わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

泥だんごを作る2

2011-08-26 21:32:36 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
小学生の頃作った「泥だんご」は、ほとんど光沢も無く、完全な球(丸)でも無かったが、今でも

作った時の感覚は、憶えています。

 作り方の話を続けます。

4) 仮皮膜を作る

  だんごの表面に、仮皮膜を作ります。仮皮膜は最初の皮膜で、徐々に綺麗な皮膜にしていきます。

 ① 細かい土(さら粉ではない)を「だんご」に、振り掛け、良く擦り(こすり)ます、力が入り過ぎて

   表面に、傷を付けたり、「ひび」や「割れ」を、起こさない様にします。

   時々「だんご」を握り締め、振り掛けた土が、密着する様にもします。

 ② 万遍なく、球の局面に沿って、擦ります。

   この動作を続けると、表面に細かい砂粒の付いた、丸い玉に成ります。

5) 本格的な皮膜を作る

   「さら粉」(粉土)を撫ぜ付けて、皮膜を作っていきます。

   「さら粉」は、完全に乾燥した細かい土で、土のある所では、容易に見つける事が出来ます。

   即ち、土面の表面に載っています。手のひらで、地面を撫ぜると、手が白く汚れますが、これが

   「さら粉」と成ります。小石や砂粒が、手のひらに付かない様にします。

 ① 「さら粉」は、振り掛けずに、手のひらで、撫ぜる様にして、「だんご」に擦り込みます。

   「だんご」の表面は、まだ湿り気がありますので、一度に多くの「さら粉」を付けると、

    表面が凸凹に成りますので、注意が必要です。

 ② 手のひらに付ける「さら粉」の量を多くしながら、力強く「ゴシゴシ」と球を磨きます。

   球は片手に持ち、回転させながら、他の手に「さら粉」を付け、強く擦ります。

   特に、親指の腹で擦ると、有効です。

 ③ 手には、絶対水をつけてはいけません。乾いた手で作業する事です。

   水を付けると、皮膜が剥がれます。

 ④ 擦る力が弱いと、茶色っぽくなり、適度の力の場合には、黒っぽくなります。

   しばらくすると、白っぽい部分が、現れますので、一度作業を、中断します。

 ⑤ ここまでの時間は、約1時間程です。

6) 休み(養生)と、磨くを繰り返す。最後の工程と成ります。

  球の内部の水分を、表面に滲み出させ、布で磨きます。

 ① ビニール袋に入れ、口を閉じるて、軟らかい布(雑巾、タオルなど)の上に置きます。

   形が崩れない様にする為です。

 ② 1~2時間すると、内部の水分が、表面に現れ、濡れた状態に成ります。

   この水を少し乾燥させてから、目の細かい布(ややザラツイタ感じ)で、少しずつ擦ります。

   すると、少し光沢が出るはずです。

 ③ 再度ビニール袋に入れ、表面に湿気が出たら、取り出し、再度布で磨きます。(擦ります)

   この作業を数回、繰り返します。少しずつ、光沢が出てきます。

   磨く時間は2~3分とし、その後、ビニールに入れます。

 ④ 空気が入り込み、皮膜が浮き上がらない様に、時々握り締める必要があります。

   急な乾燥は、ひび割れの原因になりますし、手のひらの温度も、結構高く、乾燥を促進します。

   それ故、常温(室温)で、ゆっくり乾燥させます。

 ⑤ 回数を重ねるほど、艶が出てきます。

   満足のいく状態で、作業は終わりに成ります。

   但し、まだ十分乾燥していませんので、傷が付き易いですので、保管場所に注意が必要です。

 ⑥ 完全に乾燥すると、濡れた手で触らない限り、何処に置いても安全です。

   完成した、「泥だんご」の光沢は、数十年間変わらないとの事ですが、2~3日で、光が

   無くなる場合もあります。これは、完成が不十分で、内部から水が滲み出て、皮膜が歪んだり、

   皮膜作りの力が弱いなどが、原因と思われます。

以下次回に続きます。
 
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