メガネヒヨコの生息日記

メガネヒヨコのささいな日常

ミス・サイゴン25周年記念公演inロンドン

2017年04月08日 | 国外・舶来エンタメ

今更ながらのレポート。
3月は体調を崩していて、公開よりだいぶ経ってから観に行った。

このメガヒヨ、ミス・サイゴンを初めて観たのは日本初演。
エンジニアは市村正親さん、キムは本田美奈子さんだった。
何の予備知識も無しに観たら、話にまったくついて行けなかった一回目。
「三年後」というところを聞き落としてしまったので、クリスの奥さんがいきなり出てきてきょとんとしてしまったり。

それでも曲が素晴らしかったので、二回目を観に行った。
内容は理解できるようになっていたけど、アジア人女性を犠牲にして話のオチをつける西洋人の仕事にイライラしたりして。

それから数年。1999年にニューヨークに初めて行った際、Lea Salongaさんが久々のキム役復帰と聞いたので迷わずに観た。
ロンドン初演から10年経ってもLeaさんの初々しさは変わらず、歌声は素晴らしかった。
でもアメリカ版の演出にはどん引いたことは否定できず。
Will Chaseさんがクリス役だったのだけど、この方はいい意味でもアレな意味でも芝居が大きい。
結婚式のシーンでは「うわっっ!! まじ!? 聞いてねぇっっ!!」って露骨に出てたので、日本版との違いに驚いてしまった。
キムの臨終シーンでも、息を引き取った彼女にぶっちゅ~とキス。
うわわ、エレンがガン見してるってば それにそんな事する位に彼女に情が有ったのなら、こうなる前にもっと早く行動を取れなかったのか。

制作した西洋人の、アジア人に対する上からの目線をどうしても感じてしまった。
悶々としながらBroadway Theaterを後にしたのであった。

そんなんで、20年近くミス・サイゴンからは離れていたメガヒヨ。
ネットで評判の良かったロンドン公演が2500円で観られるのならと、有楽町の日本劇場に足を運んだ。
やっぱりこの作品の音楽は大好きだからね。

6:25からの上映ということで、職場から直行のお客さんが多く売店は長蛇の列。
横浜の職場からベル・ダッシュしたメガヒヨも、3時間もの上映に備えて割高なパニーニだの、塩辛いポップコーンだのを確保。
外からの食べ物は持ち込み禁止だものでね。
こういう企画を今後も続けてもらうには、劇場にお金を落とすのが一番。

久しぶりに観たミス・サイゴンは、あらゆる意味で心に刺さった。
戦争のさなか人身売買に身をゆだねざるを得なかった女性の痛みが伝わって来たし、いかがわしい商売に手を染めつつもエンジニアのバイタリティはすごいと思った。
また『ヘアー』などを観る機会もあったので、クリスがベトナム派遣後に一度国に戻ったものの身の置き場が無く、再びベトナムの地を踏んだという背景も理解できた。
結局クリスは普通の人だったというのが、悲劇だったよね…。
凡人には思い浮かばない方法で状況を解決できるスーパーマンでなく、またキム親子を見捨ててアメリカで知らんふり出来る冷血漢でもなかったから。

キャストに関しては、エンジニア役のJon Jon Brionesさんがいかがわしさ満載で、存在感が大きかった。
キム役のEva Noblezadaさんはとにかく可憐。初演のLeaさんと同じく10代でこれだけの大舞台を務めあげるなんて素晴らしい。
クリス役のAlistair Brammerさんはいい声してるけど、大画面のせいか胸毛に目がいってしまい(笑)
まぁGIって設定だからそれらしくていいけど。
エレン役のTamsin Carrollさんは葛藤の演技が素晴らしかった。キムに対する同情と、クリスへの愛が心の中でぶつかって。
今までのエレンの中で一番感情移入出来た。

ジョン役のHugh Maynardさんは一幕目では結構ファンキーな兄ちゃんで、彼がブイドイ歌うのか?と思ったけど二幕目ではキャラがぐるっと変わる。
初演版よりゴスペル色が強くなった、心にしみるブイドイだった。
ツイ友さんにファンが多いトゥイ役のホン・グァンホさん。確かに評判通り素晴らしい歌声!
今までに観たトゥイは男のプライドに掛けてキムを取り戻したい人が多かったけど、このグァンホさんのトゥイは本当にキムのことが大好きなんだなぁと。

