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がん:闘病28人が実名で語る

【出所:2017年5月16日 毎日新聞】

 かつて、がんは公表をためらう病気だった。今もその状況は残っているものの、あえて自らの口で語ることで、前向きに生きようという患者も増えている。北海道在住のがん患者28人が今月、実名で自らの闘病を記した「北海道でがんとともに生きる」(寿郎社、2160円)を出版した。年齢も幅広く、病気の部位もさまざま。初期で治癒に至った人もいれば、再発を繰り返し、治療を続けている人もいる。

 8年前、高校生の時に急性白血病が分かった清野莉恵さん(24)は、抗がん剤治療を受けながら高卒認定資格を取り、進学。大学在学中に妊娠・出産し、現在は働くシングルマザーだ。就職活動の際はあえて自らの病歴を話した。なぜなら「病気を経験したから今の私がある」から。

 古城剛さん(57)は約25年前、幼い長男を小児がんで亡くした。同じ時期に両親の介護が始まり、介護離職やうつも経験。介護福祉士を目指して介護の現場に就いていた昨年、大腸がんが見つかる。すでに肝臓に転移しており余命宣告も受けた。初めてケアされる側の立場になり、感謝の気持ちが募るとともに、自らもまたがん患者を支援したいと模索する日々だ。

 「この本で語られるのは、『患者』ではなく病を得た『人』の物語。がんへの向き合い方の幅広さを知ってほしい」と編者の大島寿美子さん(52)。本は大島さんが主宰するNPO法人「キャンサーサポート北海道」の「がんの語り手養成講座」が元になって生まれた。執筆者たちは巻末の座談会で「これだけ多くの人ががんになる時代。社会が共有すべき体験だと思って書いた」「書いたことで、これからどう生きるかの方向性がつかめた」と語っている。

 「寿郎社」(札幌市)の社長、土肥寿郎さん(53)もがん体験者だ。がん関連本のほとんどが東京発信のため、地方でがんと闘う人々の姿も伝えたいと、題名に「北海道」と入れた。「自分の体験を人のために伝えたい。その思いが痛いほど分かるから出版を引き受けた。原稿から、つらい状況に真摯(しんし)に向き合う著者の方々の姿勢を感じ、編集者として胸を打たれ通しだった」と土肥さんは話している。
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