最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

シャンプー無しの生活

2015年08月31日 20時48分49秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
8月31日掲載のタイトルは「シャンプー無しの生活」。



  雑誌や書籍などで編集者の記す「あとがき」が編集後記。これまでに55回書いてきたが、最も反響があったのは6年前。ある治療法を調べている過程で、医療者グループの「シャンプー無しの生活を営む」というネットの書き込みが興味深かったので紹介した。
 「シャンプーを使用しない温水のみの洗髪」を続けているグループの師匠(医師)は「フケも痒みもなく、抜け毛も減少した」そうで、頭皮全域でフケの有無をデジタル顕微鏡を用いて観察することで確認。枕カバーに付く臭いも以前より少なくなった印象という。
 この師匠に追随した医師は半年間シャンプーなしの洗髪を継続。シャンプー直後のさらさら感はないものの皮脂分泌の多さによる頭皮のトラブルは激減。別の医師は身体も湯洗いのみだが、すべすべ肌になった。
 久し振りに会ったM子さんが「実はあの編集後記のおかげで」と教えてくれた。いろいろなシャンプーを使っても髪の状態に満足できなかったM子さん。当初はシャンプー不使用に抵抗があって、数日続けては断念。それでも自分には適しているはずと試行錯誤を重ねた。
 辿り着いた結論はシャンプー使用は1週間に1回で、そのシャンプーも髪の毛だけで頭皮は温水。「明らかに以前よりも髪の毛がツヤツヤで、もう髪で悩まないことがすごくうれしい。何を選ぶかではなくて、使わないことだったのも意外な結末で考えさせられました」。
                                              (メディカルはこだて発行・編集人)

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中高年のおしっこの悩み 泌尿器科の専門医が解決します

2015年08月02日 10時27分08秒 | メディカルはこだて
第55号の特集は「中高年のおしっこの悩み 泌尿器科の専門医が解決します」。

50代や60代になると、健康診断で「おしっこに血が混じっている」と指摘されたり、「おしっこが近くなった」「夜中に何度もおしっこで起きる」「おしっこの出が悪くなった」「くしゃみをしたとき、尿もれがおこる」など、多くの人は尿トラブルに悩み始めるようになる。様々な「おしっこ」に関する悩みやトラブルについて、その原因や改善策、治療法など泌尿器科専門医の話を聞いた。


「健康診断で「おしっこに血が混じっている」と指摘されたら。血尿は重大な病気が潜んでいる可能性があることも」


◎山田裕一(やまだクリニック院長)

学校や職場の健康診断では尿検査が行われることが多い。尿検査は尿たんぱくや尿潜血などを調べるものだが、特に尿潜血で異常(陽性)を指摘されるケースは少なくない。「おしっこに血が混じっている」と指摘されると、「自分は病気になっているのではないか」と誰もが心配になるはずだ。
尿潜血検査は血尿であるかどうかを調べるものだが、やまだクリニック(函館市湯川町)の山田裕一院長は「尿潜血検査は厳密に言うと、血液に存在する赤血球中のヘモグロビンが尿中に存在しているかどうかを簡易的に試験紙で調べています。尿潜血陽性イコール血尿ではありません。血尿は尿に赤血球が混じる状態で、正確には尿沈査を顕微鏡で見て赤血球を確認して判断します。尿潜血が陽性でも尿沈査の赤血球が正常範囲で、血尿でないこともよくあります」と話す。「陽性の異常値は3段階ありますが、それも病気の悪化の程度を表しているものではありません」。
(以上、本文より一部を抜粋)


「おしっこが近くなった。頻尿は1日の排尿回数が8回以上。過活動膀胱は急に尿がしたくなり、我慢が難しくなる」


◎小村秀樹(平田泌尿器科理事長)

「おしっこが近くなった」「おしっこの回数が増えた」という症状が頻尿だ。通常は起床から就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿と呼んでいるが、1日の排尿回数は人によって様々である。 平田泌尿器科の小村秀樹理事長は「一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも、自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえるでしょう」と話す。 頻尿の原因は様々だが、過活動膀胱や動脈硬化による膀胱の血流不足、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染・炎症、腫瘍、心因性などに分けることができる。
(以上、本文より一部を抜粋)


