現在、ドン・ウィンズロウの『歓喜の島』(角川文庫)を今更読んでいるのだが、
刑事さんの「あいつら(フランス人)は蛙も好物だ」というセリフは誤訳(もしくは誤植)ですよね。
最初、僕は「へー、あいつらカタツムリだけじゃなくカエルも食べる習慣あるのか・・・」と
真に受けていたのですが、
「もしかしてこの字カエルじゃなくてカタツムリって読むんだっけ?」
と不安になってきて、
「普通はカエルと読むけど稀にカタツムリと読むこともあったりして・・・」
とか、なんか色んな角度から不安になってしまったので、
原文を見てみたところ
「蛙」にあたる部分の言葉は "snails" だった。
("They eat snails, too.")
続いて、「snails は蛙か?」という点だが
原文の文脈から考えれば snails が カタツムリ なのは間違いないと思うので、
あとは「蛙」が「カタツムリ」を意味しうるか?という点のみとなる。
さしあたってできる範囲で調べたところ
「蛙」はどうやら「カエル」であって「カタツムリ」ではありえないらしい。
∴刑事さんの「あいつら(フランス人)は蛙も好物だ」というセリフは誤訳(もしくは誤植)です。
頑張れ角川!
(『歓喜の島』は初版を、原書はsignet bookの「A Winter Spy」を参照しています。)