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ヤマカガシ、首にも毒 餌のカエルから取り込む

【出典:2017年9月23日 日本経済新聞】

 日本で毒ヘビといえば、マムシやハブが真っ先に頭に浮かぶが、今年7月に兵庫県で小学生がかまれたのはヤマカガシとみられる毒ヘビだった。意識不明になり、病院で血清を注射し回復した。ヤマカガシは2種類の毒を持つ珍しいタイプで、その一つはエサのカエルから得ている。毒は母から子に回せることなどが近年の研究で分かってきた。

 厚生労働省のデータによると、日本では毎年5~10人程度がヘビにかまれて死亡している。大半はマムシの被害で、ハブやヤマカガシで亡くなるのは1人いるかいないかだ。

 ヤマカガシは北海道や南西諸島などを除く各地にいる。成長すると体長60~150センチメートルになる。色は地域や個体の差が大きい。関東などでは赤と黒の斑紋を持つタイプが多い。近畿では斑紋のない緑色っぽいタイプ、中国・四国では青みがかったタイプも多い。

 水田や河川付近などに生息し、主食はカエル。小魚やトカゲなども食べる。昔から身近にいたヤマカガシが毒ヘビだと一般に知られるようになったのは1970年代だ。「普段はおとなしく、手を出さなければほとんどかまれることはない。かまれても毒が体に入らないことも多いため、毒がないと思われてきたのだろう」と日本蛇族学術研究所の堺淳主任研究員は指摘する。

 現在は口の奥と首の後ろに毒を持つことが知られる。牙から出す毒で、捕まえた獲物を弱らす。マムシなどは毒牙が顎の先端についているのに対し、ヤマカガシは口の奥の大きめの歯から毒を出す。少しかんだだけでは毒は入らないが、毒の強さはマムシの約3倍、ハブの10倍といわれる。

 かまれて毒が体内に入ると全身の血管で血液が固まるよう促される。もともと体内にある凝固因子が使われ、止血能力が極端に下がる。皮下や内臓からの出血、急性腎不全や激しい頭痛などを起こす。

 一方、首の毒は敵から身を守るためにある。首の皮膚の下に「頸(けい)腺」と呼ぶ器官が2列で十数対並ぶ。世界でもヤマカガシとその近縁類しか持っていないという。腺といっても管で皮膚の表面とはつながっていない。頸腺の中は毒成分が入った細胞が詰まっており、外から圧力を受けると中身がはじけ飛ぶ。

 猛きん類やイタチ、タヌキなどの敵に遭遇したヤマカガシは防御のため、お辞儀をするように頭を下げ、首を相手にみせる。ときには首を敵に打ちつける。毒成分は「ブファジエノライド」という化学物質で、心臓の働きを強める作用がある。これはヒキガエルの「ガマの油」と呼ばれる分泌物と同じで、ヒキガエルをくわえた犬が泡を吹いて倒れたとの報告例もあるという。

 この毒の研究を長年続けているのが京都大学の森哲准教授だ。毒成分はヒキガエルと同じでも、どうやって作られるのか不明だったからだ。実験で、自ら作るのではなく、餌のヒキガエルから取り込んでいることを解明した。ヤマカガシの子に餌としてヒキガエルを与える群と、毒のない別のカエルを与える群などに分け、頸腺に毒が出てくるか調べた。毒が出たのはヒキガエルを与えた群だけだった。

 ヒキガエルがいない島、金華山(宮城県)にすむヤマカガシにも着目した。防御反応を調べると、首をみせずに逃げた。しかし金華山生まれのヤマカガシにヒキガエルを与えて育てると、次第に首をみせるようになった。森准教授は「ヤマカガシには自らの首に毒があるか知る方法があるのではないか」と推測する。

 首の毒は母から子に譲り渡せることも森准教授らの研究で判明した。ヒキガエルの毒成分に微妙な違いがあるのを利用した。妊娠中のヘビを捕まえ、化学物質の種類を調査。生まれた子に、それと異なる種類の化学物質を持つヒキガエルを与えて育てると、2種類とも備えるようになった。

