MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

静岡外国人医療を考える会

2011-01-09 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
静岡県で無料検診会を長年続けているグループのお招きを受けて、
研修会に参加してきました。

場所は違っても、
医療従事者の方々はやはり言葉の問題で困っておられます。
医療通訳者の立場から現在の問題点を話し、
医療従事者側からできることを考えてもらいました。
(人を変えるのは難しいけど、自分が変わるのは簡単だからです)

英語が話せないことにコンプレックスを持つのではなく、
日本の外国人登録者数は圧倒的に非英語話者であることを理解して、
まずはわかりやすい日本語での会話を心がけることだと思います。
たとえば日本語で伝える方法を
日本語教師や言葉の専門家の方に研修していただいてもいいかもしれませんね。

また、研修後、参加されていた栄養士のグループの方と
外国人医療に栄養相談は必要かという議論をしました。
私の経験から、腎臓疾患や糖尿や肥満の患者さんの診察の後に
栄養指導に同行した経験がありますので、
日本人と同じように外国人にも栄養指導は必要だと思います。

ただし、指導内容が日本人の食生活に基づいているものですので、
実践しづらいのが現状だと感じてきました。
一度、医師が軽い気持ちだと思いますが「肉はやめましょう」と言われたことがあったのですが、
この患者さんには肉を食べないなんて考えられず「死ねというのか」とつぶやいていたことがあります。
日本人にとって肉を食べないという選択は
肉を主食のように食べている人たちからみれば、はるかに精神的負担の大きいことなのです。

南米で暮らしていた時に
食生活は変えることの難しい文化なのだと痛感しました。
健康を維持するために食事制限は大切ですが、
その患者さんの文化に応じたものでなければ
意味がないのだなと思います。
是非、いろんな国の食文化を踏まえた上での栄養指導を
考えていただけたらなあと思いました。

主催者の方は静岡市は遅れていると謙遜されていましたが、
もう何年も無料検診を続けている方々がいらっしゃるのを見ると、
外国人医療においては立派な人材先進地域だと感じました。
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