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(大分)どうなる国保保険料 運営主体移管前に県が試算

【出典:2017年10月12日 大分合同新聞】

 2018年度から国民健康保険(国保)の財政運営の主体が市町村から県に移管されるのを前に、県は本年度に新制度が導入されたとの想定で標準保険料率などを試算した。1人当たりの平均保険料は18市町村すべてで16年度より下がる。最大で年間約2万7千円安くなる自治体もあった。18年度分は11月末ごろに算定する予定で、加入者にとって負担増とならないか注目が集まっている。

 新制度を導入した場合、本年度の保険料は16年度の実績に比べ県平均で1万1590円(10・75%)下がる試算となった。大分市は7028円、杵築市では2万7560円安くなる。ただし、保険料を計算するための所得割や均等割は、現行制度より高くなる市町村がある。

 県は試算額が下がった要因として本年度の医療費が前年度比でマイナス推計となったことや公費拡充を見込んでいることを挙げる。

 市町村からは「変動要素があり、参考程度にしかならない」「11月の算定では、プラスに転じる可能性もある」「負担増は避けたいが、現状では読めない」などと県の試算結果を疑問視する声が聞かれている。

 いまだ国からは来年度の算定に必要なデータが示されていない。いずれの市町村も11月の数値を見てから保険料額の検討に入るという。
メモ:新制度は、市町村が住民から集めた保険料などを県に納める。県は国のガイドラインに基づき納付金額を提示。必要な保険料を各市町村が確保するための目安となる「標準保険料率」も合わせて示す。内容を参考にしながら市町村は、最終的な保険料を決める。
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3千万人が加入する健保の25年度保険料、現行の1.4倍…健保連推計

【出典:2017年9月27日 読売新聞】

 大企業の社員や家族ら約3000万人が加入する健康保険組合の年間保険料が、平均で2025年度に被保険者1人あたり、現行の1・4倍の約66万円(企業と原則折半)に上がるという推計を健康保険組合連合会(健保連)が25日、発表した。

 推計によると、国民医療費は15年度の42・3兆円から、25年度は57・8兆円に増える。収支を均衡させるための平均保険料率は15年度の9・1%から25年度は11・8%に上昇。被保険者1人あたりの年間保険料も平均47万6000円から同65万7000円に上がる。
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健保、4分の1超が解散危機=25年度試算-健保連

【出典:2017年9月25日 時事通信】

 健康保険組合連合会(健保連)は25日、大企業が社員向けに運営する健康保険組合の4分の1を超える380組合が、財政悪化で2025年度に解散危機を迎えるとの試算を発表した。同年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため。健保連は負担軽減を求めている。

 健保組合は全国に1399(16年度時点)あり、加入者は約2900万人。保険料は企業と社員が原則折半している。試算では、健保組合の平均保険料率は15年度の9.1%から25年度に11.8%に上昇。380組合の25年度推計保険料率は12.5%以上になり、中小企業の社員らが加入する「協会けんぽ」の保険料率を超える計算だ。

 健保組合の保険料率が協会けんぽより高くなると、企業は自前で健保を運営する必要がなくなり、解散につながる。協会けんぽの運営費には国費が投入されており、多くの健保が協会けんぽに移れば、国の財政負担も増える。 
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(福井)国保 市町の赤字解消 県内統一期限 定めず 理事者

【出典:2017年9月21日 福井新聞】

 来年4月に財政運営主体が市町から県に移る国民健康保険(国保)を巡り、県は20日の県会厚生常任委員会で、赤字解消に向けた県内統一の目標年次を定めない方針を示した。笹岡一彦委員(無所属)が「大まかな目安がないと市町の議論が進まない」とただしたのに、理事者が答えた。

 2015年度は県内17市町のうち8市町が一般会計からの繰り入れで赤字を穴埋めし、保険料の負担を緩和している。県が検討している国保の運営方針案では、単年度で赤字を解消できない市町に、必要な対策と目標年次を定めた計画を作成するよう求めている。

