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保険証に通称名記載拡大 性同一性障害の加入者

【出典:2017年9月1日 共同通信社】

 厚生労働省は31日、性同一性障害と診断された人の健康保険証について、日常で使う「通称名」の記載を認めることを都道府県や公的医療保険の運営者に通知した。昨年7月に国民健康保険の保険証では通称名の記載を認めていたが、会社員向けの健康保険組合や協会けんぽ、75歳以上が入る後期高齢者医療の保険証でも取り扱いを統一した。

 性同一性障害では、医療機関の窓口で、見た目の性とは異なる名前で呼ばれて起こるトラブルもあり、当事者の精神的苦痛などに配慮した。

 保険証を本人確認書類として利用できるよう、表面に通称名を載せた上で、裏面の備考欄などに戸籍上の氏名を併記することなどが条件。特例的な扱いは性同一性障害の人に限定し、医師の診断書や、通称名が日常生活で用いられていることを確認できる書類を健保組合などへ提出することが必要となる。

 健康保険証を巡っては、「戸籍上の性を記載してほしくない」など、性同一性障害の人らの要望を受け、表面ではなく裏面に性別を記載することも認められている。
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LGBTらの声 商品に 電通、企業にノウハウ提供

【出典:2017年8月28日 日本経済新聞】

 電通はダイバーシティー(多様性)を重視した企業の製品開発やマーケティングを支援するサービスを始める。体が不自由な障害者だけでなく、性的少数者(LGBT)の意見などを企業に提供する。消費者の嗜好が多様化する中、不特定多数の消費者向け製品の売れ行きは鈍っている。様々な立場の人の意見を取り入れることで、きめ細かな製品やサービス創出につながるという。

 電通は社内組織の「電通ダイバーシティ・ラボ」を通じ聴覚障害者でも聞き取りやすい音源などを開発したほか、LGBTの実態調査を実施。ダイバーシティー関連の製品・サービスやイベントなどで約20のプロジェクトに携わった経験を活用する。障害者や高齢者向けも含めた知見やノウハウを企業に提供していく。

 LGBTといった特定の少数者に限らず、幅広い消費者に向けた製品開発などを支援。視覚障害者が製品開発に携わった手触りを追求したタオルの売れ行きが好調など、障害者が使いやすい製品は健常者も同様に感じることが多いという。

 電通の調査によると、LGBTの主な商品・サービスの消費状況から算出した市場規模は5兆9400億円に達する。LGBTを支援する企業の商品・サービスを積極的に利用したい人は53%を超える。
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同性カップルに伴侶の証し 民間団体、独自に証明書提供

【出典:2017年8月27日 朝日新聞】

 同性カップルが夫婦と同等な対応を受けられるよう、結婚式の相談会などを開く一般社団法人「結婚トータルサポート協会」(大阪府高槻市)が独自にパートナー関係の証明書類の提供を始めた。証明書や宣誓書を発行する自治体はまだ少ないため、制度がない自治体に住む同性カップルらに役立ててほしいという。

 証明書類は、日本で法律上の婚姻ができない同性カップルが主な対象。事実婚を望む異性カップル、トランスジェンダー(生まれたときと違う性別で生きたい人)で性別適合手術と戸籍の性別変更をせずパートナー関係を築きたい人なども申し込める。

 費用は1万2千円から。「互いを生涯のパートナーとして認める」などの言葉を記す「誓約書」、家事や財産など日常生活や死後に関わる約束を定める「契約書」など、行政書士と相談して作成する。将来の修正や、公証役場で公正証書にすることもできる。

 職場で扶養手当や弔慰金などを申請するとき、病院で手術の同意や面会の手続きをするときなどに証明書として提出することを想定。今後、同協会が交渉し、受け入れる企業や医療機関を広げたいという。
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LGBT 働きやすく 早川工業社長の大野雅孝さん(中部ひと模様)

【出典:2017年8月26日 日本経済新聞】

■町工場、多様人材で活力

 7月、大企業でも珍しい就業規則の変更に踏み切った。性的少数者(LGBT)同士の事実婚を認め、結婚祝い金を支給する――。経営する金属加工会社は岐阜県関市の水田に囲まれた工業団地にあり、従業員は30人弱の小所帯。それでもダイバーシティー(人材の多様性)に目を向けるのは「生き生きとした町工場になり、創造力を生み出したい」と願うからだ。

