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認知症の客への対応解説 医師ら金融機関向け手引

【出典:2017年10月17日 共同通信】

 認知症などのために判断力が低下した高齢の顧客に金融機関がどう対応したらよいかをまとめた手引「実践!認知症の人にやさしい金融ガイド」(クリエイツかもがわ、1728円)が出版された。

 「通帳を盗まれた」と高齢者が何度も訴えてくる、本人の意思確認ができないのに他人が高額の現金を引き出そうとしている―など、金融機関が直面することがある困り事を集め、対応のポイントを解説した。

 監修は、認知症の当事者の財産管理や、意思決定を支援する仕組みを研究している組織「意思決定支援機構」。医学や福祉、法律の専門家や行政、銀行などの企業が参加しており、それぞれの専門知識を生かして手引を作成した。金融機関の従業員だけでなく、認知症の人の家族や支援者も参考にできる内容だ。

 手引はB5判104ページ。5章に分かれており、認知症特有の症状や個人情報保護に関する注意点、本人の不安を和らげる接し方などを解説。事態が深刻になる前に対応することがポイントだとしている。

 掲載した対応例としては、通帳の再発行を求めて頻繁に来店する人には(1)本人の話を丁寧に聞き、まず信頼関係を築く(2)同意を得て家族へ連絡―といった方針を店舗全体で共有し、必要に応じて地域包括支援センターなど公的支援窓口への相談が望ましいとした。

 生活保護を受ける1人暮らしの高齢者の口座から親族が金を引き出し、本人が生活に困窮している様子が見て取れる場合は、経済的虐待が疑われるとして、支援窓口への速やかな連絡を促している。
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アルツハイマー原因物質に疑念? 認知症治療の最前線

【出典:2017年10月16日 日本経済新聞】

 アルツハイマー病治療薬を開発するうえで有力な戦略とされてきた「アミロイド仮説」に対する疑念が表面化している。脳での有害なアミロイド(アミロイド・ベータ)沈着を妨げる働きがあるとされた治療薬候補が治験で十分な結果を残せなかったためだ。アミロイド仮説は死んだのだろうか。

■米イーライリリー、アルツハイマー新薬の承認申請を断念

 米製薬大手のイーライリリーは昨年、アルツハイマー病治療薬の有力候補とされてきた「ソラネズマブ」の承認申請を見送ることを決めた。2千人以上の患者を対象にした臨床第3相試験で期待されたほど大きな認知機能の改善効果がみられなかったためだ。

 イーライリリーは2012年にも第3相試験での失敗を表明している。この時は軽度から中程度のアルツハイマー病患者を対象にソラネズマブの効果を調べた。治験総体としては十分な効果が認められなかったが、軽度の患者については認知機能の低下を抑える効果が確認されたことから、軽度の患者に限定して新たな治験に取り組んできた。

 その結果が昨年の申請断念となった。認知機能の低下を抑制する効果は確かにあるものの、治療薬として投与したとき患者が効果を自覚するほどには大きくないと、同社の経営陣は判断し承認申請を断念したとみられる。

 この経緯はアルツハイマー病治療薬開発に暗い影を落とした。12年には米製薬大手のファイザーとジョンソン・エンド・ジョンソンも治療薬として開発を進めていた「バピネオズマブ」の第3相試験に失敗し開発継続を断念している。この薬も「ソラネズマブ」と効き方の仕組みは違うものの、基本的にアミロイド沈着を妨げることを狙っていた。こうしたことから脳神経分野の有力な研究者が「アミロイド仮説は死んだ」(米テキサス大学のジョージ・ペリー博士)と学会誌で宣言する状況にまで発展している。

 アミロイドは体内で生まれるたんぱく質で、細胞活動の結果生じる一種の老廃物と考えられる。体内にはアミロイドのもとになる物質(前駆体)を切断し分解する酵素があり、切断されたアミロイドの断片(ペプチド)の多くは体液に溶けこみ排除される。しかし前駆体を切断する位置にばらつきがあり、ある割合で水に溶けない断片ができてしまう。これが固まって脳の表面に沈着したものが「老人斑」となる。