「夜中に何度もおしっこで起きるは、排尿に関わる症状で最も頻度が多い。夜間頻尿の原因は水分の過剰摂取や高血圧、足のむくみなど」


◎敦川浩之(函館泌尿器科院長)

「夜中に何度もおしっこで起きる」という人は非常に多い。このように夜間、排尿のために起きなければならない症状を夜間頻尿と呼んでいる。排尿に関わる症状のうち最も頻度の多いもので、 歳以上の男女で、約4500万人が夜間頻尿の症状を有し、加齢とともに頻度が高くなる。夜間頻尿は日常生活において支障度が高くて、非常に困った症状だ。
函館泌尿器科の敦川浩之院長は「夜間の排尿は1回以上が夜間頻尿とされていますが、実際の臨床では2回以上を夜間頻尿としています」と話す。健全な日常生活を営むためには十分な睡眠が必要だが、慢性的な睡眠不足を引き起こす夜間頻尿は、生活の質を大きく低下させることになる。
「当院を受診した患者さんの中には、夜中に5回以上起きるケースも少なくありません。睡眠は免疫力を高めてくれるので、十分な睡眠をとることはとても大事なことです。また、夜間頻尿は死亡率を上昇させることも知られています。夜間頻尿は単に夜に起きてしまうだけではなく、トイレに行く回数が増えることは、高齢者にとっては転倒による怪我や骨折の危険性が高くなり、寝たきりの原因になることもあります」。
(以上、本文より一部を抜粋)


「おしっこの出が悪くなったは、加齢で多くの人が悩む尿トラブル。通過障害で最も頻度の高いのは男性の前立腺肥大症」


◎田沼 康(函館協会病院泌尿器科医長)

「おしっこの出が悪くなった」「尿のキレが悪くなった」などの症状は、加齢に伴って多くの人が悩み始める尿トラブルだ。このような排尿困難は尿線狭小や尿線途絶によるものだが、症状に関しては、排尿症状、蓄尿症状、排尿後症状の3つに分けられる。
排尿症状は「尿が出にくい」「尿の勢いが弱い」など、尿を出すことに問題のある症状で、蓄尿症状は「尿が近い」「尿がもれる」など尿を溜めることに問題がある。また、排尿後症状は排尿後に「まだ膀胱に尿が残った感じがする」という残尿感や、「下着をつけてから尿が少しもれてくる」といった排尿後尿滴下などである。これらの3つの症状は複合している場合が多い。
(以上、本文より一部を抜粋)


「くしゃみをしたとき、尿もれがおこる」などの尿失禁は尿を貯める機能に異常。女性の多い「腹圧性尿失禁」と男女ともに多い「切迫性尿失禁」


◎武藤雅俊(むとう日吉が丘クリニック院長)

「くしゃみをしたときなど、尿もれがおこる」「トイレに向かう途中に我慢しきれずに尿がもれてしまった」など、自分の意志とは関係なく尿がもれてしまうことを尿失禁と呼んでいる。尿失禁で悩んでいる人は非常に多いが、恥ずかしさから我慢している人がほとんどだ。
むとう日吉が丘クリニックの武藤雅俊院長は「尿失禁の大部分は、尿を貯める機能に、何らかの異常が起こったときに起こります」と話す。「例えば、膀胱の膨らみが悪い場合は、尿が溜まってくると膀胱内圧が上昇して、低圧を維持することができません。そのため尿道の圧より高くなれば、当然失禁となります。低圧で維持していても、急に膀胱の筋肉が収縮し、尿道圧より高くなれば、突然の尿失禁となります。一方、膀胱の低圧維持は正常でも、尿道を締め付ける圧力が低下すれば、失禁が起きます」。このように尿失禁は様々な原因によって発症するが、さらに尿のたまりを感じる神経や尿意の異常が大きく影響することから、より複雑になると武藤院長は指摘する。
(以上、本文より一部を抜粋)


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「メディカルはこだて」の最新号(第55号)が発刊

2015年08月02日 04時48分21秒 | メディカルはこだて
メディカルはこだて」の夏号(第55号)が7月25日に発刊しました。



現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。

【特集】
中高年のおしっこの悩み 泌尿器科の専門医が解決します

健康診断で「おしっこに血が混じっている」と指摘されたら 血尿は重大な病気が潜んでいる可能性があることも
山田裕一(やまだクリニック院長)