 米リーマン・ショック後の2009年、4代目として父から会社を引き継いだ。大手メーカーに金属部品納入を打ち切られた直後だ。8億円あった年商は一時2億5千万円に減った。

 借入金を返すため、取引先の確保に奔走する日々が続いた。創意工夫は生まれず、賃金も引き上げられない。「会社も人も伸ばせない」と悩んだ。そんなとき採用した知的障害がある若者の働きぶりが、会社のあり方を考える契機となる。

 若者は想像以上に生産性が高く、健常者を上回るほど数多くの部品を仕上げた。「もっとモノを作りたい」。その意気込みに、「様々な人がいる方が成長できる」と確信。若者や他の従業員の声に耳を傾け、金型の見直しなど生産体制を改善すると活気が生まれた。

 多様性を求める素地は、大学卒業後の米国留学にある。「会社をすぐに継ぎたくない。他にも人生はあるのでは」と始めたニューヨーク近郊での生活。一時身を置いた白人の多い街で、「生活から生じる臭いが気になる」と苦情が何度か寄せられた。が、思い当たるふしはない。有色人種への偏見を感じ「均質すぎる社会は問題を生む」と学ぶ。

 当時、印象に残ったのが、同性愛者が集まるマンハッタン島のクリストファーストリートだ。友好的で「人の感性に寄り添える人が多かった」。LGBTを採用できれば、きっと思いやりある視点を持ち込み、生産や開発に生きると思う。

 彼らが働きやすい会社にするには。集会に足を運んだ。「面接を受けたいと思っても、履歴書に男女を記す項目があると二の足を踏む」。そう聞いて記載は不要にした。社内の全トイレの扉には、LGBTを表すマークとともに「だれでもトイレ」と表記した。

 主要業務を男性が占めてきたが、来春には大卒女性2人が初めて新卒で入社する。いずれ海外営業や、情報発信を担う広報を任せるつもりだ。女性や、今後採用を目指すLGBTらが活発に働く工場が目標だ。

 長男(20)に知的障害があることも縁で、障害者施設と組んで金属工芸品の制作を計画中だ。「福祉のためじゃない。ビジネスとして売れるものを出しますよ」。ちりばめた仕掛けは、いつか実を結ぶと信じる。

■趣味はロックバンド鑑賞

 1967年岐阜県関市生まれ。早川工業は母方の祖父が創業した金属プレス品メーカーで、母の兄弟や父も社長を務めた。家電や住宅の金属部品を生産する。長男と、大学生の次男を育てる。

 会社の2018年6月期のスローガンは「ダイバーシティ・アンド・インクルージョン」と英語表記に。多様性を受け入れていく、という趣旨だ。趣味は音楽鑑賞で、英国のロックバンド、ローリング・ストーンズのファン。
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寛容の街に集うLGBT 差別乗り越え夢を追う 「笑い 命さざめく」(タイ)

【出典:2017年8月23日 共同通信社】

 各国の音楽に乗った華麗な舞に、数百人の観客が歓声を上げる。バンコク中心部の劇場「カリプソ」は、出演者のほぼ全員が性的少数者(LGBT)だ。客は外国人の家族連れが多い。終演後は、満面の笑みをたたえた出演者が、客と写真撮影に応じる。

 ビジネス街シーロム。日が暮れると、ゲイ専門バーが並ぶ「トワイライト通り」が活気づく。筋肉美を強調するシャツを着た男性カップルが、手をつないで吸い込まれてゆく。

 外国人が多いスクンビット通りの歓楽街ナナ・プラザには、「レディーボーイ」と呼ばれる数十人のニューハーフが踊るバーがいくつもあり、深夜までにぎわう。

 国際観光都市バンコクは「LGBTに優しい街」として知られ、世界中からLGBTが集まる。タイの地方からも、高収入の仕事と自由な環境を求めて、多くのLGBTがやってくる。デパート、美容院、レストラン。どこでも彼や彼女が、生き生きと働いている。

 ▽心を解き放つ

 東京の会社員コージ(41)にはタイ人のパートナーがいて、まとまった休暇が取れるたびに会いに来る。

 「ここに来ると心が解き放たれる気がする。ゲイだからという理由で不当な扱いを受けない。だれもがフレンドリーに接してくれる。毎日笑って過ごせる」

 「ほほ笑みの国」タイでは、人々が総じて寛容だ。アパート入居も、LGBTだからという理由で拒否されることはない。

 下町で美容院「タンオー」を営むクリッサナ・ルンナボット(27)は、19歳の時、東北の地方から上京した。屋台の菓子売り、コンビニ店員などを経て、約1年半前に小さな美容院を開業した。