あと一番印象に残ったのはジジ役のRachelle Ann Goさん。突き抜ける高音がとにかく好み!
25周年のスペシャルカーテンコールでLeaさんとの♪The movie in mindのデュエットも良かったな。
Leaさんに「あの子上手いわね…」とまで言わせて。
Rachelleさんは故郷フィリピンではLittle Mermaidのアリエルまで演じた売れっ子とのこと。
フィリピンって結構色んなミュージカルが上演されているんだよね。そしてLeaさんはじめ様々な才能を世界に送り出してるし。
一度機会があったらマニラで舞台を観てみたいなぁ。絶対レベルが高そう。

あ、そうそう。演出も今までで一番良かった。
特にラスト。クリスは息を引き取る前のキムに反射的にキスをし、絶命後は深く抱きしめる芝居。
その間エレンは強くタムを抱きしめている。
この後、この世に残された彼らも平穏ではいられないとは思うけど、ほのかな救いのある結びだった。

さて。この25周年記念ミス・サイゴンの上映は4月13日木曜日で日劇では終了とのこと。
だけどフイルムはこの後札幌・東北各市など全国をまわる予定。

http://miss-saigon-movie-25.jp/index.html

上映館の近くにお住まいの方には是非観ていただきたいと、強くお勧めするメガヒヨであった。

 

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3月・国内作品三本勝負!!

2017年03月26日 | メガヒヨの日々つれづれ

年が明けたらあっという間に3月の終わり。
年々時間が過ぎていくのに加速度がつくなぁ。

観劇を趣味とするこのメガヒヨ。
そういえども寒さにはめっぽう弱いので、1月2月に観劇は基本的にはしない。

そんなわけで今年最初に劇場に行ったのは3月に入ってから。
リトルマーメイドの東京版が間もなくクローズするというので、オリジナル版・2013年版を観ている身としては見とかなきゃくらいの気持ちで行ってきたよ。
四季は2012年のベニスの商人以来かな。当初あまり期待していなかったのだけど、かなりいい歌い手さんが揃ってて楽しめた。

大井町の劇場「海」には美女と野獣ぶりかな~。
行き方を忘れて、四季ファン風の方々の後をついて行った。

数年ぶりというと、もうほとんど知らない方ばかり。

主役のアリエル、谷原志音さんは評判通り透き通った綺麗な声ではまり役だった。
他にはトリトン役の田島亨祐さんがいい声をしていたな。日本ではバリトン役者は貴重なので、色んなところで活躍してほしい。

これで三通りの演出でリトルマーメイドを観たわけなのだけど、それぞれ良さがあった。
いずれブロードウェイでリバイバルをという声もあるけど、その際には2013年ペーパーミル劇場版とこのヨーロッパ版を基調とした四季版をミックスさせてほしいな。

四季版のいいところは、♪アンダー・ザ・シーの賑やかさと登場人物のフライングの多さ。
ペーパーミル劇場版は、何と言ってもアリエルや姉人魚たちのヴィジュアルの美しさ(頭はとがってない)。

あ。でもとんがり頭は観ているうちにあまり気にならなくなったかも。
フライングでワイヤーに髪の毛が絡まる危険があるからあのスタイルだろうからね。やっぱり役者さんの安全が第一ってことで。

次に観たのは「コメディ・トゥナイト!」
初めて来た新橋演舞場。

日本で上演されたことの無かった「A FUNNY THINGS HAPPEND ON THE WAY TO THE FORUM」をいきなり江戸に設定を移す荒業での初演。
片岡愛之助さん演じる奴隷の主人公は薬問屋の丁稚という設定になっている。丁稚頭(どう見ても番頭)のルー大柴さんといい、どれだけ年季が長いんだ(笑)

演出の宮本亜門さんに対しては、こよなく愛する「Priscilla」を改ざん上演された恨みがまだ晴れていなかったこのメガヒヨ。
だけどこの作品は結構大声で笑って楽しめた。
狭いこの日本。エンタメも割り切って観ないと観るものがなくなっちゃうからね。

