わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

懐石道具 徳利 2

2010-06-23 22:35:11 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、茶懐石の徳利について、お話致します。

 酒を飲む際、一献目と、二献目は、必ず燗鍋で、出しますが、その後は、徳利と石杯(ぐい呑み)が、

 用いられます。

3) 徳利の産地

 ③ 祥瑞(しょんずい)の徳利

   1630年代に、中国の景徳鎮で焼かれた、磁器製の焼き物です。

  ) 形は、瓢箪(ひょうたん)型が多く、この形は、中国人の好みで、多く造られています。

     この形が、好まれる理由の一つに、酒を注ぐ際に、「とくとく」と、音が出て、楽しむ事が

     出きる為と、言われています。

  ) 景徳鎮の徳利の特徴は、高台は丸くし、内側をかまぼこ型に、削り出します。

     注ぎ口は、鶴首の様に、やや長めで、表面を面取りした、形もあります。

  ) 藍色の呉須で、表面全体に、緻密に模様が、描かれた、古染付け磁器です。

     (これらも、日本からの注文による物も、多いです。)

 ④ 粉引の徳利

   15~16世紀に、李氏朝鮮に於いて、作品を白化粧土に、「ずぶ漬け」し、透明釉を掛けた陶器が、

   流行します。我が国では、この様に作られた作品を、粉引(こひき)と呼びます。

   粉引の預け徳利が、茶人の間で、人気を博しました。

  ) 粉引の特徴

    柔らかい、土味が特徴で、使い込むほど、酒が肌に浸み込み、いわゆる、「雨漏り」と呼ばれる

    景色が現れ、これを、特に賞賛します。この「雨漏り」が、茶の寂びた趣を、高めます。

    又、粉引は、焼きが甘い為、透明釉が、所々剥落し、これも景色として、珍重されました。

   ) 「らっきょ」型の、徳利は、14世紀に、最初中国で「玉壺春」(ぎょっこしゅん)と呼ばれ、

      流行しますが、やがて朝鮮でも、流行(はやり)出します。

   ) 粉引の中でも、鉄絵の絵粉引が、最上級として、評価されています。

 ⑤ 古九谷の徳利

   古九谷は、景徳鎮の祥瑞を、手本に、製作されます。それ故、瓢(ひさご)型の徳利が、多いです。

   上絵付けで、赤、青、黄の色を使い、唐獅子などの、模様を描いています。

   ・ 五彩手(赤、青、黄、緑、紫)の、徳利が多く、茶懐石を華やかに、演出する一品と成っています。

4) 徳利の形ち

  瓢(ひさご)、鶴首、らっきょ、蕪(かぶら)型、芋(いも)徳利、肩衝(かたつき)、船形、面取り、

  角形などが、あります。

5) 酒(燗)の温度

   一般に、酒は温めて出されます。その際、前述の「チロリ」を、熱湯に入れ、約50℃程度に温め、

   更に、燗鍋や、徳利に移します。それ故、40℃程度に成ると、思われます。

   若干「ぬるい」感じかも、知れません。

   勿論、好みや、季節によって、酒温を調節する事も、可能で、決まりは有りません。


以下次回に続来ます。
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