 カット料金は250バーツ(約800円)。家賃は月2万バーツ(約6万円)で、売り上げは1日2千~3千バーツほど。定休日はなく朝10時から夜10時まで働き通しだが、悲壮感はない。「ベルギー人のボーイフレンドができたの」と幸せそうに話す。

 週末の昼下がり。郊外のショッピングモールは家族連れでにぎわう。デザイナーの「マデアウ」がファッションモデルを従えて登場すると、のんびりした雰囲気が一変した。

 本名アピチット・アティラッタナ(18)。東北地方コンケン出身で、レジャーシートや古い漁網などを素材にドレスを仕立て、ソーシャルメディアで発表。環境問題にも一石を投じたとして、米タイム誌も取り上げた新進気鋭の逸材だ。

 「一流が集まるヨーロッパにも行ってみたい」と、世界的デザイナーになる野心を隠さない。

 ▽根強い嫌悪も

 だがタイは本当に「LGBTの天国」なのか。

 カモンローズ・トゥンピロム(35)の芸名はシャンペーン。2016年に米国のロサンゼルスで開催されたニューハーフのビューティーコンテスト「ミス・クイーン・オブ・ジ・ユニバース」で優勝した。物心が付いたころには「私は女」と思っていた。

 両親は一人息子の「カミングアウト」を、決して認めなかった。仏教国タイでは、年配者の多くが、同性愛者は「前世の業を背負って生まれてきた」と考えるという。

 シャンペーンは名古屋や長崎でダンサーとして働き、性別適合手術の資金をためた。毎年ニューハーフのミスコンが開かれるリゾート地パタヤの劇場「ティファニーズ・ショー」に出演。マスメディアでも有名になった。

 「タイはLGBTが生きやすいと見られがちだが、実際に活躍できるのはエンターテインメント、美容、小売業界などに限られる。官公庁や大企業は門を閉ざしている」と語るのは、ケート・カンピブーン(30)。

 タイのLGBT社会で「アージャーン」(タイ語で先生の意)と呼ばれるケートは、数多くの政治家や文化人を輩出するタマサート大で、社会学部教授の助手をしていた。だが講師としての採用は大学から拒否された。

 「(講師になる)基準はすべて満たしていた。(拒否の)理由は私がLGBTであるということだけだった」

 ケートは現在、タマサート大を相手取り訴訟を起こす一方、LGBTの地位向上のため社会運動に取り組んでいる。

 実際、タイの法律でLGBTが平等に扱われているとは言い難い。同性婚は認めず、性別適合手術をしても戸籍上、男性は男性、女性は女性のままだ。

 シャンペーンは「米国か欧州に行って、法的に『Ms』の地位を手に入れたいという気持ちもある」と打ち明ける。

 ファッションショーの後、マデアウが喫茶店で一息ついていた。「こんな格好だと、しょっちゅうからかわれるわ。でも心が折れたら終わり。助けなんか期待せず、自分の夢に向かって生きていくだけよ」(敬称略)

   ×   ×

 バンコクで20人以上のLGBTを取材した。印象に残ったのが、私の質問に対し、誰からもほぼ期待通りの答えが返ってきたことだ。まるで心の中を見透かされているような気にさせられた。

 場の雰囲気や、人々が何を考えているかを敏感に察知する観察力や、トラブルを回避する能力が優れているのだ。顧客と対面するサービス業で、LGBTが引っ張りだこになるのもうなずける。

 不愉快なことがあっても、タイ特有の「マイペンライ」(問題ないさ)精神で笑ってやり過ごす。彼や彼女らのしなやかな生きざまが印象に残った。
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LGBT取り組み3・6% 上場企業の民間調査

【出典:2017年8月14日 共同通信社】

 上場企業のうち、性的少数者(LGBT)の人材受け入れや活躍推進に積極的に取り組んでいるのはわずか3・6%で、女性や障害者、高齢者に比べ、対応が遅れていることが三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査で分かった。一方で「取り組みの検討を行っている」とした企業は23・2%に上り、手探りの状況がうかがえた。

