海外のニュースより

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「米国、グアンタナモ収容所の囚人をドイツへ」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2006年04月15日 | テロリズム
ベルリン/ワシントン発:アメリカ政府は、12名以上のグアンタナモに収用されている囚人をドイツに押しつけようとしている。『ヴェルト』紙がベルリンとワシントンの外交筋から聞き出したところによると、その上、合衆国は、連邦政府に圧力を加えている。これまでのところ連邦政府は、アメリカの願望に抵抗している。公式には連邦政府は、問い合わせに対して何も表明していない。
 捕虜の集団で問題となっているのは、15人のウイグル人である。中国西部(新彊ウイグル自治区)に住んでいるこのイスラム教徒達は、北京政府に対して武装闘争を行っており、そのために迫害されている。2002年にこれらの男達は、タリバンあるいはアルカイダの戦士としてアフガンニスタンで捕虜となり、キューバのグアンタナモの捕虜収容所に連れてこられた。2003年末にすでに、アメリカ軍当局者は、これらのウイグル人は釈放可能かもしれないと考えた。彼らの何人かは、確かにアフガンニスタンの訓練基地を訪問したかもしれないが、無害であると格付けされたと軍の書類に基づいてアメリカのメディアは報道した。
 逮捕者は中国に引き渡された場合には、死刑になる恐れがあるので、米国は、この集団を引き受ける別の国を探している。アメリカ人の推測では、ドイツが適している。なぜならば、バイエルン州にすでに一連のウイグル人難民が生活しているからである。
だが、新しいドイツ連邦政府は抵抗している。その背景には、中国との関係についての配慮がある。アンゲラ・メルケル連邦首相は、5月末、北京を初めて訪問する予定である。北京の指導者達は、ドイツがウイグル人を引き取ることを非友好的な行為と感じるだろうとベルリンでは言われている。
ベルリンの外交筋では、米国は諦めないだろうということを前提にしている。『ヴェルト』紙の情報によると、ブッシュ大統領は、連邦首相が去る1月初めにワシントンを訪問した際に、このテーマを話し合っている。次回のワシントン訪問の際に、ブッシュは彼の頼みを繰り返すだろう。舞台裏では、ワシントンは、グアンタナモ捕虜収容所の解散を直接間接に力説してきた国々が、捕虜を引き取るべきだと主張している。ドイツはそういう国の一つである。
[訳者の感想]確かにドイツやフランスでは、拘置の理由もなく長期に収容所に入れておくことに対して反対の世論があったと思います。しかし、だからといって、簡単にウイグル人捕虜を引き取ることもできないというヂレンマを抱えているようです。ロシアもかっては1930年代にウイグル人の独立運動を弾圧した前歴があり、引き取る可能性は少ないと思います。日本政府に依頼が来たらどうするでしょうか?
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1 コメント

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Unknown (kts)
2006-04-15 10:57:10
日本には中国のスパイが多いそうですし、

政府や省庁にも中国のご機嫌伺いをする人たちがいますからダメでしょうね。

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