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おたふくかぜ336人難聴 学会「ワクチン定期化を」

【出典:2017年9月6日 共同通信社】

 おたふくかぜの合併症で難聴になった人が、2015、16年の2年間で少なくとも336人いることが6日、日本耳鼻咽喉科学会による初の全国調査で分かった。予防接種で防げた可能性があるとして、原則無料の定期接種の対象とするよう国に求める。

 学会が全国の医療機関を対象に調査し3536施設から回答を得た。336人が難聴になったと診断され、詳細が判明した314人の約8割に当たる261人が、日常生活に支障を来す高度難聴または重度難聴だった。両耳とも難聴となった14人のうち11人は、補聴器を使ったり人工内耳を埋め込んだりした。

 全体の約半数に当たる154人が5~10歳で、子どもが難聴になるケースが多かった。一方で子育て世代の30代も目立った。

 おたふくかぜはムンプスウイルスが原因で、耳の下の腫れや発熱が起こる。ワクチンはかつて混合ワクチンとして定期接種されたが、副作用が問題になり1993年に中止。その後はおたふくかぜワクチン単独の任意接種となった。接種率は3~4割程度にとどまる。

 学会は「先進国で定期接種でないのは日本だけだ。急に何も聞こえなくなって一生後遺症に苦しむ現実がある」として予防接種を勧めている。

 ※おたふくかぜ

 感染力が強いムンプスウイルスが原因の感染症。耳下腺の腫れや痛みのほか、発熱などの症状があり、患者は子どもに多い。治療は対症療法が中心となる。通常は1~2週間ほどで症状が軽くなる。感染しても症状が出ないことがある一方、無菌性髄膜炎や難聴などの合併症を起こすことがある。大人でも合併症が起こる。最近は2010年や16年に比較的大きな流行があった。飛沫(ひまつ)や接触で感染し、ワクチンが有効な予防手段とされる。
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おたふくかぜで両耳難聴14人…片耳は300人

【出典:2017年9月6日 読売新聞】

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の後遺症で両耳が重い難聴となった人が、過去2年で少なくとも14人いたことが5日、日本耳鼻咽喉科学会が発表した初の全国調査結果からわかった。

 片耳の難聴も含め計314人に上る。同学会は「ワクチン接種で防げた可能性が高い」とし、予防接種を受けるよう呼びかけた。

 同学会が全国約5600の医療機関に調査票を配布し、2015~16年に、おたふくかぜのウイルスによる難聴と診断された患者314人について回答を得た。子どもが多かったが、30歳代以降も70人近くいた。

 両耳の難聴は14人で、大人も一部含まれる。片耳の難聴は300人だった。今回の調査では、おたふくかぜにかかった人全体に占める難聴となった患者の割合は不明という。
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(栃木)緊急通報システム学ぶ 日光、聴覚障害者などに説明会

【出典:2017年8月26日 下野新聞】

 【日光】

 市と市消防本部はこのほど、豊田の同本部で聴覚・言語障害者向けの火災・救急緊急通報システム「NET119」の利用説明会を開いた。

 同システムは昨年3月、同本部高機能消防司令センターに導入された。県内各地区の消防司令センターでも運用されている。

 スマートフォンや携帯電話で登録し、専用画面から119番する。衛星利用測位システム(GPS)機能付きで、通報者の位置特定なども可能となっている。

 市内の登録者数は現在約20人。これまでに4件の通報があり、通報者の持病の悪化や転倒事故の際に利用されたという。

 説明会は午前と午後の2度開催。参加者は実際の操作方法や登録の仕方などを学んだ。

 市社会福祉課は「NET119を利用してもらえるように、今後も周知を図りたい」としている。

 登録希望者などは同課へ。(問)同課0288・21・5174、ファクス0288・21・5105。
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無痛分娩死、院長を書類送検へ…処置怠った疑い

【出典:2017年8月9日 読売新聞】

 大阪府和泉市の産婦人科医院で1月、麻酔で出産の痛みを和らげる無痛分娩に臨んだ女性(当時31歳)が死亡した事故で、男性院長(59)が容体急変後に適切な処置を怠っていた疑いが強まったとして、府警は今月中にも院長を業務上過失致死容疑で書類送検する。

 捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、女性は1月10日、和泉市の「老木レディスクリニック」で、背中に入れた細い管から麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を受けた後、呼吸困難に陥り、意識を消失。堺市の病院に搬送されたが、同20日、低酸素脳症で死亡した。子どもは搬送前に帝王切開で生まれ、無事だった。

 府警は、搬送先から連絡を受け、司法解剖や専門医への聞き取りを実施。女性は麻酔が効き過ぎて呼吸困難などになった可能性が高いことがわかった。この場合、喉に管を通して空気を送り込む気管内挿管などを行えば回復が見込めるが、院長はこうした処置を施さなかったという。

 府などによると、事故時の常勤医は院長1人だったという。無痛分娩は2013年頃から行っていたが、事故後は中止している。読売新聞の取材に院長は「きちんと対処した」と語り、院長の代理人弁護士も「呼吸を再開させるため適切な処置をした」と説明している。
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甲状腺腫瘍の内視鏡手術 傷目立たず保険適用も 福井赤十字 福井大病院 相次ぎ導入

【出典:2017年8月3日 福井新聞】

 主にホルモン分泌をつかさどる「甲状腺」の腫瘍は、若年から中年の女性に多くできる。良性でも大きさによっては悪性化する可能性があるため摘出するケースがあるが、甲状腺は頸部(首)の前面にあり、手術痕を気に病む人が少なくなかった。術後の傷が目立たない甲状腺の内視鏡手術が昨年から保険適用になり、県内では福井赤十字病院(福井市)と福井大医学部附属病院(永平寺町)が取り組んでいる。

 従来の摘出手術では、頸部の前面に5~10センチの傷痕が残ることが多かった。内視鏡手術の場合、服で隠れる鎖骨の下を、2・5センチほど切開して皮膚をつり上げて手術する。カメラは頸部の前面を5ミリ程度切って挿入する。入院期間は1週間程度。

 保険適用となったのは、甲状腺の良性腫瘍とバセドー病、副甲状腺腫。ただ、腫瘍は4センチまでが対象だ。良性の場合は基本的に様子を見ていくが、3センチを超えると約5%ほどの確率で悪性化する可能性があることから切除を検討する。4センチになると頸部が腫れて見え、食べ物が飲み込みにくくなったり、気管が圧迫され咳(せき)が出たりする。福井赤十字病院耳鼻咽喉科の須長寛部長は「3センチを超えたら、手術も考慮に入れ、一度相談してほしい」と話す。

 元同僚だった須長部長と福井大医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の菅野真史助教、高林哲司講師が導入に向けて研究を重ね、同附属病院は昨年11月、福井赤十字病院は今年1月に施術を始めた。同附属病院は来年度から、悪性腫瘍の内視鏡手術にも先進医療として取り組む方針。
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(福岡)患者塾:医療の疑問にやさしく答える 年をとると…(その2)/下

【出典:2017年7月5日 毎日新聞社(福岡)】

 ■今回のテーマ 年をとると…(その2)

 「年をとると……(その2)」をテーマに5月20日、福岡県水巻町の遠賀中間医師会館で開かれた第210回患者塾。加齢に伴う難聴や耳鳴り、嗅覚の低下について専門医が分かりやすく説明した。

 ◆鹿児島市の男性(72)

 最近、妻から「聞こえないふりをする」と言われるようになりました。男性の声は普通に聞こえますが、女性アナウンサーや妻の声は聞こえにくいです。

 ◇高い音が聞こえなくなる

 瀬戸口さん 年齢を重ねるごとに高い音が聞こえなくなる老年性難聴だと思います。原則として治りませんので、補聴器をお勧めします。

 小野村さん テレビの通信販売などで集音器が売られていますね。

 瀬戸口さん 製造・販売に特別な制約のない集音器に比べ、補聴器は厚労省の基準がある医療機器ですので、購入には保険が適用できます。製品にもよりますが、突然の大きな音を抑えたり、周りの雑音を抑えたりするなどさまざまな機能があり、使う人の耳の状態に合わせて細かく調整します。ただ値段は集音器に比べて高いので、私は使う人によって便利な方を選んだらいいと思っています。

 ◆北九州市の男性(65)

 還暦を過ぎて耳鳴りがするようになりました。難聴の前兆ですか。

 ◇突発性難聴は治療急いで

 瀬戸口さん 耳鳴りと難聴の因果関係は、まだよく分かっていません。ただし、突発性難聴やメニエール病によるものは病気ですから、積極的に治療した方がいいです。保険適用の飲み薬も注射もあります。

