わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続失敗と対策 (土を締める4)

2011-05-26 22:49:51 | 失敗と対策
引き続き、土を締める作業に付いて、お話します。

1) 土はしっかり締める事。

 ① 手捻りの場合

  ) タタラ作り

   b) 延ばし板を使って、タタラを作る

    前回、タタラ板を使って、タタラを作りましたが、延ばし板を使って、作る事が出来ます。

    利点は、かなり広い面積の、タタラを作れる事と、土もしっかり締める事が、出来る事です。

    欠点は、専用の延ばし板を、用意する必要がある事です。

   イ) 延ばし板とは、 厚めの板の周囲に、細長い板の桟(さん)を、取り付けた物で、

      この桟の厚みによって、タタラの厚みが、決まります。

      それ故、数種類の延ばし板が、必要に成ります。又、土を締める為の、叩き板と延ばし棒も

      必要に成ります。叩き板は柄の付いた、平らな面を有する物で、延ばし棒は、麺棒の様な
    
      丸い棒や、ローラー等を、転がして使います。  

   ロ) 使い方は、ゆるく絞った日本手拭を、延ばし板の表面に貼り付けます。皺が出来ない様に

      注意します。次に、よく練った土を延ばし、板の上に載せ、拳(こぶし)で広く延ばします。

      手拭を使うのは、板に土が張り付くのを、防ぐ為です。

    ・ 蚊帳目も人気のある布目模様ですが、蚊帳の外側に必ず、手拭を被せる様にします。

      蚊帳の目を通して、土が延ばし板にくっつくのを、防ぐ為です。 蚊帳も水に濡らし、

      硬く絞ってから使うと、皺も発生せず、綺麗に伸ばせます。

   ハ) 粘土の上に、別の手拭(下に敷いた手拭を、折り返しても良い)を被せ、叩き板を、縦、横方向

      から叩きます。延ばす為に叩くのではなく、締める為に叩くのですから、垂直方向に

      叩く事です。思い切って、全体を強く叩いて土を締めます。

   ニ) その後、ローラーや延ばし棒を使って、土を均等に延ばします。

      注意する事は、桟の高さで、厚さが均等に成りますので、周囲の桟から落ちない事です。

      又、余分な土が、桟に乗り上げてしまうと、桟の高さが変わってしまいますので、

      余分な土は、早めに切り取っておきます。

      転がす方向は、縦横斜め方向です。体重を掛ける様に、力を入れ無いと、均等には延びません。

   ホ) ローラー等で延ばすと、転がした痕(ロール目)が残ります。

      そこでローラー等を転がさずに、縦横方向に、滑らす事により、この痕を消します。

   ヘ) 本物の葉っぱを使って、葉皿を作る事も出来ます。葉の裏側に、片栗粉を塗り、薄く延ばした

      土の上に載せ、その上に布を掛けて、再度ローラーをかけます。

      葉っぱの形に切り取るのも良し、葉っぱを散りばめた、お皿も趣があります。

    ・ 切取った場合は、端面を押して土を締めた後、皮で綺麗に拭きます。

    ・ 葉脈のはっきりした葉を使うと、本物の様な皿が出来ます。

   ト) 皿の場合は、周囲を持ち上げますが、単に内側に変形するだけで無く、両手で摘んで近付け

      土を締める様にすれば、周囲は自然と持ち上がります。

      土が軟らかい場合には、立ち上げた下に、枕を置いて元に戻るのを、防ぎます。

    ・ 枕とは、紙を数回折り返して作リます。折る回数が多い程、枕は高くなります。

      紙を丸めて作ると、転がってしまう為、使い難いですので注意。

   チ) 箱状の物を作る際には、タタラが変形せずに、自立出来る程度まで、乾燥させてから、

      使います。ある程度乾燥していますので、貼り合わせの部分に、傷(刻み)を付けてから、

      ドベ(ぬた)を塗って、圧着させます。

  ② 電動轆轤の場合

以下次回に続きます。
    

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