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大手エステ:傘下医院で高額施術 解約応じず 国が調査へ

【出所:2017年5月14日 毎日新聞】

 全国展開するエステサロン(本社・東京)が傘下の美容外科医院に顧客を回し、高額の契約を結ばせていることが分かった。医院はインフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)を無視し、クーリングオフにも応じていなかった。厚生労働省と消費者庁は、医療法や特定商取引法に抵触する可能性があるとみて、エステと美容医院の提携について実態調査に乗り出す方針を固めた。

 ◇脂肪燃焼、料金10倍

 毎日新聞が入手した内部資料や関係者によると、この大手エステグループは痩身(そうしん)マッサージについて「各店先着50人限定で80%オフ」と広告を掲げ、顧客を勧誘。ほとんど割引がない別のコースで契約を締結し、コース終了前に「専門クリニックに移れば劇的にやせられる」と、提携先の美容医院で施術を続けるよう促していた。

 医院は全国各地のエリアごとに複数あり、このエステグループが運営に携わっている。1医院につき医師は院長1人のみ。エステ店から派遣されたスタッフが簡単な説明と契約をした後、エステと同じ施術を担当する。院長は脂肪燃焼をうたう点滴を打つだけだが、料金はエステの約10倍に上るシステムだった。

 関西地方の40代女性は昨年3~6月、エステと医院で契約を3回繰り返し、計約160万円を支払った。「やせる効果はほとんどなかった」と話す。厚労省は、医師によるインフォームドコンセントがない点について、医師の説明義務を定めた医療法に違反する疑いがあるとみる。

 また、継続的にサービスを提供するエステは、特商法でクーリングオフや中途解約に応じる義務がある。医院での医療行為は対象外だが、エステでの施術と同様の内容が継続する場合について消費者庁幹部は「同一サービスによる脱法行為とみなされる可能性がある」と指摘する。この医院は契約書で「解約は認められていない」と記しており、解約逃れ行為と判断されれば特商法違反になる。

 エステの運営会社幹部は取材に「安価なエステは医院の看板として展開している。医師が関与する信頼感で、医院の施術料が割高でも利用者は納得しているのではないか」と話した。

 インフォームドコンセントがない理由については「専門知識の乏しい医院の負担を軽減するため、エステ店が代理で説明責任を果たしている。よくあることだ」と説明した。

 ◇後絶たぬ違法営業

 国民生活センターによると、美容を目的とした医療サービスを巡る相談は2014年度がピークで2624件だった。16年度は1936件と4年ぶりに2000件を下回ったが、「美しくなりたい」という願望をくすぐる広告や勧誘は依然として多く、センターは慎重な契約を呼びかけている。

 医師による美容医療は「コンプレックス商法」とも呼ばれ、医療機関による脱毛、脂肪吸引、しみ取り、二重まぶた手術、包茎手術などが該当する。健康保険が適用されない自由診療がほとんどで、高額になりやすい。美容医療のトラブルに詳しい中野和子弁護士は「悩みを抱えて行く人が多いため、事業者とトラブルになっても周囲に相談できないことが多い」と指摘する。

 施術を一定期間続けるエステは特定商取引法に基づいてクーリングオフや中途解約ができる。消費者庁は年内に政令を改正して美容医療も対象にする予定で、脱毛、痩身、美顔など具体的な対象を検討している。一方、美容医療は医療法で広告を厳しく規制されており、今国会でウェブ上の宣伝も規制対象に加えられる見通しだ。

 エステと美容医療の境界線を越えた違法営業は後を絶たない。針状の器具で皮膚に色素を注入して眉毛を描く「アートメーク」を医師免許のないエステ従業員が施術する医師法違反事件や、エステ経営会社が医師の名義を借りて診療所を経営する医療法違反事件も相次いでいる。
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