MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

感染症の通訳

2015-06-20 19:06:41 | 通訳者のつぶやき
移住連の北九州フォーラムも終わり、
ここ2週間でホテル暮らしが5泊という旅人ぶりです。

フォーラムの医療分科会は佐賀、北九州、熊本、長崎の
医療通訳の現状が直接聞けて充実した内容でした。

集住地区ではなく、
外国人も通訳者も少ない地方都市で
どれだけ枠組みを作れるかは本当にそこにいる人たちの
情熱にかかっているのだなと思います。

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ある県の方からお問い合わせをいただきました。
感染症患者の医療通訳派遣についてです。

結核の医療通訳の需要は結構あります。
日本人より栄養状況が悪いとか
もともと結核感染していて日本でひどくなったとか
理由は専門家ではないのでわかりませんが、
私も何度か通訳しています。
特に90年代は多かった気がします。

今でも過去の病気ではない結核。
私の子供の頃は身近な病気でした。

私自身、小児結核患者でしたが、
親には別の病気だと聞かされて育ちました。
治療をして排菌はしていませんでしたが、
子どもなので考えずに病名をしゃべって、お友達をなくさないように
親自身が考えたことなのだと思います。
それくらい怖い病気でした。

今でも結核だけでなく
感染症には感染リスクがあります。

「結核に医療通訳を派遣していいのかどうか悩んでます。
医療機関は派遣してと言ってきているのですが」と
言われたので、
「同行は断って電話対応に切り替えてください」と伝えました。
医療通訳は同行が理想ですが、
コミュニケーションだけなら熟練した医療通訳者なら
電話でもほとんどのことを伝えることができます。

「同行でなければ診ない」と言われることもありますが、
感染症に関してはそれは医療機関の甘えだと感じます。
病院外の通訳者は感染症に備えて予防注射をしているわけでもありませんし、
特別な防護をしてもらえる補償もありません。
もし、感染しても病院に責任を持ってもらえるわけではないし、
患者に補償を求めるわけにもいきません。

それなら感染しない電話や遠隔通訳に切り替えることが
ベストでなくてもベターな方法ではないでしょうか。

いままで医療通訳者は
病院、患者の無理をずいぶん聞いてきました。
それはひとえに患者のためでもありました。
でも、改善できることはあると思います。

こうした感染症の通訳は
インフルエンザも含めて通訳者の安全にも気を配るべきです。

と、いうことで、
医療通訳は同行ありきではないと、医療者の皆さんにも
頭を切り替えてほしいと思っています。

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スペイン語話者待望の連続ドラマが日曜日のNHKで始まりました。

情熱のシーラです。

音声切り替えするとスペイン語に切り替わります。
「スペインのスペイン語」ですが、
字幕も見ることができるので、スペイン語の勉強になります。

初回から、主人公シーラが婚約中だったまじめな青年から、
どこからみても女たらし(?)の男に心変わりする展開!
第2回を見ると案の定、男は逃げてしまいました。
まあ、よくある話ではあります。
それからたぶん、一人で強く生きていく細腕繁盛記的なお話になるのでしょうが、
おばちゃんとしては、今からハラハラドキドキしています。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だいひょう)
2015-06-22 08:26:35
私も初回から見ています。今晩第3回を見るつもり。

女たらし(ラミーロ)とはどこかで再会するんでしょうねえ。で、よりを戻すのか?
だいひょう様 (MEDINT)
2015-06-22 09:23:51
お久しぶりです。

昨日、第3回見ました。
やはりドキドキの展開でしたね。
次は、あの銃の引渡し相手ロベルトが
絡んでくるのでしょうか。

NHKなのに、南米特有の
エロチックな描写をどうするんだろう・・・・・。

ワクワクですね。
Unknown (だいひょう)
2015-07-07 07:07:25
上の予想は早くも第5話にして大ハズレ(笑)。
まあ予定調和でないほどドラマは面白いともいえますけど。

それはともかく、これまで見てきたラテンアメリカのテレノベラと比べると
ずいぶん丁寧に作っているという印象を受けますね。
脇役も名優で固めているし。
もちろんそれだけ金をかけているという見方もできましょうが。
だいひょう様 (MEDINT)
2015-07-07 13:43:52
我が家のビデオにとると
スペイン語で聞けないことが判明!
スペイン語で聞くのと日本語で聞くのと
キャラが違うのでやはりスペイン語で聞きたいけど、
家にいないときは仕方なく日本語で聞いてます。
で、まだ5話見てません(涙)

まあ、テレノベラも輸出できる産業であることが
認識されたのかもしれません。
一応、内戦下のスペインを扱っているので、
日本の大河ドラマに近いものかも。
Unknown (元だいひょう@時差ボケ中)
2015-08-24 07:40:33
先週米国出張から戻り録画しておいた「情熱のシーラ」を2回分観ましたが、俄然面白くなってきましたね。再会するのはイグナシオだったとは!(初回以来だったので誰だったかすっかり忘れていました。)時差ボケで目が覚めてしまったため早朝に第11回を観ましたが、彼は相変わらずいいヤツでした。そういえばモロッコの署長さんもとってもいい人でしたが、彼との再会もあるのだろうか? 思うにシーラにとってこれまで悪縁といえばただ一人ラミーロだけであとは全てが良き縁だったような。とはいえ、そのラミーロとの出会いがなかったら彼女モロッコへ行くこともなく、スペイン内戦でどんな目に遭っていただろうか? 縁とか出会いについて深く考えさせられます。

PS.
 たまたま日本語音声で前回のあらすじを観ました。イグナシオ美声すぎ(笑)。
だいひょう様 (MEDINT)
2015-08-24 09:24:35
出張お疲れ様です。

イグナシオの印象は純朴な青年という感じだったので、
ちょっと驚きました。

しかし、スパイのわりには
素性をしゃべるわ、友達のために無防備に動くは、
依頼主との接触も多すぎる気がします。

その辺の抜け感というか、ドキドキ間感が
ちょうどいいのかもしれません。

もう後半に入っているんですよね。
終わるのはさびしいです。

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