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認知行動療法:在宅で 被験者を募集 千葉大医学部付属病院

【出典:2017年9月19日 毎日新聞(千葉)】

 千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)が、精神疾患の治療法の一つ「認知行動療法」をテレビ電話を通じて行う臨床実験を実施している。遠隔治療の効果が実証されて実際に導入されれば全国初という。現在、被験者を募集している。

 同病院によると、認知行動療法は、臨床心理士などが、物事の見方が偏っていることを患者に自覚させて生活改善を目指すセラピー。おおむね2人に1人が回復し、薬物療法と同程度以上の有効性があるとされている。

 募集対象は、人が怖くなる「社交不安症」▽強い不安発作を繰り返して電車やバスがつらくなる「パニック症」▽手洗いや確認がやめられなくなる「強迫症」――の18~65歳の患者。こうした疾患は通院のための外出も難しいケースもあり、在宅で治療を受けられるようになれば患者の負担軽減も期待できる。

 自宅にインターネット環境があることが条件。同大病院での適性審査後に、自宅で毎週1回50分間のセッションを計16回受け試験終了となる。無料だが、来院時の診察費用、交通費は自己負担。

 定員30人。募集期間は11月30日まで(定員に達し次第締め切り)。同大学被験者募集サイト(http://www.cocoro.chiba―u.jp/recruit)。問い合わせはメール(recruit5@chiba―u.jp)。
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再犯防止へ回復支援(4) 薬物脱却にヨガの助け 内面見つめ直す契機に

【出典:2017年9月14日 日本経済新聞】

 富山市内で7月末、男性のみが参加するヨガ体操教室が開かれた。「『アー』と言いながらおでこに手を当て、首と手のひらに力を入れます。目をつぶって内側に意識をとどめてください」「次はあおむけに寝て、呼吸の変化を意識しながら片足を上げて、『ウー』と声を出しましょう」

 指導者の指示を受けながら1時間、静かに体操に集中した参加者は、同市のNPO法人「富山ダルクリカバリークルーズ」に入所する30~60代の13人だ。

 薬物などの依存症からの回復支援施設「ダルク」は全国に約60団体ある。米国で普及した依存症回復プログラムを導入し、施設内や地域のミーティングに参加するグループワークで回復を目指している。

 そのダルクでヨガ療法を取り入れるところが増えている。インドで近年、健康法として改良されたヨガ療法に基づく指導を実施している一般社団法人「日本ヨーガ療法学会」によると、現在7つのダルクが採用する。

 2012年に始めた富山ダルクが最初とされ、指導に当たってきた金沢市の学会認定ヨーガ療法士、河崎幾恵さん(68)は「即効性があるわけではないので、こんなことをして意味あるのといった態度を見せたり、居眠りしてしまう人もいたりで軌道に乗るまで時間がかかった」と振り返る。

 しかし教室で毎回実施している血圧や呼吸数の測定で改善がみられるほか、心理テストでも不安感が低下する傾向が確認でき、参加者の態度も変わってきたという。

 入所して9年目、現在スタッフで寮長を務める男性(32)はシンナーの乱用で野宿生活に追い込まれ、富山ダルクに駆け込んだ。当初からヨガの指導を受ける。「最初は気恥ずかしかったが、呼吸だけに意識を集中していると余計な考えが消えていく。日々のミーティングも自身の内面を見つめることに狙いがあり、効果は同じと気付いた」と話す。

 また男性は「仲間との生活でイライラし、心を鎮めてみようと考えた時、ヨガで習ったことを思い出す」ともいい、ヨガの効果を認める。

 特有の姿勢の体操と呼吸法、瞑想(めいそう)法が特徴のヨガ療法は、日本でも医療現場で補助療法としての効果が注目されている。ストレス管理の側面からうつ病などの気分障害や統合失調症、さらに依存症に対する治療の一環として導入されつつある。各地のダルクが導入する背景だ。

 河崎さんは「薬物も使うかどうかは結果にすぎない。何かと人を気にしたり、比較したりする考え方や生き方自体に問題がある。自分を変えるのは自分しかない。そのためにヨガを日常のお薬として利用してほしい」と訴える。

 覚醒剤など違法薬物の依存症からの立ち直りは日本の再犯防止対策の最大の課題となってきた。昨年度に導入された刑の一部執行猶予制度の成否は、薬物受刑者の出所後の回復支援策の成果にかかっている。
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再犯防止へ回復支援(1) 窃盗症治療につなげる 司法も認識、処分で考慮

【出典:2017年9月11日 日本経済新聞】

 7月下旬の午後、JR東京駅そばの会議施設に女性を中心に10人近い人たちが集まり、日々の心配や不安にさいなまれている気持ちを吐露した。

 「電話が鳴ると『また捕まったのでは』と恐ろしい気持ちに襲われる」「帰宅した娘に『きょうは大丈夫だったの』と聞くわけにもいかない。顔色をうかがうが、声を掛けられない」