 アルツハイマー病でない人でもアミロイドの沈着がみられることがあるが、発症する人の場合、不溶性のアミロイドが通常よりたくさんできて脳機能に障害をもたらすと考えられる。疾患を引き起こすと考えられるアミロイドをつくらせないようにしたり、できてしまったアミロイドを取り除いたりできれば、アルツハイマー病の根本的な治療になると考えられてきた。これが「アミロイド仮説」による開発戦略の基本的な考え方で、この戦略がいま問われている。

■発症前の対策が有効か 国際臨床試験がスタート

 9月下旬に岡山市で開いた日本認知症予防学会の学術集会で「アルツハイマー病再考」と題したシンポジウムが開催された。アルツハイマー病の予防から治療、患者支援までこれまでのあり方を点検し改善を意図したシンポジウムで、その中で「アミロイド仮説の再考」もテーマにあがった。

 ここで登壇した東京大学医学部付属病院の岩田淳講師は「アミロイド仮説は死んではいない」と強調した。「アミロイド仮説とは、20年近くの長い時間をかけて脳にアミロイドが沈着し、それが神経細胞に障害を与え最終的に細胞死に至らしめるという考え方だ。アミロイドはアルツハイマー病の発症に必須であり発症の下地となる。この考え方を疑うべき状況ではない」と話す。

 ここでアミロイド仮説をあきらめるのではなく、むしろ時間軸をさかのぼって発症前の段階から手を講じることの有効性が示されてきたと考えるべきだとみる。

 症状が出る前の「超早期」と呼ばれる段階での国際臨床試験が始まっている。米ハーバード大学のリサ・スパーリング博士が中心となった取り組みで「A4試験」と呼ばれる。65~85歳の認知機能が正常な高齢者を対象にしている。最初にアミロイドPET(陽電子放射断層撮影)と呼ぶ検査装置で脳のアミロイド沈着を調べ、沈着があった人に4年半の長期にわたってソラネズマブを月1回投与し続け、効果をみる。

 東大大学院医学系研究科の岩坪威教授によると「国際臨床試験ではすでに検査で陽性(沈着あり)とされた1100人以上の被験者に投薬が始まっている」という。東大病院もこの計画に参加している。イーライリリーのほか、ノバルティスやヤンセンファーマ(ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬部門)もそれぞれ開発した候補薬で超早期の臨床試験に取り組んでいるという。

 岩坪教授も「(遺伝によって若くして発症する)家族性アルツハイマー病では、原因となる遺伝子変異が例外なくアミロイドを介してアルツハイマー病を発症させている。これがアルツハイマー病全般の発症にアミロイドが原因として関わっていると考える論拠だ」とみる。

 アミロイド仮説への批判はあるが、新薬開発はより適切な投与時期と量を模索して今後も続いていくとみられる。

 心筋梗塞や脳梗塞などの病気になる前から、血圧や血中コレステロールの検査値を手がかりに降圧剤などを服用し重い病気の発症を予防することは日常的に行われている。アルツハイマー病も症状が自覚される前から薬を投与し、発症を予防し遅らせることができれば、社会にとっては大きな福音だろう。

■日米欧の目標「2025年までに治療法確立」の実現性は…

 国際アルツハイマー病協会によると、認知症の患者数は世界でおよそ4680万人以上とされ2050年には1億3150万人に達するとみられる。日本の厚生労働省の推計では国内の認知症患者は25年に700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症を患うという。本人や家族のみならず、社会にとって重い負担になる。

 仮に超早期での投薬が効果的だとわかったとしても、だれを対象にいつから薬を使うかの判断は難しいだろう。「予備軍」が多ければ投薬コストも巨大になる。予防的な治療が必要かどうかを見極めるため精度が高く安価な診断技術も求められる。

