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筋肉が骨に変わる難病、iPS創薬治験の参加者募集

【出典:2017年9月8日 読売新聞】

 京都大学病院の治験審査委員会が6日開かれ、筋肉が骨に変わる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬候補の効果を確かめる臨床試験(治験)を7日付で承認することを決めた。

 同病院などは同日から、治験に参加する患者の募集を始める。京大などは、患者のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った研究で、免疫抑制剤「ラパマイシン」にFOPの進行を抑える効果があることを確認。治療薬としての実用化を目指し、同委員会に審査を申請していた。
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障害者の就労支援事業赤字 365事業所、団体調査

【出典:2017年9月8日 共同通信社】

 障害者が働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」について、運営者でつくる全国団体が各事業所の経営状況を調べた結果、収益を出して障害者の賃金を生み出すべき就労支援事業が、回答した365事業所平均で赤字に陥っていることが7日、分かった。

 A型事業所を巡っては、岡山県倉敷市や高松市、名古屋市で経営悪化を理由に障害者の大量解雇が相次ぎ、地元自治体などが受け皿確保を進めている。障害者の人数に応じて国の給付金が支給されるため、収益が確保できなくても運営を維持できる構造になっていた。

 調査は今年2月、NPO法人「就労継続支援A型事業所全国協議会」が全国の約3500事業所を対象に実施。2015年度の決算について回答した事業所の平均で、就労支援事業単体による収入は約2913万円だった。一方、障害者に支払った賃金と事業経費の合計は約3701万円で、約788万円の赤字だった。

 事業所の中には、赤字を補うため国の給付金を賃金に充てていたケースもあり、厚生労働省は今年4月の省令改正で給付金の充当を原則禁止した。

 同協議会は経営の健全化に向け、マニュアル策定や優良事業所の認定などを検討している。

 ※就労継続支援A型事業所

 障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に定められた就労支援事業の一つ。一般企業で働くのが難しい障害者に、働きながら知識や技能を身に付けてもらう障害福祉サービスを提供する。事業所は障害者と雇用契約を結び、原則として最低賃金以上を事業収益から支払うことになっている。ただ、国の給付金を目当てにした企業が参入し、報酬の不正受給や質の低いサービスなどの問題が指摘されている。雇用契約を結ばないB型もある。
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iPS創薬、京大が初の治験承認 筋肉に骨できる難病で

【出典:2017年9月7日 朝日新聞】

 全身の筋肉に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の進行を抑える治療薬の候補について、京都大の治験審査委員会が6日開かれ、効果を確かめる臨床試験(治験)を始めることを7日付で承認した。同日から対象患者への説明や登録が可能になる。研究チームは、iPS細胞を活用して治療薬の候補を探し出す創薬による治験は世界で初めてだとしている。

 京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の戸口田淳也教授(再生医学)らのチームは、FOPの患者から皮膚の細胞を採取してiPS細胞を作った。この細胞を使って約7千種類の化合物から病気の進行を抑える薬剤を絞り込んだところ、免疫抑制剤「ラパマイシン」に効果があることを突き止めた。

 治験は、京大付属病院のほか東京大、名古屋大、九州大で行う。6歳以上の患者計20人を募る予定。ラパマイシンと偽薬を投与する二つのグループに分け、半年間かけて効果や安全性を検証する。

 この病気は、けがなどをきっかけに筋肉や靱帯(じんたい)などの組織の中に骨ができる難病で、根本的な治療法がない。200万人に1人が発症し、国内の患者は約80人とされる。
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難病・脊髄性筋萎縮症の新薬発売…投与1回932万円だが、助成で自己負担は月3万円に

【出典:2017年8月31日 読売新聞】

 製薬会社「バイオジェン・ジャパン」(東京)は30日、難病の脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬「スピンラザ」(一般名・ヌシネルセンナトリウム)の発売を開始した。

 SMAは、先天性の遺伝子変異のため、全身の筋力低下などが起きる病気。生後6か月以内に症状が表れる最も重いタイプは、寝たきりで体を動かすのが難しく、人工呼吸器を着けなければ生存が危ぶまれる。発症した患者の約6割がこのタイプで、出生2万人に1人前後の割合とされる。