 生活に困っているわけでもないのに万引きを繰り返す「クレプトマニア」(病的窃盗あるいは窃盗症)。社会的な認識が広まりつつあるなか、そうした人たちを息子や娘、パートナーに持つ家族が支え合うための定例の当事者会だ。

 50代の女性の場合、息子が学生時代に万引きが発覚。以来、引きこもりの生活と万引きが何年も続いている。見つかるのが分かるはずなのに大きな米袋を店外に持ち出したことも。「立ち直ってほしいと、先回りするように手を貸してきたが、自分もまいってしまう」と女性は訴える。

 クレプトマニアは世界保健機関(WHO)や米国の診断基準で精神疾患の一つに定義される。違法性を認識しながらも物を盗もうという衝動に抗しきれず、やめることができない。女性に多く、摂食障害と併存するケースもしばしばある。

 クレプトマニアの裁判を手掛けてきた林大悟弁護士は「実刑にしてもまた繰り返す。治療につなげ、回復を支えることこそ必要」と指摘する。裁判所にも理解が広がりつつあり、不起訴や執行猶予を求めて医療機関につなげる一方、病気に振り回されない生活を実現できるように継続的な支援体制が必要として一般社団法人「アミティ」(東京・世田谷)を立ち上げた。

 家族会もその一環だ。7月の会合に参加した50代の女性は「同じ境遇の人から本人と少し距離を置く考え方も学んだ」と話す。

 専門治療の受け入れ機関も広がり始めた。

 様々な依存症治療で知られる大森榎本クリニック(東京・大田)でも、治療を受ける条件で裁判での情状を考慮された窃盗癖患者に対する治療プログラムを昨年12月から開始した。再犯防止に主眼を置いたプログラムに基づき、万引きの引き金になる要素を洗い出し、対処する方法を身につけることを狙う。

 担当する精神保健福祉部長の斉藤章佳部長は「最長3年ほどかかるが、治療開始にあたり本人から裁判終了後も通院継続する誓約書を提出してもらう」と話す。通院治療はとりわけ最初の3カ月間は、認知行動療法と呼ぶ心理教育プログラムやミーティングが午前から午後までびっしりだ。入院治療でなく、日常の環境の中で立ち直り、その後も継続的な支援ができる体制を目指している。

      ◇

 刑を科しても再び過ちを犯す人たちの再犯防止の対策が国の課題になっている。カギを握るのは、刑罰より医療や福祉の専門家による回復支援、治療的な対応とされる。最前線の現場を報告する。
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発達障害の相談急増、過去最多7万4000件…人員不足で「対応難しい」

【出典:2017年9月11日 読売新聞】

 発達障害を抱える人やその家族への支援を行う専門機関「発達障害者支援センター」に寄せられた相談件数が昨年度、7万4000件を超え、過去最多となったことが厚生労働省のまとめでわかった。障害への理解や支援の不足は、本人の不登校や仕事上のトラブル、親による虐待などにつながりかねないとされるが、相談件数の増加に伴って支援の担い手不足が目立ってきており、各自治体は対策を急いでいる。

疑いがある人も含めると全国に700万人か

 厚労省によると、発達障害の人は、その疑いがある人も含めると全国に約700万人いると推定される。小中学生の6・5%程度に発達障害の可能性があるとの調査結果もある。

 同省のまとめでは、昨年度に全国に91か所ある同センターに寄せられた相談は計7万4024件で、47か所でスタートした2005年度から4倍以上に増えた。多くは親から寄せられた子に関する相談で、発達障害への認知度の高まりが影響しているとみられる。

 各センターでは、障害の検査や生活に関する助言、就労支援、病院など関係機関の紹介、啓発活動などを行っているが、急増する相談に伴い、臨床心理士などの専門家を十分確保できない地域も出ている。

 関東地方のあるセンターでは、来所による相談が数か月待ちの状態が続いているほか、電話相談も多く、受話器を取れないことも珍しくないという。センター長は「病院などと連携して対応できれば効果的だが、連携先が少なく、センターで抱え込まざるを得ない。人員も不十分で、迅速で丁寧な対応が難しくなっている」と吐露する。

 四国のあるセンター幹部も、「相談件数は右肩上がりだが、職員の人数は増えず、負担が大きくなっている」といい、啓発活動や就労支援まで手が回らないのが実情だという。

褒めることで自信、前向きな生活促す

 センターを中心とする対応が「ニーズ」に十分応えられなくなっている中で、自治体が新たな支援策に乗り出すケースも増えている。

 その一つが「ペアレント・プログラム」と呼ばれる取り組みだ。専門知識がない市町村などの職員でも、専門家の研修を受けることで助言などを担当できるのが特徴。子どもの障害などに悩む親らに、自分や子どもの「できる」ことに着目し、これを褒めることで前向きに生活できるよう促す。

