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VB、法務人材拡充急ぐ 飛躍の支えに

【出所:2017年4月17日 日本経済新聞】

 ベンチャー企業(VB)が弁護士など法務人材を拡充している。フィンテックや遠隔診療といった新産業で成長するには法的な問題をクリアにすることが欠かせない。海外でのブランド保護やM&A(合併・買収)でも法律の知識は不可欠。法務人材は飛躍をめざす起業家にとってなくてはならぬ助っ人だ。

 飲み会での割り勘の精算など面倒なお金のやりとりをスマートフォンで簡単にできる個人間無料送金アプリが登場した。開発したフィンテックVBのKyash(キャッシュ、東京・港)の鷹取真一社長を法律面で支えたのが顧問の堀天子(たかね)弁護士(森・浜田松本法律事務所パートナー)だ。

 米国では2016年で約3兆円とされる個人間送金市場だが、国内では銀行法や資金決済法などに抵触しない仕組みをつくる必要があった。日本で個人間送金は為替取引とみなされ銀行業の免許取得や資金移動業登録の必要があるため、壁は厚かった。

 鷹取氏らが考案したのがプリペイドカードや商品券など「前払式支払手段」の仕組みを応用するモデル。割り勘アプリでの送金も電子的にプリペイドカードを他人に譲渡する仕組みと考えればハードルは低くなる。

 資金決済法の立案にも関わった堀弁護士は鷹取氏と関東財務局に出向き、理解を求めた。法律上は青天井の送金の上限金額を10万円に設定するなど利用者の安全性にも配慮。1月、関東財務局に前払式支払手段発行者として登録された。「審査は2カ月ほどでスムーズだった」と鷹取社長。個人間金融の新たなインフラとして、年内に100万人の利用者獲得を目指す。

 16年2月にネットを活用した遠隔診療サービスを始めたメドレー(東京・港)。開始から1年強で提携する医療機関は300を超えた。普及を支えたのは法務統括責任者の田丸雄太弁護士だ。

 医師法や医療法などに照らしてどこまでの診療が許されるのか、オンラインの診療報酬はどのように計算すべきか。外資系法律事務所から16年にメドレーに転じた田丸弁護士は、約1カ月間で遠隔診療を提供する医療機関向けのサービス利用規約をつくった。滝口浩平社長は「法律に照らし合わせながら利用規約を作るのは大変。短期間で終わったのは田丸氏のおかげ」と評価する。

 フリマアプリのメルカリ(東京・港)は14年に法務部門を設けた。当時はテレビCMを投入し始めた時期で利用者が急増。偽ブランドやキャラクターの無断使用品が出回り、対策が急務だった。

 同年にメルカリに入社した国土交通省出身の城(たち)譲氏はブランドの権利者から通報を受けてアプリへの出品を取り消す仕組みを14年末に導入した。安全に取引できる環境が整ったことで利用者が一段と増えた。

 海外事業ではメルカリの文字やロゴマークの商標登録を米国や英国、欧州連合(EU)で進める。勝手にロゴを使って商売を始めるような悪質な行為には警告を発したり訴訟を起こしたりして対策を取る。現在は法務担当者を5人に増やし、M&Aや資金調達でも社内弁護士が活躍する。
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