わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬を掛ける3(多色塗り1)

2009-05-30 23:24:05 | 釉薬の調合と釉を掛ける
釉薬を掛ける際、作品全体を1色で塗るのが、一番簡単な方法です。

しかし、1色では無く、2色3色と、釉薬の数を増やしたい場合、どの様に色分けしたいかによって、

その掛け方に、工夫が必要になります。

1) 2色を掛ける

 ① 別々の部分に、2色を掛ける

   容器の内、外の色を変える場合や、作品の片側と、反対側の色を変える、作品の上下で、

   色を変えるなどの場合です。

  注意する事は、

 ) 両釉薬とも、同じ性質の釉薬を使います。酸化なら酸化、還元なら還元釉を使います。

 ) 釉薬と釉薬の境は、残さない様にします。塗り残すと、その部分が、素地のままと成ります。

 ) 境を残さないと言う事は、その部分が、重ね塗りと成る事に成ります。

   (勿論、重ね塗りしないで、境が無く塗る事も可能ですが、かなり難しい作業と成ります。)

    釉薬は一般に混ぜては使いません。混ぜると、予想外の色に成り易いからです。

   それ故、重ね合わせた部分の色が、どう発色するか、予め確かめて置きます。

   又 どちらを後(上)に塗るかによっても、発色状態は変わります。

 ② 2色を重ね塗りする

   1色で全体を塗った後、他の釉薬をその上に、部分的に掛ける。

  注意する事は、

  ) 釉薬が部分的に、二重に掛かり、厚くなる事です。

    厚く掛かる事により、釉が流れ易くなったり、釉が縮(ちじれ)たりします。

    それ故、一方の釉薬の濃度を、調整(薄く)する必要が有る場合も、あります。

  )  同じ2色を塗る場合でも、どちらを下に塗るかによって、効果はかなり異なります。

  ) ①ー)で述べた様に、重ね合わさった部分の色は、予想外の発色を起し易いです。

    前もって、確かめて置く必要が有ります。

 ③ 2色を使う場合、何処で区切るか、どの様に区切るかも、重要な問題です。

  ) 何処で区切るか(境界は何処か)

   即ち、器の内外で色を変える場合、縁は内側の色なのか、外側の色なのかを、決めるます。

   外側の色とした場合、その外の色が、器の中に、少し入り込んで良いか、悪かによって、

   釉薬の掛け方が変わります。

  ・ 例 作品を器の内側を塗ってから、器を逆さに持って(又は上向きで)、他の釉薬に

     漬け(浸し)掛けする。

  ) どの様に区切るか

    境目の線が、幾何学的(直線、円弧、円など)にするか、適当(ラフ)で良いのかによって、

    工程(手間)に大きな差が出ます。


実際の方法に付いては、次回に述べたいと思います。

陶芸の釉薬の掛け方 

釉を掛ける 多色塗り


    

     
   
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