4) 削り作業の失敗事例。
陶芸では、器の高台を削り出したり、高台脇を削る作業を伴うのが一般的です。その他に、肉厚を
薄くする為や模様を彫り込んだり、装飾模様を表す為に、削り作業を行う事も多いです。
① 削り作業は、電動轆轤上で行う以外に、手回し轆轤を使ったり、轆轤は使わずに手に持って削る
事もあります。高台周りや、作品の肉厚を薄くする際には、均等な厚みにする事が求められます
さもないと、「割れやひび」の他、作品が変形する恐れが出てくるからです。
② 電動轆轤で削り作業で失敗する事。
基本的に、電動轆轤で削る事が出来るのは、円形状のものに限られます。
) 電動轆轤で削ると表面が滑らかで、完全な円形に削れます。更に、削るスピードも格段に
速く効率的に削り作業が行なわれます。但し、一歩間違えれば一瞬ににて形が変化したり、
穴が開いてしまいますので、注意が必要です。
) 削り作業に入る前に、カンナなどで削れる程度に、生乾きの状態にしておく必要があります
一般に、前日轆轤挽きした作品は、一晩ほど室内に放置しておけば、削り易い状態になります
当然、季節や空気の乾燥具合によって左右されます。乾きが速いようですと乾いた布又は、
水で濡らし固く絞った布を被せる等して調整します。
) 轆轤上で削り作業を行うには、作品を伏せて裏返しにします。
安定して直接轆轤上に作品を伏せる事が出来る場合は、問題ありませんが、口径の狭い作品や
口縁の高さに差があり不安定な場合、「湿台(シッタ)」を使います。
) 作品の肉厚を確認する。削り出す前に、あらかじめ、どの部分にどの程度の贅肉が付いて
いるかを確認します。片手の指で厚みが確認できれば良いのですが、背の高い場合には両手で
計る場合もあります。又作品を持った場合の重さで判断する事も可能です。即ち大きさの
割には重たく感じるのは、どこかに余分な土が付いている証拠です。多くの場合、作品の腰の
周りが多いです。
) 作品を伏せた状態で、轆轤の中心に据えます。
但し、作品が歪んでいる場合や、傾いている場合には、全ての部分で中心が取れる訳では
有りません。基本的には、削りたい部分を中心にその上下が中心に来る様にします。
a) 轆轤上に鉛筆などで円を描き、この線に合わせ様とする人がいますが、状況によっては
巧く行きません。この方法が有用なのは、背の低い皿状の場合のみです。
b) 背が高く成るに従い、少しの狂いも上部に行く程、狂いは大きくなりますので、
上記の方法は使えません。一般に高台や高台脇を削る際には、底面からい1cm程度下の位置
で中心をとります。
c) 中心を出す方法は慣れない方は大変難しい作業になります。
・ 一般には、轆轤をゆっくり手で回転させながら、器の側面を指の裏側で、連続的に軽く
叩く方法が良いと言われています。轆轤の回転が速いと、遠心力で作品が轆轤上より
転げ落ちてしまいますので、ゆっくり回転させます。連続的に叩く事で、作品は轆轤の
中心に移動します。実際には、かなりの熟練を要する作業です。
・ 基準点よりどの程度離れるかによって調整する方法。
一般に基準点は自分の指を使います。左又は右手の人差し指を使う事が多いです。
基準点ですので、しっかり位置が出なければなりません。即ち、しっかり位置を固定
します。轆轤をゆっくり回転させると、指に触れる場所と触れない(空振りする)場所
があります。空振りした所で、右手又は左手で轆轤の回転を止め、空振りした方向に作品を
移動させます。移動させる寸法は、作品から離れた基準指との距離の半分です。
作品の全周で指が触れていれば、OKです。
・ 上記指の他、固定した治具(じぐ)を使う場合もあります。
基準になる指の位置を固定する事は中々難しいですので、固定した物で代用します。
) 作品を轆轤上又は「湿台(シッタ)」に固定する、又は固定しない場合。
