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手術後にわいせつ行為、被告の医師が無罪主張 東京地裁

【出典:2016年11月30日 日本経済新聞】

 手術後の女性患者に診察を装ってわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた柳原病院(東京・足立)の外科医、関根進被告(41)の初公判が30日、東京地裁(大川隆男裁判官)であった。被告は「私はやっていません。診察に何の落ち度もありません」と無罪を主張した。

 起訴状によると、関根被告は5月10日午後、柳原病院の病室で、乳がんの手術を終えた30代の女性患者に診察の一環と誤信させて、胸をなめるなどのわいせつな行為をしたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、女性の胸に大量の唾液が付着し、関根被告のDNA型が検出されたと指摘。「被害者は酸素マスクをしており、周囲に聞こえるような大きな声を出すことができなかった」と述べた。

 関根被告は「4人部屋で隣のベッドに患者がおり、看護師も出入りしていた。あやしい行為は一切ない」と説明。弁護側は「被害に関する患者の供述は、麻酔から覚醒するまでの妄想や幻覚によるものだ」と主張した。

 被告は非常勤の外科医として勤務していた。
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「トクホ」商品を買い上げ調査 品質把握へ消費者庁

【出典:2016年11月30日 日本経済新聞】

 特定保健用食品(トクホ)の一部で効果に関わる成分が規定量を下回っていた問題を受け、消費者庁は30日までに、トクホの買い上げ調査を始めるなどの対策を発表した。トクホは一度許可されれば更新の必要がないため、許可後も同庁が品質を把握できるようにする。

 買い上げ調査は今年度から始め、抜き打ちで実施する。事業者には年1回程度、第三者機関による成分量の分析を受けて結果を同庁に報告することを義務付ける。

 一方、問題を受けて事業者に求めていた有効成分量の調査結果が30日までに出そろい、同庁は販売中の366商品全てで問題は無かったとした。

 同庁は9月、粉末清涼飲料など一部の商品について、有効成分量が表示より少ないなどとして、トクホの制度開始以来初めて許可を取り消した。
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名古屋でも国側争う姿勢 子宮頸がんワクチン訴訟

【出典:2016年11月30日 共同通信社】

 国が接種を勧めた子宮頸(けい)がんワクチンの副作用で全身の痛みや運動障害が発症したとして、岐阜、愛知、三重各県の15~21歳の女性6人が国などに約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、名古屋地裁(倉田慎也(くらた・しんや)裁判長)であり、国と製薬会社グラクソ・スミスクライン、MSD(いずれも東京)は争う姿勢を示した。

 MSDは「170万人以上を対象にした試験でワクチンと原告が主張する症状との関連性はなかった」と主張。グラクソ・スミスクラインは、接種した女性からの体調不良の報告で、国が接種勧奨を控えており「多くの女性ががんのリスクにさらされている」と訴えた。

 名古屋市の原告(21)が意見陳述し「痛みは24時間続くので、大学にも入れず就職も難しい。目をそらさず助けてほしい」と涙ながらに訴えた。

 訴状によると、国は2010年にワクチンの接種促進事業を開始。13年に定期接種の対象としたが、約2カ月後に積極的な呼び掛けを中止した。
 ワクチンを巡る全国訴訟は東京、大阪、福岡地裁でも係争中。
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中津川市民病院に賠償命令 誤診でまひ、9千万円

【出典:2016年11月28日 共同通信社】

 病院の誤診で下半身にまひが残ったとして、岐阜県恵那市の男性(51)が中津川市民病院を運営する同県中津川市に約2億5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は25日、市に9774万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩(あさひ・たかひろ)裁判長は、後遺障害の慰謝料や障害がなければ得られたはずの収入などを認めた。一方で、現在介護している妻が高齢となった後に男性の介護サービスを雇う費用などは認めなかった。

 判決によると、男性は2011年4月、同病院で磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査を受け、椎間板ヘルニアと診断された。実際には化膿(かのう)性椎間板炎で、適切な治療が受けられず、感染症が進行し下半身にまひが残った。

 病院は医療過誤を認めており、賠償額が争点となっていた。中津川市民病院の安藤秀男(あんどう・ひでお)院長は「判決文を十分検討し、速やかな解決に向けた対応を考えたい」としている。
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機能性表示食品、植物エキスなど追加 消費者庁

