ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

映画の出演者が「あの人だったら・・・」と想像するのは、最高の楽しみかも(5)(追記あり)

2015-05-25 00:00:00 | 映画

過日の記事の続きです。本日は、「卒業」の、ロビンソン夫人役とエレーン以外で、起用の可能性があった俳優を。

ベンジャミン役に、ロバート・レッドフォードにオファーがあったのは有名ですが、ほかにウォーレン・ビーティ(すみません、「ベイティ」はどうしても抵抗があるもので)も候補でした。するとですよ、「俺たちに明日はない 」がなければ、この映画でのビーティとフェイ・ダナウェイの共演の可能性もあったってこと? エレーン役には、ダナウェイもオファーされていましたから。これは、共演の可能性はなかったでしょうが、彼の姉であるシャーリー・マクレーンもエレーンの候補でした。

レッドフォードは、キャンディス・バーゲンのエレーンでオーディションを受けたそうです。ほかにチャールズ・グローディンブランドン・デゥイルドマイケル・パークスケア・デュリア(「2001年宇宙の旅」に出た人)、ロバート・デュヴァルハリソン・フォードジョージ・ハミルトンアルバート・フィニージーン・ワイルダー(この人も、「俺たちに明日はない」が映画デビューでした)、スティーヴ・マックイーンジャック・ナンスアンソニー・パーキンスロバート・ワグナージャック・ニコルソンバート・ウォードなどが候補でした。ウォードという人は、『バットマン』のロビン役をやっていた人です。

マックイーンなんか年齢的にどうよだし、ジョージ・ハミルトンじゃああまりにプレイボーイすぎる、ロバート・デュヴァルやジーン・ワイルダーはイメージが違いすぎるだろと思います。この中で私が面白そうだなと感じたのは、アルバート・フィニーですかね。ハリソン・フォードも、ダスティン・ホフマンにはかなわないでしょうが、しかし面白いかもです。

ロビンソン氏役としては、ジーン・ハックマン(うーん、「俺たちに明日はない」とキャスティングが重なっている)でほぼ決定していたのですが、作品が重複したのとやや若すぎる(1930年生まれ)という判断があって起用されるに至りませんでした。ほかにマーロン・ブランドハワード・ダフブライアン・キースジョージ・ペパードジャック・パランスフランク・シナトラウォルター・マッソーグレゴリー・ペックらが候補でした。実際に演じたマーレイ・ハミルトンよりだいぶ格が上の俳優が多いような気がしますが、アイディアの段階ですからね。余談ですが、ハワード・ダフという人は、ダスティン・ホフマンが主演した「クレイマー、クレイマー」で、裁判でのホフマンの代理人弁護士を演じた人です。またジョージ・ペパードは、前の記事でも紹介しましたように、エレーン役候補の1人であるエリザベス・アシュリーの当時夫でした。

 

ベンジャミンの父母に関しては、母役がスーザン・ヘイワードが想定されていました。彼女は、ロビンソン夫人役も候補でした。父役としては、ユル・ブリンナーカーク・ダグラスジャック・レモンロバート・ミッチャムカール・マルデンクリストファー・プラマー、あとロナルド・レーガンも候補だったとのこと。「卒業」が制作された1966年て、まだレーガンて俳優をやっていたんですね。しかしこれも、実際に演じたウィリアム・ダニエルズと比べると、みんなすごい大物ばかりじゃないですか(笑)。ユル・ブリンナーはいくらなんでも違うんじゃないのという気はします。

それにしても、前に記事にした「ワイルドバンチ」とオファーされた俳優がわりと共通していますね。同時代の作品だから当たり前かもしれません。こちらの記事で紹介したことを再掲しますと・・・。

>主人公のパイク・ビショップ(ウィリアム・ホールデン)は、ほかに候補となった俳優として、リー・マーヴィンバート・ランカスタージェームズ・ステュアートチャールトン・ヘストングレゴリー・ペックスターリング・ヘイドンリチャード・ブーンロバート・ミッチャムらがいました。ほとんどリー・マーヴィンに決定していたのですが、けっきょく彼は、違う作品に参加しています。

もとパイクの仲間で、パイクを追っかけるという因果な役柄のディーク・ソートン(ロバート・ライアン)は、リチャード・ハリスブライアン・キースグレン・フォードアーサー・ケネディヘンリー・フォンダベン・ジョンソンヴァン・へフリンが候補になりました。ベン・ジョンソンはパイクの仲間であるテクター・ゴーチをけっきょく演じています。ヘンリー・フォンダのソートンて面白そうだな。