以下次回に続きます。
陶芸では、器の高台を削り出したり、高台脇を削る作業を伴うのが一般的です。その他に、肉厚を
薄くする為や模様を彫り込んだり、装飾模様を表す為に、削り作業を行う事も多いです。
① 削り作業は、電動轆轤上で行う以外に、手回し轆轤を使ったり、轆轤は使わずに手に持って削る
事もあります。高台周りや、作品の肉厚を薄くする際には、均等な厚みにする事が求められます
さもないと、「割れやひび」の他、作品が変形する恐れが出てくるからです。
② 電動轆轤で削り作業で失敗する事。
基本的に、電動轆轤で削る事が出来るのは、円形状のものに限られます。
) 電動轆轤で削ると表面が滑らかで、完全な円形に削れます。更に、削るスピードも格段に
速く効率的に削り作業が行なわれます。但し、一歩間違えれば一瞬ににて形が変化したり、
穴が開いてしまいますので、注意が必要です。
) 削り作業に入る前に、カンナなどで削れる程度に、生乾きの状態にしておく必要があります
一般に、前日轆轤挽きした作品は、一晩ほど室内に放置しておけば、削り易い状態になります
当然、季節や空気の乾燥具合によって左右されます。乾きが速いようですと乾いた布又は、
水で濡らし固く絞った布を被せる等して調整します。
) 轆轤上で削り作業を行うには、作品を伏せて裏返しにします。
安定して直接轆轤上に作品を伏せる事が出来る場合は、問題ありませんが、口径の狭い作品や
口縁の高さに差があり不安定な場合、「湿台(シッタ)」を使います。
) 作品の肉厚を確認する。削り出す前に、あらかじめ、どの部分にどの程度の贅肉が付いて
いるかを確認します。片手の指で厚みが確認できれば良いのですが、背の高い場合には両手で
計る場合もあります。又作品を持った場合の重さで判断する事も可能です。即ち大きさの
割には重たく感じるのは、どこかに余分な土が付いている証拠です。多くの場合、作品の腰の
周りが多いです。
) 作品を伏せた状態で、轆轤の中心に据えます。
但し、作品が歪んでいる場合や、傾いている場合には、全ての部分で中心が取れる訳では
有りません。基本的には、削りたい部分を中心にその上下が中心に来る様にします。
a) 轆轤上に鉛筆などで円を描き、この線に合わせ様とする人がいますが、状況によっては
巧く行きません。この方法が有用なのは、背の低い皿状の場合のみです。
b) 背が高く成るに従い、少しの狂いも上部に行く程、狂いは大きくなりますので、
上記の方法は使えません。一般に高台や高台脇を削る際には、底面からい1cm程度下の位置
で中心をとります。
c) 中心を出す方法は慣れない方は大変難しい作業になります。
・ 一般には、轆轤をゆっくり手で回転させながら、器の側面を指の裏側で、連続的に軽く
叩く方法が良いと言われています。轆轤の回転が速いと、遠心力で作品が轆轤上より
転げ落ちてしまいますので、ゆっくり回転させます。連続的に叩く事で、作品は轆轤の
中心に移動します。実際には、かなりの熟練を要する作業です。
・ 基準点よりどの程度離れるかによって調整する方法。
一般に基準点は自分の指を使います。左又は右手の人差し指を使う事が多いです。
基準点ですので、しっかり位置が出なければなりません。即ち、しっかり位置を固定
します。轆轤をゆっくり回転させると、指に触れる場所と触れない(空振りする)場所
があります。空振りした所で、右手又は左手で轆轤の回転を止め、空振りした方向に作品を
移動させます。移動させる寸法は、作品から離れた基準指との距離の半分です。
作品の全周で指が触れていれば、OKです。
・ 上記指の他、固定した治具(じぐ)を使う場合もあります。
基準になる指の位置を固定する事は中々難しいですので、固定した物で代用します。
) 作品を轆轤上又は「湿台(シッタ)」に固定する、又は固定しない場合。
以下次回に続きます。