 ヒキガエルの多い地域は母の頸腺にある毒の量も多く、生まれつき頸腺に毒を持つ子の割合も多かった。電波発信機をつけた実験で、妊娠したヤマカガシは遠くてもヒキガエルの多い場所まで出向く傾向があると分かった。最初から首に毒を持つ子は生き残れる確率が高まるため、こうした行動を取ると考えられる。

 近縁種でも研究が進む。森准教授は「中国のミゾクビヘビも毒が詰まった頸腺を持つが主食は毒のないミミズ。毒を持つホタルを食べて毒を得ている可能性があると分かった」と話す。8月に京都で開かれた国際学会で発表した。

 頸腺は一部のヘビで進化してきた不思議な器官だ。妊娠したヘビがどうやって体内の卵に毒成分を送り毒を持つ子を産むのかなど、まだ謎が多く残っている。

【毒ヘビ 日本には約20種が生息】

 日本にはウミヘビを含め約50種類のヘビが生息するが、毒を持つのは約20種類だ。森哲京都大学准教授によると、世界で2900種類以上いるヘビのうち人に危害を加える毒ヘビは1割以下という。毒はマムシやハブ、ヤマカガシなどが持つ出血毒と、コブラなどの神経毒に大別される。

 日本で被害が最も多いマムシは、水辺や草むらなどに生息する。推定で年約3000人がかまれる被害に遭っており、出血や痛み、腫れのほか、急性腎不全や呼吸不全などが起きることもある。

 毒ヘビにかまれたら、傷口より心臓に近い側を軽く縛り、早めに医療機関を訪れることが大切だ。
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ヤマカガシの血清ピンチ 個体減少、採算性も要因

【出典:2017年9月22日 共同通信社】

 かつて水辺や田んぼに広く生息していた毒ヘビ「ヤマカガシ」。今年7月には福岡県と兵庫県で小学生の男児がかまれ、血清治療で回復したが、その血清がなくなるかもしれない。自然環境の変化による個体数の減少で製造に必要な毒を集めるのが難しい上、重症化することはまれで、採算性の低さも要因だという。

 「ほかのヘビよりも血清の効果は高いのに受傷例が少なく、血清を製造しても採算が取れない」。日本蛇族学術研究所(通称ヘビ研、群馬県太田市)の主任研究員堺淳(さかい・あつし)さん(62)は頭を抱える。

 ヤマカガシは本州や四国、九州に広く生息。毒で重症化すると頭痛や脳内出血を起こし、最悪の場合、死に至ることもある。ただ、毒を出す歯は奥にあることなどから、かまれても体内に入りにくく、かつて一般に毒ヘビとは認識されていなかったほどだ。

 堺さんによると、ヤマカガシの血清はヘビ研が約30年前に初めて作った。1984年に愛知県で中学生が死亡し、遺族が研究費を寄付してくれたことが契機だった。2000年には国立感染症研究所などと共同で再び開発し、化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)で再製造された。

 現在使用されている血清は17年前のもの。毎年検査で効果は確認しているが、経年劣化を考えると再製造は不可欠だ。

 血清を作るには数百匹を捕獲して毒を採取しなければならない。しかし、環境変化で餌のカエルが減少し、ヤマカガシそのものが減っている。

 堺さんは中国産のヤマカガシで代用する研究もしているが、研究費不足などから思うように進んでいない。「薬を作るのは時間もお金もかかる。厳しい状況だが、万が一の備えを絶やしてはいけない」と話した。
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O157の総菜店閉店 「影響避けられない」

【出典:2017年9月21日 共同通信】

 埼玉、群馬両県の系列総菜店「でりしゃす」の客が腸管出血性大腸菌O157に感染し、1人が死亡した集団食中毒で、運営するフレッシュコーポレーション(群馬県太田市)は20日、栃木、群馬、埼玉各県にある「でりしゃす」全17店を、19日の営業を最後に閉店したと発表した。