 2013年に日米欧の主要国は、認知症の治療法を25年までに確立するとし各国で研究開発投資を増やしていくことで同意した。これまでの経緯からみて、25年までに根本的な治療薬の実用化は難しいのかもしれない。

 認知症を患う人が増えていくのは避けがたい。薬の研究開発と並行して、日常の運動などを通じた予防策の普及や患者を支援する社会的な体制整備を進めることも重要だ。

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認知症の35%は予防可能 英UCLリビングストン教授に聞く 聴力など9要因改善で

【出典:2017年10月9日 日本経済新聞】

 英医学誌「ランセット」の国際委員会が「認知症の35%は予防できる」とする研究論文を7月に発表して話題を呼んだ。複数の認知症に関する論文を統計的な手法で解析し、改善できる9つのリスク要因を指摘した。指揮した英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のジル・リビングストン教授に、認知症の予防法などについて聞いた。

 ――認知症の人は今後どのくらい増えますか。

 「2015年時点で世界に約4700万人と推定されており、50年に約3倍の1億3100万人になると予測されている。世界の経済的な負担は15年時点で8180億ドル。50年には2兆ドルを超える見込みだ」

 ――認知症のリスク要因はなんですか。

 「研究で分かった最も大きな要因は、中年期(45~65歳)の聴力低下で全体の9%を占めた。中年で耳が遠くなると、9~17年後に認知症になる例が増える傾向がある。次は中等教育(12~14歳)の未修了が8%にのぼる。教育を受けることで、脳を活性化して認知機能を高めると同時に、食物に気を使ったり運動をしたりして健康に気を配るからだ」

 「このほか中年での肥満、高血圧、65歳以上の高齢期での喫煙、うつ、活動量の低下、社会的な孤立、糖尿病が十分証拠があるリスク要因だった。これら9つの要因を改善すれば、認知症の3分の1を防ぐことができる。遺伝的な要因は7%にすぎなかった」

 ――実際に予防効果の報告はありますか。

 「米英、スウェーデン、オランダなどでこのようなリスク要因を改善し、生活習慣を変えると、認知症が減るという報告がすでにある。その大部分は教育によるものだ」

 「研究チームの調査では、生活習慣の改善により認知症が減ったという日本の研究報告はなかった。だが日本でも栄養バランスの改善や、高血圧や聴力低下の防止、持続的な運動によって、認知症になる人を減らせると思う」

 「認知症の新薬開発は今のところ、うまくいっていないし、まだ時間がかかる。予防で認知症を減らす方が、医療コストの削減につながる」
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「親の責任」と支援拒む 認知症、行き詰まる生活 「扉を開けて~ルポひきこもり」「沈黙」

【出典:2017年10月3日 共同通信】

 1960~70年代の高度成長期に大規模開発された東日本のベッドタウン。当時の子育て世代は高齢化が進み、地域のつながりも薄れつつある。自宅に15年近くひきこもっていた30代男性の姉が福祉団体スタッフの古屋隆一(ふるや・りゅういち)(41)に相談をしたのは昨年の春、父親の認知症がきっかけだった。

  ×  ×  ×

 サラリーマンの父親と、専業主婦の母親に育てられた男性は、大学卒業後に仕事に就いたが、間もなく退職した。その頃からうつの症状があり、家から出なくなった。

 両親はともに70代。昼夜逆転の生活の中、男性は暴言がひどくなり、自分以外のトイレ使用を禁じた。「汚れるから」というのがその理由。両親は数年前に男性を残し、逃げるように近くのアパートに移り住んだ。

 同じ頃、古屋は一家の存在を知った。勤務先の団体に、母親が時折姿を見せていたからだ。

 「息子を何とかしてやりたいが、夫が外部の支援を拒否している」。父親は、親の責任として男性を支えたいようだった。窮状はうかがえても、明確なSOSがなければ第三者は関与できない。スタッフで情報を共有し、状況が変化した場合に備えた。

