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(どうしました)顔の右側が麻痺 松代直樹さん

【出所:2017年4月20日 朝日新聞】

 80歳の女性。昨年11月に突然、顔面の右側の筋肉が動かなくなり、顔面神経麻痺と診断されました。ステロイドの点滴を受け、薬を飲んでいますが、まぶたや口が動かしにくく、涙が出たり、食事がとりにくくなったりします。いい治療法はないでしょうか。(兵庫県・A)

 ■答える人 松代直樹(まつしろなおき)さん 大阪警察病院耳鼻咽喉科部長(顔面神経麻痺)=大阪市天王寺区

 Q どんな病気ですか。

 A 顔面神経は脳から耳の骨に囲まれた部分を通ってから枝分かれし、目や鼻、口などの筋肉を動かします。この神経が炎症を起こしてむくみ、周りの骨に圧迫されて麻痺(まひ)になります。まぶたや口が動かしづらくなったり顔が垂れ下がったりします。推計で毎年約4万人が発症します。

 Q どんなタイプがありますか。

 A 最も多いのが「ベル麻痺」。口唇ヘルペスなどを引き起こすウイルスが主な原因です。もう一つが水ぶくれを伴う「ハント症候群」で水ぼうそうを引き起こすウイルスが原因。いずれも過去に感染したウイルスが急に再活性化します。この二つで患者の8割を占め、ベル麻痺は7割、ハント症候群は3割が自然に治ります。

 Q 治療法は。

 A 炎症を抑えるステロイドと抗ウイルス薬を併用します。麻痺は急激に進むため、発症3日以内の治療がベスト。改善されない際は神経を覆う側頭骨を削り、神経の圧迫を解消する手術をします。

 Q 後遺症が心配です。

 A 4カ月以上経過すると、目と口が同時に動くなどの後遺症が表れます。予防は顔のストレッチが効果的。ただ、過度な運動や低周波マッサージ器の使用はやめて下さい。刺激により再生途中の神経の混線が進み、逆に悪化してしまう恐れがあります。

 Q 注意点は。

 A 麻痺から脳梗塞などを疑うケースも多いですが、違うと分かればすぐ耳鼻咽喉科の受診を。麻痺で顔の印象が変わることがありますが、眉を引き上げる形成手術やボツリヌス毒素の注射などもあるので相談してみてください。
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