明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

セミナー講演内容

2009年11月27日 | 応用言語学セミナー
12月12日・13日に行われる応用言語学セミナーでの、各講演者の講演内容を簡単にご紹介いたします。(セミナーパンフレットから抜粋)

まずは12日の講演者からどうぞ。

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15:05-16:15
渡辺 明 (東京大学大学院人文社会系研究科准教授)

「言語における数と自然数概念」
数は、一致現象のような文法システムそのもののレベルと数詞という語彙的なレベルの両方で、自然言語に入り込んでいる。この二つの間にはどのような関係があるのか、また、これらと自然数の概念とはどのような関係にあるのか、言語の演算システムの側面と、子供による自然数の概念の発達の観点から考察する。

16:20-17:30
松井 智子 (京都大学霊長類研究所准教授)

「コミュニケーションにおける意図の理解-
発達的な視点から」
話し手の意図、信念、命題態度を理解することは、発話の解釈に不可欠である。言い換えれば、心の理論なしには、聞き手は話し手が意図した解釈を見出すことはできない。スペルベルとウィルソンは、発話解釈能力は心の理論モジュールに内包された下位モジュールであるという仮説を提案している(Sperber & Wilson 2002)。この仮説が正しければ、心の理論の発達と発話解釈能力の発達には強い相関関係が見られるはずである。この数年の間に増えつつある子供の発話解釈能力に関する実証的な研究に触れながら、この仮説について考えてみたい。

西山 佑司(明海大学外国語学部教授)

「心のなかの二つのモジュール:
文法能力と発話解釈能力」
人間は、高度な言語能力を有しているという点で他の動物から区別される。生成文法理論の研究はこの能力について多くの貴重なことを教えてくれている。ところが人間には、「相手の発話を解釈できる」というもうひとつの驚くべき能力がある。では、言語能力と発話解釈能力はどのように関係するのだろうか。この問題の考察を通して、「人の心」と言われているものの中身に探りをいれてみたい。

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