 「その時」は思わぬ形でやってきた。

 母親が病気で他界。自宅に1人でいる男性のために、食費や光熱費、時には食べ物を届けていた父親にも認知症の症状が現れたのだ。自宅とアパート。二つの場所でつながっていた家族の生活が崩れ始める。

 父親の認知症は進み、男性が暮らす自宅に足を運ぶのが難しくなった。

 ある日、結婚して家を出ていた姉に、男性から手紙が届いた。〈お金に困っている。自殺する〉

  ×  ×  ×

 姉からの相談を受け、古屋は早速、自治体の担当者らを交え、どんなサポートができるか話し合った。家族をまるごと支えるため、父親の介護計画を立てたケアマネジャーも加わった。

 古屋には常日頃から、心掛けていることがある。「本人の意向は何か」。それが分からないと、一方通行の支援になる。糸口をつかむため、まずは会いたかった。

 自治体の担当者と自宅を訪問したが、男性は姿を見せない。〈何か手伝えることはないか〉。玄関前に残した書き置きは、びりびりに破られ、時には踏みつけられていた。(敬称略、文中仮名)
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(福岡)東区に認知症カフェ開所 多々良公民館 専門家相談や情報提供

【出典:2017年10月3日 西日本新聞】

 認知症の人や家族などが気軽に訪れることができる「認知症カフェ」が福岡市東区でオープンした。特別養護老人ホームいきいき八田や、たたらリハビリテーション病院など区内の11団体が連携して取り組む事業。多々良公民館(多々良1丁目)で毎月第4土曜の午後2~4時に開いており、予約なしで無料で利用できる。

 名称は「しろうおカフェおれんじ」。利用者はコーヒーやお茶を飲みながら、他の利用者やスタッフと会話を楽しむことができる。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーなどの専門家が交代で待機、相談に応じる。認知症に関する情報コーナーもある。

 初回の9月23日には認知症の人や家族など約20人が訪れた。代表を務めるいきいき八田統括部長で社会福祉士の川添大介さんは「大勢の人に利用していただき、まずはつながりを深めてもらえれば」と話す。

 福岡市によると、認知症カフェは他に少なくとも市内9カ所で開かれている。
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認知機能障害、改善に光 名城大グループ

【出典:2017年10月2日 中日新聞】

 統合失調症の治療の際、薬を長期間投与すると、問題解決能力の低下など認知機能障害の悪化につながるメカニズムを、名城大薬学部の衣斐大祐助教らのグループが突き止めた。患者の日常生活に大きく関わる認知機能障害の改善は、統合失調症治療の難題の一つで、新薬開発への期待が高まる。近く、研究成果を正式発表する。

 統合失調症の症状としては、ありもしないものを見たり、妄想が強まったりする陽性と、感情が乏しく、無気力になるなどの陰性がよく知られている。問題解決能力や集中力が低下する認知機能障害は目に見えにくく軽視されがちだが、仕事や人間関係に影響し、社会的に孤立する原因ともなる。現在、主流の治療薬は陽性、陰性に効果があるが、長期間、投与しても認知機能障害の症状は改善されず、かえって悪化する例が報告されていた。

 グループは、認知機能に関係する「HDAC2」という遺伝子に着目。治療薬を1カ月間、マウスに投与したところ、普通のマウスは認知機能が低下したが、人為的にこの遺伝子を無くすと、正常な状態を保つことができた。

 さらに実験を繰り返し、現在の治療薬は「セロトニン」という脳内物質の働きを阻害することで効果を上げているが、同時に脳内の遺伝子のバランスを崩し、HDAC2を活性化させていることが判明。脳内の情報伝達に必要なタンパク質が作られず、認知機能に悪影響を及ぼすとみられる。

 衣斐助教によると、既にHDAC2の活性化を防ぐ薬を米国の大学で臨床試験中だといい「統合失調症に限らず、精神疾患の治療薬の隠れた副作用を解明できれば」と話した。
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認知症徘徊、公費で保険料 電車事故で賠償請求例も  神奈川・大和市、11月から 全国初

