わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
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素朴な疑問 262 市販されている粘土類(白い土2、黒土)

2016-11-18 17:22:59 | 素朴な疑問
2) 白い粘土類。

  白色と表示されている粘土は、多く存在しますが、多くの場合磁土や半磁土よりも、白さで劣り

  ます。当然自然物ですので、産地によって青味や赤味、黄味、グレー掛かった白色の土が多い

  様です。市販されている殆ど(ほとんど)の粘土は、作り易い様に色々の土がブレンドされてい

  るのが普通です。その為、同じ名前の粘土でも、メーカーによって色や手触り、轆轤の挽き易さ

  等に違いが出ますので、気に入った粘土であれば、同じメーカーの土を使い続ける事が大切です。

  但し、同じメーカーであっても、ロットによって若干の違いがありますので、常に一定の白さが

  保障されている訳ではありません。又、土によっては、酸化と還元焼成で焼き上がりの色が異な

  る場合があります。還元焼成の方が色が付き易い傾向があります。

  注: メーカーのカタログには品番が付いています。この品番は他のメーカーと一致する場合も

   有りますが、メーカー独自の品番と見た方が良いでしょう。又、詳しいカタログであれば、

   粘土の色も記号で表示されています。更に、陶芸材料店(粘土屋)に行けば、色見本を見る事

   も出来ます。

 ① 白い土と言えば、古信楽が挙げられます。

  石ハゼの入った荒目や細目の他、石ハゼの入っていない細目もあります。

  特に、白信楽土(荒目、細目)と称する粘土は、上記粘土よりも、白さに勝ります。

  信楽蛙目粘土、きのせ原土、信楽ロット土も白色に焼き上がる粘土です。

  信楽の A-1(急熱急冷白粘土)、水簸(すいひ)粘土(特、並漉し)は純白よりもややグレー

  掛かる傾向にあります。

 ② 志野土も白い粘土です。五斗蒔(ごとまき)や志野土は純白もありますが、やや黄色味に焼き

  上がる傾向にあります。モグサ(艾)土は薄茶色に焼き上がります。但し、モグサ白原土は白色

  に焼き上がります。(この原土は練土では無く、塊土として市販されています。)

 ③ 伊賀水簸(すいひ)粘土、古伊賀土、伊賀原土(塊土)、白備前土、石見白土も白く焼き上

   がる土です。

 ④ 白絵土、白化粧土: 粉末状で市販されている純白な粘土です。但しこの粘土で作陶する事は

  ほとんどありません。粉引、刷毛目、三島など作品の表面のみを白く仕上げる為に使用します。

  又、練込用の顔料(黒、黄色、茶色、ブルー、トルコ青、ピンク等)を加えて各種の色化粧土を

  作る際に用いられます。

  注: 粉引(こびき)は、作品を白い泥の中に漬けて表面を白くする技法です。一般の土を使う

   と粉引のタイミング(乾燥度合いによる)が難しく、作品本体を破壊する事が多いです。

   但し、粉引を安全に作業できる粘土も存在します。粉引粘土、粉引赤原土、石見特赤土、

    粉引黄土原土、粉引フレット土等があります。

 ⑤ 萩土類、唐津土類、土鍋土(白)、益子土、笠間土等は程度の差は有りますが、淡黄色、

  グレー、薄茶、褐色などの色が付いているのが一般的です。

3) 黒土類: 焼き上がりが黒くなる土です。(必ずしも、生で黒色とは限りません)

  炭化黒粘土: 酸化でも還元でも黒く焼き上がります。

  黒備前土: 備前土に黒土を混入させた土です。

  黒陶土(細目、荒目): 陶土にコバルトを含んだ粘土で、真黒に焼き上がります。

  黒御影土: 珪長石とマイカ(雲母)、黒色顔料を含んだ粘土です。

  南蛮土: やや茶色気味の黒く焼き上がる粘土です。(東南アジアの南蛮焼き風になります)

  注: 炭化焼き: 炭で燻して黒くする方法で黒い土でなくても、焼き上がりを黒くする事が

   出来ます。

以下次回に続きます。
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