MVCメディカルベンチャー会議

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第119回MVC定例会in大阪 第一部

2016年03月12日 | MVC定例会
医療における産業開発について学ぶため、株式会社日本医療機器開発機構 代表取締役 内田 毅彦(うちだ たかひろ)氏をお招きし、「再生医療もいいけど、医療機器開発しませんか?」というタイトルで講演いただきました。

(1) 再生医療がもてはやされていますが、医療機器開発もいいのではないでしょうかというのが今日の話のテーマです。

(2)私は、福島医大を卒業後、群馬大学で内科初期研修を行い、東京女子医大で循環器内科医として働いていました。心カテでのオーバーワークが原因と思われますが腰椎ヘルニアになりました。

(3)当時、EBMの時代が始まっており、ハーバード公衆衛生大学院で1年間の修士課程に留学しました。そこの同級生の紹介で、Harvard Clinical Research Instituteという会社で、ステントの治験などに関わりました。

(4)ボスであるハーバード大学医学部教授が、その職を捨て、一般企業に入って医療機器開発をする姿を見て驚きました。頭のいい人は、他の人が見えない未来を見ており、意外性のあることをするものだな、と思いました。

(5)日本に帰国後は、医薬品医療機器審査センターにテンプスタッフの派遣事務員として勤務し、続いて厚生労働省科学研究費補助金事業として日本医師会に治験促進センターを立ち上げるという仕事の実務責任者を務めました。

(6)再び渡米し、米国FDAで日本人として初めて医療機器審査官を務めました。さらに、Boston Scientific Corporationで治験のプロトコール作成やデータ解析を担当しました。同社に勤務時代には、Harvard Business Schoolに留学しましたが、戦略「strategy」の定義というのは、独自性がありunique、長続きすることsustainabilityである、という学びは、その後に起業する際にもとても参考にしました。

(7)日本は医療機器に関しては、年間7000億円の貿易赤字を出しています。この状態から脱却するために、「日本初の医療機器を世界に!」という思いから、2013年に起業しました。

(8)大学、医療現場、中小企業のシーズを、投資家から資金を集めて、開発から治験を通して商品化まで支援するというインキュベーションを事業モデルとしています。

(9)現在は、自己心膜を用いた大動脈弁再建術の手術器具、非侵襲的線維筋痛症の治療器具、糖尿病の自己管理システム、リウマチ生物製剤の効果判定体外診断薬、スマホ撮影した皮膚疾患についての専門医助言サービスなどの支援を手掛けております。

(10)「どんどん失敗し、早く失敗し、安く失敗する。」「失敗は早くした方がいい。」「失敗から学べ!」というのがアメリカ人のベンチャー精神です。こういう文化的な視点も日本には大事ではないかと思います。

(11)当社では、この医療イノベーションのインキュベーション事業をしっかり根付かせられるように事業展開していきたいと思っており、新しい医療イノベーションの案件、人材、資金を広く募集しております。


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