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視覚障害者の歩み支え50年 岡山発祥、点字ブロック 「スクランブル」

【出所:2017年4月25日 共同通信社】

 交差点や駅でおなじみの点字ブロックが、世界で初めて岡山市内に設置されてから今春で半世紀を超えた。視覚障害者の安全な歩行を支える「希望の眼」として海外にも活用が広がる一方、必要としない人々の意識の低さや、誤った理解による危険な設置などの課題も。関係者は啓発活動を通じ、重要インフラとしての一層の周知を図る。

 点字ブロックが誕生したのは1967年3月18日。岡山市の発明家、故三宅精一(みやけ・せいいち)さんがブロックを考案し、県立岡山盲学校近くの交差点に230枚が設置された日だ。

 三宅さんが設立した「安全交通試験研究センター」(岡山市)などによると、きっかけは道路を渡ろうとした視覚障害者の前を勢いよく車が走り抜ける危険な場面を三宅さんが目の当たりにしたことだった。三宅さんは歩道の位置や車道との境目を知らせる手段はないかと思案。友人の視覚障害者から「靴を履いていても足の感触で地面の状態が分かる」と聞いたのをヒントに、突起があるブロックを路上に敷く方法を考えついたという。

 70年に大阪市の国鉄(当時)阪和線我孫子町駅のホームに設置されたのをはじめ、全国の施設にも普及。国土交通省によると、現在は省令で道路や駅など必要な場所への設置が定められている。

 形状は変遷を重ね、2001年に進行方向を表す「誘導ブロック」と横断歩道や階段など危険箇所での注意を喚起する「警告ブロック」の2種類が日本工業規格(JIS)として規定された。アジアや欧州など海外にも拡大。12年にはJISを基に国際規格となった。

 国内外の設置状況を調査している筑波大の徳田克己(とくだ・かつみ)教授(バリアフリー論)によると、日本を参考に同様の点字ブロックが導入されたのは75カ国以上に上るという。

 ただ、課題も多い。徳田教授は「階段の手前に警告ブロックがないなど、利用者にとって非常に危険な場所がある。ただ設置するだけでなく、適切かどうかチェックする必要がある」と訴える。

 また、ブロックの設置方法について基本的な原則しか定められていないことが誤りを招いていると指摘。「国が詳細な設置ルールを作成し、自治体や施工業者に周知するべきだ」としている。

 点字ブロックの存在が長く日常の光景に溶け込む中、本来の設置目的への意識が低下し、自転車や物などが置かれる問題も常態化。「点字ブロックを守る会」(岡山市)の竹内昌彦(たけうち・まさひこ)会長(72)は自らも全盲の立場として「視覚障害者の『命綱』となる点字ブロックの上には物を置かないことを社会の常識にしたい」と話し、ステッカー配布や全国の学校や企業での講演で啓発を続けている。
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