 新薬は、この最重症のタイプが対象。投与は4か月ごとで、費用は1回約932万円。ただ、使い始めは9週までに4回投与する。同社の予測では、新規患者のピークは2024年度の294人。薬は高額だが、指定難病の医療費助成を受ければ、患者の自己負担は最大で月3万円で済む。

 治験では、約4割の患者が寝返りを打てるようになったり、自力で座れるようになったりするなどの改善が見られた。12歳までの小児を対象とした別の治験でも、症状の改善が報告されており、厚生労働省は9月に、最重症の乳児以外にも対象を広げ、治療で保険が使えるようにする方針。
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(奈良)障害者の親 死後の不安解消

【出典:2017年8月30日 読売新聞】

 ◇奈良の行政書士 相談窓口

 ◇セミナーや電話 遺産、生活問題支援

 障害のある子、引きこもりの子を残して世を去ったら――。奈良市の女性行政書士が、こうした不安を抱える親の相談に乗る活動を始めた。財産をどのように引き継ぐか、どうやって生活するかなど、切実な悩みに耳を傾けている。

 相談窓口は「あかるいみらい準備室」。奈良市の行政書士、山口まゆみさん(39)が、勤務する法務事務所内に設けた。5月にホームページ(HP)を開いて活動を始め、電話などで相談を受けたり、毎月1回程度、セミナーや相談会を行ったりしている。

 約4か月の間に、幼い障害児を育てる母親らを中心に少しずつ知られるようになり、「いくら資金をためておけばいいか、など参考になった」「エンディングノートと遺言の違いが分かった」といった声が寄せられている。

 原点は、2009年に遭遇した<事件>だった。県内で、重度の知的障害がある長男を育てていた女性が急死したのだ。

 女性は長男名義で多額の貯金などを残していた。しかし、親族に遺産の管理や長男の生活支援を引き受けられる人がおらず、「成年後見制度を利用したい」との相談が、山口さんの事務所に寄せられた。

 山口さん自身も当時、現在8歳になる長男を身ごもり、心身ともに母親になる準備をしていた時だった。「お母さんは必死の思いで資産を残したのだろう」。そう思うと胸が詰まり、目が潤んだ。

 その後、長男を出産し、育休などを経て仕事に復帰してからは、主に起業支援や、障害者の就労支援といった仕事を引き受けるようになった。「障害者や引きこもりの子どもを持つ親をどう支援できるかといった問題意識が、常に心の底にあった気がする」

 障害のある子どもを育てる親の中には、障害者団体などに加わらず、一人で悩みを抱え込んでいるケースが少なくない。また、働いても十分な収入を得ることが難しい子どものため、少しでも多くの資産を残したいという親たちの強い思いを感じるという。

 山口さんは今年に入り、専門家や、医療、福祉、行政機関などと連携できる態勢を整え、相談窓口にした。問い合わせは「あかるいみらい準備室」(050・3579・1642、平日午前9時~午後6時)。
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高齢者や障害者、日常をともに 「共生ケア」広がる関心

【出典:2017年8月26日 山梨日日新聞】

 高齢者や障害者、多世代が小規模施設でともに過ごす「共生ケア」への関心が山梨県内で高まっている。今年4月には、共生ケアに取り組む事業所などでつくる「山梨共生ケアネットワーク」(岡秀行代表)が発足し、会員も増加。7月末には県内の高齢者、障害者、児童福祉に関わる行政職員を対象にした研修会も開かれた。共生型サービスの現状と課題を取材した。

 「目の前で困っている一人を救う。それが共生ケアの理念です」。共生ケアについて理解を深めてもらおうと、7月末、同ネットワークが行政担当者らを対象に開いた研修会。講師を務めた惣万佳代子さん(富山市)は強調した。参加者は深くうなずき、メモを取る人もいた。

 惣万さんは1993年、赤ちゃんからお年寄りまで障害の有無にかかわらず一つ屋根の下で過ごせる、共生型のデイサービス施設「このゆびとーまれ」を設立。高齢者、障害者、児童福祉の縦割りを超えた支援の仕組みは、「富山型デイサービス」として全国に広がっている。

◎「65歳問題」

 事業所は10人程度の小規模。認知症の高齢者が子どもの世話をしたり、障害のある子どもが高齢者のサポートをしたりしながら、ADL(日常生活動作)が向上するなど、多世代の豊かな人間関係を築くことで相乗効果が生まれるという。