 同省も、都道府県や市区町村に補助金を出して後押ししており、毎年250~300の自治体が利用している。昨年度から導入した千葉県柏市では、研修を受けた児童センター職員が助言役となる会合が毎月数回のペースで開かれており、3歳と1歳の娘の育児に悩んで今年4~7月に参加した母親(36)は「褒めると子どもが自信を持って動いてくれることがわかり、心に余裕ができました」と語る。

 このほか、発達障害の子どもを育てた経験者が、同じ悩みを抱える子育て家庭に助言をする「ペアレントメンター」を育成する取り組みも広がっている。昨年度は全国で計41の都道府県や政令市が導入し、事業が始まった10年度と比べて約2倍になった。

 発達障害者の支援に詳しい杉山登志郎・福井大客員教授(児童青年精神医学)は、「発達障害への支援の必要性は年々高まっているが、拠点となるべき支援センターの態勢は 脆弱だ」と指摘。「国や自治体は、地域の実情に合わせてセンターの態勢強化を進めるとともに、支援の裾野を広げる取り組みにも力を入れる必要がある」と話している。

          ◇

【発達障害】

 対人関係を築くのが不得意な「自閉症スペクトラム障害」や、衝動的に行動しがちな「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、読み書きや計算が苦手な「学習障害(LD)」などがある。生まれつきの脳機能障害が原因とされ、低年齢から発症する。
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子の精神障害 専門医を養成

【出典:2017年9月7日 読売新聞】

◇福井大に部門 不足解消へ

 幼少期から青年期まで子どもの精神障害を専門的に診察、治療できる医師を養成する部門が福井大に設置され、9月から本格的に始動した。発達障害をはじめとする複雑な病状を見極めるため、実績のある医師と臨床心理士を招き、国内有数の訓練・指導体制を整えたという。設置期間は今年度から5年間で、専門医不足の解消を図り、診療と研究の成果を広めていく。

 日本をはじめとする先進国で発達や情緒に問題のある子どもは増えており、文部科学省が2012年に行った全国調査では、「学習面または行動面で著しい困難を示す」とされた小中学生の割合は6・5%いた。教育や医療の専門家の間では、この回答に含まれないが、発達に関わる様々な問題を抱える子どもが多いと指摘されており、30人学級に2、3人、全体の15~20%程度いるとの意見もある。

 一方で、日本児童青年精神医学会の認定医は全国でも325人にとどまるなど、医師が足りないのが現状だ。

 同大は09年、発達障害、精神病など様々な研究に当たる「子どものこころの発達研究センター」の前身となる機関を開設。今回の養成部門は、「児童青年期こころの専門医育成部門」として今年4月、センター内に設置された。費用は、医師確保を急ぐ県が、寄付研究部門として年約3600万円を支出する。

 客員教授には、長年、臨床の現場で活躍する児童精神科医で、発達障害への認知度を高めた杉山登志郎さんが就任。准教授には、トラウマ(心の傷)の対処が専門の医師森本武志さんと、拒食など摂食障害が専門の鈴木太さんが、特命助教には、面談などを通じた認知行動療法が専門の臨床心理士、牧野拓也さんが就いた。

 高度な知識を持った医師を養成するため、3年間の受講期間に可能な限りの課題を集約。福井大病院で週4日以上勤務▽1、2年目は指導医らの下で多くの患者や家族を担当▽診断や治療の基本となる面接の技量を高める▽2、3年目には症例の学会発表もこなす――としている。また、1年ごとの指導受け入れを数人程度に限り、密度の高い内容をマンツーマンで伝授する。

 杉山さんは、現在の精神医学について、いまだに表面的な兆候から症状を区別するのが主流で、「科学的な根拠のある診断ができていない」と指摘。一方で、数少ない専門家には「患者が押し寄せている」という。

 今回の養成部門には、専門的な知見のある指導者を配置したとしており、「日本に例のない、納得いくものができた」と話している。

 鈴木さんは「現在の国内の厳しい診療状況から脱するのが我々の仕事」と力を込め、上田孝典センター長は「質の高い研修ができると心強く思う」と話す。
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熱中症、知的障害者にどう配慮 危険察知が苦手な人も

【出典:2017年9月6日 朝日新聞】

 夏の部活動中に熱中症になる運動部員が相次ぐ中、今年8月、知的障害で特別支援学校に通う男子生徒が部活中に、熱中症で意識不明の重体になった。知的障害者は教員の指導に疑問を持ったり、自分の意見を言ったりするのが難しいこともある。どんな配慮が必要なのか。