 さまざまな人材を活用するダイバーシティー(多様性)の考え方は近年、企業の総合力を上げる人事戦略として注目されている。調査した矢島洋子(やじま・ようこ)主席研究員は「女性活躍から始まった取り組みは、高度外国人材など幅広い分野に広がっている。LGBTに対応しているところはまだ少なく、何をすべきか分からないとの声もある」と話している。

 調査は昨年12月~今年2月、上場企業168社から回答を得た。

 人材活用に関し、六つの項目を例示した上で、それぞれについて積極的に取り組んでいる企業の割合を調べたところ、「女性」が61・3%と最も多く、「障害者」33・3%、「高齢社員」28・6%が続いた。「LGBT」は3・6%だった。

 LGBTについて「検討を行っている」は23・2%、「対応する予定はない」が57・1%だった。具体的な取り組み(複数回答)は「採用面接で性別を聞かない」が51・8%。「性的指向、性自認に関するハラスメントの規定がある」が23・2%だった。
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LGBTサークル公認 認めず 東京福祉大「準備不足」

【出典:2017年7月26日 上毛新聞】

 同性愛者や性同一性障害者ら性的少数者(LGBTなど)の学生が悩みを打ち明け合おうと活動する東京福祉大(本部・群馬県伊勢崎市)のサークルが、大学側に申請していた学生団体としての公認が認められなかったことが25日、分かった。大学側は「秘密を口外される恐れなど、リスクマネジメントの部分でまだ準備が不足している。体制を整えて来年度以降申請してほしい」と説明。学生団体は「公認団体としてのスタートラインに立てず残念。信頼してもらえるよう実績を積み重ねたい」としている。

◎2年前にも不認可

 不認可となったサークル「まいとぴあ」は、性的少数者の当事者が自分らしくいられる場所をつくり、交流会や勉強会で日常生活の悩みなどを共有しようと活動している。サークルの存在を周知して活動の幅を広げようと、公認を目指し、活動目的や内容を書いた申請書類を提出して大学側の審査を受けていた。

 6月下旬、不認可の結果が団体側に伝えられた。不認可について、大学側は上毛新聞の取材に「当事者の居場所づくりの重要性は理解している。他大学の事例を参考にするなどし、体制を整えてから来年度以降の申請に向けて準備を進めてほしい」と説明した。

 「まいとぴあ」は2年前にも申請したが、メンバーの学部や学年に偏りがあることなどを理由に認められなかった。今回は偏りのない10人以上で申請し、この点については基準を満たしていたとみられる。

 LGBTの学生組織は全国の大学で設立の動きが広がっており、東京大、早稲田大、明治大などで大学公認のLGBTサークルや学生団体が活動している。一方、非公認で活動している団体もある。県内の他の大学にはいずれもない。

 団体幹部の男子学生(20)は、自身が同性愛者という悩みを抱え、誰にも相談できない日々を経験したことから、「公認を得ることで、孤独感を抱える学生に存在を知らせたかった」と説明。「当事者にとって、誰かに相談できる居場所があることが大切。大学に認めてもらえるよう、活動を充実させていきたい」と話した。
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阪大に性別問わず利用可トイレ…「多様性」尊重

【出典:2017年7月25日 読売新聞】

 大阪大は24日、心と体の性が一致しないなどの性的少数者への差別をなくそうと、全ての教職員や学生を対象に、性の多様性を尊重することを掲げた基本方針を策定したと発表した。

 具体策の一つとして、性別を問わずに利用できる「オールジェンダー」のトイレ表示も作製。多目的トイレに掲示するほか、学外での活用も呼びかける。阪大は「国立大での策定は珍しい」としている。

 基本方針は西尾章治郎学長名で19日に策定。男女のどちらに恋愛感情を抱くかという「性的指向」と、自分が男女のどちらだと思うかを示す「性自認」の多様性と権利を認め、個性と能力が発揮できる環境の整備に取り組む、としている。3月に学内で性的少数者への配慮を考えるセミナーを開いた際、参加者から「トイレが使いにくい」などの声が出たため、検討を進めたという。
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LGBTの思い映画に 当事者の声で啓発を

【出典:2017年7月12日 共同通信社】

 性的少数者(LGBT)らへの誤解、偏見や差別をなくそうと、東京都港区の一般社団法人「Get in touch(ゲットインタッチ)」が当事者らへのインタビューを中心とした映画を製作した。16日に都内で上映し、啓発活動に広く役立てるため地方での上映も目指していく。