【出典:2016年11月26日 日本経済新聞】

 消費者庁の機能性表示食品制度に関する検討会は26日までに、植物エキスや糖質・糖類を同食品の関与成分として認めるべきだとする報告書をまとめた。同庁はこれを受け、より細かい対象成分などを検討し、ガイドラインを改正する。機能性を表示できる対象を広げ、消費者の選択肢を増やす。

 植物エキスは多くの場合、どの成分が機能性に結びついているか特定できず対象外だった。業界団体の健康食品産業協議会(東京・新宿)によると、植物エキスを使った健康食品は現在、朝鮮ニンジンや青汁などを使った商品がある。糖質・糖類はオリゴ糖やキシリトールなどが対象になるとみられる。

 機能性表示食品制度は2015年4月に開始。臨床試験か既存の研究論文によって自社で機能性を証明し、消費者庁に届け出れば機能性を表示できる。現在は約500品が受理されている。

 富士経済(同・中央)によると、機能性表示食品の市場規模は15年見込みで303億円。国の許可が必要な特定保健用食品(トクホ)から移行する流れもあり、16年は699億円と予測しているという。
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日東電工、進み始めた医薬銘柄への道

【出典:2016年11月25日 日本経済新聞】

 日東電工が「医薬銘柄」への変身を始めた。臨床試験を進めてきた次世代バイオ医薬品、核酸医薬品の開発と製造販売で米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)と提携すると11日に発表。証券会社のアナリストらは相次いで目標株価を引き上げた。「電子部品株」からの脱皮に向け格好のパートナーを得た。

 核酸医薬は病気にかかわる遺伝子に働きかけて治療する薬で、従来の医薬品より薬効が高いと期待される。BMSとはまず2018~20年に製品化する見通しの肝硬変治療薬の開発と、製品化後の製造販売のライセンス供与で合意。日東電工は一時金として1億ドル(約110億円)を受け取り、開発や販売が進むたびにマイルストーンと呼ぶ報酬を得る。将来は他の臓器の治療薬でも同様の契約を結ぶ方向だ。

 発表を受け、日東電工の株価は急上昇した。11日に一時前日比11%高となる8050円を付けた。その後も8000円前後で推移している。シティグループ証券の池田篤氏は治験の成功確率を織り込んだ26年3月期の肝硬変治療薬の売上高を2119億円、日東電工のロイヤルティー収入を424億円と試算。将来稼ぐ利益から計算した現時点での1株当たりの同薬の価値を1023円と推定して、1年後の目標株価を1万円とした。

 ゴールドマン・サックス証券の高山大樹氏は発表前の11月上旬、肝硬変治療薬の売り上げピーク(末端市場ベース)を31年3月期の約4000億円と試算。進行中の治験の成功率を25%と想定して同薬の価値を1株当たり650円とみている。1年後の目標株価を7950円としたが、「これから治験が進むごとに切り上がる可能性がある」と指摘する。

 BMSが日東電工の肝硬変治療薬を見初めたのは、15年11月の米国肝臓学会での日東電工の発表だった。肝硬変は根本的な治療薬がないとされてきたが、第2段階の治験では患者の8人中6人に症状の改善がみられた。

 日東電工は製薬数社から提携を持ちかけられたという。BMSはC型肝炎の治療薬で約1600億円、B型肝炎で約1300億円を売り上げるなど肝臓の治療薬に強い。開発力だけではなく既存の医薬情報担当者(MR)や販売網を有効活用できそうだ。半年以上にわたる協議で日東電工はこれまでの治験の詳細なデータを渡し綿密な査定を経て契約に至ったという。「これまで日東電工の核酸医薬の戦略は客観的に信頼する根拠がやや乏しかったが、BMSという世界的にみて最も新薬の導入がうまいと言われている会社に評価されたことで製品化への確度が高まった」(シティの池田氏)との見方が広がっている。

 連結営業利益の6割強を16年3月期に稼いだ電子部品部門は将来の見通しが厳しい。英調査会社IHSマークイットによると、液晶パネル用偏光板は16年に前年比約15%も価格が下がる上、20年にかけては年率で1~3%の価格下落が続く見通しだ。「超薄型偏光板」の普及で対抗するが、あくまでパネルにしか使い道はない。かつて液晶テレビやスマートフォンの爆発的な普及で手にした成長のバトンを医薬事業に引き継げるか。同社は評価の分かれ道に立っている。
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ED治療薬、4割が偽造品 販売サイト調査

【出典:2016年11月24日 日本経済新聞】

 国内で勃起障害(ED)治療薬を製造・販売する製薬4社は24日、インターネットで販売されるED薬を調べたところ4割が偽造品だったと発表した。偽造品には不純物が混じっていたり、有効成分が過剰に入っていたりするケースもあり、健康被害も懸念されるという。EDの潜在的な患者数は国内で1130万人と推計され、ネット経由での偽造品の流入が深刻化している。

 国内および日本への流入量の多いタイの販売サイトから米ファイザーの「バイアグラ」など計70サンプルを仕入れ、成分を調べた。偽造品には有効成分が通常の1.5倍も含まれる製品もあり、服用すると低血圧などの症状が出るという。

 ED治療薬は症状の性質から医師への相談・処方を敬遠する人が多く、ネット販売に手を伸ばす人が後を絶たない。2015年に税関では約1千件の偽造薬が差し止められたが、大半がED治療薬だった。

 厚生労働省は15年度までに累計でおよそ2千件の偽造薬の販売サイトを摘発した。

 世界保健機関(WHO)は偽造医薬品の世界での流通額を650億ドル(およそ7兆3000億円)超と推計する。欧米では正規ルートに混入する事例も起きており、2次元バーコードなどを使った流通管理を義務づける動きもある。

 偽造医薬品問題に詳しい木村和子金沢大教授(国際保健薬学)は「諸外国の規制強化で日本へ流入するリスクは高まっている。麻薬に代わる犯罪組織の資金源にもなり得る」と警告している。
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偽造バイアグラ、ネット経由で氾濫 4割がニセモノ

【出典:2016年11月24日 日本経済新聞】

 インターネットの普及で偽造医薬品の摘発が相次いでいる。2015年に税関で差し止められた偽造薬はおよそ1千件と10年前の100倍に増えた。その代表格とされるのが米ファイザーの「バイアグラ」に代表される勃起障害(ED)治療薬だ。24日にED治療薬を国内販売する4社が発表した合同調査ではネット販売されるED薬の4割が偽造品だった。偽造医薬品が流入する実態の一角が明らかとなった。

 ファイザー日本法人(東京・渋谷)や日本新薬などED治療薬を扱う4社が3月~8月にかけて、「バイアグラ」など国内流通する3ブランドを扱う販売サイトから薬を入手して成分を調べた。対象は国内サイトが45サンプル、日本への流入量の多いタイの販売サイトが同25サンプルだった。

 調査では、入手したサンプルのうち40%が偽造品だった。国内サイト入手分では36%、タイでは48%が偽造品だった。有効成分を調べたところ、正規品の最大用量の1.5倍や全く含まれていないケース、正規品に含まれない物質が入った錠剤もあった。

 日本ではED治療薬は症状の性質から医師への相談・処方を敬遠する人が多い。割安感や手軽さからネット販売に手を伸ばす人が後を絶たない。米国などでは容量が日本の上限の2倍の製品が認可されている。

 昭和大学藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明副院長は「偽造品は不整脈や下痢など健康被害を引き起こした事例も報告されている」と警告する。例えば、有効成分が正規品より多い場合は血管が開きすぎて低血圧などの症状が出るという。11年に4社がネット販売の利用者を対象に行った調査でも、ネット購入者の4割が頭痛やほてりなどの副作用と見られる症状を経験したと答えている。

 偽造医薬品の問題はED治療薬だけにとどまらない。世界保健機関(WHO)は偽造医薬品の流通量は世界で650億ドル(およそ7兆3000億円)を超えたと推計する。日本でも、ネット経由で抗うつ剤や睡眠薬などの偽造薬の流入が増えているとされる。

 欧米では正規ルートに偽造医薬品が混入する事例も起き、行政・製薬業界が対策の強化を進める。日本は健康保険や堅固な国内流通網の存在が偽造医薬品の流入を阻んできたが、ネット販売という新たなチャネルの登場で環境は急激に変わっている。ED治療薬の調査が示す結果は、氷山の一角にすぎない。
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不妊治療、どう区切り? 夫婦で立ちどまる時間 当事者同士が交流

【出典:2016年11月22日 日本経済新聞】

 不妊に悩む夫婦は多い。体外受精など、高度な生殖補助医療を受ける人も増えているが、不妊治療は心身や経済的にも負担が大きいだけに、治療を受け続けることだけがいいともいいきれない。どう区切りをつけ、新しい一歩を踏み出せばいいかは、当事者にとって大きな課題。ヒントを探った。

 「迷っていい、立ち止まっていい。あなたらしい生き方を見つけてください」

 埼玉県に住む主婦の小宮町子さん(47)は会場の聴衆にこう語りかけた。11月中旬、不妊の当事者を支援するNPO法人Fine(ファイン、東京・江東)が名古屋市で開いたイベントでのことだ。不妊治療で子どもを授かった人と夫婦2人で歩んでいる小宮さんがそれぞれ体験を話した後、参加者が交流を深めた。

 小宮さんは34歳から医療機関で治療を始め、37歳から体外受精に進んだ。採卵は20回以上。「これまでかけてきた時間もお金も無駄にしたくない。やめるのが怖い」。妊娠したかどうか判定日のたびにひどく落ち込んだ。「やめてもいいんじゃないか」という夫に反発したこともあった。

 治療に終止符を打ったのは44歳。「始めた時よりやめる決断のほうが難しく、時間が必要だった。どんな人生でも、これしかないと思うととても苦しくなる。どんな人生を選んでもいい」と小宮さん。多くの人が聞き入った。

◇    ◇

 不妊治療は心身の負担も経済的な負担も大きい。しかも治療の努力が報われるとは限らない。かなわないかもしれないとの思いがよぎったとき、やめどきにどう向き合うのか、また、どうサポートするかは大きな課題だ。

 日本生殖医学会は11月上旬、市民向け公開講座のテーマに不妊治療からの「卒業」を取り上げた。医療技術が進歩すればするほど、「今度こそ」と思い、やめどきを考えるのが難しくなっていることが背景にある。こうした講演会や、当事者が交流できるイベントは悩む人がこれからを考える手助けになる。

 それは決して容易ではないが「自分たちの幸せは何なのか、どう生きていきたいのか。治療でへとへとになる前に夫婦で立ち止まって考えてほしい」とFineの理事長、松本亜樹子さんは話す。

 松本さんが勧めるのは立ち止まる節目を、あらかじめ「年1回」などと決めておくことだ。その節目が来たら、頑張ってきたことを振り返り、これからを考える。「大事なのは2人でよく話すこと。面と向かって話すのに照れがあれば、メールでやりとりしてもいい。カウンセリングを受けることも思いや考えを整理するのに役立つ」

 産婦人科医師で慶応大学名誉教授の吉村泰典さんは「43歳でいったん立ち止まってみては」と勧める。国による不妊治療の助成制度の対象年齢は、4月から女性が43歳未満となった。吉村さんは制度の見直しの検討会で座長を務めた。

 医学的には40歳を過ぎると妊娠・出産の可能性は大きく下がっていくことなどが見直しの根拠とされた。「医師として医学的なデータは丁寧に説明する。ただその数字をどうとらえ、どう決めるかは夫婦次第」と吉村さん。

◇    ◇

 子どもがほしいと願う人にとって治療をやめる決断は簡単ではない。思い詰めてしまうこともある。不妊の悩みに応じる専門家には、日本生殖心理学会が認定する生殖心理カウンセラーなどがいる。相談を受けられる不妊治療クリニックも徐々に増えてきた。

 不妊治療の当事者同士によるピア(仲間)カウンセリングもある。Fineでは独自にピア・カウンセラーを認定している。大阪府の女性(51)はその一人。37歳で結婚、すぐに不妊治療を開始。2回目の体外受精で双子を妊娠したが流産し、42歳でも再び流産した経験を持つ。「自分の気持ちをどう整理していいのか、心の置き所が分からなくて心理の勉強を始めた。同じような悩み、苦しみのある人が話せる場所があれば」と活動する。

 治療を終えると決め、実際にやめるまでには時間がかかる。多くの涙が流れることもある。だが、経験を通してかけがえのない自分に気づき、新しい人生への一歩を踏み出す人もいる。

 東京都の生島清身さん(54)は行政書士としての知識をいかし、「遺言」を作っておく大切さを落語に仕立て、講演で全国を回っている。35歳で結婚、45歳で治療を終えた。治療のため以前の仕事をやめたが、時間ができて、落語や行政書士の勉強を始めることにつながったという。「つらい時期だったが、自分の人生にとって大切な時間だった」と振り返る。

 東京都在住の女性(51)は37歳で治療を始め、46歳で終えた。今は趣味のスポーツや自然保護活動などに打ち込む。「治療をやめたからといって不幸になるわけではない。決めるのは自分自身」だ。

■夫婦の2割、検査・治療

 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査(2015年)によると、不妊を心配したことがある夫婦は35%、3組に1組の割合だ。治療や検査を受けた夫婦は18.2%だった。

 高度な不妊治療である体外受精で生まれる子どもの数も増えている。日本産科婦人科学会のまとめでは、14年は過去最高の4万7322人だった。日本で生まれた子どもの21人に1人にあたる。

 国は「ニッポン一億総活躍プラン」で不妊治療の支援を明記した。19年度までに「不妊専門相談センター」を全都道府県や政令指定都市などに設置する計画。就労と不妊治療とを両立しやすい環境整備も進めるとしている。
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髪の毛寄付、私もできる 病気の子にかつら贈る「ヘアドネーション」 美容室・NPO連携 男性も外国人も参加

【出典:2016年11月21日 日本経済新聞】

 病気で髪の毛を失った子どもに贈る医療用のウイッグ(かつら)を作るため、切った髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」。1990年代に米国で普及した「髪の毛の寄付」が、著名人の発信などをきっかけに日本でも広がり始めた。

 「髪を切るだけで人の役に立てると知り、やってみたいと思った」。埼玉県に住む24歳の主婦A子さんは11月上旬、2年以上伸ばした髪を切り寄付をした。

 きっかけは乳がんで闘病中のフリーアナウンサー、小林麻央さんのブログ。「髪の毛を寄付するヘアードネーション。抗がん剤を始める前に長い髪を切ったとき、思い立てばよかった」との書き込みを読んで決意した。

◇  ◇

 A子さんが訪れたのは、インターネット検索で見つけたヘアドネーション賛同美容室「BREEN」(東京・渋谷)。毎月25~30人が髪の毛の寄付に訪れる。「20~30代の女性が多く、地方から来る人も少なくない」と経営者の橋本幸生さん。集まった髪の毛は毎月1回、ジャパン・ヘア・ドネーション・アンド・チャリティー(JHDAC、大阪市北区)に送る。

 JHDACは、寄付された髪でウイッグを作り、病気で髪を失った18歳以下の子に無償で贈るNPO法人だ。事務局長で美容師の渡辺貴一さん(45)が店を開く際、「社会に貢献できる活動もしたい」と始めた。

 無毛症や脱毛症、抗がん剤治療などで髪の毛を失った子ども用のウイッグは、十数万~30万円程度と高額。成長にあわせてつくり替えるため保護者の経済的な負担は大きい。

 サイトで申し込みを受けると渡辺さんが子どもの頭囲などの採寸に行き、ウイッグ会社に発注する。1台に必要な髪は20~30人分。15万円ほどの製作費と諸経費は募金でまかなう。2009年の活動開始以来、124人に提供してきた。

 著名人の発信などもあり、今年に入って1日100~150個の髪の毛入りの封筒が届くように。一方で、人手や資金の不足で製作が追いつかず、100人ほどがウイッグの順番待ち。「企業と提携するなどずっと活動を続けていけるような仕組みを考えている」と渡辺さんは話す。

 髪を寄付する人の思いは様々だ。「日本に恩返ししたい」とネパールから来日中に髪を切ったのは、アンジャナ・ケーシーさん(28)。生まれつき骨が弱く歩行が困難で、自国の障害者の自立推進活動に取り組むアンジャナさん。日本企業によるアジアの障害者リーダー育成研修を受けるため12年に初来日した。日本の支援者との交流を深め、9月にはバリアフリーカフェを自国につくる事業のためのクラウドファンディングを日本で始めた。

 目標の150万円を達成した11月5日、共に活動するスシラ・ブジェルさん(23)と東京都千代田区の美容院で長い髪を切った。「交流サイト(SNS)でヘアドネーションを知り、髪を伸ばしてきた。日本にお世話になったので、お返しできるのがうれしい」

 東レ経営研究所(東京・千代田)の主任研究員、渥美由喜さん(48)は1年前からヘアドネーションのため髪を伸ばしている。仕事中は肩まで伸びた髪を後ろで結ぶ。講演や企業訪問も多いが「事情を説明して理解してもらっている」。

◇  ◇

 きっかけは小1の次男の闘病経験だ。1歳半で大手術を受け1カ月半入院。小児病棟で小児がんと闘う子どもたちに出会った。

 次男の退院後も、闘病中の子どものことを忘れてはいけないと思っていた。1年ほど前にJHDACの活動を知り、寄付を決意した。「髪を伸ばすことは、一人じゃないという子どもたちへのメッセージになる」。思いを周囲に伝えると、知人男性3人が髪を伸ばし始めた。「社会はこうして少しずつ変わっていくものだと思う」

 ヘアドネーションの広がりについて「がんの子どもを守る会」(東京・台東)のソーシャルワーカー、石橋裕子さんは「人々が闘病中の子に思いを寄せてくれること自体に、大きな意味がある」と話す。
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慶大のAI、医師試験合格に近づく 正答率55%超に

【出典:2016年11月20日 日本経済新聞】

 慶応義塾大学の榊原康文教授らは、昨年開発した医師国家試験に解答する人工知能(AI)を、合格間近な水準まで改良した。過去の試験問題から機械学習する機能を新たに追加し、正答率を55%超に高めた。国家試験は3分の2以上の正答率で合格するとされ、1~2年以内の達成を目指す。医師の診療を支援するソフトウエアとして実用化を目指す。

 研究チームは475種類の病名と903種類の症状のデータから、患者の病気を判定するソフトの開発に取り組んでいる。今回、過去27年間の試験問題を機械学習する機能を追加した。

 問題文に含まれる症状や病歴などにかかわる単語は、病名の判断のカギとなる。これらを学習させたうえ、否定語や同義語を正しく判断する機能も加えた。

 学習に用いたのとは別の試験問題を解かせたところ、正答率は55.6%だった。以前のソフトから約9ポイント向上した。

 現在、X線や内視鏡などの画像が付いた問題への正答率を高める改良を進めている。問題文の画像とネット上に公開されている医療画像との類似性を判定する機能を試験的に加えたところ、正答率が約3割から6割超に高まった。大量の画像データを学習させれば、さらに高まるとみている。

 国立情報学研究所などは今月、東京大学入試への合格を目指して開発してきたAI「東ロボくん」の成績があまり伸びず、合格は難しいとの結論を出した。榊原教授は「東大の入試は落とすための試験。医師国家試験は能力を測るための素直な問題で、その違いも関係しているのではないか」と話す。ただAIは時間の概念がないため、症状が次第に変化していく表現を含む問題への対応が難しいという。
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子どもがダウン症 経験者・専門家の支援広がる 偏見減らす交流も

【出典:2016年11月17日 日本経済新聞】

 染色体の突然変異で、千人に一人の割合で生まれるとされるダウン症の子どもたち。子どもがダウン症と分かると、親は思わぬ事態に、これからどう育てていけばいいのか不安が募りがちだ。しかし、成長段階ごとに直面する課題や活用できる教育、福祉、医療制度などについて、適切な情報を得られれば、子どもに合う育て方を見つけやすい。ダウン症の子を育てた経験者や専門家らによる支援も広がっている。

 「離乳食を丸のみしてしまいます。大丈夫でしょうか」。2日、神奈川県立こども医療センター(横浜市)はダウン症のグループ診療を開いた。1歳前後のダウン症の子を持つ15家族が医師や栄養士、遺伝カウンセラーらの話を聞いた。

■成長に合わせ情報

 同センターは年間40~50家族にグループ診療を実施。専門家の話の後、参加者が小集団で互いに話をし、専門家も適宜助言する。グループ診療について「同じ障害を持つ子どもを抱える親同士、悩みを打ち明けやすい」と同センターの黒沢健司遺伝科部長は話す。

 ダウン症のある人は国内に5万~6万人とされる。遺伝ではなく誰にでも起こりうる染色体の突然変異の場合がほとんど。筋肉の緊張度が低く、知的な発達に遅れがあることが多く、心臓や消化器系など合併症を伴うことも少なくない。