やっぱり主役の片岡愛之助さんの巧さが大きかったかな。
歌舞伎役者だけあって客掴みは上々。歌も声がよく出ていてちゃんとこなしていた。

あとは平野綾さんが良かった。
アニメの声でもちゃんと音程とって歌っているから。

でもねー。正直なところこの江戸版には残念感も否定できず。
こういうパロディの上演をするのなら、一度オリジナルの形を見せてからにして欲しかったから。

そんなわけでネット上で探してみました。ネイサン・レインの96年版。

日本版と比べてみるといいかも。

 

最後はこの作品「キューティ・ブロンド」。オリジナルは「LEGALLY BLONDE」というタイトルですな。

メガヒヨはこの作品が大好きで、ニューヨークで観た際には二日後にリピートしてしまった。
Broadway版については過去記事を見てね♪

かなり日本人好みと思われるこの作品。
なかなか上演しないな~と思っているうちに9年も待たされてしまった。
でもこの待ち時間には納得。最高のキャストで最高の演出だったから。

当初チラシでキャストさんを見たときの第一印象は一言「少数精鋭!!」。
いや~この人数でデルタ・ヌウの女の子たち足りるの?とか、男性アンサンブルが4名しかいないしどうするの?などなど余計なお世話が頭をめぐりまくり。
だけどフタを開けてみると、Broadway版と比べて遜色ない素敵な仕上がりになっていた。
盆を使った場面展開もスムーズで、アメリカの西海岸と東海岸の空気の違いもちゃんと出てたり。

演出の上田一豪さんの作品を観るのは初めてだけど、これでしっかり名前を覚えさせていただいた。
本当にいい仕事を見せていただいた。
Broadway作品の翻訳上演には失望することもあるけど、こういう誠実に作られた作品を見るとまだまだ日本の劇場に足を運ばなきゃって気分になるものね。

役者さんに関しては主演の神田沙也加さんをはじめ実力派揃いだったのだけど、エメット役の佐藤隆紀さんの歌が特に素晴らしかったな。
体型改造すれば日本のWill Swensonにもなれるんじゃないかって位。
あとはメガヒヨが久々に拝見した木村花代さんも良かった。
ブルックのシーンは日本でスケールダウンしてしまうのではないかと心配してたけど、そんなことは全くなかった。
却ってレベルアップしてるってば!!

変更点はポーレットの犬がブルドッグではなく、ブルーザーとそっくりのチワワだという位かな。
そんなのは全く気にならず。日本だと舞台に立てるブルドックを探すのは大変そうだしね。
役者さんが何役もこなしているのだから、わんちゃんにも一匹二役で頑張っていただいてるのかも。

それぞれの作品で一言ずつと思ってたけど、長くなっちゃったな~。
四月も劇場に何度か行くので、思ったところを書く所存である。

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メガヒヨ in NY2016 その6《ぶらぶらお散歩+お食事編》

2017年01月08日 | NEWYORK

プリシラ日本版騒動が終わったので、年が明けちゃったけどNY旅行記に戻るよ。

シアターゴーアーの皆さまはショーが夜にしかないという日はどう過ごされているのか、メガヒヨは興味深々。
自分はNYに20回近くも行っていることもあり、たいがいの観光スポットはもう訪問済み。

というか何するにも高いんだよね~
エンパイアステートビルも自分が初めて訪問した99年には6ドルで展望台まで行けたのに、今では34ドル。
しかもエラいこと並ぶしね。
並ばずに済むファストチケットなら60ドルもするし…。
まぁ日本がこの20年近くほとんど物価の動きが無かったのが異常というのもあるけどね。

さておき。
この金曜日はゆったり過ごそうと、朝ごはんはぜいたくしてみた。
毎回一度は訪れるSalabeth's Kitchen。
今回はセントラルパークサウス店に行ってきたよ。

相変わらず優雅で素敵な空間。
エッグベネディクトとコーヒー、それにチップを足すと35ドルほどになっちゃうけど。(2016年4月現在)

そういえば一人で来ている日本人女性が多かったな。
みんなエッグベネディクト頼んでた(笑)


