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(患者を生きる:3306)我が家で 腹膜透析:5 情報編 望む生活に合わせて選択

【出所:2017年5月19日 朝日新聞】

 腎臓がうまく働かず、きちんと尿が出なくなった人の体内から、毒素を取り除いて血液をきれいにするのが「透析」だ。血液透析と腹膜透析の2タイプがある。

 血液透析は、体の外へ血液を循環させて、機械の人工腎臓を通して毒素を取り除く。通常は、病院に通う必要がある。「HD」という略称で呼ばれることもある。

 腹膜透析は、おなかに透析液を流し込み、自分の腹膜の働きを利用して毒素を取り除く。自宅や職場で患者が自分で治療できる。略称は「PD」だ。

 日本では血液透析を受けている人が圧倒的に多い。日本透析医学会のまとめでは、透析患者は2011年に30万人を突破し、15年現在で約32万人いる。このうち血液透析は30万人を超すが、腹膜透析は1万人に満たない。

 しかし海外では、腹膜透析が1~2割を占める国もある。日本透析医学会理事で腎不全総合対策委員長を務める深川雅史(ふかがわまさふみ)・東海大学医学部教授は「国ごとの保険制度の差や臓器移植の普及度、生活状況の違いなどから、腎不全の治療法が異なる」と解説する。

 臓器移植が一般化している国では、移植を受けるまでの一時的な「つなぎ」として、腹膜透析が選ばれる面もあるそうだ。「海外では、腹膜透析のほうが経過がよいと評価されているが、背景には導入期間の短さもあるようだ。確かに導入当初は調子がよいが、長い期間で見ると、血液透析とそれほど差はない」と深川教授。

 腹膜透析は、毒素を除去する効率が血液透析ほど高くないので、腎臓の機能が残っていることが導入の条件だ。連載で紹介した福岡県田川市の吉田秀文さん(66)のように、腎機能を完全に失った患者が、順調に血液透析を受けていながら、あえて腹膜透析に移行するケースは非常に少ない。

 「でも、QOL(生活の質)の向上を求めて自分で決めるのであれば、腹膜透析も選択肢の一つでしょう」と深川教授。腹膜透析だけで十分に毒素を抜けない場合、週1回の血液透析を併用する方法もとられる。

 大切なのは、医師と患者がよい関係を築き、患者が求める生活スタイルに合った治療法を選ぶことだという。
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