【出典:2017年9月27日 日本経済新聞】

 認知症の高齢者が徘徊(はいかい)中に電車事故に遭い、鉄道会社から高額の損害賠償を請求される事案があったことから、神奈川県大和市は、高齢者を被保険者として公費で保険料を負担する制度を導入する。家族の不安を解消するのが狙いで、支払われる賠償金は最大3億円。市は、自治体によるこうした取り組みは全国初としている。

 市議会は26日、約1年分の保険料として約320万円が計上された補正予算案を可決。市は保険を扱う業者を選定した上で、11月から制度を始める方針だ。

 対象は、徘徊の恐れがある認知症高齢者の保護のために市や関係機関でつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者。7月末現在で237人おり、登録者を被保険者として契約する。

 自転車とぶつかって相手にけがを負わせたり、物を壊したりした場合の損害賠償にも対応。事故で登録者が死亡した場合や、けがをした際も保険金が支払われる。

 認知症の高齢者を巡っては、愛知県大府市のJR駅構内で2007年、徘徊していた当時91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海が約720万円の損害賠償を家族に求めて提訴。一、二審は家族に支払いを命じた。

 最高裁は昨年3月、「家族だからといって監督義務があるわけではなく、介護の実態などを総合的に考慮し、賠償責任の有無を判断すべきだ」との初判断を示し、このケースでは家族に責任はないとしてJR東海の請求を棄却した。

 ただ状況によっては賠償金を支払う可能性がある。大和市内には小田急線などの8つの駅と32カ所の踏切があり、市の担当者は「本人や家族の不安は大きい。この制度で少しでも安心してもらえれば」と話している。
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認知症徘徊、公費で保険料 高齢者事故で賠償支払い

【出典:2017年9月27日 共同通信】

 認知症の高齢者が徘徊(はいかい)中に電車事故に遭い、鉄道会社から高額の損害賠償を請求される事案があったことから、神奈川県大和市は、高齢者を被保険者として公費で保険料を負担する制度を導入する。家族の不安を解消するのが狙いで、支払われる賠償金は最大3億円。市は、自治体によるこうした取り組みは全国初としている。

 市議会は26日、約1年分の保険料として約320万円が計上された補正予算案を可決。市は保険を扱う業者を選定した上で、11月から制度を始める方針だ。

 対象は、徘徊の恐れがある認知症高齢者の保護のために市や関係機関でつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者。7月末現在で237人おり、登録者を被保険者として契約する。

 自転車とぶつかって相手にけがを負わせたり、物を壊したりした場合の損害賠償にも対応。事故で登録者が死亡した場合や、けがをした際も保険金が支払われる。

 認知症の高齢者を巡っては、愛知県大府市のJR駅構内で2007年、徘徊していた当時91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海が約720万円の損害賠償を家族に求めて提訴。一、二審は家族に支払いを命じた。

 最高裁は昨年3月、「家族だからといって監督義務があるわけではなく、介護の実態などを総合的に考慮し、賠償責任の有無を判断すべきだ」との初判断を示し、このケースでは家族に責任はないとしてJR東海の請求を棄却した。

 ただ、状況によっては賠償金を支払う可能性がある。大和市内には小田急線などの八つの駅と32カ所の踏切があり、市の担当者は「本人や家族の不安は大きい。この制度で少しでも安心してもらえれば」と話している。
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(静岡)認知症:「見守りシール」三島市配布へ 二次元コードに情報

【出典:2017年9月26日 毎日新聞(静岡)】

 三島市は、認知症高齢者が出歩いたまま帰れなくなるのを防止しようと、洋服や持ち物にアイロンで貼り付け、洗濯もできる「見守りシール」(縦2・4センチ、横5センチ)の配布を10月16日から始める。シールには二次元コードがついており、スマートフォンなどで読み取ると、家族に自動的にメールで通知される。またスマホで読み取った人は「糖尿病でインスリン注射が必要」「耳が遠いので大きな声で話しかけて」など、保護する際注意すべき情報が分かる。