 小野村さん 高齢者の突発性難聴は特に注意が必要です。治療も急いだ方がいい。

 瀬戸口さん 高齢者だけでなく、誰でもなる可能性があります。急に聞こえなくなって耳鳴りがしたり、ひどい人はめまいも起こします。平衡感覚をつかさどる内耳の蝸牛や三半規管のダメージが原因で、治療には主にステロイドホルモンを使います。早く治療を始めれば始めるほど効果が期待できます。2週間以内がベストです。放置し1カ月、2カ月たつと、どんどん予後が悪くなりますし、聴力が固定してしまい、同じ治療をしても良くならない人もいます。

 ◆北九州市の女性(68)

 65歳を過ぎた頃から風味を感じられなくなりました。最近は味の方も怪しくなりました。

 ◇味覚は嗅覚に伴って落ちる

 瀬戸口さん 加齢で嗅覚は少しずつ落ちますが、全く匂いがしなくなることはあまりありません。目と目の間の鼻の奥に「嗅球」という神経があり、そこを刺激することでまた匂いがするようになります。自覚症状があれば早めに受診し、ステロイド剤の点鼻薬を使って治療しながら、犬のようにくんくんかいで神経を刺激してください。
 また、味覚は嗅覚に伴って落ちる傾向があります。耳鼻科ではプロマックという、味覚障害にも効果がある亜鉛製剤の入った胃潰瘍の薬を処方しています。

 小野村さん 味覚も耳鼻科で診てもらえるのですね。あきらめずに受診してください。

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 ◇出席された皆さん

 浦野貴之さん=浦野眼科医院院長(福岡県水巻町)▽瀬戸口雅裕さん=せとぐち耳鼻咽喉科医院院長(福岡県遠賀町)▽八代晃さん=くらて病院院長(福岡県鞍手町、循環器内科)▽伊藤重彦さん=北九州市立八幡病院副院長(外科)▽津田文史朗さん=遠賀中間医師会会長(福岡県水巻町、小児科・アレルギー科)▽下川浩さん=真田産婦人科麻酔科クリニック医師(福岡市、産婦人科)▽松村龍彦さん=安原・松村・安孫子法律事務所弁護士(福岡市)

 ▼司会

 小野村健太郎さん=北九州市立大大学院特任教授、おのむら医院院長(福岡県芦屋町、内科)

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 ◇質問は事務局へ

〒807-0111
福岡県芦屋町白浜町2の10「おのむら医院」内
電話  093・222・1234
FAX 093・222・1235

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 ◆第213回患者塾 7月22日開催

 ◇テーマ 最期の医療と向き合うために

 人生には、誰にでもやがて最期の時がやって来ます。治療の見込みがないと判断された時、私たちは、患者としてまた家族として、医療や介護とどう向き合えばいいのでしょうか。厚生労働省がガイドラインを用意してくれてはいますが、現実には、迷うことばかりです。また、私たちが行ったアンケートでは、最期の医療について話し合ったことのある家族は半数以下でした。今回の患者塾では、「最期の医療」とはどんなものなのかを学んだあとで、最期の医療のカタチの選択のコツを考えます。

 7月22日(土)午後3~6時

 遠賀中間医師会館(福岡県水巻町下二西2の1の33 電話093・201・3461)
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花粉症、今から対策を 舌下免疫療法の効果まで3カ月

【出典:2017年6月24日 熊本日日新聞】

 スギ花粉症のシーズンが終わり、ほっとしている人も多いだろう。ただ来年も必ずやって来る。アレルギー反応を長期間抑えられる治療の一つ「舌下免疫療法」は、効果が出るまで3カ月程度、根治には3~5年の治療が必要とされるため、医師や製薬会社は「始めるには今が最適な時期」としている。

 舌下免疫療法は、花粉症の原因となるアレルゲンをあえて摂取し、体を慣らすようにして治療する。2014年に健康保険の適用対象となった。

 アレルギー反応とは、原因物質から体を守ろうとする自己免疫システムが、体内で過剰に反応してしまう状態。少量ずつ摂取することで、正常な免疫システムとなるようにしていく。

 熊本市南区田迎の「なかの耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック」ではこれまでに延べ約50人を治療。理事長の中野幸治医師は「ほとんどの患者に効果があった。今シーズンは例年に比べ花粉が多かったが、『楽だった』と話す方が多い」という。

