Ring-A-Ding 日々ロック,R&B,そしてゴスペル〜💋

おばちゃんがココロに浮かぶ由無し事を、気ままにつぶやく。ロックな時間。

今年の梅

2017-07-03 04:24:38 | 料理
先週、大腸ガンの再発で兄が手術をした。
入院前に様子を見に行くと結構呑気に暮らしていて
なんと産まれて初めて梅干しを漬けたのだという。見るとキッチンの床に梅酒を作る用の広口の瓶の中に黄色い大粒の梅が漬けてあった。ちゃんとタップリ梅酢も上がって紫蘇の葉も足されて、ほんのり赤紫蘇色が滲み出している。
「土用干しまではとにかくカビだけは生やさないように気をつけなきゃダメよ」と私は忠告した。

今年は梅が不作ならしい。八百屋さんに聞くと、梅だけでなく杏や桃、プラムなども良くないらしい。
スーパーマーケットで、青梅は出ていても、梅干し用の黄色い梅がなかなか出回らず、あっても平年よりだいぶ値段が高い。いつもは出始めからしばらくするとみるみる安くなり、私は大抵、午前の開店直後のスーパーで、前夜の売れ残りの梅を買うのを得意としていた。梅は熟れ出すと長持ちしないので、前夜の売れ残りは2割は割引されているのが常なのだった。私は梅干しだけはかれこれもう20年くらい漬けてきているので不作の年はこれまでもあったが、こんなに品薄なのは珍しい。

手術後の兄を見舞うと、思いの外元気だった。というのも、思ったほど大胆に切り取れず、癒着の厳しいところは残したのだという。お蔭で体力は温存されたが、今後の治療計画に不安が表れる。
やけに時間のかかる病院の洗濯乾燥機の終わるのを待ちながら話をした。
兄は今年還暦、独身で母を自宅で介護している。母は来年の春には90歳になるが、兄の歳くらいに脳出血で倒れ、以来かれこれ30年近く車椅子の生活だ。最近は認知症の傾向も出てる。この兄の入院中はデイサービスステーションに泊まりで預けられている。

まさか兄に癌が見つかるとは…。長年の介護のストレスがここにきたのだ…と、思った。私は抗がん剤も経験しているので兄の苦しみはある程度分かち合えるが、治療しながらの介護は さそがし辛かろうと察するしかない。私も治療しながら子育てはしてきたんだけどね。

「梅は干すのは8月のお盆の頃で良いのよ。」
「そうか、干す盆ざるを買って置かなきゃな」
「ジリジリ暑い日の続く頃に3日ほど干して、あとはまた容器に戻して、取れた梅酢を少し振りかけてしっとりさせたら…寝かせて。食べられるのは来年の今頃ね。」

来年の今頃、兄と梅干しの出来具合を話し合えたら…と願う。


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