朝ごはんの後はセントラルパークをお散歩。


桜のシーズンはすぎちゃったけど、チューリップが花盛り。


チューリップだけではなく、他の草花や木の花々も綺麗だった。
気温は冬並みだったけど健気に咲いてたよ。


セントラルパークから地下鉄に乗ってユニオンスクエアへ。


グリーンマーケットが開催中。


色んな種類の草花があったな~。持って帰れないけど。


他には農産物のコーナーもあったよ。
次回はここでハチミツを買おう。

そういえばだいぶ前にテレビの旅番組で、このグリーンマーケットが「ここは無料で試食が出来る穴場です!!」と紹介されていた。
迷惑そうな店主に芸能人女性が4人もこぞってリンゴをせがんでいて、見ていてこちらも肩身が狭かった。
ひと昔前は土曜午後に芸人を海外に送り込んで、旅の恥はかき捨てレポートみたいな番組をやっていたものだけど最近は見なくなったな。
さすがにそんな駄企画にまわす予算は無くなったのであろう。結構なことである。

閑話休題。

ユニオンスクエア方面に行ったのは、Traders Joe'sのチョコレートを購入するため。


少々小さ目の板チョコが3枚で2ドル足らず。
しかもベルギー製だから美味しい。
調子に乗って部内全員の分を購入したら重さがエラいことになってしまった


寒い中歩き回って体はすっかり冷え切ってしまったので温かいものがほしくなった。
56th Street 5Aveと6Aveの間にあるラーメン屋さんへ。


あったかい長崎チャンポンをいただく。
チップ込16ドルほど。
マンハッタンで温かい食事を20ドル以下で抑えるのに、日本人のラーメン屋さんは心強い味方。
体をほかほかにし、夜の『Shuffle Along』観劇に向けて備えるのであった。

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Priscilla日本版観てきました・総括編

2016年12月30日 | 国内エンタメ

先日28日。メガヒヨはプリシラ日本版の前楽公演を観てきた。

更に盛り上がっているキャストさん達の熱演に惹かれ、二時間半楽しんできた。
楽しい気持ちの一方、これがBroadway版通りだったら更に良かったのになとも思った。

とはいえもう終わってしまったこと。
不満に思った点は演出編一幕・二幕に書いたので、ここでは気持ちを整理して箇条書きしてみるね。

・DIVA、キンタロー。さんをはじめ、キャストは良かった。

・山崎さんは決して自分とはマッチしない役をよく務めあげた。音域も違うのによく自分仕様にカスタマイズしたと感心する。

・演出に関しては、誰もが知る古典の名作ならまだしも、日本初上演の作品をいじり倒すのはひどい。
日本人はオリジナルを知るチャンスを失ってしまう。

・初上演の作品はキンキーブーツの様に演出家を招いて制作してほしい。
日本人演出家はあくまでオブザーバーとしての参加を希望。

・それでも役のイメージから大きく異なる山崎さんが主演前提、しかも一人のアダム役は山崎さんより年上という条件のなか、作品として成立させたのは評価したい。

・古屋敬多さんはじめ、さまざまな分野から才能を引っ張ってきたのも亜門さんならではと思う。

・噂に聞くオリンピック演出はぜひ頑張っていただきたい。その舞台で今回のキャストさん達を活躍させてほしい。
そして亜門さんはその仕事に専念して、翻訳ミュージカルからはしばらく手を引いていただきたい。(結局コレが言いたかった!!)

なーんて、こんな所でこぼしてたって何も変わるわけではなし。

今回痛感したのは、本物を見たけりゃBroadwayに行かなくてはいけないということ。
日本のデフレとドル高のダブルパンチで、年一回の訪米も正直かなりキツイのだけどね。
でも演出を日本人が行うと、大きくその人のフィルターがかかってしまうのは浅利さんや宮本亜門さんで実証済み。
日本から出なかったら、ずーっと日本版しか観られないのだ。

2011年に観たあの美しいBroadway版Priscillaの様な感動を再び味わいたい!!
メガヒヨはそのために、2017年も馬車馬や機関車猿のように働くのであった。

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Priscilla日本版観てきました・演出編第二幕(ネタバレあり)

2016年12月28日 | 国内エンタメ

18日日曜日のマチネに3回目のプリシラを観てきたメガヒヨ。この日はちょうど中日。
役者さんのパフォーマンスは過去に2回よりさらに熱が入り、とても楽しめた。
なんか宮本亜門さんがいろいろ変えちゃったことについて言ってもしょうがないな~。エンタメはつべこべ言わず楽しんだもの勝ちだよな~とまで思い始めた。
気持ちの流れを説明すると、初日は変更点に驚き、二回目は何で日本版だけこんなに変えられたんだという怒り、三回目は役者さんに情が湧いて楽しんでしまおうという感じかな。

