わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 219 殺す、締める、刺す、切る、叩く等の陶芸用語とは1?。

2016-01-27 15:46:06 | 素朴な疑問
焼き物の世界には、昔から物騒な言葉が多く存在し、現在でも普通に使用されています。

一部絵付け作業等を除き、力仕事である制作部門では、多くは男共(野郎達)が仕切っていました。

気の荒い職人達は、昔より窯場の作業を荒らしい言葉ですが、的確に表現してきました。現在では

電動轆轤が普及し、制作部門にも女性が多く進出してきましたが、昔からの言葉も多く残り、使わ

れています。近年、物騒な言葉も柔らかくした表現に代わりつつありますが、それほど普及している

訳ではありません。例えば、土殺しは「センター出し」とか、首を絞める等は、首の径を細くする

等と表現している人もいますが、少数派です。

1) 殺す: 主に轆轤作業に於いて「土殺し」として使われます。

  殺すとは、辞書などで調べると、人や動物の命を奪う事とあります。その他、強く押さえ込む、

  と言う意味も存在します。例えば、「息を殺す」などがそれに当たります。又、相手の意思や

  自由な動きを奪う事でもあり、こちら(自分)の思う通りにさせる状態にする事です。

  轆轤では「土殺し」が一般的に使われていて、土を強く押さえ込み、轆轤の中心に載せる作業で

  作品を綺麗に作る為の一番基本的な作業です。この作業が不完全な状態で、作品を形作りますと

  轆轤上での「ブレ(振れ)」や、肉厚が不均衡などが発生し、多くは失敗します。

2) 締める(絞める): 主に土の密度を上げる(大きくする)為に行う事です。

  多くは、底や縁などの乾燥割れや、焼成時の割れの発生を少なくする為や、変形を抑える為の

  行為です。 締めは轆轤作業以外の「手捻り」でも行う必要があります。

 ① 指や拳固で締める場合。

  )指で締める場合は、基本的には、内外側から向かい合わせた指同士に、力を加え土を圧縮

   する様にして土締めます。内側より外側の方が力を入れ、外に広がらない様にするのが「コツ」

   です。轆轤作業では、圧縮された土の一部は、上部に逃げ背が伸びる事になります。

   手捻りの場合は、土を親指と向かい合わせた人差し指と、中指で摘む様にして土を圧縮します

   その場合、両手の指を使うとより効果的です。

  ) 拳固で締める場合、大皿などの底の広い部分の土を締める場合の方法です。

   大皿など、底の面積が広い場合には、土をしっかり締めないと、乾燥時や素焼き時に底割れが

   発生します。底になる部分は、拳固で均等にやや強めに叩き締める必要があります。

 ② 用具を使って締める場合。

  )「コテ」で締める。轆轤作業では状況に応じて「コテ」を使う場合があります。

   「板コテ(だんごコテ)」や「牛へら」等は、本来皿や器の広い面積を均一に押さえ込み、

   表面を綺麗に仕上げる用具ですが、押さえる事で土を締める効果もあります。

  ) 叩き板や延し棒(のしぼう)で締める。

   手捻りで「タタラ」を使う場合には、「タタラ」はしっかり締まっていなくては成りません。

   なぜなら、広い平らな面積の土ほど、割れやひび、反りが発生し易いですので、それを予防

   するにも、しっかり土を締めておく必要があります。

   「タタキ壷」は、内側の「受けコテ」と外側の叩き板とで、土を締め強度を増すと共に、

   叩き板に刻まれた溝の文様が、壷全体に施され一種の模様と成る様になっている技法です。

   延ばし棒は麺棒(めんぼう)の様に、円筒形の細長い棒です。土の表面を転がす様に使い、

   広い面積を均等の厚みにします。下に押さえつけながら転がしますので、土を締めることにも

   なります。

 ③ 土の直径を小さくする際にも、土を絞める(締める)と言う場合があります。

  特に、「首を絞める」とは、徳利や一輪挿しの様に首部分が極端に径を細くする行為を表した

  言葉です。又土を締めるのは、遠心力に負けて径がどんどん大きくなるのを防ぎ元の状態にする

  行為でもあります。

  尚、絞めるは首等を絞める場合で、締めるは圧縮したり、ネジを締める際に使用される漢字です

以下次回に続きます。

  
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