 同社は閉店理由を「感染源が特定されていない中で営業を再開しても今後の影響は避けられず、継続は難しい。総合的な経営判断」としている。

 群馬県などが県内の12店舗への立ち入り検査を進めており、19日までに8店舗が終了。現在までに衛生管理上の問題は指摘されていないという。

 でりしゃすは1999年、最初の店舗が前橋市にオープン。その後、店舗を増やした。

 今年8月に埼玉県熊谷市の2店舗でポテトサラダを食べた客がO157に感染し、全17店が営業を一時自粛。今月7日に再開したが、前橋市の六供(ろっく)店の炒め物などを食べた女児(3)が感染、死亡したことが13日に判明し、六供店が自主休業していた。現在、判明している感染者は計22人。

 一方、厚生労働省は20日、都道府県など自治体の担当者を集めた会議を開き、被害が広域に及んだ場合の情報共有の在り方などを議論した。

 会議では、国立感染症研究所の専門家らが今夏のO157の感染状況を説明。参加者から「情報共有のためには、国がまとめ役になるなどの支援が必要だ」との指摘もあった。
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O157感染、総菜「でりしゃす」全17店閉店

【出典:2017年9月21日 読売新聞】

 埼玉、群馬両県にある総菜販売「でりしゃす」系列店の総菜を食べた22人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、うち女児(3)が死亡した問題で、店を運営するフレッシュコーポレーション(群馬県太田市)は20日、「でりしゃす」全17店を閉店したと発表した。

 でりしゃすは8月24日から全店で休業し、店の衛生管理態勢を見直し、今月7日に営業を再開していた。ただ、「感染者がたくさん出て、イメージや信用の面も含めて、総合的に営業の継続は難しいと判断した」と同社は閉店の理由を説明。「感染源の特定に向け、引き続き保健所の調査に全面的に協力していく」としている。

 今月7日の営業再開前には前橋市などが店に立ち入り調査を実施。女児の死亡を受け、群馬県などは県内12店の調査を改めて行っていたが、閉店に伴い立ち入り調査は打ち切るという。
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川崎市の小学生ら食中毒 14人、弁当でセレウス菌

【出典:2017年9月21日 共同通信】

 山梨県は20日、同県北杜市のすし店「開江寿司(かいこうずし)」で調理した弁当を12日昼に食べた川崎市の小学5年生児童と教員ら計185人のうち、児童13人と教員1人の計14人が嘔吐(おうと)や吐き気を訴え、うち2人からセレウス菌を検出したと発表した。菌はすし店の従業員や調理施設からも出たことから、県は弁当が原因の食中毒と断定、すし店を3日間の営業停止とした。

 県などによると、14人は全員が回復している。児童らは、北杜市に隣接する長野県富士見町にある「川崎市八ケ岳少年自然の家」に、自然学習で訪れていた。
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トング 注文殺到 O157問題で使い回し対策 食の安全管理、不安なお

【出典:2017年9月20日 日本経済新聞】

 総菜店の商品を食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、食中毒を起こした問題で、小売店が衛生管理を強化している。取り分け用のトングが商品の汚染につながった可能性が指摘されており、総菜ごとに専用のトングを置き、使い回しをやめるなどの対策が広がる。トングを作るメーカーには注文が殺到し品薄状態になっているという。

 「たった2日間で約1万本の在庫がなくなり、ほぼ品切れ状態。こんなことは初めてだ」。トングなどのキッチン用品を生産する田辺金具(新潟県燕市)には、O157の集団食中毒の発生以来、大手スーパーや総菜店などからの発注や問い合わせが急増している。

 要望が多いのは先端に抗菌加工を施した樹脂製のカラートング。持ち手のステンレス部分と一体成型するため、雑菌が入り込みにくい。「今すぐほしい」と総菜を扱う業者がまとめ買いしていくこともあるという。

 同社では工場をフル稼働してトングを追加生産中。今後6万本以上は生産する計画という。生産管理担当の板谷一人さんは「すぐに納品できないのは心苦しいが、できる限り対応したい」。

 東京都台東区で料理道具店を営む浜田勝枝さん(79)は「事件以降、トングの売り上げは1割ほど増えた」という。

 「できたて総菜 くいしんぼう」武蔵小山店(東京・品川)は、店内に並べた総菜を消費者がトングやスプーンで取り、重量などに応じて代金を支払う形式。だが問題発覚後は、生野菜をパック詰め販売に変更。いため物、煮物なども、量り売りとパック詰めを選べるようにした。

