3) 素地の粗さと色について。
① 粘土の色について。
② 焼成すると色の付く土。
③ その他の粘土類。(以上が前回までの話です。)
④ 粘土の肌理の粗さ。
粘土を選ぶ際、色も大事ですが粒子の粗さも重要です。粒子の粗さ加減によって焼き上
がった作品の印象は大きく左右されます。更に、肌理の細かさは作品に穴を空けたり、
表面を削る等の加工を加える際には、作業のし易さに関係します。更に、粒子の粗さは
焼き締まりにも大きく関係しますので、問題 にしない訳には行きません。市販されている
粘土には、並の他、荒目(粗目)、細目の表示された物も多いです。
ⅰ) 粒子の粗さとは何か?
粘土類は採掘場で掘り出せるのが一般的です。その際乾燥し固まり岩石の状態に成って
います。これを砕き、作陶し易い様に水簸(すいひ)等の処理した物が使用可能になり
ます。
a) 原土とは、採掘場から産出した塊を、機械で砕き適度に細かくし、不純物を取り除
いた後、水を入れて練り土にした物です。多くの場合粗(荒)目となっています。
b) 粒子の細かさは、篩(ふるい)の目の細かさで決まります。
注:篩の目は1インチ内に何個の隙間があるかと言う事で、1インチ内に何本の針金が
通っているかと言う事です。1インチは25.4mmです。
粘土の生成には、泥漿(でいしょう)による水簸が一般的です。即ち大量の水に砕いた
原土を投入し、不純物を除去した後、篩に通して粒子の粗さを選別します。
・ 一般的な粘土(並土)は、60~100目が多いです。
手触りがつるり、又はつるつるした感じです。
・ 特練と呼ばれる粘土は、約120目程度です。
肌理が極端に細かく、細工に適しています。
・ 粗目の土は、約40目程度です。
約20目程度になると「ざらざら感」が強くなります。
尚、粗めを強調する方法に長石粒(はぜ石)を入れるやり方があります。
⑤ 粘土の焼成温度。
a) 粘土の種類によって最適な焼成温度が存在します。陶器の場合、焼成温度は1200~
1250℃が一般的です。多くの場合1230℃で焼成する事が多いです。但し鉄分の多い
土ですと1180~1200℃が多く、焼き締まりの弱い粗めの土は1250℃以上で焼成する事
が多いです。
b) 粒子の細かい土は、焼き締まりが強い傾向にあります。強い事は収縮率が大きい事を
意味し、花瓶など長期に水を蓄える器は、水漏れが少ない事に成ります。
c) 鉄分の多い土を焼成温度を低く抑えるのは、高い温度にすると鉄分が熔媒として働き
土が軟らかくなり、作品が歪んだり、最悪形を保持できず、崩れるのを防ぐ為です。
d) 粗めの土を高めに焼成するのは、素地の焼き締まりが弱く、水漏れなどを起こし易い
のを予防する為です。但し焼き締まり具合は焼成温度のみでなく、焼成時間の長さも
影響しますので、長時間焼成すれば、より強く焼き締まる事になります。
備前土の様に高温に弱い土は低い温度で長時間焼成し、水漏れを防ぎ、強度を増す様に
します。
4) 素地の水分量と乾燥率について。
以下次回に続きます。
① 粘土の色について。
② 焼成すると色の付く土。
③ その他の粘土類。(以上が前回までの話です。)
④ 粘土の肌理の粗さ。
粘土を選ぶ際、色も大事ですが粒子の粗さも重要です。粒子の粗さ加減によって焼き上
がった作品の印象は大きく左右されます。更に、肌理の細かさは作品に穴を空けたり、
表面を削る等の加工を加える際には、作業のし易さに関係します。更に、粒子の粗さは
焼き締まりにも大きく関係しますので、問題 にしない訳には行きません。市販されている
粘土には、並の他、荒目(粗目)、細目の表示された物も多いです。
ⅰ) 粒子の粗さとは何か?
粘土類は採掘場で掘り出せるのが一般的です。その際乾燥し固まり岩石の状態に成って
います。これを砕き、作陶し易い様に水簸(すいひ)等の処理した物が使用可能になり
ます。
a) 原土とは、採掘場から産出した塊を、機械で砕き適度に細かくし、不純物を取り除
いた後、水を入れて練り土にした物です。多くの場合粗(荒)目となっています。
b) 粒子の細かさは、篩(ふるい)の目の細かさで決まります。
注:篩の目は1インチ内に何個の隙間があるかと言う事で、1インチ内に何本の針金が
通っているかと言う事です。1インチは25.4mmです。
粘土の生成には、泥漿(でいしょう)による水簸が一般的です。即ち大量の水に砕いた
原土を投入し、不純物を除去した後、篩に通して粒子の粗さを選別します。
・ 一般的な粘土(並土)は、60~100目が多いです。
手触りがつるり、又はつるつるした感じです。
・ 特練と呼ばれる粘土は、約120目程度です。
肌理が極端に細かく、細工に適しています。
・ 粗目の土は、約40目程度です。
約20目程度になると「ざらざら感」が強くなります。
尚、粗めを強調する方法に長石粒(はぜ石)を入れるやり方があります。
⑤ 粘土の焼成温度。
a) 粘土の種類によって最適な焼成温度が存在します。陶器の場合、焼成温度は1200~
1250℃が一般的です。多くの場合1230℃で焼成する事が多いです。但し鉄分の多い
土ですと1180~1200℃が多く、焼き締まりの弱い粗めの土は1250℃以上で焼成する事
が多いです。
b) 粒子の細かい土は、焼き締まりが強い傾向にあります。強い事は収縮率が大きい事を
意味し、花瓶など長期に水を蓄える器は、水漏れが少ない事に成ります。
c) 鉄分の多い土を焼成温度を低く抑えるのは、高い温度にすると鉄分が熔媒として働き
土が軟らかくなり、作品が歪んだり、最悪形を保持できず、崩れるのを防ぐ為です。
d) 粗めの土を高めに焼成するのは、素地の焼き締まりが弱く、水漏れなどを起こし易い
のを予防する為です。但し焼き締まり具合は焼成温度のみでなく、焼成時間の長さも
影響しますので、長時間焼成すれば、より強く焼き締まる事になります。
備前土の様に高温に弱い土は低い温度で長時間焼成し、水漏れを防ぎ、強度を増す様に
します。
4) 素地の水分量と乾燥率について。
以下次回に続きます。