 市に住民票があり、在宅で生活する40歳以上の認知症で行方不明になる可能性がある人が対象。家族か本人が、市役所西館1階地域包括支援室で申請する。利用は無料で、シールは30枚受け取れる。

 市によると、登録すると、利用者情報が市と三島署、地元の包括支援センターで共有される。

 市によると昨年度、帰れなくなったりして同報無線で情報提供などを呼びかけた認知症高齢者は17人。今年度は9月22日現在、すでに19人に上る。
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(鳥取)認知症でもできることある 若年性患者、思い訴え

【出典:2017年9月25日 日本海新聞】

 認知症の予防や介護などについて考える「認知症フォーラム2017」(鳥取市主催)が23日、同市富安2丁目のさざんか会館で開かれた。認知症についてさまざまな立場から語るワークショップで、若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けた谷口哲範さん(58)が「(認知症でも)できることはある。できることは自分でやりたい」と語り、認知症患者が生きがいを感じられる社会の実現を訴えた。

 谷口さんの他、認知症の夫を介護する妻、自発的に高齢者サロンを開設した男性など5人が認知症の予防、患者や家族が安心して暮らせる環境について発表した。

 谷口さんは小学校教諭として教壇に立っていた2年前に診断を受け「漢字も思うように書けなくなり、なぜこんなことができないのかと思うこともある」と、進行する病状への恐れともどかしさを吐露。「担任や授業など責任のあることはできなくなったが、『これを手伝ってほしい』と言われるとうれしい。どんなことであってもやれることがうれしい」と必要とされることへの喜びを語った。

 コーディネーターを務めた、認知症の人と家族の会・鳥取県支部代表世話人の吉野立さんは「(患者が)何かを誰かにしてもらうのではなく、自分たちで今できることをやる。希望を持てる、生きがいのある暮らしを提供することが大切」と指摘した。
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若年性認知症 悩み共有 患者と家族ら金沢で交流会 孤立回避「次はウェブで」

【出典:2017年9月25日 日本経済新聞】

 65歳未満で発症、記憶力が徐々に低下し、生活が困難になっていく「若年性認知症」。平穏な日常は一変、本人や家族に多くの苦難をもたらすが、当事者や医療関係者の交流会が金沢市のカフェなどを借りて始まり、新たなつながりが広がっている。

 「若年性認知症の人と家族と寄り添いつむぐ会」が8月1日、初めて金沢21世紀美術館内のカフェで開いた「HAUNT(たまり場)」。数人ずつがグループをつくり、好きなものを紙に書き出す。字を忘れてしまった人を周囲が手助けし、会話の糸口を見つけていく。

 この病気について考えたい全ての人が1回500円程度で参加できる。ワインや旅行が好きな人がいれば、飲み会や旅行を企画することもある。

 月1回の開催予定で、運営するソーシャルワーカーの道岸奈緒美さん(43)は「参加者全員が症状を気にせず、過ごせる時間をつくるのが狙い」と話す。

 若年性認知症は根本的な治療法や予防薬がなく、2009年に公表された推計では、全国で約3万8千人の患者がいることが分かった。政府は15年「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定。自治体による就労支援の強化を推進している。

 道岸さんは15年、この病気を広く知ってもらおうと、医療関係者の有志とつむぐ会を設立した。小中学生向けの講演活動をしながら、構想を練った。

 「若い頃、相談できる人がいたら良かった」。親友の女性が語った体験が胸に響く。20代の頃、母親が発症。物忘れにもどかしさが募り、声を荒らげ、けんかが絶えない毎日。女性の母親は病気を認めることを拒み続け、福祉の力を借りることや、同じように悩む人と関係を持つこともできず、一家は孤立するばかりだったという。