 東京都教育委員会によると、8月23日午後4時ごろ、杉並区にある都立永福学園高等部1年で、バスケットボール部の男子生徒が校舎の外周(約450メートル)を約20周走った後、脱水症状で倒れた。同区の気温は32度だったという。

 男子生徒は21日の練習で外周を走った際、顧問の教員が指示した1分25秒以内を43秒超えた。罰として43周のランニングを科されたが、21周で体調が悪くなって練習を終えた。23日に「残りを走る」と申告し、顧問が承諾。別の教員が伴走したが、他の部活指導のため、残り数周で伴走から離れた後、倒れたという。

 永福学園高等部は軽い知的障害を持つ生徒らが通う。男子生徒が学ぶ就業技術科は卒業後の就労を目指し、実践的な学習をする。部活動も盛んで、朝日滋也校長は「バスケットボール部は特別支援学校の大会で優勝経験もある。一般の高校との練習試合もしてきた」と話す。特別支援学校の勤務経験のある教員は「いずれ仕事をすることを考えると、部活動は、すぐ諦めがちな子に忍耐力をつける良い機会であることは間違いない」とし、ある程度の厳しいトレーニングは有用だとみる。
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重い精神疾患で余命短く 多い心血管疾患 「医療新世紀」

【出典:2017年9月5日 共同通信社】

 重い精神疾患で長期に入院した経験がある人の平均余命は、一般人口に比べ22年短いとの研究を、東京大病院精神神経科の近藤伸介(こんどう・しんすけ)助教らがまとめた。寿命に与える影響を数字で示したのは国内初という。

 主な死亡原因には自殺のほか心血管疾患も含まれており、患者の心だけでなく、体へのケアの重要性が浮かんだ。

 近藤さんらは、東京都内で病院から地域生活への移行を支援する社会福祉法人「巣立ち会」を最近24年間に利用した人のうち、亡くなった45人について分析。死亡時の平均年齢は63歳、入院期間は平均16年、87%が統合失調症を抱えていた。

 45人は、同様の年齢構成の一般人口と比べ平均22・2年、早く死亡していた。欧州でも15~20年早く死亡する傾向があるとの報告がある。

 死因別に見ると、自殺が一般人口の7・4倍だったほか、心筋梗塞や心不全などの心血管疾患が5・1倍と高かった。60%の人は、精神科以外に、糖尿病や高血圧といった心血管疾患につながる不調で通院していた。

 体の不調の原因は不明だが、薬の影響や、体を動かす意欲の低下などが考えられるほか、経済的な事情もうかがえる。87%が生活保護や障害年金を受け、独居も多いため、健康面で支えてくれる人がおらず食生活が乱れ、不調を招いた可能性があるという。

 近藤さんは、精神科と他科の連携不足にも目を向ける。「精神疾患の重症患者は遠隔地の精神科病院に送る対応が常態化しており、適切な時期に内科など体の治療が受けにくい」と指摘。「患者と一般人口との健康格差は自己責任ではなく社会的な問題だ」と強調した。
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ダウン症マウス学習力向上 化合物発見、京大

【出典:2017年9月5日 共同通信社】

 ダウン症の子を妊娠したマウスに特定の化合物を投与すると、生まれた子の学習能力が向上したと、京都大の萩原正敏(はぎわら・まさとし)教授(分子生物学)のチームが発表した。

 5日以降の米科学アカデミー紀要電子版に掲載。将来は、出生前診断をした人の胎児を対象とした薬剤の開発につながる可能性があるという。脳神経が関係するアルツハイマー病やパーキンソン病の治療などにも役立てたいとしている。

 萩原教授は「すぐに臨床応用できるわけではない。慎重に研究を進めていきたい」としている。

 ダウン症は21番染色体が1本多い3本になることで起き、発達の遅れや、心臓疾患などの合併症を伴うこともある。チームは、マウスや人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った実験から、染色体上の遺伝子の影響で神経の元になる細胞が増えないことが一因と考えた。この遺伝子に働く化合物を発見し、働きを示す英語の頭文字からアルジャーノンと命名した。

 ダウン症の子を妊娠したマウス12匹に1日1回、経口投与した結果、子は神経の元になる細胞が増えていたほか、母マウスに薬を与えていないダウン症の子とは脳の構造が違うことが判明。迷路を使って学習能力を確かめるテストで比較すると、投与して生まれたマウスの方が好成績だった。
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ダウン症のマウス、生まれる前に症状改善する化合物発見

【出典:2017年9月5日 朝日新聞】

 妊娠中のマウスに与えることで、生まれてきたダウン症の子どもマウスの症状を改善する化合物を、京都大の萩原正敏教授(化学生物学)らのグループが見つけた。5日、米科学アカデミー紀要に発表する。

 ダウン症は人間だと23対ある染色体のうち21番目が1本多くあるために起こる。遺伝子が過剰に働く影響で知的障害や先天性の心臓病などを引き起こす。妊娠中、胎児がダウン症かどうかは調べられるが、根本的な治療法はない。

 研究グループは、ダウン症の人では神経細胞の増加を抑える遺伝子が過剰に働いていることに着目。この遺伝子の働きを妨げ、神経細胞の増殖を促す化合物を探し出した。

 妊娠中のマウスにこの化合物を口から与えると、生まれたダウン症のマウスで脳がきちんと成長したのを確認。ダウン症の子どもマウス12匹の学習能力を迷路を使ったテストで調べると、通常のマウスと同水準だった。別のマウスに与えると神経細胞が増えていた。

 ダウン症の人の細胞から作ったiPS細胞に化合物を加える実験でも、神経細胞が増えることを確認した。

 この化合物を投与しても染色体の異常自体は変化しないが、ダウン症の出生前治療につながる可能性がある。萩原教授はそれを期待しつつ、「臨床で妊婦に使うには安全性や、社会的な合意を得るうえでハードルが高い。まずは脳梗塞(こうそく)などの治療薬として開発を目指したい」と話す。

 妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体異常を調べる新型の出生前診断では、染色体異常が確定した人の9割以上が人工妊娠中絶している。一方、知的な発達の遅れが出る可能性があっても出産を望む人もいる。

 胎児治療が可能になれば、妊娠の継続、人工妊娠中絶のほかに選択肢が増えることになるが、国立成育医療研究センター遺伝診療科の小崎里華医長は「マウスや細胞での研究段階で、母体への影響や薬の投与の量、時期、長期的な効果など課題は多い」と話す。
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ダウン症:抑制する新化合物 出生前投与、マウスで効果 京大チーム

【出典:2017年9月5日 毎日新聞】

 京都大大学院医学研究科の萩原正敏教授(化学生物学)らの研究チームは4日、ダウン症で知的障害を引き起こす原因の一つとされる遺伝子の働きを抑制する新たな化合物を発見したと発表した。ダウン症の胎児を妊娠している母マウスに投与したところ、胎児の脳構造の異常や学習行動が改善したことを確認した。ダウン症などの染色体異常を調べる出生前診断を受ける妊婦が増えているが、今回の研究は胎児期に治療できる可能性につながる成果という。論文は近く米科学アカデミー紀要に掲載される。

 ダウン症は最も多い染色体異常とされ、約1000人に1人の確率で発生する。23対ある染色体のうち21番が1本多い3本のため遺伝子が過剰に働いて神経細胞が誕生しにくくなり、知的障害などにつながることが多い。

 研究チームは、神経細胞を作り出す神経幹細胞の増殖を促す化合物を717種類の候補から探し出し、「アルジャーノン」と命名。ダウン症の赤ちゃんを妊娠した母マウスに、妊娠中期(妊娠10~15日目)に1日1回経口投与した。この結果、胎児には大脳皮質が通常より薄くなるダウン症の特徴が出なかった。迷路の正しい道を覚える出生後の学習行動実験では、通常のマウスと同程度に正しい場所を覚えていた。

 チームによると、アルジャーノンが遺伝子の過剰な働きを抑制するため神経幹細胞が正常に増え、脳構造の異常や学習行動の低下を改善させたとみられる。ダウン症の人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った神経幹細胞も、正常に増えることを確認した。今後は神経細胞が関与している脳梗塞(こうそく)やアルツハイマー病、パーキンソン病も対象に研究を進める。萩原教授は「安全確認のハードルが高く、出生前治療に対する社会的な合意も必要だ」としている。

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 ■解説

 ◇治療活用、高いハードル

 京都大チームが発見した新しい化合物は、胎内にいるダウン症のマウスだけでなく、ヒトのiPS細胞を使った実験でも効果が見られた。もし出生前のダウン症の治療薬が実現すれば影響は大きい。国内では出生前診断を受けて染色体異常が確定した人のうち、90%以上が中絶に至っているとされる。治療の選択肢が示されれば、こうした状況に変化が起こる可能性がある。

 研究チームは新化合物を「アルジャーノン」と名付けた。米国の作家ダニエル・キイスの小説「アルジャーノンに花束を」も意識したという。この小説に登場するアルジャーノンは、脳手術を受け高い知能を得るネズミの名前。ところがこの手術には、やがて知能を失う欠点があるというあらすじだ。

 今回の新化合物にも課題はある。ダウン症は、複合的な疾患群だ。知的障害のほか、合併症として心臓病や聴力障害などを伴うこともある。アルジャーノンが神経幹細胞の増殖を促しても、先天性の心疾患が改善するわけではない。