でもやっぱりBroadwayの演出・振付を直輸入された方がもっと楽しかったと思ったりするので、再度つらつら語るよ。

第二幕

【♪THANK GOD I'M A COUNTRY BOY
Broadway版では二幕の幕が上がると、キャストが会場のお客さんを舞台に上げて踊らせていた。
キャストと一対一で踊った後、輪になって結構なスピードで回るものだった。
お客さんが転んでしまうことも一度や二度でなく、舞台袖では役者さんたちがハラハラ見守っていたとのこと。(主演のWill氏談)
やっぱり日本版ではそれは無くなっていた。本当、それは大正解!!
以前
に我らがLittle Sisterさんが体を張って、その危険性を立証してくれたことは無駄ではなかった。
(2012年当時のはなし。大けがにならなくてよかった。)
http://blog.goo.ne.jp/megahiyo1414/e/198b8b2d6b54b4333836c0f565a28125

【♪A FINE ROMANCE
ヤング・バーナデットを演じているのは穴沢裕介さんかな?
大きい目が陣内さんと似ているので、この役にぴったり!!
ただすごーく不満なのは、なんでメイクでなくアイマスクしてるの? せっかくの美貌がもったいない…。

Broadwayでこの役を演じた方は、アイマスクを使わずに女性仕様のメイクを施した姿で登場していた。
あの時は女優さん!?と思ったよ。
当時この役を演じたSteve Schepisさんは、始まりから終わりまで女性のメイクでアンサンブルの各役を演じていた。
Go Westではスカートだったし、アリス・スプリングでも女性従業員だった。
日本版ではそういう役の枠とかこだわってないのかな?
全幕にわたっての女装は無理にせよ、休憩時間直後のシーンなのだからアイマスクなんて使わず、穴沢さんの美しさを存分に披露させてほしかったな。

【♪SHAKE YOUR  GROOVE THING
このシーンではとにかく、古屋敬多さんが履いているスカートがぶかぶかだったのが目に焼き付いた(笑)
この衣装は長身のユナクさんと共用なのかな?
Broadway版ではスカートは巻きスカートで、Nickくんは客席にお尻をアピールしながら着ていたな。
…いや。日本の役者さんにそんなことを強要するつもりはございません。

【♪POP MUZIK
キャストスケジュールの関係でキンタロー。さんの演技しか確認していないけど、日本版もハジケているなぁ!
でも客席に飛んでくるピンポンはわずか一つ。(いや、それもオケピに落ちてるかも)
もちろんそれでいいと思う。日本人は劇場からタダで持って帰れるものにこだわる人も多いので、取り合いになってしまうかも知れないからね。
ちなみにBroadwayではピンクのピンポンが多数放出されており、拾った人はステージドアでシンシア役の女優さんにそれにサインしてもらったりしてたな。

それと日本版ではシンシア登場でドラァグクィーン三人組はそうそうに追い出されて、舞台に残るのはアダムひとり。
Broadway版では三人とも残ってその反応ぶりが違うのが面白かった。


(こんな感じ)

【♪A FINE ROMANCE (REPRISE)
Broadway版ではボブに別れの挨拶をするミッチが、ハグにするか、男らしく拳タッチするか迷うのが可愛かったけどあれはWill氏のアドリブだったんだね。
山崎さんでもそれが観たかった!!(あっさりお別れしてた。)
あ、アダムの「ピンポン・シャンペン」の発言もなかったかも。日本だとやっぱり過激になっちゃうのかな。
ちなみにBroadway版は退場時におしりにはさんだピンポンが落下、日本版は隠しもっていたピンポンを口に入れてごまかすといったもの。
どちらも面白いね。

【♪GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN
このシーン、日本でも黙々と運転するミッチが豪華な背景であることは変わらず…。

【♪HOT STUFF
はい、ここも大幅な変更が。

Broadway版のプリシラ号は、アダムの心情を代弁するかのようにLEDライトがメラメラと妖しく光を放っている。
ぱかっと内部が開き、そこではパンツ・ブラ姿のアダムがひざ上網タイツを履いている。
DIVAたちに着替えを手伝ってもらい、女装したアダムは男たちが集まるドライブインへ…といったシーン。

