わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

野焼き(縄文土器の焼成)3

2009-11-17 21:16:48 | 縄文土器の話、骨董の話
5) 野焼きの手順
                                   
  ① 地面の水分を蒸発させる(地面を乾かす)

    地面が、濡れていると 焼いた時に、土器の水分が、中々抜けず、割れてしまいます。

    天日干しした後の作品でも、かなりの水分を、含んでいます。(特に肉厚の場合は、顕著です)

    この水分を含んだ状態で、温度を上げていくと、水蒸気が、表面から抜け切らず、

    水蒸気爆発を起し、破裂します。それ故、地面に水分が、残っている様でしたら、焚き火などで、

    地面を乾かします。その際、周りに土器を並べて、器面を暖めます。

  ② 中心に土器を置く

    地面の湿気が、取れたら、中央に土器を、並べます。

   ) 直接地面に、置く方法

      均等に、熱が伝わる事が、第一条件です。又、作品が安定に置ける事も、大切な事です。

      お互い、寄りかかる様にし、焼き上がるまで、安定していなくては成りません。

    ・ 注: 十分乾燥させた作品は、「野焼き」程度の温度では、ほとんど収縮しません。

      作品の大きさ、高さなどを考慮して、詰め過ぎず、開け過ぎ無い様にします。

   ) 作品を少し浮かせる方法

      地面に着いた所の温度は、中々温度が上がりません。

      作品の下に、空間を造る為に、石などの上に置いたとも、思われます。 
  
  ③ 遠火で、土器を暖める。

   作品の周りを、枯れ草など、着火し易い燃料で囲み、その外側に、枯れ木など、やや燃え難く、

   火持ちの良い、燃料で囲みます。空気の供給も、大切な事ですので、十分空気が入る空間も、

   必要です。全ての準備が出来たら、点火します。

   土器の器面が、充分に熱くならない内に、炎が当ると、割れてしまうので

   段々と遠くから(周囲から)、火を燃やして行きます。

 ④ 炎で全体を包む

   水蒸気が出なくなったら、火力を強めます。

   土器の上の方にも燃料をかぶせて、全体をドーム状にして、熱が蓄積するようにします。

   この段階では、薪の様な、木の燃料を多く使い、「焼きむら」が出ない様に、状況を見ながら、

   燃料を供給し続けます。その際、燃料が、作品に当らない様にします。

⑤ 野焼きの終了

   「焼き見本」を取り出し、焼き加減を見てから、燃料の供給を止め、自然鎮火するのを、待ちます。

   ) 完全に鎮火する前に、落ち葉や、杉の葉等をくべ、黒い煙(煤)を発生させて、

     土器を黒くする(黒陶)事もしました。

   ) 鎮火しても直ぐには、作品は取り出せません。自然冷却で、手に持てる様に成ったら、

      取り出します。冷却は、遅いほど、作品「冷め割れ」を、防ぎます。

 以下次回に続きます。

 野焼き

  



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野焼き(縄文土器の焼成)2 | トップ | j縄文土器(まとめ) »

コメントを投稿

縄文土器の話、骨董の話」カテゴリの最新記事