 「一人で悩みを抱えている人はたくさんいる」と道岸さん。症状と向き合う人たちがウェブ会議で語り合える場を築くことを目指し奮闘中だ。
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(福岡)若年性認知症 拠点忘れない 天神のデイサービス 都心で活動、16年で幕

【出典:2017年9月25日 西日本新聞】

 都心で若年性認知症患者の“オアシス”となってきた介護施設が10月末、閉鎖される。福岡市・天神のデイサービス「天神オアシスクラブ」。入居ビルの取り壊しに伴い、存続を断念した。孤立しがちな患者や家族を、人がにぎわう場所で受け入れるというユニークな発想で全国的に注目されて16年。症状への理解とケアの必要性を訴え、国の認知症施策にも影響を与えた拠点を失うことに、惜しむ声が広がっている。

 若い患者は動き回る体力があるため介護施設から受け入れを敬遠されている―。そんな当時の状況を踏まえ、福岡県宮若市の医療法人笠松会が2001年6月、福岡ビルにオアシスクラブを開設した。介護施設らしくない立地や外観にこだわり、プロの講師を招いた陶芸や絵画、音楽などの芸術療法も取り入れた。

 中島七海施設長(67)によると「認知症は初期対応が大切。周囲の関わり方次第で不安が和らぎ進行が遅くなったり、暴言や暴力が落ち着いたりする」との信念から、要介護1~3の初期患者を受け入れ、定員18人にスタッフ6~8人がこまやかに対応してきた。

 孤立しがちな患者家族の情報交換や交流会、介護職向けの勉強会も定期的に開催。支援組織の全国ネットワークも築き、国に対策の遅れを訴えたことで、15年の認知症施策「新オレンジプラン」に若年性の施策強化も盛り込まれた。

 ただ、天神地区の再開発に絡んでビルの解体が決まった。紹介された移転先は賃料が高く、改修も必要で負担が大きい。国の介護費抑制策の一環で、来春の介護報酬改定では要介護1、2の軽度者に対するサービス単価が下がることも予測される。採算ラインの維持は難しく、今年4月の理事会で閉鎖を決めたという。

 現在は入院中の夫が以前利用していたという福岡県筑紫野市の江島文子さん(70)は「夫は普通のデイサービスではなじめず、何度も飛び出した。オアシスクラブは好きな陶芸があり、安心して通った。私も家族会で悩みを打ち明け『一人じゃない』と思えるようになった」と振り返る。

 現在の利用者や家族、ケアマネジャーに対しては個別に説明し、別の施設に移る準備を促している。中島施設長は「若年性認知症という名前も知らない人が大半だった16年前と比べて理解が進み、受け入れ施設も増えてきた。一つの役割は果たせたと思う」と話している。

 【ワードBOX】若年性認知症

 65歳未満で発症する認知症。2009年の国の推計によると、全国に約3万8000人の患者がおり、発症年齢は平均51.3歳。男性により多いとされる。アルツハイマー病と脳卒中に起因する血管性認知症が大半。うつ病と誤診されるなど、診断までに時間がかかるケースも多い。40歳以上は介護保険を利用できるが、働き盛りでの発症は家計への影響が大きい。
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認知症:行動要因、数値で可視化 東京都医学総合研究所など、専門職向けにプログラム

【出典:2017年9月24日 毎日新聞】

 東京都医学総合研究所とスウェーデンの研究チームが、認知症の症状に伴って表れる暴力や徘徊(はいかい)といった「行動・心理症状」を軽減するため、在宅介護の専門職向けにプログラムを開発した。症状を数値やグラフで可視化することで関係者が情報を共有し、適切なケアにつなげることが期待される。

 認知症の症状は、記憶障害や判断力の障害などの「中核症状」と、不安や抑うつ、興奮などの「行動・心理症状」に大別される。行動・心理症状は、適切なケアや薬で改善するが、薬の副作用で悪化することも多い。