 これまで料理の追加時に交換していたトングを、客が多く来店する午後3時、5時に一斉に交換するように指導した。

 店長は「消費者が取り分ける形式は、好みの量を購入できる利点もあり、支持されてきた。パック詰めにするのは複雑だ」と困惑した。

 総菜を量り売りする「ホームデリ」を約80店舗で提供しているコンビニ大手「ミニストップ」も食中毒問題の発覚後、各店に手洗いやトング交換、消毒などを徹底するよう注意する文書を緊急配布した。店員の健康状態も確認するよう求めた。同社は「今のところ影響はないが、安全対策を徹底していく」と気を引き締める。

 店側の対策強化にもかかわらず、不安を感じる消費者も少なくない。20日朝、東京都内の食品スーパーを訪れた50代女性は事件以来、外で総菜を買わなくなったという。「孫たちには自分で加熱した料理を食べさせるようにしている。抵抗力の弱ったときにO157に感染してしまわないか心配だ」と話した。

 食の安全に詳しい消費者問題研究所の垣田達哉代表は、「総菜店ではこれまで調理現場での衛生管理は厳重に行われてきたが、陳列後の店内での管理は十分な注意が払われていない店が少なくない」と指摘。「トングや菜箸を頻繁に変えたり冷やしたりして菌の繁殖を抑える、提供スペースに店員を置いて使い回しをチェックする」などの対策を提案している。
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「でりしゃす」全17店を閉店 O157感染で女児死亡

【出典:2017年9月20日 朝日新聞】

 群馬、埼玉両県の総菜店「でりしゃす」の総菜を食べた男女計21人が腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染し、女児(3)が死亡した問題で、同店を運営する「フレッシュコーポレーション」(群馬県太田市)は20日、でりしゃす全17店舗を閉店したと発表した。「総合的な経営判断」という。

 同社によると、群馬、埼玉、栃木の3県にあった17店舗を19日付で閉店した。従業員は、同社が運営する他のスーパーなどで雇用の場を確保するという。

 群馬県食品・生活衛生課などは女児の死亡が13日に明らかになってから、同県内の12店舗への立ち入り検査を続けている。19日までに8店舗の検査を終え、20日以降に残りの店舗を回る予定だったという。感染ルートはまだ特定されておらず、同社の広報担当者は「今後も原因追及・解明に協力する」と話している。

 一連の問題は、埼玉県内の店舗でポテトサラダを買って食べた人から、8月21日にO157が検出されて発覚した。でりしゃすは、8月24日から全店舗を自主休業していたが、9月7日に営業を再開していた。女児が食べた総菜を販売した前橋市の「六供店」は、女児の死亡がわかった後に再び自主休業をしていた。

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O157、11都県から拡大…人から人へ感染か

【出典:2017年9月20日 読売新聞】

 埼玉、群馬両県の総菜販売店で購入した総菜を食べた人らが相次いで腸管出血性大腸菌O157に感染している問題で、同じ遺伝子型の菌が検出された地域は、これまでの11都県より拡大し、変異した遺伝子型も確認されたことが、厚生労働省の調査でわかった。

 厚労省では、人から人への二次感染などで散発的に広がった可能性があると分析している。

 同省によると、両県の患者から検出されたのは、「VT2」と呼ばれる毒素を出すタイプのO157。これまで両県をはじめ、東京、神奈川、三重、香川など計11都県で同じ遺伝子型の菌による感染が確認されていた。その後の調査では、8月14~20日の1週間にVT2への感染が報告された21都道府県の計144人について、多くの自治体で同じ遺伝子型が確認された。
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O157感染者報告数、ピーク時の2割に 総菜店と同型

【出典:2017年9月20日 朝日新聞】

 埼玉、群馬両県の総菜販売店で購入した総菜を食べた人らが腸管出血性大腸菌O(オー)157に相次ぎ感染し、同じ遺伝子型の菌が11都県で確認されている問題で、この遺伝子型を含むタイプへの感染者の報告数が、直近の1週間(9月4日~10日)はピーク時の約2割の26人まで減ったことが19日、わかった。