日本版は既に着替え済みのアダム。まぁ失敗できないシーンだからね。
ドライブシーンの雰囲気も違ってたな。
日本のは最初から女装というのがバレていた感じ。男たちも好奇心から声を掛けているように見える。
そこでアダムがそっけない態度を取りからかって、フランクを怒らせトラブルに発展といった流れ。

Broadwayのは最初はうまく女性とだませたけど、カツラが取れて男たちの怒りを買うという展開。

逃亡シーンもこれまた違っていた。日本版はすばしっこく逃げ、身をこなし男たちの同士討ちまで誘う。
Broadway版のアダムはその屈強ぶりを発揮し、大勢を相手にエルボーだのキックだの途中まで善戦する。

どちらがいいのかは役者さんの個性に合っている方がいいと思うのだけど、メガヒヨは断然Broadway版が好き。

そうそうそれと。一番言いたいことがコレ!!
ひと騒動の後、泣き出したアダムをバーナデットが慰めるこの作品のクライマックスといっても良いシーン。
陣内さん、古屋さん、ユナクさんも演技に熱が入っているのはいいのだけど…。
舞台での二人の位置が極端に下手側なもので、上手前方に座った観客には陣内さんの背中しか見えないのだ。
初日にはF列上手30番台の席に着席したメガヒヨからは、小柄な古屋さんは陣内さんにすっぽり隠れて全く見えなかった。

宮本亜門さんはサイド席のお客さんには全く配慮しないのだろうか!?
10年以上前にInto the Woodsを観た際にも、上手下手の客席からはほとんど見えない舞台装置・演出だったな…。
休憩時間に観客が劇場係員に抗議していたのを思い出す。
この演出家氏には、作品にこめる優しさの一割でもいいから端に座ったお客さんにも向けてほしい。
ほとんどの客がフル・プライスを払っているし、大抵は一度きりの観劇、それに遠方から来ている人も少なくないのだから。

【♪MacARTHUR PARK
このシーンも大幅に変更。
Broadway版では、屋外をボブと夜を明かしケーキに顔を突っ込んだまま朝を迎えたバーナデット。
辺りは雨が降り始めている。
起きてきたミッチがそれを見て一言。
「とうとう人生の中でこの歌をうたう瞬間がやってきたわ!!」

「雨の中に置き去りにされたケーキ
持って帰ろうとは思わない。
なぜなら焼くのには時間がかかるし、レシピを手にすることは二度とないから。
OH NO~~~!!」
というマッカーサー・パークの有名な歌詞を歌い上げる。すんごい響きのよいバリトンの声で。
このフレーズは日本でいうと「着てはもらえぬセーターを~ 寒さこらえて編んでます~♪」くらい有名なもの。

起きたバーナデットはボブにエスコートされるようにしてバスの中へ。
残されたミッチは、歌詞に出てくる緑のアイシングがかかったケーキの着ぐるみを着たダンサーと共に歌い踊る。

ちょっとナンセンスがかっているが、主役ミッチにとっては二幕に入って初めての見せ場。

それが日本版では、
ケーキではなくボブの膝枕で眠るバーナデット。
それを見たミッチは祝福の言葉を彼女に寄せ、自分も雨に濡れたケーキのような生き様には別れを告げると歌い出す。
場面はケーキの踊りではなく、ボブとバーナデットの結婚式へ…といった展開。

メガヒヨは正直コレは「語りすぎ」だと思った。
映画やBroadwayのボブとバーナデットの関係はまだ未確定といった感じで。
映画のラストシーンでの少々不安ではかなげな彼女の表情がそれを物語っている。そこが良かったわけで。

確かにマッカーサーパークの歌詞をよく知らない国の人にとっては分かりやすいのかも知れない。
だけど、良くも悪くも演出と称して作品をいじっていいのかと心に引っかかった。

【♪BOOGIE WONDERLAND
日本版のこのシーンの振付は結構いいかも。
キレのある動きで。
さっきも言ったけど、これで女子従業員としてヤング・バーナデット役の人がいたらさらに華やかになったのにな。

