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くらしナビ・ライフスタイル:がん患者に必要、アピアランス支援って? 外見の悩み、院内で解決

【出所:2017年5月14日 毎日新聞】

 日本人の2人に1人がかかるとされる病気・がん。患者の中には抗がん剤治療の副作用によって脱毛など外見(アピアランス)が変わることに苦しむ人もいる。治療への意欲など心理面にも大きな影響を与える外見の変化。患者の生活の質を向上させるアピアランス支援とは?

 「髪の毛だけでなく、眉毛もまつげも、体中の毛が抜けてつるつる。鏡を見るのが嫌でたまりませんでした」。兵庫県在住の児童文学作家、安田夏菜さんは40代だった2008年9月、乳がんと診断された。しばらく事実を受け入れられず、病院で渡されたウイッグのパンフレットを見る気持ちになれなかった。

 手術を経て12月に始まった抗がん剤治療は、およそ8カ月間続いた。開始から2~3週間で髪の毛などが抜けていき、肌の黒ずみ、爪が割れるなどの変化もあった。ウイッグは購入することにしたが、困ったのが化粧だ。「眉毛がないなら描けばいいやん、と思うかもしれないが、毛がまったくない状態だと描きにくいし、汗ですぐ流れてしまう。水に強い化粧品を買いに行く気力すら当時はなかった」と振り返る。

 ◇ウイッグやネイル、まとめて対応

 アピアランス支援の取り組みは既に始まっている。かつら大手「アデランス」は今年3月、大阪市中央区の大阪国際がんセンターにヘアサロン「こもれび 大阪国際がんセンター店」をオープンさせた。病院内サロンは国内29店舗目、ドイツやオランダなどヨーロッパにも8店舗ある。シャンプー、カット、カラーリングやパーマなど一般的な理・美容室で行われている施術に加え、脱毛についての相談、ウイッグ(約4万円~)の作製やメンテナンス、ネイルケアなど、がん患者が抱える悩みにワンストップで対応可能だ。

 「お加減はいかがですか?」。こもれびの平山和久店長(48)は、来店した患者らに優しく声をかける。オープンから約1カ月、真新しく明るい店内は町中の美容室や理容室と変わらない雰囲気だ。1日6~7人が来店し、7~8割ががんセンターの入院や外来患者だという。

 平山さんがまず気にかけるのが患者の体調だ。看護師と連絡を取りながら、顔色が優れなかったり、つまずいたりするようなことがないか注意深く見守る。カラーリングやパーマといった薬剤を使う際は、主治医や看護師にその薬剤を使用してよいか事前に確認し、パッチテストを必ず行う。また、こまめな手洗いや椅子や機材のアルコール消毒など、病院内で求められる衛生面への配慮も欠かさない。

 さらに大事なのが患者とのコミュニケーションだ。平山さんはウイッグのデザインや付け心地など、患者が希望を話しやすいような雰囲気作りを心がけているといい、「アピアランス支援を通じて、患者さんに心からのおもてなしをしていきたい」と話す。

 ◇生活の質高める取り組みに力

 大阪国際がんセンターは他にもさまざまな支援を始めた。化粧品大手「資生堂」などの協力を得て、くすんだ肌の整え方や眉毛の描き方を教えるメーキャップ講座を開催。また、がん患者のために肌への刺激を抑えた肌着などを製造販売する「グンゼ」の商品を病院内で展示するなど、情報提供も行う。病院内に絵画を展示したり、笑いが免疫力に与える効能の研究を始めたりするなど、アピアランスを含めた患者の生活の質を高める取り組みに力を入れている。
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