 国立感染症研究所の集計(速報値)によると、O157など腸管出血性大腸菌の感染者数は、直近の1週間で178人。うち11都県で確認された遺伝子型が含まれる「VT2」と呼ばれる毒素を出すタイプのO157は26人。ピーク時(8月14日~20日)の144人から3週連続で減った。朝日新聞の集計では、このタイプのうち遺伝子型まで一致する菌に感染した人は、7月末から8月にかけて少なくとも87人いる。厚生労働省によると、食べた物や行動の共通点は確認できず、広域に拡大した要因はわかっていない。

 食中毒に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「秋に報告数が減るのは例年と同じ傾向」とし、今回、広がった菌の流行が終息に向かったかどうかの判断には、「遺伝子型の確認が必要」という。また、腸管出血性大腸菌全体の感染者の報告はまだ多い。「こまめな手洗いや食品の十分な加熱などの予防法を今後も徹底してほしい」と呼びかけている。
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ヒアリ 正しい治療法 医療者向けのサイトが話題

【出典:2017年9月19日 中日新聞】

 各地の港で見つかるようになった南米原産の特定外来生物「ヒアリ」に刺された患者の治療法を、名古屋掖済会(えきさいかい)病院(名古屋市中川区)の救急専門医、安藤裕貴さん(39)が病院の医師向けのインターネットサイトに公開した。「毒ヘビやフグと違い、ヒアリ被害は虫刺されの一種。ショック症状に注意し、冷静に治療を」。医療関係者らから転載を求める声が相次ぐなど反響が広がっている。

 「ヒアリに刺された人の治療法は、スズメバチに刺されたときと同じなんだ」

 病院の救急医らが集まる定例の勉強会で、安藤さんが米国の医学書や医学論文を基に21枚の電子資料でまとめた「ヒアリ学」を紹介すると、若手医師から安堵(あんど)の声が漏れた。

 5月下旬に兵庫県尼崎市で国内初のヒアリが見つかってから、報道などで「ヒアリは猛毒」というイメージが先行した。生物学の専門家による生態や特徴についての説明はあったが、人体にどんな影響があるのかという医師として必要な情報は少なかった。

 病院は名古屋港から近く、港で人がヒアリに刺された場合の受け入れ先になると予想されたことから、安藤さんは他のスタッフと知識を共有しようと考え、自宅で資料づくりを始めた。だが、日本に定着していないヒアリの対処方法を知る日本の医師は少ない。そこで注目したのは、ヒアリが定着する米国の医師が執筆した750ページほどの医学書「マイナーエマージェンシー」。虫刺されや耳に入った異物など、緊急性の低い救急患者の処置を記した所にヒアリを特集した項目があった。

 他にも複数の海外の医学論文に目を通すと、ヒアリの「毒」に致死性はないと判明。ハチの毒に似た物質が体内に入ることで、じんましんなどのアレルギー反応であるアナフィラキシーが数%の確率で起き、そのうち、ごくまれに呼吸困難や意識障害といった重篤のアナフィラキシーショックが起きることが分かった。

 アナフィラキシーや、より重篤なショック症状はスズメバチなどに刺された場合でも起きる。名古屋掖済会病院は1978(昭和53)年、東海地方で初めて救命救急センターを開設して以来、虫刺されから脳梗塞まであらゆる救急患者を受け入れており、アナフィラキシーの治療経験も豊富だ。

 安藤さんは、ヒアリに刺されて15分ほどで起きる急性症状に注意することや、抗アレルギー薬での治療など注意点を記した資料を7月中旬、フェイスブック「名古屋掖済会病院・救命救急センター」のサイト「医療者のための正しく恐れるヒアリ学」に公開。今月8日時点で他の記事の約7倍の22万人が閲覧した。「これほど反響があるとは。医学的な知識を持ってヒアリに備え、万一の時に来院する患者の不安を和らげたい」と話す。
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同じ遺伝子型のO157感染者、全国に40人以上