「おしっこが近くなった」。頻尿は1日の排尿回数が8回以上 過活動膀胱は急に尿がしたくなり、我慢が難しくなる
小村秀樹(平田泌尿器科理事長)
 
「夜中に何度もおしっこで起きる」は、排尿に関わる症状で最も頻度が多い 夜間頻尿の原因は水分の過剰摂取や高血圧、足のむくみなど
敦川浩之(函館泌尿器科院長)

「おしっこの出が悪くなった」は、加齢で多くの人が悩む尿トラブル 通過障害で最も頻度の高いのは男性の前立腺肥大症
田沼 康(函館協会病院泌尿器科医長)

「くしゃみをしたとき、尿もれがおこる」などの尿失禁は尿を貯める機能に異常 女性の多い「腹圧性尿失禁」と男女ともに多い「切迫性尿失禁」
武藤雅俊(むとう日吉が丘クリニック院長)

【ドクター・クローズアップ】開業は函館で海産業を営んだ曾祖父の縁
山本祐一(函館心療内科クリニック院長)

【ドクター・クローズアップ】発達障害など小児神経を専門とする小児科医
廣瀬三恵子(函館中央病院小児科医師)

【ドクター・クローズアップ】上肢を専門とする整形外科医として4年前に着任
久田幸由(函館おおむら整形外科病院整形外科科長 )

函館初の産業廃棄物「中間処理施設」「管理型最終処分場」が注目 医療機関には処理費用の削減とトレーサビリティの容易な追跡がメリット
岸 寛樹(株式会社西武建設運輸代表)


【トピックス・リポート】オープンシステムを利用した乳がんの手術は1年間で91例
早川善郎(北美原クリニック乳腺外科)

【トピックス・リポート】日本感染管理ネットワーク北海道支部「道南ブロック」は研修会を開催
山根のぞみ(函館五稜郭病院感染情報管理室副看護師長)

【トピックス・リポート】函館中央病院は「がん相談支援センター」を開設
田中博光(函館中央病院医療福祉相談課課長)
小口 修(函館中央病院医療福祉相談課主任)
岡田吉広(函館中央病院医療福祉相談課)


会長へ就任。自身も認知症の実母の介護を経験
朝倉順子(函館認知症の人を支える会会長)

「集った人たちが、共に歌い、笑い、ハレの日を祝うのです」
田邑昌子(函館おしま病院ホスピス病棟看護師長)

病気や障害で日常生活に不安を抱え、相談支援を必要としている人の自立した生活を支援
相川 都(グループホーム湯くら管理者)

難病に負けず漫画家への道を進む
田村紋子(漫画家)

「セラピア便り」  扇の要、函館から
平田 聡(特定非営利活動法人理事長)

『機能性ディスペプシア』の漢方治療について(その2)
久保田達也(久保田内科胃腸科医院副院長)

函館ゆかりの国際報道写真家・岡村昭彦の写真展
『ヴェトナム戦争からホスピスまで』が9月に開催

読者の声

お薦めの一冊 「そのサラダ油が脳と体を壊している」
日隠 修 (栄好堂美原店スタッフ)

The 矯正インタビュー Before&After ⑫
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

診断・治療に能力を発揮するマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

「即時治療におけるトラブル&リカバリー」をテーマに講演
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

東洋医学の治療院から~膝関節の痛みー変形性膝関節症
益井 基(益井東洋治療院院長)

病院・診療所・歯科診療所・鍼灸治療院・薬局等案内(地図)

病院・診療所・歯科診療所・鍼灸治療院・薬局等案内(広告)

「メディカルはこだて」バックナンバーの紹介

編集後記

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トンネルはパンドラの箱

2015年08月02日 04時38分21秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
7月17日掲載のタイトルは「トンネルはパンドラの箱」。