 治療は1日に1回、アレルゲン入りの液体を舌の下に落とし、のみ込む。薬を販売する鳥居薬品によると、薬代は健康保険適用(3割自己負担)で月千円程度。ダニアレルギーの薬もあり、こちらは月に2千円程度という。いずれも処方前にアレルギーの確定診断が必要だ。
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(島根)松江市立病院が聴覚障害者向けカード 意思疎通手助け

【出典:2017年6月7日 山陰中央新報】

 松江市立病院は、医師や看護師と聴覚障害者間の意思疎通を手助けするカードを作製した。聴覚障害者であることを受診時に示す「聴覚障害者カード」と、入院生活で看護師とのやりとりに使う「入院カード」の2種類を用意し、患者が安心して受診、入院できる環境を整える。

 聴覚障害を持つ患者から「受付で名前を呼ばれても気がつかない」「一目で見て(聴覚障害者だと)分かるカードを作ってほしい」といった意見が出ていたのを踏まえた。同院に常駐する手話通訳の協力も得た。

 聴覚障害者カードは縦10・5センチ、横7・5センチ。総合受付で希望者に渡す。受付や診察の際、見た目では分かりにくい聴覚障害者に配慮しやすいよう、受診時に渡すファイルに入れて持ち歩いてもらう。

 入院カードはA5判で、37枚で一組。絶食と絶飲食の違いや「今から検査に行きます」「具合は良いですか」といった文字を挿絵付きで示し、あいさつなどの簡単な手話も掲載した。各病棟に1セットずつ用意した。

 安達良子看護局長(54)は「円滑なコミュニケーションのきっかけになればうれしい。今後は、科ごとに必要な内容を加えていきたい」と話した。

 同院の聴覚障害者の患者登録数は1167人。手話が必要なのは29人いる。
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耳かきダメ 「とにかく耳にモノを突っ込むな」と注意

【出典:2017年5月29日 日経Gooday】

 耳掃除は、自分でやっても、人にしてもらっても気持ちの良いもの。そう思っている人も多いかもしれませんが、実は健康な人であれば、耳掃除は原則不要で、掃除目的で耳に何かを突っ込むことによって、かえって耳垢が奥へと押し込まれて耳の中を塞いでしまう(=耳垢塞栓:じこうそくせん)可能性があります。

 2017年1月、米耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNSF)は、医師向けに、何らかの症状があって受診した耳垢塞栓患者に対する適切な診療手順を示す診療ガイドラインを作成し、公表しました。これと並行して、一般向けに、耳垢に関する基本的な情報と正しい管理方法などを解説する文書も作成し、提示しています。

 ここでは、「とにかく耳にモノを突っ込むな!」と強力に注意喚起している一般向けの解説の概要を紹介します。

■耳垢は放っておいても外に出てくる

 耳垢は、耳の穴の開口部から鼓膜までつながる外耳道を保護する役割を果たしており、完全に不要な老廃物ではありません。耳垢が生じるのは外耳道の外側約3分の1の部分で、外耳道の上皮の動きと、咀嚼(そしゃく)やあくびの際の顎の動きなどによって、開口部に向かって徐々に移動していきます。

 湿っているタイプの耳垢(湿性耳垢)であっても、移動している間に乾いて、自然に耳の穴から外に落ちます。したがって、健康な状態であれば、耳掃除の必要は全くない、と同学会は強調します。掃除をするなら耳の外側を布で拭く程度にとどめ、耳の中にモノを入れるべきではないのです。

 しかし、耳垢の自然排出が妨げられた場合には、外耳道の中にたまってしまいます。例えば、補聴器の日常的な使用や、綿棒や耳かきなどを用いた掃除は、耳垢の蓄積を引き起こします。専門医が診察した際に、鼓膜近くに詰まっている耳垢が見つかれば、綿棒などで誤って押し込んだものと見なされます。耳垢が本来あるべき場所より奥に押し込まれると、自浄作用が働かないため、さまざまな症状が現れる可能性があります。

■耳垢がたまって痛みが出てきたら受診を

 耳垢が問題となるのは、外耳道の奥に耳垢がたまって外耳道を塞ぎ(耳垢塞栓)、耳の痛み、耳閉感(耳が塞がったような感覚)、聴力低下、耳鳴り、かゆみ、耳だれ、咳などの症状が現れた場合と、鼓膜の検査を行う必要があるのに、耳垢が邪魔して鼓膜の状態がよく見えない場合です。いずれも専門医の受診が勧められます。

 耳垢塞栓も自然排出されることがあるため、しばらく待ってみる、という選択肢もありますが、掃除が必要となれば、専門医は、耳鏡や顕微鏡を利用して耳垢を除去します。鉱物油やグリセリンをたらして耳垢塞栓を柔らかくしてから除去する場合もあります。

■耳垢が気になって仕方がない人はどうすれば?