【出典:2017年9月19日 読売新聞】

 埼玉、群馬両県の総菜販売「でりしゃす」系列店で購入した総菜を食べた人が相次いで腸管出血性大腸菌O157に感染している問題で、感染経路の特定が困難を極めている。「でりしゃす」の客から検出されたのと同じ遺伝子型のO157の感染者は、関西も含めて少なくとも11都県で確認されており、読売新聞の集計では、感染者は40人以上に上る。遺伝子型の一致は、同一の汚染源から広がった可能性を示すが、これほど広範囲に及ぶのは異例という。

 この遺伝子型の菌は7月下旬から関東を中心に広がりを見せた。神奈川県によると、7月30日~8月9日に18~80歳の7人が感染。食事や行動に共通性は確認できていない。その後、8月7~11日に「でりしゃす」系列店で販売された総菜を食べた客が相次いで感染。滋賀県では8月9日に米原市の料理店で調理された仕出し弁当を食べた客2人と同店従業員の計3人から菌が検出された。

 厚生労働省は、汚染された特定の食材が広く流通して感染が拡大した可能性があるとみている。ただ、11都県で感染場所とみられているのは、総菜店やレストランなど様々で、原因食品もポテトサラダや弁当、パスタなど多岐にわたる。共通の仕入れ先も確認されておらず、感染源はわかっていない。

 また、大元の汚染源を訪問した人がその後、移動して感染を広げた可能性もあるが、感染者の行動に共通性は見つかっていない。
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O157、保健所は店舗内「二次汚染」可能性を指摘するが…

【出典:2017年9月19日 読売新聞】

 埼玉、群馬両県の総菜販売「でりしゃす」系列店で購入した総菜を食べた人が相次いで腸管出血性大腸菌O157に感染している問題で、感染経路の特定が困難を極めている。

 前橋市内の店舗で販売した総菜を食べた東京都内の女児(3)が死亡したケースについて、保健所は調理後の総菜が店舗内で「二次汚染」した可能性を指摘しているが、なぜ、他の系列店の客からもO157が相次いで検出されているか依然、謎のままだ。

 一連の問題では、前橋市内の「六供店」で8月11日に総菜を買って食べた男女11人が感染し、このうち女児が今月8日に死亡。サラダ類だけでなく、加熱調理したいため物を食べて感染した人もおり、同市保健所は、調理後に総菜に菌が付着した可能性を指摘。客が同じトングを複数の総菜で使い回せる状態だったという。

 一方、同市保健所が8月23、28日に行った立ち入り調査では、同店の従業員や調理設備から菌は検出されなかった。同市保健所は今月13日の記者会見で、客などからO157が持ち込まれた可能性も挙げたが、1日400人程度の客が出入りしており、「感染経路の特定は難しい」とした。

 また、4店舗にわたる感染者が食べたポテトサラダの出荷元である高崎市内の製造工場の設備や従業員からも菌は検出されなかった。前橋市保健所衛生検査課の清水静一課長は「枝が広がった状態で、(原因の)幹がどれか分からない」と話し、感染経路解明の糸口がつかめない状況だ。
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O157、県内店舗も予防対策徹底 トング需要増で品薄も

【出典:2017年9月19日 新潟日報】

 埼玉、群馬両県の系列総菜店で購入したポテトサラダなどを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染した集団食中毒を受け、本県のスーパーなども予防対策を強めている。店頭で総菜を取り分けるトングが原因となった可能性も指摘され、トングの小まめな交換などを徹底している。使い回しを防ごうとトング需要も高まっており、品薄となるメーカーも出始めた。

 前橋市の総菜店では、トングの使い回しなどにより、店内で販売する段階で別の総菜や客から菌が付着し、二次感染が起きた可能性が指摘されている。

 県内のイオン各店では15日から、総菜コーナーのトングを1時間ごとに取り換えるようにした。これまでは「1日最低3回」の交換頻度だった。イオンリテール北関東・新潟カンパニー(新潟市中央区)は「お客さんに安心感を持ってもらえるよう、できる対応をした」と話す。

 スーパー「ウオロク」を展開するウオロクホールディングス(同)も、トングを1時間ごとに交換するように変えた。無人の試食をやめ、総菜などの量り売りをしている店舗では、当面パック売りに切り替えたという。

 ウオロク中野山店(同市東区)で総菜を購入していた市内の主婦(67)は「1時間に1回換えてくれるのはありがたい。安心できる」と対策を歓迎する。同社の担当者は「考え得る対策はやっていく。ただ原因が分からないので、対応が難しい」とした。