  函館の川汲峠の北側に位置する台場山を下山後、道道83号(函館南茅部線)を登り口に止めた車まで約5・5キロ歩いたことがある。
 途中の新川汲トンネル手前には車両通行止めの旧道があった。そこを進むかどうか迷ったが、旧道にある川汲隧道(トンネル)は立ち入り禁止になっているはずとあきらめて、2キロの新川汲トンネルをとぼとぼ歩いた。
 後日、旧道を訪れると川汲隧道の入口は両側ともコンクリートの壁でしっかりと覆われていた。トンネルには、その理由を「重金属を含む土砂を適正に管理するため」と掲示していた。
 2008年に開通した新川汲トンネルの掘削土砂からは基準を超えるヒ素などの重金属が確認された。堀削土砂の約4分の3は川汲隧道へ埋め戻され、残り約4分の1の土砂処分が問題となった。掘り出された地中の重金属等は、水や空気にふれると有害となって周辺環境に悪影響を及ぼす懸念がある。
 全国各地でこのような重金属を含む残土処理が課題となっているが、北海道新幹線でも、札幌までの区間で、トンネル付近に重金属が含まれている可能性の高い場所があるようだ。トンネルは「パンドラの箱」なのだろうか。
 旧道のところどころには雑草が生い茂っていた。川汲側からの道にはヒグマの糞もあった。もっと時間が経過すると山の一部となるはずだ。
                                              (メディカルはこだて発行・編集人)


左が新川汲トンネル、右が旧道(函館側から)。


旧道を進むと草が蔓延っている。


川汲隧道の入口はコンクリートの壁で覆われている。


「重金属を含む土砂を適正に管理するため」の表示。

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「あなたにとって大切ないのち」をテーマにエッセー募集

2015年08月01日 14時38分19秒 | 生と死を考える会
7月中旬の北海道新聞「みなみ風」でも紹介されたが、道南・生と死を考える会(山田豊会長)では「あなたにとって大切ないのち」をテーマにエッセーを募集している。


7月14日付けの北海道新聞「みなみ風」

エッセーコンテストは9月19、20日に函館で開催する「生と死を考える会の全国協議会全国大会」に合わせて実施されるもの。
「親しい人のいのち」や「動物のいのち」「山川草木のいのち」など命あるさまざまなものを題材として、失われた悲しみや命の大切さに気づかされたことなどをエッセーとしてまとめてもらう。

「いのちのエッセイコンテスト」の募集要項は下記の通り。

◎応募対象は道南地域在住(および道南地域出身)の12歳から25歳までの青少年。
◎応募締切は平成27年8月10日(月)必着。
◎応募作品は未発表原稿に限る。
◎字数は800字以内で、応募原稿は400字詰原稿用紙で自筆すること。
◎原稿には表紙を付けること(表紙は原稿用紙で可)。表紙には題名(タイトル)、名前、住所、電話番号、年齢、生年月日、職業(学生の場合は学校名)を明記し、必ず原稿と一緒に右肩を綴じること(これらの個人情報は受賞作の発表、該当応募者への連絡のために利用し、選考後、直ちに廃棄いたします)。
◎募集要項、選考についての問い合わせには一切応じられません。また一旦応募した原稿の訂正は受け付けません。応募原稿は返却しませんのでご了承ください。
◎応募は下記の事務局まで郵送すること。ファックスや電子メールでの応募は受け付けません。
◎応募先
〒042-0942 函館市柏木町1番53号 道南・生と死を考える会事務局
 五十嵐貴子宛
◎表彰
最優秀賞 賞金2万円(1人)
優秀賞  賞金1万円(2人)
佳作   賞金2千円(若干名)
◎9月20日午前、市民会館で行われる「生と死を考える会全国協議会・全国大会」で受賞者本人が朗読。優秀作品の記録集を作成する。




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袴腰岳~烏帽子岳~横津岳

2015年08月01日 13時12分00秒 | 山歩き・散歩・温泉
6月中旬の日曜日。3年振りに袴腰岳と烏帽子岳、横津岳を歩いてきた。
登山口は横津岳にある東京航空局横津岳航空路監視レーダー基地の通行止めゲート。
ゲートからは舗装道路が続く。縦走路の分岐点までは約30分。


登山口の通行止めゲート           舗装道路を歩く

分岐後もしばらく舗装道路が続く。レーダー基地関連のアンテナ施設を超えると、縦走路の入口となる笹の刈り分け道だ。


湿原のワタスゲ               チシマフウロ


烏帽子岳(右)と袴腰岳(左)


袴腰岳                   団体が登っている(登山道をズーム)

袴腰岳の頂上は団体で満員状態だったので、すぐに烏帽子岳へ。


烏帽子岳頂上                横津岳


横津岳山頂へと続く舗装道路         監視レーダー

横津岳頂上からの眺めは気持ちがよい。


横津岳から眺める駒ヶ岳


横津神社近くにある雲井沼


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