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(神奈川)同性パートナー:公立8病院「家族」容認 3病院で明文化

【出所:2017年4月25日 毎日新聞】

 患者の手術への同意手続きなどについて、県内の公立8病院が、患者の同性パートナーを配偶者ら家族と同等に認める方針であることが、毎日新聞のアンケート調査で分かった。このうち川崎市立井田病院は、2月に決定したガイドラインで、家族の定義を「内縁関係や同居人も含む」と明記。1人暮らし世帯の増加や未婚化など家族の形の変化に伴って病院の対応も変化し、同性パートナーの容認につながっている現状が明らかになった。

 アンケートは今年1月に実施。県立と市立の計20病院のうち16病院から回答があった。

 患者の同性パートナーを「家族と同等に認める」と回答した8病院のうち、何らかの形で方針を明文化しているのは井田病院と、昨年指針を作成した横須賀市立2病院。他に、方針を明文化していないが「家族と申告した人を家族と扱う」などと回答したのが、県立循環器呼吸器病センター(横浜市)、平塚市民病院、横浜市立3病院。

 同性パートナーを家族と扱うための条件を尋ねると、8病院すべてが「パートナーの自己申告があれば認める」と回答し、関係を証明する書類などを不可欠とはしなかった。

 一方、同性パートナーを家族と認めないと回答したのは、県立がんセンター(横浜市)と大和市立病院で、理由はそれぞれ「法的な根拠がないから」「想定や検討をしたことがないから」。県立精神医療センター(横浜市)は「措置入院で法律上の家族以外の人に協力してもらうことはある」と回答。小田原市立病院と県立足柄上病院(松田町)は「今後の検討課題」とした。

 医師や職員が性的少数者について学ぶ研修などの機会については、「ある」としたのは、横浜市立3病院と、井田病院、横須賀市立2病院の計6病院だった。

 性的少数者が直面する社会的課題に詳しい遠藤まめたさんは「想定より多くの病院が同性パートナーを認めており、勇気づけられる。病院ごとの方針が明らかになれば安心して行ける」と評価。「認めないという病院も問題を知らないだけかもしれない。まずは学ぶ機会を」と期待した。

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 ■解説

 ◇家族の多様化、定義広がる

 病院で患者の緊急手術に同意したり、病状の説明を受けたりする対象に法的な定めはないが、一般的に配偶者ら法律上の家族とされることが多い。同性婚が認められていない日本では、同性パートナーはこれまで長年、実質的に配偶者のような関係にあっても他人として扱われてきた。

 厚生労働省は2007年、終末期医療に関するガイドラインを作成。その解説編で家族を「患者が信頼を寄せ、人生の最終段階の患者を支える存在」「法的な意味での親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人を含む」と定義した。

 こうした国の姿勢もあり、川崎市立井田病院は独自に方針を明文化。終末期に家族がいない場合や連絡がとれない場合の医療やケア方針の決定手順を定める中で、家族を幅広く定義した。独居の高齢者や老老介護の増加に伴い、意思決定者を法律上の家族に限定する難しさに直面していたという。

 担当の上釜(うえかま)さつき課長は「これまではトラブルを避けたいと考えて、慣例的に法律上の家族を家族としていたが、方針を明文化することで現場の混乱を防げる」と話している。今後、医療現場でこうした取り組みが広がる可能性がありそうだ。
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