 プログラムは、介護関係者が、対象者の行動・心理症状の頻度やその要因について、議論しながら数値化し、グラフにする作業が中心。その上で、症状改善のための具体的なケア計画を検討する。

 例えば、認知症の人に「人の助けや介護を拒否したり抵抗したりする」ことがある場合。「幻覚」「興奮」「不安」など、症状ごとに頻度や度合いを数値化し、グラフにして本人の状態を把握。さらに、そうした症状の背景にある要因を探るため「体の痛みがあるか」「睡眠がとれているか」などの項目について有無を把握し、ケアの手がかりを得る。

 行動・心理症状が表れると、家族の介護負担も大きくなり、在宅生活の継続が困難な要因となる。介護職の研修に詳しい認知症介護研究・研修仙台センターの矢吹知之・主任研修研究員は「これまで現場では、本人の状態を文字情報で把握することが多く、情報量が多くて共有も難しかった」と指摘。「可視化によってそれぞれの専門職の関わる部分が一目で共有できる。症状の頻度も本人をよく見た上で評価するため、より本人の状態を考慮したケアにつながることが期待できる」と話す。
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若年性認知症患者ら交流 カフェに集いつながる

【出典:2017年9月21日 共同通信】

 65歳未満で発症、記憶力が徐々に低下し、生活が困難になっていく「若年性認知症」。平穏な日常は一変、本人や家族に多くの苦難をもたらすが、当事者や医療関係者の交流会が金沢市のカフェなどを借りて始まり、新たなつながりが広がっている。

 「若年性認知症の人と家族と寄り添いつむぐ会」が8月1日、初めて金沢21世紀美術館内のカフェで開いた「HAUNT(たまり場)」。柔らかい日差しの中、数人ずつがグループをつくり、好きなものを紙に書き出す。字を忘れてしまった人を周囲が手助けし、会話の糸口を見つけていく。

 この病気について考えたい全ての人が1回500円程度で参加できる。ワインや旅行が好きな人がいれば、飲み会や旅行を企画することもある。

 月1回の開催予定で、運営するソーシャルワーカーの道岸奈緒美(みちぎし・なおみ)さん(43)は「参加者全員が症状を気にせず、過ごせる時間をつくるのが狙い」と話す。

 若年性認知症は根本的な治療法や予防薬がなく、2009年に公表された推計では、全国で約3万8千人の患者がいることが分かった。政府は15年「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定。自治体による就労支援の強化を推進している。

 道岸さんは15年、この病気を広く知ってもらおうと、医療関係者の有志とつむぐ会を設立。小中学生向けの講演活動をしながら、構想を練った。

 「若い頃、相談できる人がいたら良かった」。親友の女性が語った体験が胸に響く。20代の頃、母親が発症。物忘れにもどかしさが募り、声を荒らげ、けんかが絶えない毎日。女性の母親は病気を認めることを拒み続け、福祉の力を借りることや、同じように悩む人と関係を持つこともできず、一家は孤立するばかりだったという。

 「一人で悩みを抱えている人はたくさんいる」と道岸さん。症状と向き合う人たちがウェブ会議で語り合える場を築くことを目指し奮闘中だ。
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(北海道)室蘭の認知症カフェで食事交流、孤独感和らげる

【出典:2017年9月21日 室蘭民報】

 室蘭市白鳥台の由希(藤田美智代代表取締役)が運営する認知症カフェ・おたがいサロンは18日、同サロンの喫茶店で子ども食堂を開き、子どもたちとお年寄りが食事をしながら交流を深めた。「孤独感」を和らげ、多世代が集う地域住民の居場所づくりを目的に初めて開催。資金やボランティアは地元の企業・団体から協力を得た。

 この日のメニューはひき肉に大きなジャガイモが入ったカレーライス。学校生活などを話題にしながら終始和やかな雰囲気で味わった。食べ終えた後は餅つきを行い、大福に仕立てたりきな粉をまぶすなどして笑顔の輪を広げていた。
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