 厚生労働省は来年度から、「共生型サービス」を実施する意向を示している。共生型を進める背景にあるのが「65歳問題」だ。障害福祉サービスを受けている障害者は原則、65歳になると介護保険サービスに移行しなければならない。このため、本人の意向に反して受けられる支援が変わったり、65歳を境にサービスの自己負担額が増え、経済的困難を抱えたりすることがある。

 ネットワーク会員で障害福祉サービス事業所に勤める服部敏寛さん(45)は、「障害者福祉は、障害者が地域で孤立せず社会とつながって生きがいを得ることをめざしている。年齢を理由に支援が途切れることは以前から問題になっていた」と指摘する。厚労省は、65歳問題の解決をめざし、障害者と高齢者が同じ施設内でサービスを受けやすくする仕組みを整える方針だ。

 ネットワークによると、県内で富山型の共生ケアに取り組む事業所は、甲府市と南アルプス市の2事業所。いずれも介護サービス事業者として市町村の指定を受けている。加えて、障害者総合支援法に基づく基準を満たした「基準該当サービス」という仕組みを活用し、生活介護など障害者福祉サービスを提供している。

◎格差に懸念

 ネットワークは、共生型サービスがしやすい制度改正が行われることで、共生ケアの理念が共有されないまま、新規参入による事業所間のサービスに格差が生じることを懸念。障害者の社会参加支援と、介護に対応できる人材育成も課題とみている。岡代表は「生きづらさを抱えた人たちが、一つ屋根の下に集まった共生ケアの理念を支援者が共有する必要がある。地域の実情に合った、山梨での共生のかたちを模索したい」と話す。ネットワークは今後、例会を開いて情報交換や人材育成を進める考えだ。

 惣万さんは「私たちはいま目の前にいる人しか救えないが、制度を作り運用する行政は、未来の千人、1万人を救うことができる。現場や地域のニーズを聞きながら、行政と民間の協働で、地域の共生を考える必要がある」と指摘している。
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神経修復物質:阪大准教授ら発見 難病治療薬研究へ

【出典:2017年8月23日 毎日新聞(大阪)】

 大阪大の村松里衣子准教授(神経科学)らの研究グループは、難病の「多発性硬化症」などを引き起こす神経回路の損傷を修復する物質を発見したと明らかにした。膵臓(すいぞう)から分泌される物質で、将来的に治療薬の開発につながる可能性がある。研究成果は22日、米医学誌の電子版に公開された。

 多発性硬化症は、神経を覆う「髄鞘(ずいしょう)」と呼ばれる部分の損傷が相次ぐことで起こる。手足のまひや視力低下などの症状があり、国内には2万人近い患者がいるとされる。傷ついた髄鞘は自然に修復することがあり、研究グループはマウスの髄鞘の細胞を使って修復を促している物質を探した。

 その結果、膵臓が分泌する「FGF21」と呼ばれる、代謝を調整する物質が修復させていると分かった。また神経回路に損傷を受けたマウスのうち、FGF21を作り出せないマウスはより症状が重くなった。ヒトの細胞も、FGF21を投与すると、しない場合と比べて3日で2倍増殖した。

 多発性硬化症はすでに免疫機能を応用した治療薬が承認されているが、慢性化すると効果が得られにくくなる。村松准教授は「FGF21は傷ついた部分を直接的に修復するため、慢性化したケースでも効果が期待できるかもしれない」と話している。
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行き場失い怒り、戸惑い 問題業者、見抜くのは困難 「表層深層」就労事業所で大量解雇

【出典:2017年8月23日 共同通信社】

 各地で就労事業所の廃業が相次ぎ、行き場を失った障害者の間に戸惑いが広がっている。国の補助金を目当てにした"障害者ビジネス"の横行がささやかれる中、行政の担当者は「問題がある業者を見抜くのは困難だ」と説明。厚生労働省は廃業の際に、別の事業所へ引き継ぐよう通知を出したが、障害者が新たな環境に慣れるのには時間がかかり、負担は大きい。

 ▽不安

 「突然の閉鎖で詳しい説明もない。本当に許せない」。岡山県倉敷市で9日に開かれたハローワーク主催の緊急就職面接会。参加した障害者の女性(57)は怒りをあらわにした。通っていた同市の就労継続支援A型事業所「あじさいの輪」は7月末に廃業。解雇を知らされたのは6月下旬で、なすすべもなかった。持病があり、医療費を賄うためにも再就職を望むが「自分に合う就労先を見つけられるか不安で仕方ない」と声を落とした。

 事業所での業務は果物を包装するネットを作ったり、ダイレクトメールを封入したりする軽作業。市によると、事業者は当初から赤字続きで「経営改善が見込めない。障害者は失業手当をもらえるから大丈夫」と開き直ったという。大量解雇後、就労先が決まったのは7月28日現在、18人にとどまる。

 名古屋市や関東地方で事業所を展開する別の企業も廃業の準備を進めており、ハローワークが8月18日、通っていた障害者向けの就職説明会を開いたが、再就職先をどこまで決められるか見通せない。

 ▽指南役

 A型事業所は障害者の福祉と就労の橋渡しをする施設だ。すぐに一般企業で働くのが難しい場合、仕事に必要な技術や社会生活の訓練を積む。事業所は障害者数に応じ、障害福祉の給付金と、雇用開発の助成金(最大3年間)を受け取れる。

 だが国の補助金はあくまで「事業を後押しし、軌道に乗せてもらうのが狙い」(岡山労働局)。NPO法人「就労継続支援A型事業所全国協議会」の萩原義文(はぎはら・よしふみ)副理事長は「障害者に最低賃金を払える収益を確保するべきだが、(廃業した事業所は)そうした内容ではなかった」と分析する。

 業界関係者は「補助金がもらいやすい事業計画や書類作成を指南するコンサルタントもいる」と指摘する。登記簿やホームページによると、倉敷市や名古屋市の業者は2014~15年ごろに事業を始めており、廃業は助成金の期限が切れるタイミングだった。名古屋市の同業者は「計画倒産ではないか」とみている。

 全国のA型事業所数は10年度の700カ所から16年度には約5倍に急増。補助金目当ての業者も少なくないとみられるが、厚労省の担当者は「性善説で判断しており、参入時に見抜くのは困難」と打ち明ける。今年4月に補助金の使途が厳格化された影響で、「今後撤退する事業所が出るかもしれない」。

 ▽特性

 A型事業所で働く人の4割強は精神障害者だ。一般企業には法律で一定の割合を超える障害者の雇用が義務付けられているが、対象は身体、知的障害者のみ。来春には精神障害者が加わるが、現段階ではA型事業所が選ばれやすい実情がある。

 精神障害者の特性は人によってさまざまで、新たな就労先が見つかっても、適応するのに半年~1年がかかる場合もある。萩原副理事長は「解雇された人たちは、今の職場に慣れるのにも相当な時間がかかったはずだ。その時間を無にする突然の廃業はなお罪深い」と話した。
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障害者の大量解雇相次ぐ 就労事業所、突然廃業 補助金頼みの参入も 厚労省が実態把握へ

【出典:2017年8月23日 共同通信社】

 障害者が働きながら技術や知識を身に付ける就労事業所が、経営悪化を理由に廃業し、障害者を大量に解雇するケースが相次いでいることが22日、関係者への取材で分かった。7月には同一グループが運営する岡山県倉敷市と高松市の計7事業所で約280人が解雇された。名古屋市や関東地方で事業所を展開する企業も8月末までの廃業準備を進めており、さらに計100人前後が影響を受ける可能性がある。

 就労事業所を巡っては受け入れる障害者の人数に応じて補助金を受け取れるため、事業の収益を確保できなくても参入できる構造がある。国はこうした状況を是正するため、4月に補助金の支給要件を厳しくしており、大量解雇に影響を与えた可能性がある。

 厚生労働省は各自治体を通じ、経営改善が必要な事業所の実態調査を進めるとともに、障害者が解雇された場合は、別の事業所へ引き継ぎを徹底するよう通知を出した。

 問題となっているのは「就労継続支援A型事業所」。障害者と雇用契約を結び、都道府県ごとに定める最低賃金以上を支払った上で、軽作業などの職業訓練をする。近年急増しており、2016年度時点で全国に約3600カ所。運営者には国から障害福祉サービスの給付金として、障害者1人当たり1日5千円以上(定員20人以下の場合)などが支払われるほか、障害者の継続雇用に向けた助成金を受け取ることもできる。