パイクの片腕、絶対の信頼を得ている相棒ダッチ・エングストローム(アーネスト・ボーグナイン)は、ほかにスティーヴ・マックイーンジョージ・ペパードアレックス・コードロバート・カルプサミー・デイヴィスJr.、チャールズ・ブロンソンリチャード・ジャッケルが候補でした。

というわけです。ペック、ミッチャム、マックイーン、ペパードといった人たちが共通しています。

自分で書いていてこんなことを言うのも変ですが、この企画は面白いですね。またネタを仕入れて記事にします。今回は、「卒業」の英語版Wikipedia記事に全面的に依存していることをお断りします。また、ベンジャミンの母親を演じたエリザベス・ウィルソンは、つい先日、5月9日に94歳でお亡くなりになったとのことを、この記事を書いていて知りました。ご冥福をお祈りします。

同日の追記:当ブログが情報その他でいろいろお世話になっているbogus-simotukareさんのブログで、当記事をご紹介いただきました。

映画の出演者が「あの人だったら・・・」と想像するのは、最高の楽しみかも:関根勤『関根勤のサブミッション映画館』(1995年、社会思想社)

bogus-simotukareさんありがとうございます。

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6 コメント

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Unknown (bogus-simotukre)
2015-05-25 23:02:59
>bogus-simotukareさんありがとうございます。

いえいえこちらこそご紹介ありがとうございます。
返信する
Unknown (Rawan)
2015-05-25 23:13:35
人物背景としてはレッドフォードもアリなんでしょうが、彼だとカッコよすぎて、ちょっと作品のテイストが違う感じになるかもしれませんね(「華麗なるギャツビ―」のレッドフォードが想起されます)。

(「サイコ」じゃない)アンソニー・パーキンスやアルバート・フィニーはアリかも知れませんが、ジャック・ニコルソンではストーカーの雰囲気が出てしまいそうな(笑
マックィーンなんて63年に「大脱走」主演だし、今さら「卒業」もないでしょうとしか(笑

ロビンソン氏は、やはりあまり際立たない人がいいでしょうね。同情心が募るとミセス・ロビンソンの存在感、存在意義が薄れます。
ベンジャミンの両親についても同様です。脇は脇であるキャスティングもまた重要です。
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>bogus-simotukreさん (Bill McCreary)
2015-05-26 20:19:43
bogus-simotukareさんが紹介していただいた関根勤の本は、架空のものですが、こちらは一応構想にはなったものですから、それなりの現実味はありますね。しかしジャック・ニコルソンのベンジャミンは、いくらなんでも濃すぎますよね。Rawanさんのおっしゃる通りです。
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>Rawanさん (Bill McCreary)
2015-05-26 20:24:16
レッドフォードは、やはり雰囲気的にストーカー的な態度を取るのは無理だったかもですね。そう考えるとおっしゃる通り、テイストが変わっちゃうのでしょう。

>ジャック・ニコルソンではストーカーの雰囲気が出てしまいそうな(笑

モロですよね。この時代はストーカーなんて言葉はまだ一般的ではありませんが、でもベンジャミンのやっていることって丸っきりのストーカーですもんね。またマックイーンは、さすがに企画の話だけとしても、年齢的に無理がありますよねえ。1930年生まれですから。

>同情心が募るとミセス・ロビンソンの存在感、存在意義が薄れます。

おっしゃる通りですね。実現の可能性は低かったでしょうが、さすがにマーロン・ブランドやグレゴリー・ペックのような超大物が出演しては、他の俳優の影が薄くなってしまいます。しかし父親役をユル・ブリンナーってのも、なかなかすごいセンスだと思います。
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Unknown (Rawan)
2015-05-27 03:57:21
>でもベンジャミンのやっていることって丸っきりのストーカーですもんね。

客観的にはそうですよね。
近年だとさらに表現が難しくなるストーリーでしょうね。

それゆえダスティン・ホフマンの純朴な雰囲気や、シーンに沿ったS&Gの楽曲が救いになっている。
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>Rawanさん (Bill McCreary)
2015-05-27 06:24:22
おっしゃる通り今ならもうちょっとこのあたりの配慮はあるでしょうね。それでご指摘の通り、ホフマンがものすごいハンサムでないのもいいのでしょうね。レッドフォードですとやや生々しくなりすぎるかもです。ニコルソンや、候補ではなかったにしてもデニーロなんかではそっちのことが目立ち過ぎたでしょうね。
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