【♪THE FLOOR SHOW
あ、楽屋のガウンが省かれている。
バーナデットはお気に入りのヒョウ柄、アダムは可愛いフレア仕様とそれぞれの個性が出ていて好きだったんだけどな~。

それ以外のここの演出はBroadway版とほぼ一緒。

【♪ALWAYS ON MY MIND
楽屋にちょこんと座るベンジーに気づくまでの、ミッチの様子が面白かった。
(ドリフのコントでの「志村、うしろ、うしろ!!」の技法。こういう日本仕様は大歓迎)

ベンジーの部屋のベッドはごく普通の仕様。Broadway版ではレゴブロックを組み合わせたようなデザインで可愛かったけど、予算もあるだろうからね。
それよりエルヴィス・プレスリーのモノマネが気になった。
低い声を頑張っていて結構なんだけど、襟を立てるとか髪の毛をくしゃくしゃにするなどもう一工夫欲しかった。

【♪LIKE A PRAYER
Broadwayでは平らなところでのパフォーマンスだったけど、日本版はエアーズロックのセットの上にて。
足元が不安定なせいか、ダンスはほとんどなし。動きとしては四分の一くらいといったところかな。

アダムの衣装はほとんど変わらないけれど、おしり丸出しではなくショートパンツらしきものは着用していた。
うん、それでいいと思う。ここは日本だし。

【♪WE BELONG
遅れて山頂にたどり着いたティックとバーナデット。
三人で今後にわたっての絆を確かめ合う歌。
日本版ではそこにボブとマリオンが加わる。たぶん映画版でのピクニックのシーンをイメージしてかな。
和音美桜さんほどの歌い手にほとんどソロの機会がないのは勿体ないので、ここで出番を作るのは良いのでないのかな…。

【♪FINALE
日本版の良い点。
それはフィナーレでの写真撮影が許可されているところ。

衣装は写真の通り、オリジナルのまま。
♪Finallyの音楽に合わせて役者さんが楽しそうに踊り、こちらもノリノリで手拍子する。

しかしなんかおかしい。
あ!!みんなアイマスクしてないし、ドラァグのメイクって訳でもない。

このフィナーレは男性の役者さんはドラァグクィーンという設定だとばかり思っていたのに…。
あれらはもともと、映画版でのアリススプリングのステージ衣装だからね。

素顔で着たら、ただのオーストラリア名産品コスプレ大会じゃん。

例えばBroadwayキャストさんの写真を拝借して解説してみましょう。
メガヒヨお気に入りのカイル・ブラウンくん。


パレス劇場での出番前の一枚。
アイマスクに加えてリップも衣装に合わせてる。
まさにファビュラスなドラァグクィーン!!


一方こちらはメイシーズのパレードのリハーサルシーンの一枚。
日本版と同じくアイマスクなし。
こうなると武装解除して丸腰も同然。
素の好青年ぶりを隠せずにいる(笑)

でも考えようによっては、日本のステージに立った役者さんの素顔を見せることによってその人のアピールになるというのもあるからね。
演出には数々の驚きや戸惑いがあったけど、今回の日本版のPriscillaで多くの役者さんを知ることが出来たのでそれは大きな収穫だった。

これを書いている時点で公演はあと3回。
そのうちの1回を観に行く予定で、これが今年の観劇おさめ。

自分にとってはいいことも大変なこともあった一年で、日本版Priscillaはまさにそれを象徴するような作品だった。
四回目はどんな気分で観るのかな。
いずれにしても楽しみである。
 

【UP一時間後に追記】

あ~!!!大切なこと書き忘れていた!!

日本版では主役三人による「シドニーオペラハウス」が無かった。

映画版でもステージの締めを飾るあの名シーン。

例のドレスやかぶりものは着用していたので、やろうと思えば再現は可能だったはず。
なんでやらなかったんだろう。
まさか「日本人はシドニーオペラハウスなんて分からないだろう。」とか誰かさんが判断したとか!?

これについてはメガヒヨも、NYで60回近く観てキャスト三人との会食も果たしたNick姉さんも怒り心頭である。

それにしても世界各地でPriscillaが上演されてて、何で日本だけガラパゴス的な演出になっちゃったんだろう…。
出来るだけいい所を見てポジティブにと思ってたけど、やっぱり悲しくなってきた。

最後の一回を観たらまた総括的に何か書くつもりである。

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