 一方で、15年度に廃業したのは141事業所で前年度から倍増。公金頼みの事業所が少なくないとみられるため、厚労省は今年4月の省令改正で給付金から障害者の賃金を支払うことを禁じ、事業を健全化して、収益で賄うよう促した。

 倉敷市では、一般社団法人「あじさいの輪」と株式会社「あじさいの友」が運営する計5事業所が6月29日、障害者に1カ月後の解雇と事業所の廃止を突然通知し、7月末に223人を解雇した。同グループで高松市の2事業所も7月末に廃業し、59人が解雇された。大半は失業手当を受けながら、今後、受け入れ先を探す。

 倉敷市の事業所は8月、共同通信に対し「責任者がいないので取材に対応できない」とした。

 ※就労継続支援A型事業所

 障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に定められた就労支援事業の一つ。一般企業で働くのが難しい65歳未満の障害者に、働きながら知識習得や技術訓練をする障害福祉サービスを提供する。事業所は障害者と雇用契約を結び、原則として最低賃金以上を支払う。事業普及のために設定された国からの多額の補助を目当てにした企業が参入し、報酬の不正受給や質の低いサービスなどの問題が指摘されている。雇用契約を結ばないB型もある。
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傷ついた神経、治す物質 難病治療に期待、大阪大

【出典:2017年8月22日 共同通信社】

 手足のしびれや視力低下などを起こす難病「多発性硬化症(MS)」などで傷ついた脳や脊髄の神経の一部が、膵臓(すいぞう)から分泌される物質で修復されることを大阪大などの研究グループが発見し、米医学誌が22日、発表した。

 MSは免疫異常により神経線維を覆っている「髄鞘(ずいしょう)」などが傷つくことで、神経の情報伝達が阻害され、発症するとされる。大阪大大学院の村松里衣子(むらまつ・りえこ)准教授(分子神経科学)は「MSの治療は免疫抑制薬の投与が主流だが、傷ついた髄鞘を修復させる薬の開発につながると期待できる」としている。

 グループは、膵臓から分泌され、血液の中に含まれる「FGF21」と呼ばれるタンパク質に着目し、正常なマウスと、FGF21を作り出せなくしたマウスを比較。それぞれ、髄鞘を含む神経を傷つけて後ろ足の機能を低下させ、2週間後、回復度合いを見るため細いはしごの上を歩かせると、FGF21がないマウスの方が足を踏み外す回数が約1割多かった。

 FGF21が、髄鞘を修復するために必要な細胞の増殖を促していることも培養実験で確認した。

 注)米医学誌は、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション
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会話で世代の悩み共有 患者交流の「難病カフェ」

【出典:2017年8月16日 共同通信社】

 難病患者同士が、病名にとらわれず交流する「難病カフェ」と呼ばれる取り組みが全国に広がっている。常設の店ではなく、患者自らが定期的に交流会を開催。就職や結婚など若い世代が直面する共通の話題も多く、気軽な会話で悩みを共有できると好評だ。

 「難病なのに人を助けられるのかと、面接官に言われた。病気が理解されていない」

 手足にしびれやまひの症状が現れる「多発性硬化症」を患う50代の女性が、福祉施設の就職面接での体験を打ち明けると、集まった約20人が真剣に耳を傾けた。5月下旬に茨城県稲敷市で開かれた難病カフェ「アミーゴ」の一場面だ。

 アミーゴは、多発性硬化症の桑野(くわの)あゆみさん(45)=同県美浦村=と、消化管の炎症で腹痛や血便が起きる「クローン病」患者の吉川祐一(よしかわ・ゆういち)さん(53)=水戸市=が、昨年5月に立ち上げた。茨城県内各地で、月1回ほど交流会を開催している。

 設立のきっかけは、既存の患者団体で役員を務める2人が、若い人の参加が少ないと感じたことだった。レクリエーションを企画しても、時間が合わなかったり壁を感じたりしているのか、訪れるのは高齢者ばかり。「若い世代が気軽に参加できる場をつくりたい」と考えた。
 桑野さんは「病名が違っても、病気を抱えて生活している境遇は同じ。就職など共通の悩みは多い」と話す。

 難病カフェの取り組みは、その呼び名や形式の気軽さも相まって、ここ数年、関東や九州などでも広がっている。

 山口県下関市では今年4月、太ももの骨が壊死(えし)する「特発性大腿(だいたい)骨頭壊死症」の渡辺利絵(わたなべ・りえ)さん(53)が「ふくふくカフェ」と名付けた取り組みを始めた。月1回の会合の参加者は、若い人から高齢者まで10人ほど。深刻な話も多いが、みんな笑顔で話しているという。

 「周りに理解されないと、普段は打ち明けられずに我慢している人たちが『私も一緒』とうなずく。居場所があることが必要なんです」と、渡辺さんは意義を強調した。

 ※指定難病

 発病の仕組みや治療方法が明らかになっておらず、長期療養を必要とし客観的な診断基準があるなどの要件を基に、厚生労働省が指定する。2015年に施行された難病医療法に基づき、現在は330疾患が医療費助成の対象。通常は3割の自己負担が2割となる。症状が進み重症化する人がいる一方、治療を続けながら就労している患者も少なくない。
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難病患者、悩み共有の場 「なんくるかふぇ」北九州市に開設1年半 お茶飲みながら交流深める

【出典:2017年8月15日 西日本新聞】

 難病患者が集い、お茶を飲みながら悩みを打ち明け、交流を深めるカフェ「なんくるかふぇ」の取り組みが北九州市で広がりを見せている。初のカフェ開催から8月で1年半。これまで5回開催され、計約160人が参加した。市によると、市内には国指定の難病患者7908人(3月末現在)が暮らす。支援団体の関係者は「打ち明けにくいこともここでなら話せる。多くの人に参加してほしい」と呼び掛けている。

 「私の場合、油分を控えないといけないんですよ」。全身に炎症が起きる「ベーチェット病」患者の大本律子さん(53)=小倉南区=は、食生活への不満を口にした。すると、大本さんの近くに座っていたほかの患者が「冷製パスタには油分が少ないですよ」と教えてくれた。大本さんは「外食に楽しみが増えました」と笑顔をみせた。

 6月下旬、小倉北区の市総合保健福祉センターで開かれたカフェ。消化管に炎症を起こす「炎症性腸疾患(IBD)」やベーチェット病などを患う約20人が集まった。無料で提供されるコーヒーや紅茶などを手に、患者同士が自身の経験やお互いへのアドバイスを気さくに語り合っていた。

 カフェの取り組みは、IBDの患者会「福岡IBD友の会」(八幡西区)などが昨年2月に始めた。好評だったことから昨年6月、市や県難病相談支援センターなども加わって「難病支援研究会」を発足。参加対象を広げ、取り組みを本格化させた。カフェでは患者たちの中に、県難病相談支援センターの相談員や保健師などが交じり、患者たちの相談に乗っている。

 より多くの患者にカフェを利用してもらおうと、市は市総合保健福祉センターのホームページや市政だよりに告知を掲載。昨年6月にはフェイスブックも開設した。

 センター管理課の河津博美難病支援担当係長は「病気を知られたくないなどの理由で悩みを抱え込み、ふさぎ込んでしまう患者は多い。カフェで悩みを共有し、つながり、結び付きを強めてほしい」と話している。

 6回目のカフェは9月12日午前10時~午後4時、市総合保健福祉センターで開く。開催時間内は、どの時間からでも自由に参加できる。問い合わせは、同センター管理課=093(522)8761。
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義足、難病などの人にヘルプマーク配布…岐阜県

【出典:2017年8月10日 読売新聞】

東海3県で初…見かけたら配慮、支援を

 県は障害者や難病患者らでハンディキャップを抱えながら外見では支援が必要か判断が難しい人に向けて、「ヘルプマーク」を配布している。県障害福祉課によると、マークの配布は2012年に東京都で始まり、岐阜県で10都府県目。東海3県では初めてという。

 ヘルプマークは、義足や人工関節を着用している人、難病患者ら支援が必要なことが見た目にはわからない人のために作られた。全国共通のデザインで、赤地に白抜きの十字とハートマークがあしらわれている。裏面に連絡先などを記載できるシールを貼ることができる。妊婦であることを示す「マタニティーマーク」のように身につけることで、周囲の人々に理解や手助けを求めることができるのが狙いだ。

 同課によると、県内の障害者団体への調査で、マークの着用対象者は約1万4000人いるとみられる。同課は「ヘルプマークをつけた人を見かけたら、配慮をお願いします」と訴えている。ヘルプマークは、各市町村の障害福祉担当課や県障害福祉課などで無償配布する。家族や支援者が代理で受け取ることもできる。問い合わせは県障害福祉課(058・272・8309)。
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支え合うカフェ 難病NET.RDing福岡代表・池崎悠氏

【出典:2017年8月7日 日本経済新聞】

 症例が少なく、今も治療法が確立されていない難病。国の指定で330の病気があり、患者は全国に94万人以上。福岡市の患者支援団体で代表を務める池崎悠(25)もその一人だ。闘病体験を支援の現場に生かし、患者同士が交流したり悩みを相談したりできるイベントを主催する。「誰もが生きやすい社会に少しでも近づいてほしい」。病と闘いながら、掲げた夢の実現に向けて奮闘を続けている。

 「コーヒー、シナモンロール、お仕事のこと、生活のこと、制度のこと……」。5月上旬、福岡市博多区のビルの一室に一風変わったメニューを並べたカフェが現れた。難病患者やその家族らに向けた1日限定のイベントで、飲食を楽しみながらメニューにある就労の悩みなどを相談することができる。

 カフェは池崎が代表を務める「難病NET.RDing福岡」が昨年始めたもので、これまでに3回実施。相談に対応する専門スタッフがいるほか患者同士の交流もできる福岡市では初の試みだ。企画の始まりには池崎自身の闘病体験も深く関わっている。

 「おかしい。腕に力が入らない――」。15歳の春、池崎は慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)という難病と診断された。末梢(まっしょう)神経の疾患で、四肢の筋力低下やしびれが生じる。患者数は全国にわずか数千人。高校入学の2日前のことだった。「頭の中は真っ白。何より治らない病気というのが受け入れられなかった」

 腕は約1カ月かけて徐々に力が入らなくなった。字が書けなくなり、ほとんど腕が上げられない状態になった。治療をしても改善と悪化の繰り返し。「なぜ自分がこんな目に」。小学生から続けた剣道もピアノもできない。高校生活を謳歌する同級生を横目に、入退院が続いた。

 だが落ち込むばかりではいられない。逆境は持ち前の負けん気にも火を付けた。「病気のせいで何もできなくなったなんて言いたくない」。満足に授業も受けられなかったが、高校の勉強は自力で食らいついた。入院中は研修医をつかまえて数学など教えを請う徹底ぶり。テストの成績は学年上位をキープし、大学受験で九州大学に合格した。

 ただ珍しい病気のため悩みを共有する相手はおらず、孤独は続く。大学3年時の就職活動では企業に病気を打ち明けるか迷い、就労支援窓口にアドバイスを求めたが返答は「体を鍛えればいい」と心ない一言。難病を患っても、池崎のように時短勤務やこまめな休憩など配慮があれば働ける人は多い。理解が進まぬ社会の現実に衝撃を受けた。

 就活で直面した現実に立ち向かうべく、2013年12月に入院中知り合った年上の仲間と団体を設立。難病と就労をテーマに企画したシンポジウムには、いきなり100人以上が集まり支援の輪を求める声を肌で感じた。

 活動を通じ、同世代の女性患者とも初めて知り合った。「体調が悪くて電車の優先席に座っても若者だからと怒られる」「恋人にいつ病気を打ち明けるべきか分からないよね」。何気ない会話は誰にも明かせず胸に秘めるのが当たり前だった悩みばかり。「私だけじゃなかった――」。共感の連続に胸が熱くなった。

 思いを打ち明けることの大切さを痛感したことは、カフェの立ち上げにつながった。「難病は弱みじゃない。患って得たものが社会で生かせることも必ずある」。カフェには、患者が前向きになり社会で活躍することへの願いを込める。「誰でも自分の力を発揮できる社会に1ミリでも近づいてほしいから」。願いの成就に向けた一歩を踏み出したばかりだ。=文中敬称略
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(島根)ALS:県支部長・景山さん 撲滅が夢 40歳目前に発症 患者理解へ思い発信

