わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る36(酒器12、徳利を作る4)

2013-02-24 16:36:31 | 陶芸入門(初級、中級編)

4) 手捻りで徳利を作る。

  轆轤で作るよりも肉厚に成り易いですが、轆轤で作るのと遜色ない徳利を作る事が出来ます。

  作り方として、円形の物では塊作り(玉作り)と、紐作りの方法があり、抱瓶の様な異形の物は、

  タタラ(板)作りとなります。

  ① 塊作り(玉作り)の方法1。

   ) 良く菊練りした土を一つの塊(かたまり)にします。使う土の量は出来上がりの重さの、およそ

      2倍程度です。

   ) 手回し轆轤の中央に土を置き、剥がれ無い様に、土を叩き轆轤面に密着させます。

      土の中心に親指で穴を開け、轆轤をゆっくり回転させながら、穴を広げ底まで堀進みます。

      底の厚み(1cm程度)を確認後、滑らかな底を作ります。その際、土を下に押し付けて土を

      締めると同時に、両手の小指で外側の底の付け根を軽く押し、中心に寄せて土を締めます。

      この作業は、土を上に伸ばすと上部の重みで、底の形が歪む事を予防します。

    ) 土を上に伸ばす。両手の親指と他の4本の指を向かい合わせて、土を摘む様にして薄く

      伸ばします。親指は内側でも外側でもどちらでも良いです。注意点として、

     a) 土が薄くなると、径が広がりますので、広がらない様に土を内側に締める様にします。

     b) 土は底から薄く伸ばします。上から行うと背が高くなるに従い、指で摘めなくなります。

     c) 背の高い作品では、一気に伸ばすと、下部が変形し上に伸びる事が出来ません。

       その場合には、下部をある程度乾燥させて強度を持たせる様にします。但しこれから

       伸ばす上部の土は乾燥させない様に、濡れたタオルなどを掛けておきます。

       尚、乾き過ぎた場合には、濡れたスポンジで軽く濡らします。

    ) 胴をやや膨らませてから、次第に径を細くして首を作ります。

       細い「柄コテ」を使い、胴を少しずつ膨らませます。但し轆轤挽きより肉が厚く、乾燥の

       度合いも進んでいますので、ゆっくり、且つ力を入れる必要があります。膨らませ事により

       表面に「ひび割れ」が発生する場合がありますが、次の工程で「ひび」を消す事ができます  

       ので、小さな「ひび割れ」は、心配する必要はありません。

    ) この段階では、作品の高さに差があるのが普通ですので、弓などを使い上部の高さを

       揃えて切ます。

    ) 「彫塑ヘラ」を使って、表面をなだらかにし、表面の凸凹や指跡を消します。

       ヘラの内側に指を当て、形が変わらない様にします。更に、ヘラに水を含ませ土の表面を

       撫でる様に移動させます。この際、土を締める事も忘れない事です。

       一通り撫で終わりましたら、濡れた皮で整えます。

    ) 一気に注ぎ口まで成形する方法もありますが、注ぎ口を後から付け、形を作る方が容易

       です。即ち、土で細い(又はやや太い)紐を作り首の真横に接着し、ヘラで押さえます。

       (口を太く丈夫にするには、やや太い紐を使います。)
 
       口の内側には段差が生じ無い様に、滑らかに仕上げます。又口が凸凹している場合には
 
       針や弓で形を整える必要があります。最後になめし皮で口縁を拭き、更に底の外側の
 
       土を約45度の角度で大胆に切り取り、切糸で轆轤より切話して完了です。
 
       この部分の土を除去しないと、乾燥時に「ひび」が入り易くなりますので、是非とも必要な
 
       作業です。
 
    ) 指で押しても変形しない程度に乾燥させたら、「掻きヘラ」等を使い、肉厚を薄くする為に、
 
       腰、胴、首などの土を削り取ります。轆轤の場合より多く削る事に成ります。
 
       その後、「シッタ」を使い底を削ります。
 
  ② 塊作りの方法2。
 
以下次回に続きます。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする