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子宮頸がんワクチンの経過

【出典:2016年3月31日 共同通信社】

 2009年10月16日 厚生労働省が子宮頸(けい)がんワクチンを初承認
 12・22 ワクチンの国内販売開始
 10・11・26 接種の公費助成を開始
 13・4・1 予防接種法に基づく定期接種に
 6・14 厚労省の専門部会が接種の勧奨中止を決定
 14・1・20 専門部会が副作用は「心身の反応」との見解
 8・29 田村憲久厚労相(当時)が副作用報告の追跡調査実施を表明
 15・3・12 副作用の診療や相談が受けられる医療機関を全国で70カ所整備したと厚労省が発表
 9・17 少なくとも186人が未回復との追跡調査結果を公表
 18 定期接種後の副作用について初の救済決定
 16・3・30 副作用を訴える女性が、国と製薬企業に損害賠償を求める訴訟を起こす意向を表明
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ワクチン副作用集団提訴へ 子宮頸がん予防「薬害」 国と製薬2社に10代女性ら

【出典:2016年3月31日 共同通信社】

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種を受け、全身の痛みやしびれなど副作用を訴える女性たちが、国と製薬企業2社に損害賠償を求める集団訴訟を7月までに起こすことを決めた。このうち17~21歳の女性4人と弁護団が30日、東京都内で記者会見し「国が被害を拡大させた薬害問題だ」と主張した。

 ワクチンは国内で2009年12月に販売開始。厚生労働省によると、14年11月までに小中高生ら約338万人が接種を受け、2584人が副作用を訴えた。

 弁護団によると、この問題での提訴は初。4人を含め12人が既に提訴を決めており、弁護団は被害を訴える全国の女性たちにさらに参加を呼び掛け、東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁で訴訟を起こす。

 2社はワクチンを製造販売したグラクソ・スミスクラインとMSD。国に対しては、ワクチンを承認して公費助成や定期接種の対象としたことが、安全配慮義務違反だと主張する。

 記者会見した4人は、埼玉県の大学1年酒井七海(さかい・ななみ)さん(21)、同県平原沙奈(ひらはら・さな)さん(18)、奈良県の高2谷口結衣(たにぐち・ゆい)さん(17)=仮名、山梨県の高2望月瑠菜(もちづき・るな)さん(17)。

 中学生の時に接種した谷口さんは、全身に激しい痛みやしびれを訴え、今も片道3時間以上かけて通院を続けており、「死にたいと思ったこともあった。普通の高校生活を送りたいのに、今の私にはできない。毎日がつらく、助けてほしかった」と涙ながらに訴えた。

 厚労省の専門部会は、副作用が注射をきっかけとした「心身の反応」とする意見をまとめた。その後、何らかの症状はあるが異常が見つからないことを表す「機能性身体症状」という用語に変えたが、理解は得られていない。ただ、審査で接種との因果関係が否定できないと判定されれば、医療費などが支給される。

 提訴方針について、厚労省は「内容を承知しておらず、コメントは差し控える」とした。MSDは「ワクチンは各国で承認を受けている。提訴されれば法廷で証拠を提出する」、グラクソ社は「詳細を把握していないのでコメントは控える」とした。

 ※子宮頸(けい)がんワクチン

 子宮の入り口付近にできる子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチン。HPVの50~70%を占めるウイルス型に効果があり、筋肉注射で3回接種する。20~30代の若い患者が急増し、小学6年から高校1年に相当する女子を対象に2013年4月から原則無料の定期接種となった。けいれんなどの副作用報告が相次いだため、厚生労働省は同年6月、接種を促すはがきを家庭に送るなどの「積極的な勧奨」を中止した。

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混迷深まり、訴訟に発展 安全性で溝埋まらず 子宮頸がんワクチン問題

【出典:2016年3月31日 共同通信社】

 子宮頸(けい)がんを予防するワクチンの副作用を訴える女性たちが国と製薬会社を相手に損害賠償を求める方針を表明、集団訴訟へと発展することになった。定期接種への呼び掛けを中止してからことし6月で3年。ワクチンの安全性をめぐり専門家と患者側との溝は埋まらず、混迷を深めている。

 ▽期待から懸念へ

 子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が主な原因で、毎年約1万人がかかり、約3千人が死亡する。若年層で患者が増加し危機感が募る中、ワクチンで予防できるがんとして国内外で関心が高まった。

 国内で2009年12月にワクチンの販売が開始されると、3回で約5万円ともされた接種費用の公費負担を要望する声が学会や自治体など各層で上がった。13年4月からは小学6年から高校1年に相当する女子を対象に、原則無料の定期接種が始まった。

 だが定期接種化の前後から、全身の痛みやしびれといった副作用の報告が相次ぐ。手足を激しく震わせる患者の様子が衝撃を与え、厚生労働省はわずか2カ月半後に接種の呼び掛けを中止した。

 厚労省の専門部会は、症状の原因について神経疾患、中毒、免疫反応の可能性を検討し、いずれも医学的に説明できないと判断。14年1月には、筋肉注射による痛みや腫れなどをきっかけに、不安や緊張が体の不調として現れる「心身の反応」だと結論付けた。これが「気のせいだと決めつけられた」と患者らの反発を招き「機能性身体症状」と改められた。

 ▽思春期

 痛みやしびれは、思春期によくある症状ではないかとの指摘がある。厚労省研究班(代表、牛田享宏(うしだ・たかひろ)・愛知医大教授)によると、ある自治体の13年の調査では、男女とも中学生の約2割が接種の有無にかかわらず「半年以上続く痛みがある」と回答した。

 また大規模調査を実施した名古屋市は、回答を得た14~21歳前後の約3万人が挙げた24種類の症状を分析、「接種者だけに多い症状はなかった」と指摘した。

 日本産科婦人科学会など主要な学会は接種呼び掛けの再開を求めているが、一部で慎重な意見もある。

 別の厚労省研究班(代表、池田修一(いけだ・しゅういち)・信州大教授)は、学習や記憶など脳の機能に障害がある患者では特定の白血球の型が多いとして、免疫反応と関連する可能性があると示唆した。

 全身が痛む線維筋痛症などに詳しい西岡久寿樹(にしおか・くすき)・東京医大医学総合研究所長らは、ワクチンに含まれる成分が免疫機能や脳・神経系に障害を起こす「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群」という新しい病態を提唱、患者の訴えを後押しする。

 ▽救済を拡充

 海外では多くの先進国で公的接種となり、世界保健機関(WHO)も接種を推奨する。WHO専門委員会は日本の状況について「根拠の乏しい呼び掛け中止で、安全で有効なワクチンの使用が妨げられれば(がんという)実質的な損害をもたらす」と懸念を示した。

 接種の在り方をめぐる議論が3年近くも行き詰まる異例の事態に、厚労省は因果関係の解明とともに、診療体制や救済制度の拡充で打開を図る。医療費などの支給対象者を約80人まで積み重ねた後に表面化した集団訴訟の動きに厚労省の担当者は「患者会とは頻繁にコミュニケーションを取っているのだが」と戸惑いをみせた。


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子宮頸がんワクチン「副作用」で集団提訴へ 6月にも 予防接種の10代女性ら

【出典:2016年3月30日 日本経済新聞】

 子宮頸(けい)がんワクチンを接種して全身の痛みなどの健康被害を訴える女性4人と弁護団が30日、東京都内で記者会見し、被害を予見できたのに適切な措置を取らなかったとして、国や製薬会社2社に対し損害賠償を求める集団訴訟を6月にも起こす方針を明らかにした。弁護団によると同ワクチンの「副作用」を問う訴訟は初めて。

 この日会見した4人を含む10~20代の12人が提訴を決めており、弁護団は被害を訴える女性に広く参加を呼びかける方針。提訴先は東京、大阪、名古屋、福岡の各地裁を検討している。

 問題となったワクチンは、グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」とMSDの「ガーダシル」。それぞれ2009年と11年に日本国内で承認された。

 子宮頸がんワクチンは、子宮の入り口付近にできる子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する。HPVの50~70%を占めるウイルス型に効果があり、筋肉注射で3回接種する。

 若い患者が急増したため、国は10年11月からワクチン接種への公費助成を始めた。13年4月からは小学6年~高校1年の女子を対象に原則無料の定期接種とした。しかし、全身の痛みや倦怠(けんたい)感などの健康被害を訴える声が相次ぎ、国は同年6月に積極的な接種の勧奨を中止した。

 厚生労働省によると、14年11月までに約338万人が接種を受け、2584人が「副作用」を訴えている。同省は「実態の解明にはさらに研究が必要」としており、接種の勧奨再開のめどは立っていない。

 提訴方針について、厚生労働省とグラクソ・スミスクラインは「詳しい内容を承知していないのでコメントは差し控えたい」などとし、MSDは「世界各国で承認されており、圧倒的な科学的エビデンスがあることから被害者連絡会のこれまでの主張に根拠はないと信じている」としている。
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安く手早く美しく おしゃれ、私なり 手抜きじゃない ネイル用シール400円、歯の美白10分1000円

【出典:2016年3月30日 日本経済新聞】

 ネイルにヘアサロン、ホワイトニング――。美容ケアは多様になっているが、結構高くつく。「もっと手軽におしゃれを楽しめたら」という願いをかなえるサービスの人気が高まっている。

 セガホールディングスは2015年11月から、400円でネイルシールを作れる「ネイルプリ」を全国のゲームセンターを中心に展開している。ネイルシールは爪に直接貼り付けて使い、一度つけると2日間ははがれない。スマートフォン(スマホ)の専用アプリを使えば、自分で撮影した写真をシールにできる。

 ネイルはサロンなどでプロに頼めば8000~1万円程度かかる。すぐに落とすのが難しい場合も多い。セガホールディングスの広報担当、山田愛さんは「職業によっては爪の装飾ができないこともあり、休日に手軽に楽しみたいというニーズがあった」と話す。

 都内のゲームセンターを訪れた埼玉県在住の女子高生(17)は「スーパーでアルバイトをしているので普段はネイルができないけど、長期休みのときなどに使ってみたい」と笑顔をみせた。

 「カットモデルになって、格安で髪を切ってもらいました」。そう語るのは都内に住む女子大生、清水愛奈さん(22)。交流サイト(SNS)でモデルを募集する書き込みを見つけて連絡したのがきっかけ。通常6000円するカットが1000円だった。美容院の閉店後の時間に合わせるなど制約はあるが「節約していたから助かった」。

 今はアプリを使えば簡単にカットモデルになれる。ピイチエース(東京・港)のスマホ向けアプリ「カトモ」は髪を切りたい人と、技術を磨きたい駆け出しの美容師をつなぐ。カットだけなら無料のケースが多いうえ、利用者は何度でもモデルになれる。インストール数は30万。利用者の8割が20代前半の女性だ。学生や社会人1~4年目の若い世代が多い。

 格安サービスをうたっているが「価格破壊をおこしたいわけではない」(中島梨恵代表取締役)。もともと美容師の友人がモデルを見つけられず困っている姿を見て始めた。人の髪の毛で練習できる点やカットモデルをきっかけに固定客がつくなど、美容師にとってもメリットがある。

 歯科医院なら2万~3万円かかるホワイトニングも割安でできる。シロク(さいたま市)は歯のホワイトニングができるサービスを展開。20~40代まで幅広い層が通う。

 安さの秘訣は店舗に歯科医がいない点にある。客がモニター画面を見ながら歯に薬剤を塗ったり、発光ダイオード(LED)ライトをあてたりして自分でホワイトニングする。最も客数が多い店舗でもスタッフは2~3人ほど。口の中の診察や治療は一切行わないうえ「基本的にセルフサービスなので人件費もかからない」(●松=●はきへんに青、あべまつ=裕司マーケティング本部長)。

 若い女性が美容にかけるお金は意外に少ない。マイナビウーマンが22~34歳の働く女性を対象に実施した15年11月の調査によると、毎月の美容代が3000円未満という回答が50%以上を占めた。限られた予算でもおしゃれには手を抜きたくないと考える女性は多い。手ごろな美容サービスはますます増えていきそうだ。
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てんかん新薬承認へ エーザイ、国内勢27年ぶり

【出典:2016年3月27日 日本経済新聞】

 エーザイのてんかん治療薬「フィコンパ」が3月中にも厚生労働省から製造販売承認を得られる見通しとなった。すでに同省の薬事・食品衛生審議会の部会で承認する方針が了承されている。神経が過度に興奮することを抑える新たな仕組みを取り入れたのが特徴で、日本の製薬会社がてんかん治療の新薬を国内で出すのは27年ぶりになる。

 てんかんは脳の神経にある興奮系と抑制系と呼ばれる部分のバランスが乱れることで発症する。フィコンパは抑制系神経が活動するように働きかけることで、神経の過度の興奮を抑え、バランスを保つようにする。これまでの薬では改善が見られなかった患者にも効く可能性があるという。

 国内には約100万人のてんかん患者がいるとされる。発作が出ると意識を失ったり、重い場合には突然死に至ったりすることもあり、薬で発作を抑えることが期待されている。
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江崎グリコ、チョコ初の機能性表示食品 脂肪の吸収抑制

【出典:2016年3月23日 日本経済新聞】

 江崎グリコは23日、機能性表示食品のチョコレート「LIBERA(リベラ)」を29日に発売すると発表した。脂肪と糖の吸収を抑える作用がある「難消化性デキストリン」を配合した。機能性表示食品のチョコレートは初めてという。

 通常商品の基本的な配合を変えず、砂糖の一部を難消化性デキストリンに置き換えて本来のチョコレートの味を維持した。摂取カロリーを気にする20~30代の若い女性をターゲットに全国のスーパーや百貨店、ドラッグストアで販売する。1袋50グラム入りで希望小売価格は150円(税抜き)。

 同社はストレスに配慮したチョコレートなども展開している。機能性チョコレートの国内市場は約70億円とみられ、新商品で市場拡大に弾みをつける。
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がん細胞に壁、免疫力保つ 新薬「オプジーボ」保険適用拡大 副作用少ない「第4の治療法」へ

【出典:2016年3月18日 日本経済新聞】

 従来の抗がん剤とはまったく違う仕組みでがんをやっつける治療薬が登場した。体に備わる免疫の仕組みを生かす免疫チェックポイント阻害剤の「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」だ。日本発のこの新薬は2014年からまず皮膚がんで使えるようになり、肺がんにも健康保険が適用された。顕著な効果を得られずなかなか臨床現場に根付かなかった免疫療法が定着するかもしれない。

 オプジーボは14年9月に小野薬品工業などが皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)向けの免疫チェックポイント阻害剤として発売した。国内で公的医療保険が適用された初めてのがん免疫療法の薬とされる。

 がん細胞は表面に「PD―L1」と呼ぶ分子がある。これがT細胞(免疫細胞)の表面にある分子「PD―1」と結合すると、T細胞はがんを攻撃する力を失う。PD―1は免疫力が過度に高まらないよう監視し、行き過ぎそうになったらブレーキをかけて自分の細胞や組織を攻撃するのを防ぐ「チェックポイント分子」だからだ。

 オプジーボはこの結合を邪魔するようにつくられたたんぱく質(抗体)で、患者に投与すればT細胞はがん細胞を異物ととらえ攻撃する能力を取り戻す。

 がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用し、DNAを傷つけたり細胞分裂を防いだりする一般的な抗がん剤とは仕組みが全く異なる。

 オプジーボの場合、発売に先立つ国内での臨床試験(治験)では、抗がん剤が効かない悪性黒色腫の患者35人へ投与したところ、約23%にあたる8人でがんが小さくなるなどの効果が出た。

科学の十大ニュース

 悪性度が高いと5年後の生存率が1割前後という治療の難しいがんだけに、この効果は免疫療法に懐疑的だった医師の見方を変えた。13年、米科学誌サイエンスはその年の科学の十大ニュースに選んだ。

 オプジーボは15年12月には切除できない非小細胞肺がんでも製造販売の承認を取得した。小野薬品によると、16年1月末までに国内で2000人超がオプジーボを使ったという。同社の株価はこの1年半で2.5倍になった。

 開発のきっかけは免疫学者である京都大学名誉教授の本庶佑さんらによるPD―1の発見だった。1992年にT細胞上にこの分子を見つけ、99年には免疫細胞の働きを制御するブレーキ役を担っていることを突き止めた。

 治療薬候補が完成し、06年に米国で、08年には日本で治験を始めた。本庶さんは「従来の免疫療法はアクセルを踏み込んでがんをやっつけるやり方だった。PD―1分子は正反対の発想だ」と語る。

 免疫チェックポイント阻害剤は免疫力を取り戻すことでがんをたたく治療法のため、副作用が少ないとされる。半年間使い続ければ薬価が800万~1800万円になるとても高価な薬だが「3~6カ月の投与で効果を判断でき、有効なら数年は効果が続く。費用対効果は大丈夫」(本庶さん)。

米大手も治療薬

 オプジーボの他にも免疫チェックポイント阻害剤はある。11年に米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が米国で発売した悪性黒色腫の治療薬「イピリムマブ(一般名)」だ。T細胞が持つ「CTLA―4」という分子と結合し、がん細胞によって抑えられていたT細胞の攻撃力を回復させる。

 がん免疫療法の研究開発は40年に及ぶ歴史がある。70年代にはBCGや丸山ワクチンを使った治療法の研究が始まった。80年代にはサイトカイン療法や養子免疫療法が注目され、90年代にはペプチド(たんぱく質の断片)を使うがんワクチン療法が盛んになった。2000年以降は遺伝子改変したT細胞を患者へ移植する臨床研究も実施された。

 ただ、どれも臨床現場の支持を得て広く普及するような効果を示せなかった。外科手術と抗がん剤、放射線治療の3手法を組み合わせる標準治療に比べると見劣りする状況が続いた。

 日本の科学者や製薬企業が生み出した免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボは治療効果に注目が集まり、国民の2人に1人がかかるがんの治療に新たな希望を与えた。免疫療法ががんの第4の治療法として広がる可能性がようやく出てきた。
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脳の症状、免疫関与か 子宮頸がんワクチン研究班

【出典:2016年3月17日 共同通信社】

 接種後に全身の痛みやしびれなどの副作用が報告されている子宮頸(けい)がんワクチンについて、記憶障害や学習障害など脳の働きに関する症状を訴えた患者の7~8割は特定の白血球の型を持っていることが分かったと、厚生労働省研究班が16日、省内の会合で発表した。白血球は免疫反応を担うため、ワクチン接種による免疫反応が脳の症状に関与している可能性があるという。

 研究班代表の池田修一(いけだ・しゅういち)・信州大教授は「まだはっきりとしたことは分からないが、より詳細に調べたい」と話しており、研究班は今後、患者150人の白血球型を調査する方針。

 信州大を受診した患者14人を調べたところ、71%の10人が特定の白血球型を持っていた。鹿児島大では19人中16人(84%)だった。

 また免疫の異常を起こしやすくしたマウスに同ワクチンを接種すると、神経細胞を攻撃する抗体が作られることが判明した。インフルエンザやB型肝炎のワクチンでは、この抗体はできないという。

 一方、主に痛みの治療に当たる別の研究班(代表・牛田享宏(うしだ・たかひろ)愛知医大教授)によると、運動やリハビリなどの治療で、慢性的な痛みを訴えた98人のうち、67%に当たる66人で痛みが軽くなった。
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パーキンソン病を抑制 マウス実験、細胞死防ぐタンパク質で

【出典:2016年3月14日 日本経済新聞】

 手足の震えや体のこわばりが起こる難病「パーキンソン病」の進行を、神経細胞内の特定のタンパク質の働きを強めて抑えることに、大阪大の望月秀樹教授(神経内科学)のチームがマウスで成功し、14日付の英科学誌電子版に発表した。

 このタンパク質はネクジン。神経細胞の死滅により起きるパーキンソン病で、死滅を防ぐ機能があった。

 望月教授は「ネクジンを作る遺伝子を脳内へ安全に送り込み、治療につなげる臨床研究を数年以内に始めたい」と話す。

 パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減って起きる。細胞内でエネルギーを生み出すミトコンドリアの減少が、神経細胞死に関わるとされるが、詳しい原因は不明。

 チームは、ミトコンドリアの生産に関わる一方、パーキンソン病患者の神経細胞内では分解が進んでいるタンパク質「PGC1α」に着目。ネクジンにPGC1αの分解を抑え、ミトコンドリアを増やす働きがあることを突き止めた。

 パーキンソン病にしたマウスを使い、左脳にネクジン遺伝子を組み込み、約3週間後、生き残っている神経細胞の量を右脳と比べた。すると、左脳では約90%が生存していたが、右脳は30~40%にとどまった。

 望月教授は「アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)など神経細胞の異常が関わる他の病気でも効果があるか確かめたい」とした。
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パーキンソン病 現状維持へ道 適切な薬・早期リハビリ

【出典:2016年3月8日 日本経済新聞】

 手足が震えたり、体の動きが鈍くなったりするパーキンソン病は、脳内の神経伝達物質が少なくなることで起こる難病だ。根本治療法はまだないが、適切な服薬と早期にリハビリをすれば、体が自然に動く状態を維持できる例が増えてきた。

 パーキンソン病は脳の神経伝達物質であるドーパミンが不足し、体を円滑に動かせなくなる。手足などがふるえる、動作が緩慢になる、筋肉が緊張してこわばる、体のバランスが悪くなる――の4つが代表的な症状だ。

 国内の患者数は約14万人と推定され、女性の比率がやや高い。男女とも50~60代で発症する例が多く、70歳以上の有病率は約100人に1人だ。高齢化とともに患者数は増える傾向にある。まれに40歳以下で発症することがあり、若年性パーキンソン病と呼ばれている。

◇     ◇

 ドーパミンは中脳の黒質と呼ばれる組織にある神経細胞で作られる。この神経細胞が変性・減少することでドーパミンが不足し、運動の調節がうまくできなくなる。かつては「パーキンソン病を発症すると10年後には寝たきりになる」といわれていた。

 しかし、こうしたイメージは近年大きく変わりつつある。国立精神・神経医療研究センター病院の村田美穂副院長は「根本的に病気を治す方法はまだないが、適切な投薬とリハビリによって、発症後10~15年後でも状態を維持できるケースが増えてきた」と話す。

 治療の中心となるのが、脳のドーパミンを補充する「Lドーパ」という薬だ。薬の成分は脳の入り口にある血液脳関門という「関所」を通り抜けて、脳内でドーパミンに変化する。脳に到達する前にドーパミンに変化しないようにする薬と併せて服用し、ドーパミン補充の効率を高める。

 Lドーパは古くから使われている薬だが、当初はこの薬を早く服用し始めると副作用が大きいという見方もあった。使用時期を遅らせたり他の弱い薬を使ったりしたほうがよいとの考えが強かった。だが「2000年代以降、Lドーパを早期に使ったほうが病気の進行が遅くなることがはっきりしてきた」(村田副院長)。

 Lドーパを早期から使い、「ドーパミン受容体刺激薬」といった他の薬と組み合わせることによって副作用を抑えつつ、患者の体が自然に動く状態を保つ。これが現在のパーキンソン病治療の主流になっている。

 適切な投薬と並んで重要なのが、早い時期からリハビリに取り組むことだ。米映画などで活躍し、若年性パーキンソン病と闘いながら俳優復帰を果たしたことで知られるマイケル・J・フォックスさんは、発症してすぐに負荷の高い運動を始めたことがよかったと振り返っている。

 埼玉県総合リハビリテーションセンター(上尾市)は、パーキンソン病患者向けのプログラムを3年前から運営している。3~4週間入院し、集中してリハビリを受けることができる。

 患者は入院後に体の状態のチェックを受けた後、理学療法士らの指導で、歩行練習やストレッチ、バランスを取る訓練を毎日2時間近く実施する。作業療法士や言語聴覚士によるリハビリも実施する。昨年は約70人が利用した。

◇     ◇

 リハビリ入院の前と後を比べ、患者の歩くスピードや一度に歩ける距離が改善することを確認している。70代半ばの女性患者Aさんは1カ月の集中リハビリの後、「それまで無理だった片足立ちができるようになった」という。同センターの市川忠医療局長は「症状が重い患者は体幹やバランス感覚を鍛えるなど、症状に応じてメニューを組んでいる」と説明する。

