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(福井)道交法の認知症検査強化で医師困惑 事故の責任負えず、診断困難な場合も

【出所:2017年2月13日 福井新聞】

 高齢運転者の交通事故抑制へ、認知機能検査を強化する改正道交法が3月12日に施行される。「認知症の恐れ」との判定で医師の診断が求められるようになるが、医師側は「診断は困難な場合があり、診断によっては医者が事故の責任を問われる可能性もある」などと負担と責任の大きさを不安視する声もある。2015年に診断が必要とされた運転者は福井県内で31人。改正後は年間500人程度に急増するとみられている。

 改正法では、75歳以上の運転者は3年に1度の免許更新時に加え、信号無視や逆走など認知症の影響と見られる特定18項目で違反した場合にも認知機能検査が義務付けられる。検査で「認知症の恐れがある(1分類)」と判定されると、医師の診断を受けなければならない。県医師会などによると、診断は対象の高齢者のかかりつけ医が行う。対応が難しい場合は、専門医や認知症サポート医などがいる県内169の医療機関を紹介する。

 認知症研究を専門とする濱野忠則福井大准教授は「認知症診断の難しさや責任の重さから、受け入れる医師は多くないのでは」と推測する。認知症の診断には、問診や認知機能テスト、血液検査、頭部CTなど受診が数回に及ぶこともあり、医師や対象者の負担は少なくない。さらに「認知症ではないと診断した高齢者が人身事故を起こし、医師が訴えられるケースも懸念されている」という。

 また「初期の認知症などは運転能力に問題がない場合もある。認知症と診断され免許が失効すれば、引きこもることになって病状が悪化する恐れもある」と説明。「認知症でないと診断した場合は、進行を止める薬の処方ができなくなる」と治療への影響も懸念する。

 濱野准教授が所属する日本神経学会や日本認知症学会など4学会は1月、政府に対し、運転中止後の生活支援や医学的な診断以外での運転能力を判断する制度を求めた。初期の認知症や軽度認知障害の運転への影響は明らかでないとし、運転不適合者との最終的な判断は医師ではなく運転の専門家がすべきだと提言した。

 県警では、改正法のスムーズな運用に向け、県や県医師会との連携を強化。対象の医師全員に対し、診断受け入れの可否などを問うアンケート調査などを行っている。診断の費用負担や診断基準などの細則は、3月1日の日本医師会と警察庁などによる会合で決められる予定だ。

 県内では16年の75歳以上の交通事故死者数は25人で、全体の5割を占めた。75歳以上が過失の割合が大きい第一当となる死亡事故は12件起きている。県警運転免許課は「改正法は、医師による診断の機会を増やし事故の抑止を目指すもの。スムーズな運用のため準備を進めたい」と話している。
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