 心身ともに成長はゆっくりだが、医療技術が進み、50歳を過ぎても元気な人も多い。それだけに子の健康や教育、将来の暮らしなど、親の心配事はつきない。

 「告げられた時、どうしていいのかわからなかった。情報がなく、ダウン症の子どもとの生活が想像できなかった」と話すのは、ダウン症の男児を育てる武田みどりさん(41)。昨年ダウン症の男児を出産した会社員の女性(36)は「情報を得ようとインターネットで検索すると否定的なものばかりが目につき不安感が増した」と話す。

 子どもがダウン症と分かったら、適切な情報を得て、不安感を和らげるのが先決だ。「産婦人科や小児科で遺伝診療を手掛けるなど、ダウン症に関する専門スタッフのいる医療機関に相談を」と足立病院(京都市)の畑山博院長は助言する。医師だけでなく、遺伝カウンセラーやソーシャルワーカーらが相談にのってくれる。その後は神奈川県立こども医療センターのような医療機関から支援を受けるようにするといい。

 医療機関だけでなく、ダウンン症の子を持つ家族の支援に取り組む団体の情報も役に立つ。公益財団法人日本ダウン症協会(東京・豊島)は、ダウン症のある子を持つベテランスタッフが相談に応じている。電話やファクス、メールで受け付ける。全国各地に委嘱相談員がおり、住んでいる地域の相談員を紹介する。必要に応じて医療や福祉の専門家ともつなぐ。

■積極的な外出を

 一般社団法人ヨコハマプロジェクト(横浜市、近藤寛子代表)は、ダウン症のある子どもや家族がどう生活しているかイメージしてもらえるよう、小冊子「ダウン症のあるくらし」を作製した。病院やクリニックなどで配布している。

 冊子は乳幼児期から学齢期、成人になる過程で変わる生活をカラー写真で紹介。成長段階ごとに直面する課題や活用できる教育・福祉制度も解説する。「仕事を続けられるか」「周囲の人に説明すべきか」などの質問にも答えている。

 重要なのは引きこもりに陥らないこと。必要な情報が入ってこなくなる恐れがあるからだ。畑山院長は「親の会へも参加した方がいい」という。地域の親の会は病院などで紹介している。子どもを公園や地域のイベントなどに積極的に連れ出すのもいい。「障害の無い子どもと一緒に生活することが十分可能だと実感でき、将来への不安が和らぐ」(畑山院長)。ダウン症のある人とない人が共に歩く米国発祥の「バディウォーク」が日本でも始まっている。

◇     ◇

■新型出生前診断、関心高まる

 高齢出産が増え、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)への関心が高まっている。高齢になると胎児にダウン症などがある確率が高いとされるためだ。

 NIPTは日本では2013年4月に臨床研究として開始。日本医学会が認定した全国の約70施設で約3万人が受診した。検査で陽性と判定された場合、家族は出産するかどうか重い選択を迫られることも。診断やダウン症への理解が不十分のまま検査だけが広がると「命の選別につながりかねない」と懸念する声も根強い。

 ヨコハマプロジェクトの近藤代表は「検査を受ける前に、ダウン症児を育てるのにどんな支援があるかなどを知っておいてほしい。医療や教育、就労など幅広い情報が家族に届くことが欠かせない」と指摘する。関係機関が協力し、情報提供する体制づくりが急務だ。
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信州大「不正認められず」 子宮頸がんワクチン研究

【出典:2016年11月16日 日本経済新聞】

 信州大の池田修一教授が厚生労働省研究班の代表として実施した子宮頸(けい)がんワクチンの副作用に関する研究で不正が指摘されていた問題で、外部有識者による信州大の調査委員会は15日、「不正行為は認められない」との結論を公表した。

 池田教授は3月、厚労省の会合で、免疫の異常を起こしやすくしたマウスに子宮頸がんワクチンを接種すると、神経細胞を攻撃する抗体が作られたと発表。雑誌で「都合の良いデータを選んでいる」と指摘された。

 調査対象は池田教授と研究者2人。実験ノートを調べるなどした結果、データの捏造(ねつぞう)や改ざんはなかった。ただ、データは予備段階の実験で得たものだったのに発表の際、断定的な表現を使ったためワクチンが原因で異常が起きたことが科学的に解明されたかのような印象を与えたとし、発表内容の修正と再実験を求めた。