 耳掃除をすべきでないとはいっても、耳垢がたまりやすいタイプの人はどうすればいいのでしょうか。

 高齢者、外耳道が狭い人、補聴器使用者、耳栓使用者などには耳垢塞栓ができやすいことが知られています。同学会は、「塞栓を予防する方法はないが、耳垢が非常に多い人、耳垢塞栓を繰り返している人、補聴器などを使用している人は、6~12カ月ごとに専門医を受診し、予防的な耳掃除をしてもらうとよいのではないか」としています。

 また、耳の清潔を保つために、「イヤー・シリンジ」と呼ばれる大形のスポイトのような道具[注2]の使用も、選択肢の一つとして推奨しています。イヤー・シリンジは日本では一般的ではありませんが、西欧では広く市販されており、家庭で使用できます。耳鼻咽喉科以外の医師が同様の器具を用いて洗浄する場合もあります。

 耳の病気を防ぐためには、補聴器などのイヤホン部分を清潔に保つことも重要です。

 なお、以前、「オトサン」(イタリア語でイヤーキャンドルのこと)という耳掃除のための器具が流行しました。オトサンは耳の穴に細長い中空のろうそくを立て、火をつけて燃やすリラクゼーション法で、耳垢が吸い出されるといわれていましたが、安全性と有効性に関する検討は行われていません。「イヤーキャンドルによって耳から出てくるのは、キャンドルから落ちた蝋(ろう)であって、耳垢ではない」と報告した研究もあります。また、やけどをはじめ、耳に蝋が入るといった事故が報告されています[注3]。

■乾いた耳垢なら、なおさら掃除は不要

 米耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が提示している以上の情報に加えて、興味深い情報をいくつか追加します。

 一つ目は、同学会のアドバイスが日本人にも当てはまるか、という点です。西欧人ではおよそ9割が湿性耳垢ですが、日本人は7~8割が乾いた耳垢(乾性耳垢)です。乾性耳垢のほうが自然排出されやすいため、主に湿性耳垢の人々を対象とするガイドラインが耳掃除は原則不要、というのですから、乾性耳垢の人はいうまでもありません。

 二つ目として、耳垢塞栓と認知症との関係を示した、国立長寿医療研究センターの杉浦彩子氏らの研究を紹介します。日本人の高齢者で認知症が疑われ、耳垢塞栓が見つかった患者の耳から塞栓を除去したところ、聴力のみならず認知機能も改善しました。

 難聴は認知機能低下の危険因子であることを示した研究もあることから、高齢者に聴力の低下が疑われたら早めに専門医を受診し、耳垢塞栓の有無を確認してもらったほうがよさそうです。

[注2] 室温の水や生理食塩水などを勢いよく出し入れして耳の中を洗浄する器具。

[注3] オトサンは1990年代に日本でも流行しましたが、日本国内でも事故の報告が相次ぎ、1997年に国民生活センターが注意喚起を行っています。

大西淳子

 医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。
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スギ花粉症「10年患者」の割合、栃木県が全国2位 8割が「完治せず」

【出所:2017年5月19日 下野新聞】

 スギ花粉症患者のうち発症から10年以上たつ患者の割合が本県は73・5%で、全国の都道府県で2位だったことが、製薬会社の鳥居薬品(東京都、高木正一郎(たかぎしょういちろう)社長)の調査で分かった。本県の患者のうち80・5%は治療や対策を講じても「完治しない」と答えており、長年花粉症に悩まされる患者が多いようだ。

 調査は各都道府県ごとに15~65歳の男女各100人ずつ(沖縄県は計100人)、計9300人のスギ花粉症患者を対象にインターネットで調査した。調査期間は2月24~3月6日。

