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(京都)全盲23歳 理系大学院に

【出所:2017年4月19日 読売新聞】

 ◇京産大で気象学者目指す

 生まれつき視力が弱く、中学生の頃に全盲になった寺西修二さん(23)が今春、京都産業大大学院理学研究科に進学した。高度な実験を伴う理系の大学院に全盲の障害者が進学するのは異例。周囲の支援を受けて気象学者を目指す寺西さんは「障害を理由にあきらめるのではなく、世の中に役立つ研究や発見を成し遂げたい」と意気込んでいる。

 ■中学で視力失う

 寺西さんは広島市出身。小学生の頃、異常気象を特集するテレビ番組を見て、理科に興味を持った。中学生で目が見えなくなったが、勉強を続けたいと、全国から視覚障害を持った生徒が集まる東京の筑波大付属視覚特別支援学校に進学。そこで物理の教諭に音で物理法則を理解する方法を教えられ、「目が見えなくてもできることはたくさんある」と研究者への道を志した。

 ■図式、指先で理解

 複数の大学に「前例がない」などと難色を示され、1年浪人したが、2013年、「できる限りのことはする」と回答があった京産大理学部に入学した。

 特別支援学校では、教諭が障害者に教えることに慣れていたが、大学ではそうではない。教授から事前に講義内容を記したノートをもらって予習し、講義は録音して自宅で復習。実験では、職員に器具を操作してもらったり、数値を読み取ってもらったりし、図式は線の部分が盛り上がる「立体コピー」を使って指先で理解できるようにした。

 指導にあたった高谷康太郎准教授(気象力学)は、寺西さんを「ものすごい努力家」と話す。寺西さんと3時間議論をしたこともあったといい、「見えない状態で議論するのは相当疲れるだろうが、精神力と粘り強さがあった」と感心する。

 子供の頃から興味があった気象を研究テーマに据え、卒業論文では偏西風と低気圧、高気圧のエネルギー変換の仕組みについてまとめた。気象学者を目指して研究を続けたいと、大学院への進学を決意した。

 ■「夢かなえたい」

 大学院でも、教職員のサポートを受ける予定だが、よりハードルは高くなる。多くの論文を読まなくてはいけないが、点字に訳す必要があり、複雑な天気図を読む方法も探らなくてはいけない。

 寺西さんは「今は障害者をサポートする技術も発達している。できないと諦めるのではなく、様々な技術を活用し、夢をかなえたい」と力強く話した。
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