 タイトルは「私はワタシ over the rainbow」。40人を超えるLGBTの当事者が登場する。「死にたいと思うこともあった」「人を好きになる気持ちはみんな同じだ」などと、それぞれの率直な言葉で苦労や悩み、理解されることへの喜びといった思いを語る。

 16日夕に東京・南青山のスパイラルホールで上映。その後は各地の映画館への配給を進め、いずれは地方の行政や学校などからの上映会の要請に応えていく方針という。

 法人の代表を務める女優の東ちづるさんは「東京に比べ、地方ではLGBTについてどういう啓発をしたらいいか分からず、当事者も周囲にどう知ってもらえればいいか分からないという声がある。ぜひこの映画を活用してほしい」と話している。

 映画に関する問い合わせは同法人、電話070(5467)0936。
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(岡山)性別適合手術不問へ要件緩和訴え 上級審判断待つ新庄の臼井さん

【出典:2017年7月5日 山陽新聞】

 女性に生まれながら男性として生きたい―。戸籍上の性別変更の要件緩和を求めて裁判所に申し立て、2月に却下された性同一性障害の臼井崇来人(たかきーと)さん(43)=岡山県新庄村。日本と違い海外では、臼井さんが疑問を感じている「性別適合手術」を性別変更の要件としない国が目立つ上、国内でも性的少数者(LGBT)の権利を尊重する動きが自治体や企業に見られる中、訴えが認められる日を信じて上級審の判断を待っている。

 「体にメスを入れる必要性は全く感じていない」

 性同一性障害特例法(2004年施行)は、戸籍上の性別変更の要件として精巣や子宮などを切除する性別適合手術を事実上求めている。体は異性のまま戸籍上同性となったカップルに子どもが誕生する可能性を排除するためとされるが、体は女性で心は男性の臼井さんは受けていない。健康な体を傷つけることや身体の特徴で性別を判断されることに強い疑問を感じているからだ。

  ◇ ◇

 性同一性障害の人に対する海外の政策に詳しい京都産業大の渡辺泰彦教授(民法)によると、国外では欧州を中心に性別変更に適合手術を要件としない国が珍しくない。性別変更の手続きを定める法律を04年に制定した英国をはじめ、手術要件を違憲とする司法判断を受けて11年に法律から削除したドイツ、スペインやデンマークなどが当てはまる。14年には世界保健機関(WHO)が要件ではないとする共同声明を発表した。

 渡辺教授は「適合手術は本来、性同一性障害の治療のためにされるべき医療。戸籍の性別を変えるためではない」と指摘し、海外の流れを評価する。

 国内でも、性別変更の要件を巡る問題は別として、性的少数者を取り巻く環境に変化が見え始めている。

 東京都渋谷区は15年3月、同性カップルを「結婚に相当する関係」と公的に認める証明書を交付する条例を制定。大阪市は昨年12月、家庭で暮らせない子どもを育てる養育里親に男性カップルを認定した。

 民間企業でも、ソフトバンクが昨年10月、資生堂が今年1月に、同性婚のパートナーも配偶者として処遇するよう社内規定を改定。資生堂は「多様な人や価値観が共存してこそ会社は成長する。いろんな人が働ける職場づくりの一環であり、社会の意識変化も考慮した」とする。

  ◇ ◇

 臼井さんは昨年3月から、パートナーの山本幸さん(39)と、幸さんが元夫との間にもうけた長男(7)と3人で暮らす。地域では「夫婦と息子という一般的な親子と同様に扱ってもらっている」という。

 ただ、性別適合手術を性別変更の要件にするのは「自己決定権を侵害し違憲、無効」とする訴えは一審で認められなかった。「要件をどう定めるかは国会の裁量」「性別変更にはさまざまな考え方があり、憲法に違反するほど不合理とは言えない」とされた。

 裁判所への申し立て後には心ないコメントも臼井さんのブログなどに寄せられた。それでも負けず、多様な性の在り方を認める必要性について講演などで説いている。

 「LGBTへの世間の理解はまだ進んでいない。性別変更を実現し、正真正銘の夫婦となれるよう社会に訴え続けたい」
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「心は女性」女子大も門戸? 5校が検討中、3校が検討予定 朝日新聞アンケート