 スギ花粉症を発症してから10年以上の患者の割合は、全国で66・8%。静岡県の割合が最も高く76・5%、2位が本県、3位が群馬、山梨県と続いた。

 重症度を5段階で自己評価した場合、4以上の重症と答えた本県の患者は44・5%。全国平均とほぼ同じで24位だった。自己評価の重症度が高い地域は新潟、長野、秋田県など東日本勢が占めている。

 本県の患者のうち病院などで治療を受けたことがあるのは60・5%で全国順位は18位。3人に1人は「ほぼ毎年受診している」と答えている。
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花粉症の「舌下免疫療法」とは 少ない副作用、ゆっくり治療

【出所:2017年5月18日 福井新聞】

 今春は昨年に比べ花粉の飛散量が多く、目や鼻、のどの不快感に悩まされました。現在、来年以降に備えて治療を検討しています。抗ヒスタミン剤は種類によって眠気の副作用があるようなので、車に乗る機会が多い私は長期的に症状が抑えられる「舌下免疫療法」が気になっています。舌下免疫療法について詳しく教えてください。(福井市、30代男性)

 【お答えします】須長寛・福井赤十字病院耳鼻咽喉科部長

 ■約8割の患者に効果

 花粉症は、花粉に対するアレルギー(免疫が過剰になっている状態)です。福井県のスギ花粉飛散は2月中旬から4月中旬にあります。約2カ月間のこととはいえ苦しみは相当なものであり、穏やかな春を迎えたいと思われる気持ちは十分理解できます。

 花粉症の一般的な治療は、薬で症状を抑えます。ただ、眠気の副作用や効果の個人差があり、十分な治療にならない場合があります。薬で症状を抑える治療の他には、花粉に体をならしていく免疫療法があります。以前から皮下注射による免疫療法はありましたが、頻回の通院と注射の痛みを伴うためあまり普及していませんでした。

 2014年に舌下に薬を投与する「舌下免疫療法」が保険適応になりました。痛みは伴わず、自分で薬を投与するため通院も月1回程度です。重大な副作用は注射による免疫療法より少ないことが分かっています。ただ、ゆっくり治療する方法なので期間は最低2年間必要です。舌下免疫療法の治療効果は2割の人に根治が認められ、6割に有効(症状が軽くなる、強い薬を飲まなくてよい等)。残念ながら2割の人には無効です。

 ■今からが治療開始時期

 免疫療法は花粉に体をならしていく治療なので、スギ花粉が飛散している時期には開始できません。来春に向けて治療を始める場合、スキ花粉の飛散が終わった今の時期が最も適しています。舌下免疫療法を特にお勧めする患者さんは、花粉症が特にひどい人、薬で眠気が出やすい人、内服治療をできるだけ避けたい人(妊娠・授乳、受験を控える方)、車の運転をする仕事をしている人です。

 舌下免疫療法を希望される場合は、まずはお近くの耳鼻咽喉科を受診し、治療に適している状態かどうかの判断を受けてください。また、根気のいる治療法ですので、治療内容をよく理解していただくことも重要です。
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愛媛県内スギ花粉症患者、症状に悩み 鳥居薬品(東京)調査

【出所:2017年5月10日 愛媛新聞】

 愛媛県内のスギ花粉症患者の64・5%が10年以上にわたって鼻水や目のかゆみなどの症状に悩まされていることが、鳥居薬品(東京)の調査で分かった。医療機関をほぼ毎年受診している人は3割にとどまり、治療や対策を講じても完治しないことに不満を抱いている現状も浮かび上がった。

 スギ花粉症に対する全国意識・実態調査の一環。2~3月にインターネットで実施し、県内の15~65歳の患者200人から回答を得た。

 花粉症による最もつらい症状(複数回答)のトップは鼻水の90・0%、続いて目のかゆみの83・5%の順番で、集中力の低下・眠気が39・0%、睡眠への支障も16・0%あった。

 医療機関の受診状況を尋ねたところ、「年によって受診したり、しなかったりする」が最多の51・5%で、「ほぼ毎年受診」が30・5%、「受診したことがない」は18・0%だった。受診したことがない理由(複数回答)は「治療費が高い」「市販薬で対応」が上位を占めた。

 飲み薬や点鼻薬の服用といった治療や、マスクの着用などの対策全般に対しての不満は「完治しない」が51・0%と最も多く、「花粉を防げない」15・0%、「薬を飲むと眠くなる/集中力が低下する」6・5%が続いた。

