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婦人科疾患に産後うつのリスク 高知大学がエコチル調査データを

【出所:2017年4月25日 高知新聞】

 子宮内膜症など婦人科疾患のある人は、産後うつを発症するリスクが高まることが環境省の「エコチル調査」で分かった。データを分析した高知大学医学部によると、産後うつと身体的要因との関係を調べた研究は世界でも例がないという。菅沼成文教授らが4月24日会見し、「妊産婦を支援する際の指標にしてほしい」と語った。

 エコチル調査は、化学物質が子どもの成長に及ぼす影響などを調べるため、環境省が2011年、全国10万組の親子を対象に始めた。高知県からは約7千組が参加。高知大学など国内の15グループでそれぞれ分析を進めている。

 今回の研究は、菅沼教授やコンゴから留学した産婦人科医、ムチャンガ・シファさん(41)らのチームが行った。回答に応じた全国8万2489人を対象に、産後半年ごろまでに発症する「産後うつ」かどうかを自己評価する質問を実施。産後うつ傾向と評価された1万1341人と、傾向のなかった7万1148人に分け、婦人科疾患の病歴を比べた。

 その結果、病歴のある人の割合は、産後うつ傾向のある人の方が高かった。年齢や生活困難、精神疾患の有無などの影響を除くと、発症リスクは子宮内膜症で1・27倍、不正子宮出血で1・21倍、月経困難症で1・13倍高まることが明らかになった。菅沼教授は「疾患に伴うホルモンの変動が産後うつに影響している可能性がある」としている。

 高知大によると、産後うつの研究は、妊産婦の生活状況や精神疾患に焦点を当てたものがほとんど。身体的要因に注目した新しい視点が評価され、成果をまとめた論文が2017年3月末、うつ病など感情障害をテーマにした英国誌の電子版に掲載された。

 全国の市町村では現在、保健師や助産師が母子健康手帳の交付時から妊婦と面談し、産後は家庭訪問を行うなど妊産婦の支援に力を入れている。ムチャンガさんは「婦人科疾患が産後うつのリスク要因の一つであることを、妊婦健診などを通して妊婦に伝えてほしい」と話している。
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