 創薬に向けたハードルも高い。臨床研究にまで至った場合、健康な妊娠した女性に薬を飲んでもらう必要があるからだ。

 日本ダウン症協会は「障害は子どもの個性の一側面」として捉えている。ダウン症を「病気」として「治療」すべきなのか。新たな議論が必要となる局面も、いずれ来ることになるかもしれない。
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精神科医療での身体拘束を考える(3)【医療部発】

【出典:2017年9月5日 読売新聞】

 日本の精神科病院に入院中に拘束され、後に死亡した患者の遺族らが、長時間の身体拘束を減らすことを求める署名活動をしています。米国では公的保険の支払いを受ける約1600病院の身体拘束時間(率)の一覧が政府機関のホームページ上に公開されていますが、日本の実態は明らかではありません。

 一覧を公開しているのは、米政府で公的保険を扱う「メディケア&メディケイドサービスセンター」という部門です。ホームページをクリックすると、病院ごとに「身体拘束使用時間(Hour of physical-restraint use)」という欄があり、「1000時間当たりの身体拘束時間」のデータが出ています。

 同センターによると、公開は2014年から。メディケア(高齢者と障害年金の受給者向けの公的保険)から精神科入院料の支払いを受ける1688病院が対象で、全米の全ての精神科病院と、救急などの急性期を除いた精神科病床のある病院がこれにあたるそうです。1年間に入院した全ての入院患者の身体拘束時間を入院時間で割って、1000時間当たりに換算したもので、不正な報告をすると、病院への支払いが削減されてしまうという厳しい罰則もついています。

 ホームページには、1000時間当たりの隔離時間(外から鍵のかかる閉鎖室に入った時間)なども示されています。抗精神病薬の多剤投与が問題になっているため、複数の抗精神病薬を処方した場合に、正当な理由があるかどうかもチェックできるようになっています。

 これとは別に、米カリフォルニア州では、2010年から州立の精神科病院での身体拘束や隔離の件数や継続時間などを病院ごとに1か月単位のグラフで公開しています。身体拘束や隔離をする際には、患者だけでなく病院職員がけがをすることもあります。このため、身体拘束や隔離に関連した患者、病院職員の負傷数も公開されています。

 いずれも法律(カリフォルニアの場合は州法)に基づいたもので、どこの病院でどの程度身体拘束が行われているか一目瞭然です。メディケア&メディケイドサービスセンターの広報担当者は、「患者や家族が精神科病院を選ぶ時の判断材料になるだけでなく、公開することで精神科医療の質の向上にも良い効果をもたらす」といいます。同センターは、病院に対し、身体拘束の時間を「分単位」で記録することを求めています。こまめに記録をつけ、それが公開されることで、身体拘束が「やむを得ない場合のみ」に限って行われるようになっていくと考えられています。一方で、日本の精神科病院での身体拘束は「日単位」での記録だけで、内容も公開されていません。米国の仕組みとは大きな隔たりがあるのが現状です。

 ただ、米国の情報公開も一朝一夕に進んだものではないようです。精神科病院での身体拘束に関する論文を多数書いている米国の精神科医、キム・マスターズさんによると、ヨーロッパで19世紀以前から精神科病院での身体拘束を減らす運動が進んでいたのに対し、米国では長い間、「身体拘束は患者にとって有益」と考える精神科医が多かったとのことです。1960年代以降の消費者運動や裁判、90年代後半の拘束後の死亡事故の新聞報道などをきっかけに社会が注目するようになり、拘束の削減に向けた取り組みが進んだそうです。

 こころの病も、他の身体の病気と同様に、いつ、誰に起きるかわかりません。日本でも精神科病院における患者の扱いについて多くの人が関心を持つことで、より良い方向に向かうのではないでしょうか?

(館林牧子 読売新聞編集委員)

【略歴】

館林 牧子(たてばやし・まきこ)

2005年から医療部。高齢者の医療、小児科、産婦人科などを取材。趣味は育児。
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発達障害の支援 就学時健診で把握を的確に

【出典:2017年9月5日 読売新聞】

 発達障害を持つ子どもが、学校で適切な指導や配慮を受けられるようにする。そのためには、早い段階での把握に努めることが大切である。

 発達障害には、対人関係を築くのが不得意な「自閉症スペクトラム障害」、衝動的に行動しがちな「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、読み書き、計算といった特定分野が苦手な「学習障害(LD)」などがある。

 いずれも脳の機能障害が原因とされ、低年齢から発症する。通常学級に在籍しながら、障害に応じて別室で特別な指導を受ける子どもは急増している。昨年度は、全国の小中学生の約1%にあたる9万8000人余りに上った。