 治療効果のカギを握るのが、パーキンソン病を早期に診断することだ。診断は医師が、手の指の特徴的なふるえや筋肉のこわばりなど4つの兆候を中心に診察し、似た病気の可能性を除外する。さらにパーキンソン病に特徴的な心臓の筋肉の状態や、脳内のドーパミン神経の状態をみる「DATスキャン」という画像検査で確定する。

 初期の自覚症状を病気とは思わずにマッサージなどを受けていた患者も目立つという。村田副院長は「歩きにくさや動作が緩慢になっていると感じたらパーキンソン病を疑って診断を受けてほしい。早期に治療を始めれば健康な状態を維持できることも多い」と話し、早めの診断を勧めている。

◇     ◇

■薬を腸に直接投与 効果切れと過剰の波抑制

 パーキンソン病の患者がLドーパによる治療を長期間続けると、薬の効く時間が次第に短くなり、次の服用時間までに症状が現れてしまうことがある。この結果、症状がよくなった時期(オン時間)と効果がなくなった時期(オフ時間)が1日のうちに繰り返してしまう「ウェアリング・オフ」と呼ぶ現象が起こる。

 オフ時間では動作が困難になる一方、オン時間では薬が効きすぎて体が勝手に動いてしまう「ジスキネジア」(不随意運動)という症状が現れることもある。

 こうした患者向けに海外で最近登場したのが、Lドーパをチューブで空腸に直接投与する方法だ。薬剤が一定のペースで約16時間連続で供給されるため、ウェアリング・オフを回避できるという。

 この薬を使うには、患者は胃に管を通すための「胃ろう」を設ける手術を受ける。患者は朝から就寝時まで、薬剤の入った容器と小型注入ポンプをポシェットなどに入れて携行する。日本でもこの治療薬の臨床試験が終わり、メーカーが国に承認申請をした。

 ウェアリング・オフを避ける他の方法として、薬の効き目が約6時間続く内服薬も開発された。欧米では使用できるが、日本ではまだ見通しがたっていない。
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ライオン、トクホ誇大広告 消費者庁が再発防止勧告 「血圧低下作用」記載で

【出典:2016年3月2日 日本経済新聞】

 ライオンが販売する特定保健用食品(トクホ)で、消費者を著しく誤認させる広告表示があったとして、消費者庁は1日、健康増進法(誇大表示禁止)違反で再発防止などの措置を勧告した。

 同法に基づき、トクホの広告が勧告を受けるのは初めて。健康志向の消費者向けにトクホ商品が相次ぐなか、他社より魅力的な商品として訴えようとするケースも多い。市場が一段と拡大するためにも、メーカーには改めて的確な説明責任が問われる。

 ライオンが勧告を受けた商品は「トマト酢生活トマト酢飲料」。許可された表示の範囲は「食酢の主成分である酢酸を含んでおり、血圧が高めの方に適した食品」だった。

 ただ、2015年9月15日~11月27日、全国紙や地方紙の広告に「臨床試験で実証済み!これだけ違う、驚きの『血圧低下作用』」などと記載。あたかも同商品を飲めば血圧を下げる効果があるかのように宣伝した。

 ライオンは「広告担当者の関連法規への理解が足りていなかった」と説明する。

 同社は通信販売などを使ってトクホなどの食品事業を強化しており、成長分野の一つと位置づける。ただ、主力の歯ブラシや洗剤などに比べて新しい事業で、新商品をどうアピールするかというなかで、踏み込んだ表現を使用したようだ。

 許可表示を拡大解釈した表現を結果的に広告として掲載した格好だ。

 ライオンは容器などの表示ではルールに従っていた。商品そのものの有用性には勧告を受けておらず、商品回収は予定していない。

 対象商品は通信販売のみで、通常価格は10本入り税別1600円。消費者庁によると、同商品の容器を瓶から紙パックに変えた15年6月~16年1月末の売り上げは約4億7千万円だったという。

 トクホは健康維持の効能表示が国から認められた食品で、表示は厳格に決められている。一方、15年4月に始まった「機能性表示食品」は科学的根拠を示す論文や表示内容を消費者庁に届け出れば販売できる。トクホより基準が緩い仕組みでもあり、メーカーには一段と丁寧で正確な商品説明が必要になる。
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