強制わいせつ致傷罪などに問われ、裁判員裁判で保護観察付きの執行猶予判決を受けた男(28)が判決の約2週間後、自転車を盗んだとして窃盗容疑で現行犯逮捕されていたことが20日、分かった。自転車の所有者と示談が成立して不起訴処分となったため、執行猶予が取り消されることはないという。
男に対する裁判員裁判は今年1月に大阪地裁で行われた。知的障害があったが、検察側は「再犯防止のため、厳しい処罰が必要」として懲役4年を求刑。裁判員らは「支援者がおり、社会での更生の機会を与えるべきだ」として、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を出した。
弁護人を務めた弁護士によると、知的障害者の支援グループなどに支援の輪が広がり、男は今月1日に救護施設に入所。更生計画の準備中だった7日に現行犯逮捕された。弁護士は「犯罪という意識がなかったようだ。残念だが、改めて更生計画を立て、2度と犯罪を起こさないようにしたい」と話した。
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