 委員長の前田雅英・日本大大学院教授は記者会見で「社会的な影響が大きいため、公表には細心の注意を払うべきだった」と述べた。

 池田教授は「研究に捏造も不正もなかったことが実証され安堵した」とのコメントを発表した。

 信州大は6月、学内の規定に基づき予備調査を開始。9月には外部有識者5人による調査委を設置した。

 雑誌で不正の疑いを指摘した医師でジャーナリストの村中璃子氏は「調査委が適切で十分な調査を行ったのか疑問がある」としている。
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救急搬送の延命治療中止36% 医師提案、終末期患者

【出典:2016年11月15日 日本経済新聞】

 死期が迫った状態で救急搬送された患者について、日本救急医学会が過去5年半の間に医師から報告された159件を調べたところ、医師側が患者の家族に延命治療の中止を提案したケースが36%に当たる57件に上ることが15日、分かった。

 いずれも複数の医師らによる医療チームが、回復の見込みがない「終末期」に該当する患者かどうか判断した上で延命中止を提案しており、57件のうち48件(84%)でチームの中止方針と家族の意向が一致していた。残り9件では家族の意向は中止ではなかったが、積極的な回復治療は求めなかった。最終的な処置は57件の大半で医師側の提案通りになったという。

 調査を担当した国立病院機構大阪医療センターの木下順弘・集中治療部長は「チームが丁寧に説明したことで家族の理解を得られやすかったのではないか」としている。

 調査は全国の救急医らに任意で報告を求め、2010年10月から今年4月までに集まった159件を分析した。

 救急医学会は07年に「終末期医療に関する指針」を策定。薬物注入などによる安楽死は禁じているが、人工呼吸器の取り外しや血圧を上昇させる昇圧剤の減量、人工透析停止といった延命中止行為を選択肢として認めている。

 搬送された終末期患者の年齢は70歳以上が全体の64%を占めた。くも膜下出血や脳梗塞などの脳・神経疾患、肺炎などの呼吸器疾患が多かった。

 17日から都内で開かれる同学会の学術集会で報告される。
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勾留中死亡、法医が告発へ 「自白強要で暴行」 奈良県警の警察官

【出典:2016年11月15日 共同通信社】

 2010年2月に奈良県警が業務上過失致死容疑で逮捕し、桜井署で勾留中の男性医師=当時(54)=が死亡したのは取り調べを担当した警察官の暴行が原因として、遺体の鑑定書を調べた岩手医大の出羽厚二(でわ・こうじ)教授(法医学)が、県警に特別公務員暴行陵虐致死容疑で告発することが14日、分かった。容疑者は特定していない。

 15日に告発状を県警に提出する。出羽教授は取材に「下半身に広範囲の皮下出血があり、多数の打撲で生じた可能性が高い。取り調べで自白させるために暴行し、死亡させるようなことがあってはならない。県警は真実を隠さずに調べてほしい」と話している。

 医師は勤務先の奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)で、06年に肝臓の手術ミスで患者を死亡させたとして、10年2月6日に逮捕され、同月25日に死亡した。

 告発状によると、警官は同月14~24日ごろ、医師の取り調べ中に頭部や胸部、上下肢を殴打して傷害を負わせ、急性腎不全などの多臓器不全で死亡させたとしている。

 医師を司法解剖した奈良県立医大の教授は、死因を急性心筋梗塞と判断したが、遺族から意見を求められた出羽教授は、広範囲の皮下出血から打撲で筋肉が挫滅し、腎不全や肝不全を引き起こしたと結論付けた。

 医師が逮捕された日の受診記録に皮下出血の記載はなく、遺体の皮膚の色などから、打撲を負ったのは死亡した日から1週間以内と考えられるという。

 奈良地検は当時、医師の死亡について「取り調べは適正で、因果関係はない」と説明した。

 医師の遺族は桜井署員が勾留中に適切な措置を取らなかったとして、奈良県に約9700万円の損害賠償を求め係争中。

 出羽教授は07年、新潟大准教授として大相撲の時津風部屋で急死した力士の遺体を解剖、暴行による多発外傷性ショック死と明らかにし、事件性はないとしていた愛知県警の判断を覆した。

 ※奈良の肝臓手術死事件

 奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)の元理事長が2006年、入院中の男性患者の良性腫瘍を肝臓がんと誤診。知識や経験がないのに、亡くなった男性医師らと同年6月、腫瘍の摘出手術をし肝静脈を傷つけ、失血死させた。県警は10年2月、業務上過失致死容疑で元理事長と医師を逮捕。元理事長は起訴され、禁錮2年4月の実刑が確定した。
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