 理事者は、繰り入れの有無や額など市町に差があり、一律に赤字を解消しようとすると保険料に大きく影響すると説明。「まず市町が保険料を決め、どれだけの期間で赤字を解消できるかをじっくり見定めてほしい」と述べ、県として赤字解消の目標を設ける考えはないと言明した。

 保険料の算定方式統一についても、「赤字解消計画と密接なつながりがあり、市町の実情に応じて考えてほしい」と当面は目標年次を示さない考えを示した。赤字解消、算定方式統一ともに、運営方針見直し時の状況を踏まえ、目標を設定できるか検討すると答えた。
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お薬服用は適切ですか 佐賀市、通知で相談促進 医療費抑制へ“はがき作戦” 月末から、国保加入者に

【出典:2017年9月19日 佐賀新聞】

 佐賀市は9月末から、多量の薬剤を服用し、健康に悪影響を与えている可能性がある国民健康保険加入者に対し、服用薬が適正かどうか医師らに相談を促す通知はがきを送る。複数の医療機関を受診して多量の薬剤を処方されることで、健康上、好ましくない服用を続けている事例があるため。国保加入者の健康状態を改善しながら、膨らむ医療費の抑制につなげる。

 市保険年金課によると、国保加入者は約5万1千人。このうち、15種類以上の薬剤を服用している人は2千~3千人に上る。市は、診療報酬明細書を基に加入者の服用薬を解析し、減薬することで効果が見込まれる加入者を抽出して通知する。

 はがきに現在服用している薬剤の数と名称を記し、医師や薬剤師に持参して相談するよう求める。本年度の事業費は約400万円。

 市によると、服用薬が増えることで健康に好ましくない「有害事象」の発生率は増加する傾向にある。複数の医療機関を受診する場合、医師側は患者の服用薬を把握できないまま処方するケースがある。結果的に同じ薬効の薬を重複して飲んだり、飲み合わせの悪い不適切な服用を続けているケースもある。服用薬が増えると、飲み忘れによる残薬が増加する要因にもなる。

 薬剤の重複や多量服用に対し、通知文を送って改善する取り組みは、全国では滋賀県彦根市が取り組んでおり、九州では佐賀市が初めて。地元の医師会、歯科医師会、薬剤師会にも協力を求め、承諾を得た。市保険年金課は「通知はがきが届いた人は、絶対に自分で判断せず、医療機関に相談を。はがきが来ていない人も、服用薬が気になっている人は医師に相談してほしい」と呼び掛けている。
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医療費14年ぶり減少 16年度概算、41・3兆円 高額薬値下げが要因

【出典:2017年9月19日 共同通信】

 厚生労働省は15日、2016年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた概算の医療費は41兆2865億円で、前年度に比べて1762億円(0・4%)減ったと発表した。減少は02年度以来14年ぶり。高額薬の値下げが要因だが、厚労省は「高齢化や医療の高度化による医療費の増加傾向に変化はない」としている。

 1錠で約6万~約8万円と超高額だったC型肝炎治療薬「ソバルディ」や「ハーボニー」が16年度に約30%値下げとなり、薬価と薬剤師の技術料を合計した調剤費が4・8%減少した。これらの薬が登場した15年度は調剤費が激増し医療費を押し上げており、高額薬の動向が全体を左右する構図が続いている。

 医療機関に支払われる診療報酬が、16年4月の改定で0・84%引き下げられたことも影響した。

 18年度の診療報酬改定でも薬価引き下げが焦点で、厚労省は効果に見合わない高額な薬を値下げする「費用対効果」の考え方を導入し、社会保障費の抑制を図る方針。

 診療別では、入院が16兆5千億円で、全体の40・1%を占めた。そのほかは外来が14兆2千億円(34・3%)、調剤が7兆5千億円(18・2%)、歯科が2兆9千億円(7%)だった。1人当たり医療費は15年度より2千円少ない32万5千円。

