わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 3 轆轤作業前の予備知識 1

2014-08-21 14:42:00 | 電動ろくろ入門
轆轤作業に入る前に、知っておいた方が良い知識があります。初心者の為に一通り説明します。

1) 粘土と磁土。

  轆轤作業で使う土は、大きく分けて粘土と磁土に分かれますが、磁器を焼く人の割合は極僅かで

  ほとんどの方は、粘土で作っています。

  土には轆轤挽きのし易い土と、轆轤挽きがし難い土があります。

  磁土は、轆轤挽きが大変難しいです。粘土ほどの粘り気がありません。

  更に、磁器は磁肌に汚れや他の色が着く事を極端に嫌いますので、轆轤作業の環境は十分綺麗に

  して置かなければ成りません。

 ・ 今回のテーマで取り扱うのは、粘土を利用した轆轤挽きに限らせて頂ます。

 ① 轆轤挽きに適する土の条件。

  ) 薄く上に伸びてくれる土(粘土)は、轆轤挽きに適する土です。 作品が作り易い土と

    言えます。

  ) 薄く上に伸び難い土は、轆轤作業がし難いです。

    肌理(きめ)の細かい土は、手の触覚が滑らかで、一見轆轤作業がし易い様に見えますが、

    実際には、土が伸びず苦労する土です。上に伸びた土も見る間に縮んで仕舞ます。

    肌理の細かい土は磁土の他に、「半磁器土」や「土鍋土」等があります。

  ) 市販されている粘土類の中で、一番多く使われている土は、信楽の並漉(なみこし)

    と言われる土です。陶芸材料店で比較的安価に購入できます。

    適度の粒子の粗さがあり、白く焼き上がりますので、大物から小物まで轆轤挽きに適します

  ・ 信楽の特漉(とくこし)と呼ばれる粒子の細かい土がありますが、轆轤挽きに手こずります

    轆轤の初心者はなるべく、轆轤挽きのし易い土で練習すると良いでしょう。

  ) 軟らかい土と硬目の土。水の含有量の違いです。

    轆轤挽きする際、軟らかい土は、力も要らず弱い力で、土が伸びてくれます。

    この様な土は小物を作る際には、適しますが一般には使い勝手の悪い土と言えます。

    大物や、背の高い作品を作る事が出来ません。即ち、水の含有量が大きいと、土に腰が無く

    なり、自分自身を支える事が出来なくなります。成形は時間を掛けずに、手早く終了

    させる必要があり、初心者向きではありません。

    硬目の土は強い力を必要としますが、長い時間轆轤作業をする事ができます。

  ) 信楽の古陶土の中には、大粒の「ハゼ石」の入っている土もあります。

    この土を轆轤挽きする際、指を怪我する事もありますので、布や皮を使う必要があります。

    ある意味、使い難い土とも言えます。

  ・ 勿論、最終的には、どの土でも轆轤挽きの出来る腕前に成る事が理想です。

2) 轆轤の回転方向と、回転スピード。

 ① 電動轆轤の場合、スイッチの入れ方で、左右どちらの方向にも回転可能です。

   どちら方向に回転させるかは、轆轤の作業者が自由に決める事ができます。

   当然一方の方法をマスターすれば十分です。

  ) 一般に日本では、右回転(時計方向回転)で使う事が多いです。

   a) 我が国では、電動轆轤以前の轆轤は「手轆轤」を使う事が多かったです。

    轆轤の回転盤の縁に設けられた穴(凹み)に棒を差し込み、手で回転させる方法で、右回転

    の方が操作し易いため、右方向回転になったと言われています。

   b) 成形時と底削り共、右回転で行う方法と、底削りのみを左回転で行う方法があります。

    削る道具である、カンナ類を右手に持つと、左回転の方が削り易いと言う人もいますが、

    要は慣れの問題です。

  ) 海外や日本の一部の地方では、左回転で使っています。

    主な理由は、足を使う蹴り轆轤の使用が多く、左回転の方が自然な行為と成る為です。

  ) 回転方向が異なれば、手の使い方も反対に成ります。

   a) 右回転の場合、器の外側は左手で、内側は右手で触れる事に成ります。左回転では左右の

     手の使い方が逆に成ります。

   b) 轆轤では、外側の手が重要です。

     轆轤は回転する為に常に遠心力が発生します。この遠心力に負けない様に、手の位置を

     しっかり固定できる事が、最も重要です。この位置が振ら付く事は、作品自体が振ら付く

     原因に成ります。尚、この件の詳細は後日お話します。

 ② 回転スピード。

  ) 電動轆轤の場合、轆轤右手側にスピードをコントロールするペダルが付いている形の物が

   多いです。踏み込む量によって回転スピードは速くなります。

   勿論、手動で行える様に、コントロールレバーが付いていますが、ペダルを使えば両手が

   使えます。

  ) 電動轆轤では、回転スピードが重要な要素になります。それ故、スピードを固定せず、

    常に速度調整に気を使います。特に初心者は足への注意が不足し、段々速度が増したり、

    逆に遅くなる傾向が見られます。

  ) 回転スピードが二倍に成ると、遠心力は四倍になります。即ち速度の二乗に比例します。

     直径が大きくなると、半径の長さに比例して遠心力は増えます。

   a) 直径が大きくなるに従い、遠心力は極端に大きくなります。

   b) 轆轤の操作時には、粘土と手の触れるスピードはなるべく一定にしたいです。

     遠心力やスピードが極端に変化すると、肉厚が変化したり、作品が振れる原因になります

   c) 上記問題を解決するには、径が大きくなるに従い、回転スピードを遅くする事です。

     逆に、径が鶴首の様に細くする場合は、回転スピードを速くします。

   d) 作品の径だけではなく、作品を上に伸ばした際に、手が上に行くほど回転スピードを

    落し、振れを押さえる事も重要です。(この件に対しては、後日詳しく述べます。)

3) 轆轤作業に必要な用具類。

以下次回に続きます。
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