【出典:2017年8月4日 毎日新聞(島根)】

 筋力が低下する進行性の難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の患者や家族らでつくる「日本ALS協会県支部」の支部長、景山敬二さん(56)=松江市=を県支部の総会で見かけたり、あいさつを聞いたりしたことがあった。県支部の活動や景山さん自身の思いについて、一度じっくり話を聞いてみたいと思い、取材を申し込んだ。

 取材を依頼した時、景山さんは松江市内で、レスパイト入院(介護する家族が休息をとるための入院)中だった。表情筋が動くため、皮膚のゆがみを感じ取るセンサーを顔に貼ってパソコンを操作して会話する。

 妻と高校3年の長女、高校1年の次女の4人家族。景山さんは患者家族の苦労を「見守りが24時間必要。ヘルパーがいないと、仕事も買い物もできない。夜も寝返りが必要になり、介助者は熟睡できない」と説明する。

 松江市出身。県立松江南高校卒業後、関西で5年間、板前修業をした。帰省して実家の仕出し店を継いだが、結婚2年目の2000年秋、40歳を前に発症、包丁をうまく握れなくなった。2年後にALSと告知を受けた。

 医学書や患者のホームページを調べて情報収集したが、告知された日は眠れなかった。「病気が自分のすべてではない」「3~5年の命なら、その時間を家族と濃密に過ごそう」と考えた。

 病気を受け入れたつもりでも症状が進み、できないことが増えると、深い苦悩と不安に襲われた。眠れなくなったり、変な夢を見たりした。失った機能を数え上げるばかりだったという。

 景山さんは「ありのままに生きることに気づいた時が受容(受け入れること)の時」と考えている。「できないことがたくさんあるが、自分にしかできないことも、きっとある」と考えるようになり、人工呼吸器を装着して生きることを選択した。

 景山さんはALS患者が理解され、支援を受けやすくなるように発信している。05年から医療関係者らへの講演活動を始めた。

 「ALS患者は『難病と闘う』とよく紹介されるが気持ちだけでも闘うのは疲れる。治療方法のないALS患者は闘うすべがない。諦めたわけではなく、闘病という意識を捨てたら生きることが楽になった。普通に暮らす、難病と共に生きるために生活を工夫するんだと思えるようになった」と気持ちをつづる。

 ただ、「景山さん自身はALSを受容できたのですか」と尋ねると答えは「それは難しい質問。何を受容の定義とするかは、あいまい。今でも人工呼吸器を付けたのは正解だったのか、葛藤することは、たまにあります」だった。

 私たちはどうALS患者や家族をサポートしたらいいのか。景山さんは「現時点では原因不明なので、10万人に1人か2人の割合で誰が発症しても、おかしくない。正しく病気を理解してもらえれば、より良い支援につながる」と答えた。

 景山さんの夢はALSの撲滅と完治だ。将来、治療方法が確立し、ALSが難病でなくなる日がくると信じている。

 ◇医療的ケア、介護職確保が課題

 日本ALS協会県支部は、悩みや不安を語り合う交流会▽医療関係者の講演会▽療養環境の改善を目指して行政に提言――などに取り組む。現在、訴えているのはレスパイト入院先の確保や、医療的ケアのできる介護職を増やして、難病患者や家族が安心して暮らせる環境づくりだ。

 県支部によると、県と委託契約をしていても神経内科医の不在などを理由に、全ての医療機関で受け入れ実績があるわけでないのが実情だ。

 また医療的ケアのできる介護職は、県内では松江圏域(松江市、安来市)と出雲圏域(出雲市)にしかいない。他地域の患者は長期入院するか、家族がたん吸引などを在宅で担っている。

 県内のALS患者83人(1月末現在)に対し、県支部の会員数は48人(4月現在)。このうち患者は11人、家族4人、他に遺族や医師、保健師ら。患者数と会員数の差の背景を景山さんは「約7割の患者は人工呼吸器を付けずに亡くなる。30年前も、今も変わりません」と説明する。県支部は、患者の半数が会員になることを目標にしている。
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