 ビュッフェスタイルの料理も提供する同市中央区の新潟グランドホテルは、料理の提供時間が短く、食品ごとに専用のトングを置いているため「問題を受け特別な対応はしていない」とする。これまでも衛生管理は徹底しているが、「トングを早めに取り換えることは検討したい」と話した。

 一方、予防対策の強化で、トングを大量に購入する動きも現れている。「3千から4千はあった在庫がなくなりつつある」。燕市でトングを中心としたキッチン用品を製造する田辺金具には問題発生後、問屋からの問い合わせが急増した。

 担当者は「食中毒対策のため、売り場での交換ペースを早めているようだ」と説明。先端の樹脂部分に抗菌剤を配合したトングも販売する同社には「どんなものでもいいから売ってほしい」との要望もあるという。

 ただ、一連の問題では、トングが感染の原因だとは確定していない。ある飲食店は「風評被害にもなりかねず、原因をはっきりさせてほしい」と訴える。
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RSウイルスによる 細気管支炎が流行中

【出典:2017年9月19日 福井新聞】

 細い気管支(息の通り道)に炎症を起こして粘膜がはれる病気を「細気管支炎」といいます。さまざまなウイルスの感染が原因で起こり、最も多いのがRSウイルスです。秋から春に流行しますが、今年は8月ごろから流行しています。

 鼻水やせきといった、かぜのような症状で始まります。次第にせきがひどくなり、ゼイゼイ、ヒューヒューと音が聞こえたり、呼吸が速くなったりします。進行すると、胸やおなかがぺこぺこへこんだり、肩で息をしたり、顔色が悪くなったりします。

 4歳以上の子どもが感染しても軽いかぜ症状ですむことが多いのですが、3歳以下の乳幼児(とくに6カ月未満児)では重症になりやすい傾向があります。
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O157:緊急連絡会議 県、独自の衛生指針策定へ 総菜店などの2次汚染防止

【出典:2017年9月17日 毎日新聞(群馬)】

 ◇国の基準なく

 群馬、埼玉両県の総菜店「でりしゃす」系列店で購入したポテトサラダなどを食べた22人が病原性大腸菌O157に感染した問題で、県は15日、緊急連絡会議を開き、客がトングを使って取り分ける販売形態の総菜店などを対象に、県独自の衛生管理指針を策定することを決めた。現在、国の基準はなく、事業者任せになっているため、関係者からは必要性を指摘する声が上がっていた。県は今後1カ月以内の策定を目指す。

 緊急連絡会議は、総菜店「でりしゃす六供店」(前橋市六供町)の総菜を食べた3歳の女児が亡くなったことを受け、県や前橋市保健所などの担当者が出席し、再発防止策や原因究明について協議した。

 六供店での感染者11人のうち、女児と60代の女性が食べたのは炒め物など加熱食品のみだったことから、前橋市保健所は「店舗内での2次汚染の可能性が高い」とみており、県は「新たな対応が必要」として指針の策定を提案した。

 指針の内容や対象業者は具体的に決まっていないが、トングや皿を覆うふたの扱い、客の消毒液の使用など、2次汚染の観点から対策を考えていく。

 「でりしゃす」のような総菜店だけでなく、同じような販売形態のレストランやホテルも対象に含めるかどうかについては、県担当者は「今後、検討していく」と述べるにとどめた。

 県食品・生活衛生課によると、今後、現場の監視指導者らの意見を聞きながら、1カ月以内にまとめ、県下全域に配布する。

 「でりしゃす六供店」は、サラダや炒め物、揚げ物などの各コーナーで、客がふたのない大皿から皿ごとに置いてあるトングを使って、総菜を取り分ける販売形態だったが、前橋市保健所の調査では、トングの使い回しなど衛生管理の問題が明らかになった。トングの交換頻度などについては国の基準がなく、事業者ごとに異なっていたため、前橋市保健所は「基準がないと店もどこまで対策したらいいのかと困惑してしまう。トングやふたの取り扱いについて衛生管理の指針があった方がいい」と指摘していた。
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