクション:サンフランシスコ

      20世紀以降の、中国陶磁器が中心で、日本人好みの作品が、多いののも、特徴の一つです。

  その他にも、公の美術館や、個人的なコレクションなど、中国陶磁器に関する収集家は、非常に多いです。


以上にて、青花磁器に関する、話を終わります。 次回より、別のテーマで、お話します。

  参考資料: 「中国やきもの入門」別冊太陽 (株式会社 平凡社)
      
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