 文部科学省が2012年に行った教師対象の調査では、通常学級に通う児童生徒の6・5%に学習や行動で著しく困難な面があり、発達障害の疑いが指摘された。

 入学時に障害が見逃され、周囲の無理解から放置されるケースが多いのではないか。不登校やいじめ被害にもつながりかねない。

 発達障害の早期の発見に有効なのが、小学校入学前に教育委員会が実施する就学時健康診断だ。障害の有無について十分にチェックしていない教委もあるという。

 文科省は、今年度中に健診の手引書を改定し、19年度の新入生から実施方法を見直す。子どもの行動について、保護者が気になる点を問診票に書いてもらうなど、検査内容を充実させる方向だ。

 保護者には、1歳半と3歳での乳幼児健診の結果の提出も求める。教委は発達障害の疑いがあるかどうかを総合判断し、必要に応じて医療機関の受診を促す。

 乳幼児健診は区市町村の保健部門で実施されるため、情報は共有されていないのが実情だ。親の理解と協力が欠かせない。小学校が、幼稚園や保育所との連携を強化することも必要だろう。

 入学後は、対人関係や日常的な行動の改善を目指す別室での指導態勢を充実させるべきだ。通常学級の指導でも、障害を踏まえたきめ細かい配慮が求められる。

 個別の教育支援計画を作成することで、中学、高校進学時にも切れ目のない支援が期待できる。

 重要なのは、教師が発達障害について正しい知識を持つことだ。「落ち着きがない」といった一面的な情報が独り歩きして、教師の思いこみや決めつけにつながるような状況は避けねばならない。

 教員養成課程の授業や教委の研修などを通して、適切な指導方法を学校現場に浸透させたい。
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得意の絵で初就職 知的障害の54歳男性

【出典:2017年9月4日 中日新聞】

 知的障害がある青山典生さん(54)=名古屋市西区=はこの夏、得意の絵画が企業の目に留まり、生まれて初めて就職した。芸術のセンスを備えた障害者らを採用し、社会貢献をアピールする企業が県内で増えている。障害者にも企業にもメリットのある雇用形態として、厚生労働省は全国への広がりに期待する。

 多彩な幾何学模様を背景に、楽しげに泳ぐ魚たち。何色もの油性ペンから感性で色を選び、新聞広告やカレンダーの裏紙に描いた魚の下絵を緻密に塗りつぶしていく。

 青山さんは中学時代に縁日ですくった金魚の美しさに見とれて以来、ずっとこの画法でイラストを描きためている。

 平日の夜や週末に親しんできた趣味だったが、7月から「業務」に変わった。

 知的障害があり、定職に就けず、親族が近所で営む服飾工場の手伝いで20年以上、生活費を得てきた。

 今の肩書は、美容室チェーン、セリオ(名古屋市熱田区)の広報担当社員。といっても、本社や美容室には出勤せず、自宅で描いたイラストを展示会などに出品することが仕事だ。

 「業務量」は趣味だった当時よりも増えた。午前中に下絵を描き、午後に色を塗って1日数枚を完成させる。県の最低賃金と同じ時給845円で、週20時間ほど働く。

 「ずっと好きだった絵画で稼げるなんて、本当に良かったな」。幼少時から兄弟のように接してきたいとこの山田泰忠さん(57)が話しかけると、油性ペンを握った青山さんは笑顔で「うん、うん」と、うなずいた。

◆社会貢献、企業にも利点

 障害者雇用は、企業にも利点がある。

 障害者雇用促進法は従業員50人以上の民間企業に2・0%以上の障害者の雇用を義務づけている。2人の雇用が求められるセリオの広報担当者は「美容室の仕事は複雑なので任せる業務に悩んでいたが、この形態なら、本人に負担をかけず、企業イメージの向上にもつなげられる」と話す。

 全国のハローワークには「どのような雇用形態にすべきか」といった相談が企業から絶えない。就職を希望する障害者のうち、実際に就職できた人は50%未満にとどまる。

 障害者の雇用促進に力を入れるハローワーク名古屋中(名古屋市中村区)は、障害者アートの展示会「あいちアール・ブルュット」を開催する県と連携。昨年5月、初めて、絵を描くことが得意な2人の雇用につながった。

 報道などを通じ、関心を持つ企業が増え、青山さんで7人目の採用となった。

 厚労省自立支援振興室によると、同様の取り組みは他県では例がない。担当者は「2020年の東京パラリンピックを前に、障害者を取り巻く社会環境を変える好事例。全国に広まることを期待したい」と話す。

 青山さんの作品を含め、670点の展示や舞台発表がある「あいちアール・ブリュット」は9月13~18日、名古屋市東区の市民ギャラリー矢田で開かれる。
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福井大 児童精神医を育成 新部門 県寄付で設置 「国内初の研修 導入」

