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村田製、医療機器を育成 米社買収、電子部品に続く柱に

【出典:2017年9月23日 日本経済新聞】

 村田製作所は22日、医療機器開発の米スタートアップ企業、ヴァイオス・メディカル(ミネソタ州)を買収すると発表した。約114億円を投じ10月13日付で完全子会社にする。主力の電子部品事業は世界でも高い競争力を持つが需要変動が大きい課題がある。このため安定的な収益を期待できる医療機器などを新たな事業の柱として育成する。

 村田製作所は現在3%を出資しているヴァイオスを完全子会社化する。買収は米子会社や特別目的会社を使う三角合併の手法を用いる。ヴァイオスの大株主である創業メンバーには、村田製が保有する金庫株50万株強(約85億円分)と現金約29億円を割り当てる。

 ヴァイオスは医療分野でIT(情報技術)の活用を目指している2012年設立の新興企業。胸に装着して心拍数や呼吸、心電図を測定する小型センサーなどを開発している。高額な専用機器の代わりに一般的なタブレット端末などで操作できるのが特徴だ。

 ヴァイオスはすでに米食品医薬品局(FDA)から小型センサーの製造承認を取得済み。現在は米国やインドの病院で試験導入しており、数年内の本格販売を目指している。16年12月期の売上高はまだゼロで約2億1200万円の最終赤字だが、米国などで販売を始めれば収益成長が期待できると見ている。

 村田製作所は現在、医療用の電気はり治療器や気道を確保する機器を手がけており医療関連事業を戦略分野に位置づけている。ヴァイオスが米国など各国に持つ医療機関などの人脈を生かして、医療関連事業を拡大する。村田製作所が持つセンサーや通信部品との技術融合も進める。

 村田製作所は世界市場でシェアが高いセラミックコンデンサーなど主力の電子部品に続く事業の育成を急いでいる。特に電池を含むエネルギー関連と医療事業を拡大する戦略だ。9月1日付でソニーの電池事業を買収したほか、この1年間で半導体関連の米新興企業アークティックサンドテクノロジーズ、樹脂材料のプライマテック(東京・世田谷)などの買収を進めてきた。
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ホギメディカル、医療機器をリサイクル 年度内に申請 規制緩和を受け

【出典:2017年9月22日 日本経済新聞】

 マスクなど医療材料の販売を手がけるホギメディカルは、今年度内にも医療機器のリサイクル品を販売できるよう当局に承認申請する。病院で使用済みの医療機器を同社の工場で分解・洗浄して組み立て、「再製造品」として医療機関に販売する。

 まずは酸素飽和度測定器など、患者の体表面での使用にとどまる機械や器具を再製造品にする。将来的にはカテーテルなど手術や処置で使用する機器も扱う方針。ホギのブランドで販売する。

 厚生労働省は7月に通知を出し、医療機器のリサイクル制度を創設した。米国では既に同様の制度があり、日本も再製造品を活用することが可能になった。

 以前から再利用が禁止されている医療機器を病院が滅菌して使い回すケースが問題になっていた。ウイルスや細菌などに感染する危険性や、医療機器の性能低下による医療事故のリスクが懸念されていた。

 ただ、再製造品は品目ごとに当局への承認申請が改めて必要となる。申請されると初のケースになりそう。審査期間がどの程度になるかなどはまだ不透明だ。
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大阪市立大病院:手術器具を再使用 15年から患者130人に

【出典:2017年9月21日 毎日新聞(大阪)】

 大阪市立大病院が、国から再使用が禁止されている使い捨て用の医療機器を滅菌処理して使っていたことが分かった。骨に穴を開けるドリルバーなど約50種類を2015年9月から約130人の患者に使った。健康被害は確認されていない。

 病院によると、医療機器は骨に穴を開けるドリルバー42種類や、骨を切断するブレード9種類。整形外科などの手術で使われていた。洗浄して滅菌してから使用したという。

 手術の際は多数の機器を全部そろえなければならないが、実際に使用するのは数本で、残りは廃棄する必要がある。病院庶務課は「効率的にできないか検討中だった。絞り込みできず再使用してしまった」としている。

 8月に兵庫医大病院で再使用が発覚したことを受けて院内調査で判明し、近畿厚生局や大阪市保健所に報告した。
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(埼玉)行田総合病院に最新鋭のロボ 前立腺がん手術に一役

【出典:2017年9月21日 埼玉新聞】

 行田市の行田総合病院は、5月から最新鋭の手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、男性の前立腺がんの手術を行っている。立体的な3D映像を見ながら手術器具を付けたロボットのアームを操作。人の手では難しかった狭い骨盤の中での前立腺がんの摘出もスムーズにできるようになった。県南地域や都内でダヴィンチを導入している病院はあるが、県北地域では同病院が初めて。林暁副院長・泌尿器科部長は「地域の病院との連携も深め、患者さんを積極的に受け入れていきたい」と話す。

■困難な手術を支援

 現在、ダヴィンチによるロボット支援手術の保険適応疾患は、泌尿器科がんである前立腺がんの全摘除術と腎がんの部分切除術。前立腺がんはPSA(前立腺特異抗原)を測定することで早期診断が可能となったことから、男性の中で一番多いがんとなっている。

 前立腺がんの標準的な手術は開腹手術。へその下を10~15センチ程度切開し、がんになった前立腺を摘出し、膀胱(ぼうこう)と尿道を縫い合わせる。しかし、前立腺は骨盤の奥深くにあり、周囲に血管があるため、手術で大量出血する場合もある。縫い合わせる手術も、骨盤が深く狭い場合は技術的に難しい。

 だが、ダヴィンチを使用すれば、腹部に6カ所程度の傷はできるが、1~2センチ程度の小さな切開で手術を行うことができる。3D映像は遠近感を伴う上に10倍拡大でき、鮮明に臓器や周囲組織を認識できる。その画像を見ながらアームを操作するが、アームには手ぶれ防止機能を備えたメスや鉗子(かんし)が取り付けられ、非常に繊細な動きが可能となっている。

■患者負担を軽減

 ダヴィンチによる手術について、同泌尿器科ロボット手術認定医の沢田陽平医師は「傷が小さいため、患者さんの体への負担が軽減できる。鉗子の動きの自由度が高く、確実にがんを取り除くことができる。手術の後遺症の尿失禁からの回復も早く、患者さんの負担軽減、がん制御、排尿機能の三つの利点がある」と話す。

 ダヴィンチを操作する医師は十分な修練が必要。同病院では、ダヴィンチ手術の第一人者・吉岡邦彦医師(東京医科大学客員教授)を招き、泌尿器科医師だけでなく、手術室看護師、臨床工学技師に対して技術指導を行った。

 林副院長は「前立腺がんの治療は放射線治療やホルモン治療など、手術以外の治療法も多岐にわたる。それぞれに利点、欠点があり、治療に悩んだ時は主治医に相談を」と話している。
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使い捨て医療機器を再使用 大阪市立大病院

【出典:2017年9月20日 共同通信】

 大阪市立大病院は19日、国の通知で再使用が禁じられている使い捨て用の医療機器を滅菌処理して使っていたと明らかにした。2015年9月以降で約130人の患者に使用しており、健康被害を調査している。

 病院庶務課によると、医療機器は骨に穴を開ける「ドリルバー」約40種類や、骨を切断する「ブレード」約10種類。ドリルバーは整形外科や形成外科、歯科口腔(こうくう)外科などで使われていた。洗浄して滅菌していたという。

 手術の際には多数のサイズを並べて患者に合う機器を使うが、手術後には全て破棄する必要がある。庶務課の担当者は「全て破棄するのは非効率との声があり、結果として今まで再使用を続けてしまった」としている。

 厚生労働省は04年以降、3回にわたり、感染防止の観点から、使い捨ての医療機器は再使用しないよう各都道府県に通知を出している。

 8月に兵庫医大病院で再使用が発覚した問題を受けて、大阪市立大病院は8月30日に院内調査を実施。再使用が分かり、9月1日に近畿厚生局に報告した。
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大阪市立大病院、医療用ドリルバーなど使い回す

【出典:2017年9月21日 読売新聞】

 大阪市立大学病院が2015年9月以降、再使用が禁じられている医療機器を約130人の患者に使い回していたことが、同病院への取材でわかった。

 今のところ健康被害の報告はないとしている。

 同病院庶務課によると、再使用していた医療機器は、骨に穴を開ける「ドリルバー」42種類と、骨を切断するノコギリ状の「ブレード」9種類。いずれも金属製。ドリルバーは1本約3万円と高価なこともあり、整形外科などの手術で、洗浄や滅菌処理をして再使用していたという。

 これらの医療機器は、感染を防ぐため、メーカーが再使用禁止を定めており、厚生労働省も04~15年に計3度、都道府県に通知を出してきた。同病院は再使用した患者への説明や謝罪などを検討している。
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大阪市立大病院、129人に医療機器再使用 国が禁止

【出典:2017年9月20日 朝日新聞】

 大阪市立大学病院と大阪国際がんセンター(大阪市)が、厚生労働省の通知で再使用が禁止されている医療機器を再使用していたことが20日、わかった。いずれも感染などの健康被害は確認されていないという。

 大阪市立大学病院によると、骨を削ったり、穴を開けたりするドリルバーや骨を切断する電動のこぎりの刃を2015年9月以降、129人に再使用していた。これらの機器は、形状が異なる刃のセットを手術前に開封して用意し、手術後にすべての刃を廃棄する必要がある。しかし、同院では実際に患者に使った刃を含め、洗浄、滅菌処理して再使用していたという。

 大阪国際がんセンターでも、電動のこぎりの刃と、腫瘍(しゅよう)などを焼き切る電気メスの再使用が15年1月以降、計384件確認された。

 2病院とも、今年8月に兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)で再使用が発覚したことを受けて院内調査。再使用が確認されたため、近畿厚生局に報告した。
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大阪市立大病院:手術器具を再使用 15年から患者130人に

【出典:2017年9月21日 毎日新聞(大阪)】

 大阪市立大病院が、国から再使用が禁止されている使い捨て用の医療機器を滅菌処理して使っていたことが分かった。骨に穴を開けるドリルバーなど約50種類を2015年9月から約130人の患者に使った。健康被害は確認されていない。

 病院によると、医療機器は骨に穴を開けるドリルバー42種類や、骨を切断するブレード9種類。整形外科などの手術で使われていた。洗浄して滅菌してから使用したという。

 手術の際は多数の機器を全部そろえなければならないが、実際に使用するのは数本で、残りは廃棄する必要がある。病院庶務課は「効率的にできないか検討中だった。絞り込みできず再使用してしまった」としている。

 8月に兵庫医大病院で再使用が発覚したことを受けて院内調査で判明し、近畿厚生局や大阪市保健所に報告した。
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4K・3Dの手術顕微鏡 ソニーとオリンパス 医師の疲労軽減

【出典:2017年9月20日 日本経済新聞】

 ソニーとオリンパスが共同出資するソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(東京都八王子市)は19日、高精細な4Kと3D技術を搭載した手術用のデジタル顕微鏡システムを開発したと発表した。手術の様子をモニターに映し出すため、接眼レンズをのぞき込む必要がなく、医師の疲労を軽減する。2021年に脳外科向けで世界シェア20%を目指す。

 新製品の名称は「オーブアイ」で、オリンパスが10月に日米で発売する。従来の光学式製品に比べて顕微鏡部分の体積を95%、全体の重さを50%減らした。顕微鏡とモニター、録画機で構成し、価格は4000万円程度と光学式と同等にした。 ソニーの映像技術とオリンパスの顕微鏡技術を組み合わせた。ソニーのイメージセンサーや画像処理技術を採用。手術で求められる画像の水準などにオリンパスの知見を生かした。

 手術用顕微鏡の世界市場は独カール・ツァイスとライカマイクロシステムズで9割程度を占める。オリンパスは現在、日本でしか販売しておらず、世界シェアは2%程度とみられる。
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千葉大、遠隔医療の講座

【出典:2017年9月20日 日本経済新聞】

 千葉大学医学部付属病院は10月から、医療機関や企業の担当者を対象に遠隔医療の教育プログラムを始める。履修期間は1年間で、遠隔医療のしくみや情報通信技術(ICT)の最新動向、医師と患者のコミュニケーションなどのカリキュラムを盛り込んだ。講義は計120時間分あり、社会人が受講しやすいよう、平日夜間や休日を活用する。遠く離れた地域向けにeラーニングも取り入れる。
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エムスリー、医療機器商社を買収 10億円、販路拡大

【出典:2017年9月20日 日本経済新聞】

 エムスリーは19日、医療機器商社を買収すると発表した。心臓外科や血管治療用機器の販売を手掛けている会社で、買収額は約10億円。インターネットを活用した医薬品営業の代行サービスが主力のエムスリーは今回の買収で医療機器の販路を手に入れる。ネットを使った営業代行サービスを医療機器分野に広げる足掛かりとするほか、出資する医療機器ベンチャーの販路としても活用する狙いだ。
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旭川医大が上告 電子カルテ納入遅延巡り

【出典:2017年9月19日 共同通信】

 旭川医大病院(北海道旭川市)への電子カルテシステム納入が遅れたことを巡り、医大と受注者のNTT東日本が互いに損害賠償を求めた訴訟で、医大は15日までに、約14億1500万円を医大がNTT側に支払うよう命じた8月31日の札幌高裁判決を不服として上告した。

 上告は14日付。高裁判決は、医大が契約や合意に反して大量の追加要望を出したのがシステム開発遅れの原因とした。

 医大は「係争中なので内容についてはコメントできない」としている。
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「市場」にどう向き合う(下)福祉機器 民間の力生かせ 「格好よさ」に消費者ニーズ 松井彰彦・東京大学教授

【出典:2017年9月18日 日本経済新聞】

 世界に先駆けて高齢化社会を迎えつつある日本。50~60代になると、多くの人は急速に身体に不具合が出始める。腰を痛める。目がかすむ。内臓の機能が衰える。これをネガティブにとらえていたのでは、わが国はじり貧だ。むしろ逆手に取り、世界をリードする高齢化産業の勃興の機会とみなせば、産業革命に勝るとも劣らない好機である。

 本稿では眼鏡の市場と医療機器の市場を考察しながら、「市場の力」というキーワードを使って福祉機器市場の未来を読み解いてみたい。

 まずは眼鏡の市場に目を向けてみよう。眼鏡は福祉用具に分類されるが、多くの人にとっては「福祉」とは無縁のものだろう。

 国内の眼鏡などアイウエアの市場規模はここ5年間拡大しており、2016年は前年比3%増の5087億円と5千億円を超える見込みだ(小売金額ベース、矢野経済研究所調べ)。特に顕著な伸びをみせているのが、視力矯正のみを目的としないファッションアイウエアと呼ばれるジャンルの製品で、16年の市場規模は前年比3.5%増の3900億円とみられている。

 今でこそ多くの人が利用するアイウエアだが、中世欧州では眼鏡は悪魔の道具と考えられていた。「神の与えたもうた苦痛はその人間の魂の幸せのため、じっと耐えるべきものであり、それを妨げる機械類は悪魔のしわざである」

 眼鏡は本の大量生産と識字率の上昇とともに普及する。多くの人がその実用性から眼鏡を使うようになると、「悪魔の道具」としてのマイナスイメージも払拭され、大量生産の時代に入っていく。市場規模が膨らむにつれて、実用性だけでなくファッション性も加味されたモデルが次々と登場した。ファッションアイウエアが市場全体に占める割合は8割近くに達する。

 日本のアイウエア市場で注目すべきはその国内生産比率だ。16年には国内市場規模約5千億円に対し輸入は462億円で、国内製品割合は9割強だ(輸出は300億円)。

 これは福井県生野で明治38(1905)年に産声をあげたベンチャーが成功したことが大きい。「ふるさと生野の暮らしをよくしたい」と考えた増永兄弟が農閑期に取り組める眼鏡作りに目をつけ、大阪から職人を招き、村人を巻き込んで一から眼鏡作りを始める。やがて中世西欧のギルド制に似た「帳場制」を採ることで1期生たちが「親方」となり独立し、帳場間で競い合う風潮が生まれたという。

 日本人の骨格に合わせたノーズパッドや軽量のチタンフレームでも先行する。結果的に、先行した福井県は今や眼鏡フレームの国内生産の95%を占め、海外にも輸出する世界有数の眼鏡産地となった。

 眼鏡は格好よさの「見える化」が望まれるが、「見えない化=サイボーグ化」が進む機器もある。例えば医療機器のペースメーカーは目立たないのが格好いい。

 20世紀半ばには身体からリード線を出して外部の「装置」につなげていたペースメーカーも、今では手のひらで覆えるくらいの体内植え込み型となっている。中には植え込み型除細動器(ICD)もある。公共施設や建物に設置されている自動体外式除細動器(AED)と同機能のものを体内に埋め込んだものだ。

 かくいう筆者もICD装着者だ。データ通信により日々機器のモニタリング(監視)がなされ、時折呼び出しはかかるが、心臓発作時のリスクが小さく、まさに強化型「サイボーグ」と言ってよい。

 ただ残念ながら、ペースメーカーは99%以上が外国製品で、新製品導入が遅れるほか、価格も高く保険財政を圧迫している。日本での価格は欧米の1.6~1.8倍というデータもある。最大の問題は保険適用されるこれらの医療機器の価格が公定価格となっており、米国などと比べ市場の力をそいでいる点だ。

 医療機器全体でみても、2兆7千億円強という市場に占める輸入額の割合は52%だ。輸出を引いた純輸入額でも約8千億円の貿易赤字となっている(いずれも15年)。さらに懸念されるのは伸び率で、輸入金額は11~15年の4年間で35%増えているのに対し、国内生産額の伸びは8%弱と大きく水をあけられている。

 以上の分析を基に福祉機器市場の未来を占ってみよう。義肢、車椅子などの狭義の福祉用具の市場規模は14年度で1兆3995億円で、前年度比3.8%増だ(眼鏡含む、日本福祉用具・生活支援用具協会=JASPA=調べ)。

 福祉機器は医療機器ほど海外勢の侵食を受けていない。国立社会保障・人口問題研究所のリポートによれば、輸入額は約600億円と、国内市場全体に占める海外製品の割合は医療機器よりも小さい。この市場がファッション性、デザイン性にもっと目を向ければ、2兆~3兆円規模に膨らむことも夢物語ではない。

 福祉機器の多くには公的資金が入っているため、自由競争の下で需給が決まる眼鏡ほど市場の力が生かされない。医療機器のような「公定価格」が決まっていないものも多く両者の中間的存在といえる。付加価値を上げるには機能性一辺倒の政府の力に対し、デザイン性に優れたものを生み出す市場の力が必要だ。

 福祉機器の代表格である車椅子の市場をみると、その規模は手動・電動を合わせて276億円だ(15年、富士経済グループ調べ)。台数的に多いのは病院や介護施設などで見かけるシンプルなもので、大量生産は可能だが、付加価値は小さい。付加価値を上げるには、介護保険依存からの脱却が課題だという。付加価値のある「格好いい車椅子」の普及が業界発展の鍵だ。

 そうした「格好いい車椅子」を30年近く作り続けている会社がある。パラリンピアンたちが用いる競技用の車椅子製造で有名なオーエックスエンジニアリング(千葉市)だ。創業者の石井重行氏は「格好いいバイク」を作っていたが、不慮の事故で車椅子生活を送ることになる。自分が気に入る車椅子を作り始め、それを事業化したのである。

 もちろん機能性とデザイン性に優れ、自分用にカスタマイズされた「格好いい車椅子」は少量多品種となるため割高になる。価格は通常の車椅子の2倍以上という。

 当初ユーザーが自治体の窓口に補助申請に行くと、価格が高いため断られることもあった。ユーザーが製品のよさを説明しサポートしてくれたため、今では断られることはなくなった。市場の力が政府の力に打ち勝ったのである。

 同社の石井勝之・現社長は「日本でしかできないところを磨き続けたい」と話す。同社の売上高全体の約1割を占める競技用車椅子の開発で得た技術を約9割の一般用車椅子製作に生かし、そこでの収益を新たな開発費に充てる。「違い」を求めてやってくるユーザーに応えるために「常に挑戦が必要だ」と語る。

 同社のように消費者が欲しがるものを生産者は作る。格好いいものを求める消費者とそれを提供する生産者により「格好いい福祉機器」の市場は形成されていく。

 一見矛盾するようだが、「福祉機器の市場化=脱福祉化」が進み、非障害者がみても「格好いい」ものが街中にあふれれば、眼鏡同様、福祉機器は機能だけではなく、ファッションを楽しむためのものになる。石井社長は「未来を開発したい」と話している。人が変われば社会は変わる。
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キヤノン、医療機器利益率10%へ 保守サービス強化

【出典:2017年9月15日 日本経済新聞】

 キヤノンは医療機器事業の採算改善に取り組む。好採算の保守・点検サービスを強化。中期経営計画の最終年度となる2020年12月期をメドに、売上高営業利益率(米国会計基準)を10%程度まで引き上げる方針だ。田中稔三副社長兼最高財務責任者(CFO)が日本経済新聞の取材で明らかにした。

 コンピューター断層撮影装置(CT)などを手掛けるメディカルシステム事業は、昨年約6655億円で買収した医療機器の東芝メディカルシステムズが中心となる。17年12月期の売上高は4400億円、営業利益は205億円を見込む。営業利益率は4.7%と、「海外の競合他社と比べると、収益力にはなお課題が残る」(田中CFO)。

 医療機器事業は保守・点検といったアフターサービスが収益源となる。医療機器大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)など競合他社と比べると、東芝メディカルの売上高に占める保守サービスの割合は低い。田中CFOは「生産だけでなく、販売体制も内製化することで利益率を高める」と話す。

 キヤノンは20年12月期に連結売上高を5兆円以上、営業利益率を15%以上(17年12月期見通しは8.1%)を目指している。そのうち医療機器事業の売上高は今期予想比14%増の5000億円を視野に入れる。
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(福岡)健康チェック:トイレで簡単に 東区の100世帯、今月下旬にも実証実験 便器に尿センサー、疾病リスク分析し配信

【出典:2017年9月13日 毎日新聞(福岡)】

 ◇ベンチャー企業、福岡市と協力

 東京のベンチャー企業が福岡市などと協力し、東区のアイランドシティの一般住宅100世帯で、トイレの便器に尿の成分を測定するセンサーを取り付け、利用者に疾病リスクなどの情報を通知する新たな健康管理サービスの実証実験を今月下旬にもスタートさせる。結果はスマートフォンからも見られ、簡単に日々の健康チェックができるという。市によると「一般家庭での実証実験は世界初の試み」。

 健康機器関連のベンチャー「サイマックス」(東京都葛飾区)が中心となって実施する。便器の計測器で得られたデータはインターネットを通じて同社に送信される。そこで成分分析され、結果が利用者に配信される。利用者はスマートフォンでいつでも見ることができる。

 pH値や尿酸値など数値的なデータだけでなく、糖尿病や痛風、ぼうこう炎などの疾病リスク、食習慣に関する分析結果も配信されるという。日々のデータはグラフで比較することもできる。

 同社は昨年から、商社「双日」(同千代田区)と組んでオフィスでの実証実験を始めているが、一般家庭での実施は初めて。現在、希望者の募集を進めており、下旬から機器の設置を始める予定だ。

 実証実験は、市と、市や地元の経済界などでつくる福岡地域戦略推進協議会が主催する昨年度の「市実証実験フルサポート事業」で優秀賞として採択された。市と同協議会が運用支援や地元調整をする。

 サイマックスの鶴岡マリア社長は「いつも通りの生活を送りながら簡単に検査ができるサービスで、日ごろの健康チェックに役立ていただきたい」としている。
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