【出典:2017年6月19日 朝日新聞】

 生まれた時の性別が男性だが、心の性別が女性のトランスジェンダーの学生の受け入れについて、国立2校、私立6校の8女子大が、検討を始めたか、検討を始める予定であることが朝日新聞の調べでわかった。現時点で動きはないが、将来「検討するべき課題」と考える女子大も6割強の41あり、女子大が「多様な女子」にどう門戸を開いていくのかが注目される。

 日本の女子大はこれまで、戸籍上の女子を前提にしてきたが、性同一性障害の診断書で判断するなどの方策を検討する。米国では複数の女子大が、自己申告などでトランスジェンダーの学生を受け入れている。

 朝日新聞は全国76女子大の学長にアンケートを送り、64大学から回答を得た。回答率は84%だった。

 「出生時の性別が男性で、心の性別が女性」のトランスジェンダーの学生を受け入れるかどうか「検討している」と答えたのは、3月に検討開始の方針を明らかにした日本女子大(東京都文京区)のほか、お茶の水女子大(同)、津田塾大(同小平市)、東京女子大(同杉並区)など計5大学。また今後「検討を始める予定だ」と答えたのは奈良女子大(奈良市)、学習院女子大(東京都新宿区)など3大学だった。それぞれ1校が校名の非公表を望んだ。

 お茶の水女子大は2016年度から、戸籍が女子ではないトランスジェンダーの学生の受験資格について検討を始めた。室伏きみ子学長は「社会の状況や要請を踏まえ、検討を進めている」。津田塾大は5月、学長、副学長ら8人による検討委員会を開いた。入学資格や「女性」の定義、在学中に性別を変えた学生への対応などを議論する。高橋裕子学長は「戸籍上の女子というだけでは、多様な女子を捉えることはできない。委員会で方針を定めていきたい」とコメントした。

 また、10大学が当事者や保護者らから「入学資格はあるか」といった問い合わせがあったと答えた。トランスジェンダーの学生の入学希望が潜在的にあることがうかがわれる。
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女性から男性へ性別適合手術 山梨大病院

【出典:2017年6月15日 山梨日日新聞】

 山梨大付属病院は14日までに、性同一性障害の女性を男性にする性別適合手術を7月にも実施する方針を固めた。同病院の倫理委員会は5月、申請があった性同一性障害者3人について手術を承認した。

 同病院の倫理委員会は、県外の専門委員会が性別適合手術が妥当と判断した計3人の手術を承認。同病院によると、このうち1人の手術について早ければ7月に産婦人科で実施する方向で調整している。

 手術は、日本精神神経学会が麻酔や入院に関する項目を加えて改定したガイドラインに基づいて実施。安全性や患者の負担に配慮し、内視鏡手術などを検討している。入院期間は1週間程度になる見通しで、費用は保険が適用されないため100万~150万円になる見込み。

 同病院によると、女性から男性への性別適合手術は県内で初めて。同病院は13年に県内で初めて性同一性障害の男性を女性にする性別適合手術を実施している。
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(愛媛)性同一性障害26歳の戸籍名変更を認めず 最高裁

【出典:2017年6月15日 朝日新聞(愛媛)】

 女性の体に男性の心を宿す性同一性障害(GID)で松山市出身のAさん(26)=関東在住=が、戸籍上の名前の変更を求めた特別抗告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は7日付で特別抗告を棄却する決定を出した。

 Aさんの戸籍名は「A子」。女性的な名前に違和感を感じて2015年夏から職場などで「A」と名乗り始め、昨年からは郵便物なども通称名で受け取るようになった。

 現在の法律で戸籍を男性に変えるには、ホルモン療法や性別適合手術を受ける必要がある。Aさんは体を傷つけたくないなどの理由から手術を受けていないが、「性別が変えられなくてもせめて名前だけは変えたい」として、戸籍名の変更許可を求めて昨秋から裁判所に訴えてきた。

 だが、松山家裁や高松高裁は「(通称名が)社会的に定着しているとはいい難い」などとして棄却。Aさん側は特別抗告で憲法13条の「幸福追求に対する国民の権利」を例に挙げ、「自己の認識する性と一致する名を名乗る権利」を侵害する憲法違反だと主張した。

 特別抗告では高裁の決定に憲法違反があるかどうかを判断するが、最高裁は「実質は単なる法令違反を主張するものであって、特別抗告の事由に該当しない」とした。その他の理由は記載がなかった。