【出典:2017年9月1日 福井新聞】

 福井大子どものこころの発達研究センターに、県の寄付で新しく児童青年期を専門とする精神科医の育成部門が設置され、31日、活動を開始した。日本の児童青年精神医学の第一人者で、教員に就任した杉山登志郎客員教授が記者会見し「国際的な基準で診断する専門医育成研修プログラムを日本で初めて導入する。福井県の児童青年精神医学分野の発展に寄与したい」と抱負を述べた。

 背景には県内の精神科医不足がある。全国的に精神疾患がある人の増加が指摘される中、県内の精神科医は86人(2014年)で、人口10万人当たり10・9人。全国の11・9人を下回っており、特に日本児童青年精神医学会の認定医は昨年度末まで県内はゼロだった。

 精神疾患の発症の多くは、児童青年期とされており、県では、専門医による適切な診断、治療が不可欠と判断。さらに児童虐待対応件数も増加しており、虐待を受けた児童の専門的なケアも急務で「子どもの心の問題に対応できる人材育成が重要」とし、福井大のセンターに部門設置を依頼した。

 設置されたのは「児童青年期こころの専門医育成部門」。設置期間は5年間で、事業費として毎年約3500万円を寄付。5年後には6人程度の専門医を確保したい考え。

 会見には育成部門の教員4人のうち、杉山客員教授、鈴木太准教授、牧野拓也特命助教の3人が出席。杉山客員教授は、児童青年期精神科の現状について「これまでは子どもの約10%を想定して診察体制を整えてきたが、最近は15%が最低限だ」と述べ、専門医の体制構築が重要との認識を示した上で「科学的な診断が日本では十分に行われてこなかった。きちんと診断できる医師を育てたい」と話した。

 杉山客員教授らによるキックオフシンポジウムが同日、行われ、福井大医学部の医師や教育機関の関係者ら約80人が参加した。
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精神科病院での身体拘束を考える(2)【医療部発】

【出典:2017年8月31日 読売新聞】

10年前から倍増した拘束件数

 精神科での隔離や身体拘束について調査・研究を続ける杏林大学保健学部の長谷川利夫教授は、手首、胴、足の拘束具を2時間近く身に着け、患者の気持ちを体験したことがありました。「医療者側は患者が暴れるのを防ぐために拘束するかもしれない。が、拘束されれば暴れたくなるのは、当然の心理。縛られる立場になって考えてほしい」と言います。

 厚生労働省の調査によると、精神科のある病院に入院する患者数は減少傾向にあるものの、身体拘束を受けている患者数は2014年6月30日時点で1万682人に上り、10年前の5242人から約2倍に急増しています。簡単に着けられる拘束具の普及や、精神科病院に入院する認知症患者の増加が影響しているとも言われますが、はっきりした原因はわかりません。厚労省は「調査中」としています。

1人当たりの拘束時間が長い

 拘束される患者の数だけでなく、患者1人あたりの拘束時間も問題です。長谷川さんが2015年に国内の11病院に実施した調査では、調査日に身体拘束を受けていた記録のある患者数は245人。いつから拘束されているかを遡って調べたところ、平均の日数は96日。拘束の方法は不明ですが、最も長い人は1096日にも及んでいました。

 2009年に発表された日本の論文によると、海外の精神科病院で患者1人あたりの平均拘束時間は、スイス48.7時間、フィンランドとドイツが9.6時間、米カリフォルニア州4時間との報告がありました。調査方法が違うために一概に比べられないかもしれませんが、それにしても日本の身体拘束時間は異常に長いことがわかります。患者にとって長時間の拘束は苦痛なだけでなく、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を起こす命の危険もあります。

 長谷川さんがフィンランドの精神科病院に視察に行った際、午前中に身体拘束をされることになった患者さんがいたのですが、その日のうちに病院内で解除できるかどうかの検討が始まっていたそうです。日本とは格段に対応のスピードが違うことに驚いたといいます。

背景に、「暴れるかもしれない」という推測?

 日本で患者さんやご家族の話を伺うと、同じような状態で入院しても病院によって対応が違うようで、すべての病院が長時間の身体拘束をしているとは限りません。ただ、混乱した症状もないのに「暴れそうだから」「暴れるかもしれないから」拘束されたという話も聞きます。長谷川さんは、この「かもしれない」という理由での「予防的な拘束」が日本では多いのではないかとみています。「国際的にも身体拘束は行われていますが、どうしても他に安全が確保できない場合に限って行われる、最後の手段。できるだけ短時間にとどめ、速やかに解除しています。日本でも本当に拘束が必要なのかどうかを厳しく精査し、件数や継続時間を減らすための努力が必要です」と話しています。

(館林牧子 読売新聞編集委員)

【略歴】

館林 牧子(たてばやし・まきこ)

2005年から医療部。高齢者の医療、小児科、産婦人科などを取材。趣味は育児。
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