 スギ花粉のエキスを口に含んで花粉症を治す「舌下免疫療法」については、「知らない」が31・0%に上り、「なんとなく聞いたことはある」の38・5%と合わせて7割近くが十分に認知していなかった。

 調査を監修した日本医科大耳鼻咽喉科の大久保公裕教授は「セルフメディケーションの普及や新たな治療法の登場でスギ花粉症の対策、治療の選択肢が増えている。ライフスタイルに合わせて適切に選択し、QOL(生活の質)改善を図ることが重要」としている。
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聴神経の機能低下が一因か 耳鳴り、客観的診断に期待

【出所:2017年5月2日 共同通信社】

 多くの人が悩まされている慢性的で不快な耳鳴り。自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームは、患者の脳活動を調べ、必要な音を聞き分ける聴神経の機能低下が一因とみられるとの研究結果を明らかにした。

 耳鳴りの患者は国内に約2千万人いると考えられているが、多くの場合、耳鳴りがしているかどうかは、本人の訴えによって知るしかないという。チームは「耳鳴りの客観的な診断法や、治療法の開発につながる」と期待している。

 チームは、聴神経には、周りの音とのコントラストをはっきりさせて、聞きたい音を聞きやすくする働きがあることに着目。脳活動に伴う磁場を計測する脳磁計を使い、片方の耳だけに耳鳴りがするという患者7人が、静かな状況と雑音がする状況で、特定の周波数の音を聞いたときの反応を調べた。

 その結果、耳鳴りがしている方も正常な方も、静かなときよりも、雑音がしているときの方が特定の音に対する反応が鈍く、聞き取りづらくなっていることが示された。耳鳴りがしている方がより鈍くなっていた。

 チームは、正常な方では、聴神経の聞き分け機能が働いて雑音をある程度シャットアウトしたのに対し、もともと耳鳴りがしていると聞き分け機能がうまく働かず、雑音を排除できなかったとみている。

 生理研の岡本秀彦(おかもと・ひでひこ)准教授(脳科学)は「聞き分ける力は、訓練すれば向上する。会話や音楽など、さまざまな周波数を含む音をしっかり聞くと、耳鳴りの改善につながるのでは」と話している。
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(どうしました)顔の右側が麻痺 松代直樹さん

【出所:2017年4月20日 朝日新聞】

 80歳の女性。昨年11月に突然、顔面の右側の筋肉が動かなくなり、顔面神経麻痺と診断されました。ステロイドの点滴を受け、薬を飲んでいますが、まぶたや口が動かしにくく、涙が出たり、食事がとりにくくなったりします。いい治療法はないでしょうか。(兵庫県・A)

 ■答える人 松代直樹(まつしろなおき)さん 大阪警察病院耳鼻咽喉科部長(顔面神経麻痺)=大阪市天王寺区

 Q どんな病気ですか。

 A 顔面神経は脳から耳の骨に囲まれた部分を通ってから枝分かれし、目や鼻、口などの筋肉を動かします。この神経が炎症を起こしてむくみ、周りの骨に圧迫されて麻痺(まひ)になります。まぶたや口が動かしづらくなったり顔が垂れ下がったりします。推計で毎年約4万人が発症します。

 Q どんなタイプがありますか。

 A 最も多いのが「ベル麻痺」。口唇ヘルペスなどを引き起こすウイルスが主な原因です。もう一つが水ぶくれを伴う「ハント症候群」で水ぼうそうを引き起こすウイルスが原因。いずれも過去に感染したウイルスが急に再活性化します。この二つで患者の8割を占め、ベル麻痺は7割、ハント症候群は3割が自然に治ります。

 Q 治療法は。

 A 炎症を抑えるステロイドと抗ウイルス薬を併用します。麻痺は急激に進むため、発症3日以内の治療がベスト。改善されない際は神経を覆う側頭骨を削り、神経の圧迫を解消する手術をします。

 Q 後遺症が心配です。

 A 4カ月以上経過すると、目と口が同時に動くなどの後遺症が表れます。予防は顔のストレッチが効果的。ただ、過度な運動や低周波マッサージ器の使用はやめて下さい。刺激により再生途中の神経の混線が進み、逆に悪化してしまう恐れがあります。