 代理人弁護士は「どの裁判所も名前の変更を認めたことによる弊害を説明していない。なぜ受け入れられないかの疑問が残ったままだ」と話した。

 Aさんは「名前を変えて気持ちを新たにできると思ったのに残念。棄却するなら、明確に理由を示してほしかった。新しい職場でも通称名を使っていて、私生活では問題も起きていない。精神的に苦痛を感じて申請しているのに、ダメと言われる理由が分からない」と話した。
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女性的な戸籍名、変えたいのに…性同一性障害の26歳

【出典:2017年6月1日 朝日新聞】

 松山市出身で関東在住のAさん(26)は性同一性障害(GID)で、女性の体に男性の心を宿す。戸籍上は「A子」と女性的な名前だが、自分の名前に違和感を感じ、性別を変えなくても「A」と名乗れるように戸籍上の名前の変更を求め、昨秋から裁判所に訴えている。松山家裁と高松高裁で棄却され、3月に最高裁に特別抗告した。

 Aさんが自分の性に違和感を覚えたのは小学5年生の時。ドラマ「3年B組金八先生」でGIDの役を演じる俳優・上戸彩さんの姿を見て、自分と近いものを感じた。高校時代は友人から「一緒に化粧をしよう」と誘われるのが怖く、スカートもはきたくなかった。高校2年の時には、友人だった女子生徒を好きになった。自分が何者か分からず、毎日が苦痛だった。

 高校卒業後、インターネットでGIDを知った。自分と同じ悩みを持つ人がいると分かった。最初に就いた仕事は事務員。ピンク色の制服に毎日ストレスを感じて体調不良になり、1年7カ月後に退職。制服のない職場を求めてコールセンターで働くようになった。

 松山市で、GIDの診断を受けた同世代の人と出会った。その人はホルモン療法を受け、戸籍上の性別や名前を変更していた。2004年に性同一性障害特例法が施行され、「生殖腺がないか、生殖機能を欠いている」「性別変更後の性別に近似する性器の外観を備える」などの要件を満たせば、戸籍上の性別を変更できるようになっていた。

 「いつか自分も名前を変えたい」と思うようになったAさんは13年9月、東京でGIDの診断を受けた。15年夏からは、「A子」から「子」を取り除いた「A」と名乗り始めた。松山市の会社に勤めた後、関東の会社に転職。履歴書の欄にGIDの診断を受けたと記載して事情を説明し、通称名で働いた。昨年からは郵便物なども通称名で受け取るようになった。

 関東の職場では、名札も「A」と記載され、上司は「A君」と呼んでくれた。ありのままの自分を認められた気がした。家庭の話題になっても、上司は「A君は長男でしっかりしているから大丈夫」と話し、言葉の端々で気遣いを感じた。同僚も自分がGIDだと知っても構えず、「A」として接してくれた。

 ただ、病院などでは戸籍名を使う。病院で自分の名前が呼ばれる度に、気持ちが暗くなった。

 今の法律で戸籍を男性に変えるには、ホルモン療法や性別適合手術を受ける必要がある。ただ、かすれた声になったら、もし手術が失敗したら、と思うと怖かった。経済的な負担も軽くない。何より、両親が生んでくれた体を傷つけたくなかった。性別は変えられないとしても、せめて名前だけは変えたかった。

 昨年10月、戸籍上の名前の変更を求めて松山家裁へ申請しに行った。だが、「使用実績も少ないので難しい」と、その場で申請の取り下げを求められた。弁護士に相談し、家裁に申し立てた。家裁の裁判官は弁護士に対し、「簡単に(名前を)変えられると思ってほしくない」と難色を示したという。申請は家裁で棄却されたため、Aさんは高松高裁に即時抗告した。

 今年2月、高裁でも棄却された。直接会ってもいないのに「男性の外見をしているとはいい難い」と指摘され、納得できなかった。「名前はどうしてもついて回る。名前が変えられたら、同じように悩む人も楽しい生活が送れるようになる」。Aさんは最高裁に望みを託している。

■「正当な事由」の判断は

 Aさん側は最高裁への特別抗告で、憲法13条の「幸福追求に対する国民の権利」を例に挙げ、「自己の認識する性と一致する名を名乗る権利」を侵害していると主張している。

 Aさんの即時抗告を棄却した高松高裁では2010年、未成年の子どもがいる申立人の名前の変更は認めた。申立人がホルモン療法を受け、最終的には戸籍上の性別も変える予定で、通称名を9カ月余り使用している、名前を変更しなければ社会生活上著しい支障がある、などから「変更に正当な事由がある」とした。

