わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

失敗と対策(素焼の窯詰め))

2008-07-26 23:35:55 | 失敗と対策
 素焼の窯詰めは、本焼きの窯詰めより、ラフで容易です。

 1) 素焼する物と、素焼しない(出来ない)物を選別する。

   窯詰めに適さない物。

  イ) 十分乾燥していない作品。

    この様な作品は素焼すると、温度上昇に伴い、多量の水蒸気が発生し、

    表面よりの蒸発が間に合わず、内部に水蒸気が溜まり、爆発します。

    その威力は大きく、作品を粉々にし、飛び散った破片が、隣の作品に当た

    り、壊します。

  ロ) 「割れ」「ひび」が入った作品

    十分乾燥した作品で『割れ」「ひび」が入った物は、素焼でこれ以上広が

    りませんが、本焼きでは確実に大きくなります。

    それ故、この段階で壊し、土を水に漬け、元に戻し最利用します。

 2) 窯詰め

   イ) 作品は重ねて窯詰め出来ます。

     釉薬が掛かっていませんから、作品を重ねて窯詰め出来ます。 但し、
   
    ・ 不安定な重ね方はしない事。 (作品が崩れる危険性が無い事。)

    ・ 重量の有る物を、上に載せない事。 (下の作品が割れます。)
    
    ・ 上の作品を下の作品の口縁で受けない事。(割れ、ひびが入り易い)

    ・ 燃料を使う窯では、「スス」が出ます。皿など絵付する物は、絵付け

      面が「スス」で汚れると、絵を付けた時の感じが、解かりません。

   ロ) 作品を縦に置き、「割れ」「ひび」を防ぐ。

     大皿などの作品や、平たい大きな作品は、そのまま窯詰めするより、

     立てて壷などに、寄り掛かる用に置くと、「割れ」「ひび」が防げます。

   ハ) 作品を詰め込み過ぎない事。 (棚板間の隙間も空ける。)

     素焼は、本焼きの2~3倍の量を、詰め込む事が可能です。

     又、焼成温度も一般に、700℃~800℃と言われています。

     それ故、窯の内部の温度差も、大きくて良い焼き方になります。

      しかし、作品を詰め込み過ぎると、火(熱)の廻りが悪く、100℃の

     範囲内に入らない恐れもあります。作品間は適度の隙間を作り、温度の

     偏りを、少なくします。

     尚 同じ土でも、素焼の温度に拠って、色に差が出ます、又、作品に

      「スス」が残っていても、いずれも何ら問題ありません。

     本焼きすれば「土の色の差」も「スス」も無くなります。
コメント
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