 都道府県別では、東京が4兆4039億円と最高で、大阪(3兆1824億円)、神奈川(2兆5457億円)が続いた。最も少なかったのは鳥取の2059億円。

 概算医療費は公的医療保険と公費、患者の窓口負担を集計したもの。労災保険や全額自費分などを除き、医療費全体の98%に当たる。全体額を示す国民医療費は、15年度分が13日に発表され、42兆3644億円だった。

 ※概算医療費

 医科、歯科、調剤にかかった医療費の速報値。社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会が審査したレセプト(診療報酬明細書)を基に集計するため、労災保険や全額自己負担となる医療分などは含まれない。国民が1年間に使った医療費全体は「国民医療費」と呼ばれ、概算医療費はその約98%を占める。国民医療費は、概算医療費の約1年後に公表される。
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医療費の膨張 小休止 昨年度概算0.4%減、75歳以上は増加

【出典:2017年9月16日 日本経済新聞】

 厚生労働省が15日発表した2016年度の概算医療費は41兆3千億円と、前年度と比べて0.4%減った。減少に転じるのは診療報酬が大幅にマイナス改定された02年度以来、14年ぶり。薬価(薬の公定価格)引き下げなどが奏功したが、75歳以上の高齢者に限ると医療費は増え続けている。今秋本格化する18年度の医療費抑制策を巡る議論は、薬の「費用対効果」をどう値段に反映させるかといった対応が焦点になる。

 15年度はC型肝炎を治療する高額薬剤の「ハーボニー」と「ソバルディ」が集中的に使われた影響で医療費が3.8%増えた。16年度はこうした薬剤の使用量が減ったうえに薬価が約3割引き下げられた影響が大きく出た。医療費のうち薬代と薬剤師の技術料を合わせた「調剤」は4.8%の大幅な減少となった。

 全体の医療費はわずかに減少したが、75歳以上に限れば1.2%のプラスだ。1人当たり平均で32万5千円の医療費は、75歳以上では93万円にもなる。高齢化と高額な薬剤や医療機器の登場により医療保険財政は膨張圧力が強く、厚労省も「医療費の減少は一時的だ」と説明する。

 医療技術の進化と高額化に対応しようと進んでいる議論の一つが、費用対効果の薬価への反映だ。効果が高い割に価格が低い薬は値段を引き上げる一方、価格に見合う効果が出ていないものは薬価が引き下げられる。

 厚労省は中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で、具体的な価格調整の方法や費用対効果を判断する際の基準について話し合っている。年内に詳細を詰めて来年度の本格導入を目指す。

 費用対効果を薬価算定に取り入れている代表例は英国だ。費用対効果が低いと判断すれば保険適用から外すこともある。日本ではそこまで議論が至っていないものの、医療保険の持続性を高めるため検討を求める声が政府、与党内でも高まる可能性がある。

 18年度は医療サービスや薬の値段の公定価格である診療報酬が改定される年にあたる。国の予算編成では高齢化などによる社会保障費の自然増を1300億円圧縮する必要があり、薬価引き下げなどで捻出する考え。医師の技術料にあたる診療報酬本体についても、政府内には逼迫する財政状況を考慮して厳しい改定で望むべきだとの声も多い。改定率は年末に決まるが、プラス改定を望む自民党厚労族や業界団体との間で駆け引きが激しくなる。
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医療費月1000万円以上、最多 1人あたり、昨年度484件

【出典:2017年9月12日 日本経済新聞】

 医療機関での高額な治療が増え続けている。健康保険組合連合会(健保連)の集計によると、患者1人あたりの医療費が1カ月で千万円以上だった例が、2016年度は484件となった。15年度に比べて件数は3割以上増え、過去最多になった。1カ月で1億円を超えた治療も2件あった。医療の技術が高度になっていることが背景にあり、財政負担と両立できるかが課題だ。

 健保連によると、フォンウィルブランド病と呼ばれる血液疾患の治療が月約1億700万円で最も高額だった。2番目は血友病で約1億200万円。いずれも症状の悪化を防ぐために高額な治療薬を使う。月1億円を超える医療費が記録されたのは11年度以来。

 上位100件を疾患別に見ると、循環器系が41件で最も多く、血液の34件、先天性の8件が続く。千万円以上の件数は06年度で116件だったため、10年で約4倍に増えた。C型肝炎の治療薬や補助人工心臓など高額な治療法や医療機器の保険適用が相次いだことが背景にある。

 日本の医療保険制度では患者の負担が一定額を超えると、超えた分を保険でまかなう「高額療養費制度」がある。患者負担が抑えられる一方で、保険や公費などをあわせた医療費はこの10年で約9兆円増えている。

 厚生労働省は医療費の膨張を受けて、医薬品や医療機器の費用対効果を価格に反映するための議論を始めている。効果の高い薬でも費用があまりにも高い場合、薬価を下げる検討に入る。他方、製薬会社などの開発への意欲をそぐ懸念も指摘されており、慎重な議論が求められそうだ。
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健保組合、3年連続黒字 16年度、加入者増で

【出典:2017年9月11日 共同通信社】

 大企業の会社員と家族が加入する健康保険組合の全国組織、健康保険組合連合会(健保連)は8日、2016年度の決算見込みが1399組合全体で2373億円の経常黒字になったと発表した。加入者の大幅増などで保険料収入が増えた。黒字は3年連続。

 16年10月からパートなど短時間労働者への健康保険適用が拡大されたことや、雇用延長の広がりを背景に、加入者(家族を除く)は前年度から約35万人増え過去最大の約1618万人に。こうした影響から保険料収入が1797億円増加した。

 平均保険料率は前年度より0・075ポイント増の9・11%(労使で分担)。赤字の組合は、全体の38・8%に当たる543組合に上った。

 支出面では、給付費が3兆8393億円。診療報酬のマイナス改定などで伸びが1・3%増と鈍化したことも収支改善につながった。高齢者医療向け拠出金は3兆2819億円で0・2%増。

 このうち75歳以上の後期高齢者医療制度への拠出金は、加入者収入に応じた計算方法(総報酬割)が17年度に全面施行される。健保連の白川修二(しらかわ・しゅうじ)副会長は「17年度の負担増は確実で、危機感を持っている。高齢者医療費の負担構造について国民的な議論が必要だ」と強調した。
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大企業健保、4割が赤字 昨年度

【出典:2017年9月9日 日本経済新聞】

 健康保険組合連合会(健保連)は8日、1399組合の2016年度決算を発表した。赤字の組合数は全体の約4割にあたる543組合と、前の年度の651から減少した。ただ、高齢者医療費への支援金が増え続けているほか高額薬剤の登場で医療費の増加は続く見通しで、健保組合は厳しい財政運営が続く。

 健康保険組合は大企業の会社員とその家族が加入する。保険料率の引き上げや医療費の伸びが一時的に抑えられたことで、全体の収支は2373億円の経常黒字を確保した。黒字となるのは3年連続。平均保険料率は9.11%で、前の年度と比べて0.075ポイント上昇した。
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治療用装具の不正請求調査 厚労省、「目的外」指摘で

【出典:2017年9月6日 共同通信社】

 病気やけがをしたときに医師の指示で作製するコルセットなどの「治療用装具」を巡り、患者による費用の不正請求が相次いでいるとの指摘があり、厚生労働省は5日までに、全国の健康保険組合などを対象に実態調査を始めた。

 美容や運動能力向上といった本来の目的外で作製されたケースが報告されているという。厚労省は9月中旬までに回答を求めており、結果を分析した上で不正防止策を検討する。

 治療用装具には、腰痛用のコルセットや外反母趾(ぼし)用の靴、膝のサポーターなどがある。医師が治療に必要と判断すれば、装具業者が患者の症状や体形に合わせてオーダーメードで作製する。

 患者はいったん費用を全額負担した上で加入先の健康保険に申請、1~3割の自己負担を除いた費用が払い戻される仕組み。申請には医師の意見書や領収書を提出するが、実物や写真を確認するようにはなっていない。

 業者がインターネットや店頭で「オーダーメードの靴がお得に作れる」などと宣伝する例があり、不正請求の疑いが指摘されていた。

 厚労省は健保組合のほか、協会けんぽ、国民健康保険、後期高齢者医療広域連合を対象に、不正請求と判断したケースについて装具の種類、件数、発覚の経緯を調べる。
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特定健診で「健康年齢」通知 静岡市、40~50代対象

【出典:2017年9月6日 静岡新聞】

 静岡市は特定健診の受診率が低い40~50代の同市国民健康保険(国保)加入者を対象に、受診結果が何歳相当の健康状態に当たるかを算出した「健康年齢」を通知する取り組みを始める。県内初の試みで、健康度を分かりやすく“見える化”することで受診率向上につなげる。

 健康年齢は血圧や血糖など12の検査項目の結果値を、全国約160万人分の健診データなどと比べて算出する。実年齢との差を比較すれば、自分の健康状態が標準的であるかが分かる。

 健康年齢の通知対象は、2017年7月時点で本年度健診を未受診で、過去4年間の健診も継続的に受けていない加入者。約2万8千人いるという。11月30日までに受診すれば、医療機関の診断結果表とは別に、市が独自に健康年齢や健康指導を記した用紙を発送する。

 国が目標とする特定健診受診率は60%だが、静岡市国保加入者の15年度受診率は32%。40~50代は20・9%と特に低く、この層の受診率アップが全体の底上げにつながると考えている。市によると、40~50代の加入者は約3万7千人で、毎年受診しているのは約3千400人にとどまるという。

 問い合わせは市保険年金管理課<電054(221)1376>へ。
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国保移管、課題は山積 運営、市町村から都道府県に 保険料統一、地域差が壁

【出典:2017年9月4日 日本経済新聞】

 自営業者など国民の3割が加入する国民健康保険(国保)に大きな制度変更が迫る。長年、市町村だった運営主体が、2018年4月から都道府県に移る制度開始以来の大改革だ。高齢者の増加で保険財政が悪化し、広域化で制度を維持する狙いがある。ただ、市町村ごとに違う保険料の統一は一部にとどまる見通しで、財政補填をやめることができるかなど課題は山積している。

 サラリーマンや公務員以外の人が入る国保は深刻な問題を抱えている。制度を支えた農林水産業や自営業者が減少する一方、医療費のかかる高齢者が中心となったためで、市町村の赤字額の合計は15年度に2822億円に達する。

実情に応じ選択

 そこで、国保の運営主体を都道府県に移すことにした。現行では人口の少ない町村で高額な医療費のかかる高齢者が増えたりすると、財政基盤そのものが弱いため収支が行き詰まる。担い手を増やして財政基盤を強化する狙いだが、自治体を悩ませているのが保険料の統一問題だ。

 「府内のどの市町村に住んでも同じ所得、世帯構成なら同じ保険料額になるべきだ」と主張するのは大阪府。日本経済新聞が47都道府県を対象に7月時点の国保の運営方針を聞いたアンケートでは、保険料統一を「具体的に検討している」と答えたのは宮城、大阪、広島などの9府県あった。

 一方、「未定」は北海道など7道県で、他の31都府県は「現段階で具体的に検討していない」と回答した。統一に慎重な県からは「保険料を統一すれば、医療費の高い市町の負担を低い市町が担うことになり公平にならない」(香川県など)といった懸念も聞かれる。

 国は保険料統一について、都道府県が地域の実情に応じて選択できるようにしている。統一を検討している県でも「市町村ごとに異なる保険料設定の考え方や、事務の共通化など整理が必要」(富山県)など悩みは尽きない。最も大きな問題は医療費や保険料の市町村格差だ。

 「市町村負担の不公平感がないようにするのが大きな問題だ」

 「住民への説明責任はどこが担うのか」

 北海道が保険料統一に向けて国保に加入する住民代表らを集めた「国民健康保険運営協議会」では、参加者から不安の声が相次ぐ。市町村数が179と全都道府県で最も多く「利害調整が他県よりも難しい」(道国保医療課)ためで、昨年9月、全国に先駆け協議を始めたが、1年たっても協議はまとまらない。

 北海道の1人あたり年間医療費は初山別村の65万7915円と、別海町の25万3609円との間で最大2.6倍の差があり、市町村格差は全都道府県で最も大きい。年間保険料は加入者が使う医療費や所得などをもとに毎年算出するが、1人当たり保険料は猿払村の15万7793円から赤平市の5万4250円まで2.9倍の開きがある。

 もともと、「身近な市町村が運営することできめ細かい施策が提供できた」(厚労省国民健康保険課)国保は、加入者の年齢構成や所得、健康増進の取り組みなどで市町村ごとに大きな違いがある。長野県は保険料格差が3.6倍に達するなど、どの都道府県も抱えた課題だ。

財政補填も課題

 国保を巡っては、税金による財政補填の問題もある。国保財政の赤字補填や、低所得者の保険料を抑えたりするため、多くの市町村は国保の加入者でない住民の税金を含む一般会計からの繰り入れ(補填)で賄ってきた。国は「国保加入者以外の税金を含む上、人口減少などで行政として使える経費が限られる中、他の行政サービスにも影響が出る可能性がある」(同)と、繰り入れ解消の努力を市町村や都道府県に求めている。

 繰り入れをなくせば国保財政の透明化が進み、受益と負担のバランスを把握しやすくなる効果もある。保険料を統一する場合も、収支を明確にするために繰り入れを解消する必要がある。

 ただ、税金の補填がなくなることで、保険料が大幅に上がる地域も出てくる。実際、保険料統一を目指す広島県では、繰り入れをやめることにより、国からの公費拡充を考慮しない前提で、1人当たりの年間保険料が平均で1万円強値上がりするとみている。都道府県への運営移管に伴う課題の解決には、住民の理解が欠かせない。

医療費の適正化必要

 【日本総研の西沢和彦・主席研究員の話】

 国民健康保険を持続可能にするためには医療費の適正化とともに保険料の見直しは必要で、高齢者でも支払い能力に応じた負担を求めるべきだ。将来年金の受給水準が減る可能性もある中、保険料統一で低所得者が多い被保険者の負担が増えれば、財政が脆弱化することにも注意が必要になる。

 財政運営は来春から都道府県が担うが、会計責任といった運営にとどまらない財政の最終的な責任をどこが負うのかなど明確にすべきだ。また、保険料を統一するならドクターヘリの拡充や病院への交通インフラの確保など、医療サービスの地域格差解消が欠かせない。

圏域ごとに施策推進

 【ニッセイ基礎研究所の篠原拓也・主任研究員の話】

 都道府県の保険料統一は慎重に考えるべきだ。医療費を抑制した地域に住む人の保険料が、統一して上がる可能性もあり、努力した者が不利益を被れば保険の公正さは保たれるのかという議論もある。

 それでも保険料を統一するのであれば、(都道府県内の複数の市町村を束ね)必要な病床数など医療政策を共有する「医療圏」ごとに進めるという発想もあってよいのではないか。国保の財政運営が都道府県に移るからという理屈は分かるが、病院が多い都市もあれば、少ない過疎地もある中、都道府県単位で一律で切るのは副作用が出る可能性もある。
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超高齢者に保険で700万円治療 命の重さと医療費膨張

【出典:2017年8月30日 朝日新聞】

 日本は世界に誇る長寿国となった一方、それが医療費を膨張させている。薬や医療機器の高額化も進むなか、高齢者への医療はどうあるべきなのか。

■余命短い超高齢者、どこまで施術?

 西日本のある病院に昨年末、90代後半の重症心不全の女性が運び込まれた。心臓から血液を全身に送るための弁が硬くなり、呼吸困難に陥った。本来なら胸を切って人工弁を埋める外科手術が必要だが、高齢過ぎて体力的に耐えられない。

 そこで、太ももの血管から細い管を通して人工心臓弁を届ける「経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI〈タビ〉)」という治療が行われた。体への負担が少ない最先端の技術で費用は700万円ほど。保険が利くので患者負担は少ないが、保険料や公費の負担は大きい。

 治療は成功して女性は無事に退院したが、その数カ月後に肺炎で亡くなった。治療を担当した医師は振り返る。「症状が悪化するまで畑仕事をしており、『もう一度元気になりたい』という思いが強かった。高齢になるほど肺炎や脳梗塞(こうそく)のリスクは高くなるが、発症するのか予測は難しい」

 TAVIは国内では2013年に保険適用され、8千例以上行われた。だが、比較的余命が短い「超高齢者」にどこまで使うのか、医療現場は模索している。

 北里大学では、95歳の患者まで対象としたことがある。阿古潤哉教授は「体力や認知能力などから適応をしっかり選んで実施している。国民皆保険がこのまま持つかどうか懸念はあるが、年齢だけで区切っていいのか難しい」と漏らす。

 TAVIの費用対効果は高いとされるが、合併症を起こす可能性が大きい高齢者には費用対効果が低いという海外の研究もある。TAVIの関連学会協議会の事務局を務める鳥飼慶・大阪大講師は「手術できない高齢者にとってTAVIは福音となる技術。ただ、超高齢者にどこまで適応をするかは、医療費の観点も含めて議論していく必要があるのではないか」と話す。
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健保組合4分の1解散か 25年、連合会試算

【出典:2017年8月28日 共同通信社】

 大企業の会社員らが加入する健康保険組合の4分の1が、2025年までに財政悪化で解散の危機に追い込まれるという試算を健康保険組合連合会(健保連)がまとめた。高齢者向けの医療費を支える拠出金が急増して財政を圧迫するためで、健保連は拠出金負担の軽減や高齢者医療費の抑制を求めている。

 健保組合は全国に約1400あり、加入者は約2900万人。保険料は企業と従業員が原則折半している。

 健保連の試算では、平均保険料率は15年度の9・1%から25年度には11・8%に上昇すると推計。4分の1に当たる380の健保組合では、主に中小企業の従業員らが加入する協会けんぽの25年度の推計保険料率(12・5%)以上になる見通しだ。協会けんぽよりも保険料率が高くなると、企業が独自に健保組合を維持する意味がなくなり、解散につながりやすい。

 協会けんぽには保険料率を抑制するため、給付などに充てる費用の16・4%に国庫補助が入っている。健保連は、380組合が解散して510万人が協会けんぽに移ると、国の財政負担が1800億円増えるとしている。

 健保組合は、医療費など加入者向けの支出だけでなく、65歳以上の高齢者の医療費を賄うために資金を拠出。健保組合全体で見ると、15年度は義務的経費の46%を拠出金が占めているが、高齢化が進む25年度には50%を上回る。25年度の拠出金は15年度から38・6%増の4兆5400億円に膨らむ一方、医療費など加入者向けの支出は16・5%増の4兆4200億円にとどまる。

 ※健康保険組合
 公的医療保険を運営する公法人で、企業ごとに社員と扶養される家族が加入。社員700人以上なら国の認可を受けて単独で設立できる。保険料率を自主的に設定することができ、病気、けが、出産などの時、医療費の一部を負担したり、給付金を支給したりする。人間ドックや健診、保養所の運営なども任意で実施できる。40歳以上の加入者については、行政に代わって介護保険料を徴収している。
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