 しかし、今年2月の決定では「性別適合手術やホルモン療法を受けることなく、一見して男性の外見をしているとはいい難い」と指摘。通称名の使用期間の短さから「社会的に定着しているとはいい難い」と判断した。

 Aさんの代理人弁護士は「自分の性と名前が一致することは当たり前に保障されてきた。申立人にも名前を変更する権利がある」と話している。
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(小さないのち)大切な君:5 同性が好き、「悪い」思い込んだ

【出所:2017年4月25日 朝日新聞】

 東京・赤坂の外資系法律事務所で働く弁護士の田中太郎さん(30)は今でも、中学時代の夢を見る。クラスの男子にいじめられ、闘わなくてはならないのに何もできず、「ワーッ」となったところで目が覚める。

 田中さんは28歳のとき、ゲイだと周囲に明かした。

 子ども時代、親の仕事の都合で転校が多かったが、すぐに打ち解けることができ、友達も多かった。だが、中学2年生のとき、突然いじめの標的になった。

 中心となった男の子は、サッカーが得意な人気者だった。同性にひかれていることは隠していたが、周りは気づいたらしい。「あいつ、ホモじゃないか」とうわさを流され、殴る蹴るの暴力を受けた。「ああ、自分は気持ち悪い存在なんだ」と苦しかった。

 早く一日が終わってほしいとばかり考えた。身を守ろうとポケットにカッターナイフを忍ばせた。つらさに耐えかね、縄跳びを首に巻いて「引っ張れば死ねるかも」と思ったことも。恥ずかしいと思い込み、親にも相談できなかった。

 「いつか見返してやる」と、必死に勉強して進学校に入った。表面上のいじめは無くなったが、心の傷は癒えず、高校、大学と、誰とも深くつきあわなかった。弁護士になり、最初に勤めた法律事務所でも同僚の理解のなさに傷ついた。

 転機となったのは2年前の失恋。仕事で知り合った男性と初めてつきあった。だがある日、「もう会えない」とメールが来た。大泣きし、食事ものどを通らなくなった。「人をこんなに好きになるなんて」。自分でも驚いた。好きな人と幸せな人生を送りたいと思うようになり、ゲイであることを周囲に打ち明けた。

 いまの職場の同僚は受け入れてくれた。「優しい人もたくさんいるんだ」と初めて気づいた。

 田中さんの子ども時代は「性的少数者」や「LGBT」という言葉は使われておらず、学校の教育も異性愛が前提。同性を好きになることは悪いことだと思っていた。「肌の色や障害を理由に差別してはいけないと教えるように、性的指向をからかうことも差別なんだ、人を好きになる気持ちはみんな同じなんだと、教えてほしかった」

 ゆくゆくは国際機関で、人権が守られない人を救う弁護士になりたいと考えている。「あのとき命を絶たないで、本当によかった」

 ■多様な性、理解がカギ

 未成年の性的少数者の割合を示す統計はないが、成人約7万人に電通が行った調査(2015年)によると性的少数者の割合は13人に1人で、未成年にも一定数いるとみられる。性をめぐる違和感やいじめで「生きづらさ」を感じている子どもは少なくないはずだ。

 宝塚大看護学部の日高庸晴教授らが国内で初めて、性的少数者と自殺リスクの関連を調べた08年の研究論文によると、街頭で呼びかけた15~24歳の男女約2千人への調査で、性的少数者の男性が自殺を図るリスクは、そうでない男性に比べ約6倍高かった。女性では有意な差はなかった。ゲイの男性の場合、13歳ごろから何となく自覚し始め、悩みが深まるという。日高教授は「学校で正しい情報を提供することで生きづらさも緩和される」と指摘する。

 政府の12年の自殺総合対策大綱では、性的少数者の児童・生徒は自殺したい気持ちを抱く割合が高いことが指摘されているとし、教職員の理解促進を求めた。

 だが、授業で多様な性のあり方を教えている学校はまだ一部。神奈川県立鶴見総合高校は今年1月、性的少数者の大学生5人に授業で体験を語ってもらった。担当の加藤智大教諭は「当事者にとっては同じ仲間と会えること、そうでない生徒も『自分と変わらない』と思えるところに授業の意味がある」と話す。
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