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(鳥取)ご近所のお医者さん:/386 目が眩しい=玉井嗣彦・名誉病院長

【出所:2017年5月17日 毎日新聞(鳥取)】

 ◇日野病院(日野町) 玉井嗣彦・名誉病院長

 医学的に「羞明(しゅうめい)」という用語が使用されている「眼が眩(まぶ)しい」という症状は、過剰な光によって物の見えづらさや、不快感を生じている状態です。

 羞明は日常生活において、たとえ健常眼でも、天候、目をとりまく環境からの光量や、日中、夜間という時刻による違いなどの影響を受けながら出現します。一方、病的な羞明は、健常者が苦痛を感じない程度の日常の光で誘発されるため、診療でこのような患者にお目にかかった場合、その訴えが病的か否かを判断するのは必ずしも容易ではありません。

 まず、眼病変の有無を調べますが、問診にあたり、発症の様式が急性か悪急性か、慢性かといった点が、鑑別診断のポイントになります。急性の羞明の原因としては、急性異物や外傷による角膜上皮障害、感染性、あるいは非感染性の角膜炎、急性緑内障発作などによる角膜上皮浮腫などがあります。一方慢性の羞明には、ドライアイや結膜弛緩(しかん)症、角膜ジストロフィなどが関係します。

 両眼性か片眼性か、年齢や性別も参考になります。眼表面疾患としては、小児では眼瞼内皮による角膜上皮障害や時節柄、春季カタルがその原因になりやすいです。特に小児は症状を上手く訴えられず、目を閉じ気味にしているだけの場合もあるため、外出時などで光を嫌がっていないかどうかなど家族から情報を聴取することも大切です。

 羞明患者の眼の障害部位は、このような外眼部から、虹彩・毛様体・水晶体・硝子体・網脈絡膜さらに視神経路・中枢と多岐にわたる場合があることが指摘されています。

 髄膜炎、脳炎、片頭痛、三叉神経痛、くも膜下出血などでも羞明を生じるとされています。中枢神経の関与が考えられる場合には、日常の眼科診療時の視力・眼圧・眼位・瞳孔反応・視野・眼底検査などの各種検査以外にCT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像)検査などでの検討も必要です。もしこの種の検査で中枢に何らかの異常が認められない場合には、改めて生活環境、疲労の有無などを含め、精神神経性疾患の関与についても考慮する必要があります。

 対症療法以外の補助療法として、サングラスの装用が推奨されてきましたが、その効果に最近疑問符がついています。眼科領域のみでなく心身医学領域でも、羞明の解明と改善は緊急の課題です。
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