 Q 注意点は。

 A 麻痺から脳梗塞などを疑うケースも多いですが、違うと分かればすぐ耳鼻咽喉科の受診を。麻痺で顔の印象が変わることがありますが、眉を引き上げる形成手術やボツリヌス毒素の注射などもあるので相談してみてください。
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おたふく風邪、甘く見ないで ムンプス難聴、併発の恐れ

【出所:2017年4月12日 朝日新聞】

 おたふく風邪(ムンプス・流行性耳下腺炎)の患者数が例年より多い状態が続いている。子どもに多く、よく知られているため軽く考えられがちだが、治療法がない「ムンプス難聴」など、深刻な合併症を発症することもある感染症だ。日本耳鼻咽喉(いんこう)科学会は、ムンプス難聴の患者が増えているとみて、全国の医療機関を対象に調査を開始。専門家は予防のため、ワクチン接種を呼びかけている。

 東京都内の小学5年の男児(10)は昨年8月末、「耳の下が痛い」と訴え、かかりつけの小児科にかかった。熱は38度程度。腫れはそれほどなく、診断はおたふく風邪ではなかった。男児の父親(50)は「あまり深刻に考えなかった」と振り返る。

 再び耳の下が痛み始め、受診から約10日後、総合病院でおたふく風邪とわかった。自宅で数日寝ていたが、ほとんど起き上がれず、何度も吐く状態が続いた。この頃、男児は「右の耳がキーンとして何も聞こえないよ」と訴え始めた。最初の症状から約2週間。総合病院に入院し、医師の説明に両親は頭が真っ白になった。「難聴になりました。完治は難しいです」

 母親(48)は「おたふく風邪で難聴になるとは知らなかった。ワクチンを受けさせておけばと思うと、かわいそうなことをした」。男児は複数の人が同時に話すと聞き取れないことがあるという。

 長野県内の中学3年の男子生徒(14)もおたふく風邪にかかった後、8歳で右耳が難聴になった。「おたふく風邪は、一度どこかでうつればいいものだと思っていた。一定の比率で難聴になるとわかっていたら、ワクチンを受けていた」と母親の女性(46)は話す。生徒もおたふく風邪のワクチンは受けていなかった。

 おたふく風邪はムンプスウイルスがせきやくしゃみ、接触でうつる。唾液(だえき)を作る耳下腺の腫れや発熱が特徴。合併症は難聴のほか、無菌性髄膜炎や膵炎(すいえん)、精巣炎、卵巣炎などがある。

 国立感染症研究所によると、合併症の中では無菌性髄膜炎が比較的多く、患者のうち1~10%。発熱、頭痛、嘔吐(おうと)の症状が出る。脱水症状が出るため、入院が必要になることもある。

 一方、難聴の発症率は0・1~0・25%。国立病院機構三重病院などの研究で、患者は年間840~2100人に上ると推計されている。

 おたふく風邪は定期的に流行を繰り返し、現在は2015年秋ごろから、高い水準で患者が発生している。感染研でムンプスウイルスを研究する木所稔室長は「おたふく風邪には様々な合併症があり、侮れない感染症だということを知ってほしい」と話す。

■学会「ワクチン接種を」

 日本耳鼻咽喉科学会は3月から、全国約8千の医療機関を対象に、ムンプス難聴について調査を始めた。最近の流行で相次いで難聴が報告されており、2年間で、両耳が難聴になった人の割合など全国的な傾向を明らかにする。

 おたふく風邪ワクチンを巡っては、1989年から風疹、はしか(麻疹)と合わせた三種混合(MMR)ワクチンが、原則無料の定期接種になった。だが、副反応の無菌性髄膜炎が問題になり、93年に定期接種が中止になった。

 現在は任意接種で、自治体の助成額によって異なるが、数千円程度の自己負担がある。日本小児科学会は生後12~15カ月と5~6歳の2回接種を推奨しているが、接種率は約4割とみられている。

 感染研によると、現在のワクチンでは、副反応として無菌性髄膜炎を発症する割合が0・01~0・1%ほどあり、欧米などで使われるワクチンより高い。一方、おたふく風邪の合併症として無菌性髄膜炎が出る割合は1~10%。感染研の木所室長は「自然感染による発症の方がリスクが高く、ワクチンを打つことは十分メリットがある」と話す。

 予防接種に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「副反応が100%ないワクチンはないが、ワクチンを打たない場合のリスクの方が高い。難聴は治療法がなく、自己負担のない定期接種の導入を考えても良いのではないか」と話す。
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